「こんばんはー!!ほら吹き狐です!今日は一週間前に告知してたようにホラーゲームやっていきます!なんでもいわくつきのゲームらしくて、プレイした人が発狂したり、失踪したりしてるらしいです。あの××さんもこのゲームをプレイした後から動画の更新が止まってるとか」
「極秘のルートで入手した物なんですけど、その時に説明書がついてきてて。なんでも実際に起こった事件を基に作ってるみたいです。プレイしたらマジものの怪奇現象が起こるから気を付けてくださいって書いてました!じゃあ、さっそくプレイしていきますね」
「法に触れるルートじゃないですよ!これがタイトル画面ですね。タイトルはシンプルに『禍』これはどこかの部屋の中かな?なんかところどころ赤いシミのある部屋ですね。私も一応塩準備してくるんでちょっと席外します」
「戻ってきました!…ん?顔ってどこです?」
「顔なんてどこにもないですけど…?まあいいです、さっそくプレイしていきましょう!」
(ゲームが始まるとともに暗い画面の奥からいきなり歪んだ顔がアップになる)
「ぎゃああああああああああああ!!!!!」
「いやそれは反則ですって!急に出てこないでくださいよ!」
(探索を進めると儀式のために村人が赤ん坊から大人まで年齢問わずに殺害する場面に移る。内臓がこぼれ出る様子や血管から血が噴き出す様子が、まるで実際に撮影した映像のように鮮明に描写される。)
「うわ……儀式のためとはいえこんなにいっぱい人を殺すなんて……」
「なんか気分悪くなってきました。けど、まだ続けますよ!」
(ゲームが進み、主人公が死体が組み合わさったような姿をした異形の化け物に壁際まで追いつめられる。主人公は必死で手を振るが、化け物はゆっくりと近づき、ゲーム開始後の歪な顔が画面いっぱいに映る)
「これ、今まで殺してきた人に逆に殺されたってことですよね…?」
(ゲームは終わらず、とある部屋の中に紙が落ちている場面に切り替わる)
「あれ?主人公死んだはずじゃ?まあいいです。とりあえずあの紙拾ってみましょう」
『る祟をらぢんなくなはとこるゆ消にへしことみ恨のこきし惜口
る破ひ食りよ側内を神のら汝もとく弱は魂のもど者しれさ殺ぬれ忘をとこのら汝は々我
くりか掛ひ襲ゑ飢。やばは食が肉は今だた、なあ
ふ合りざ混がとみ恨とゑ飢』
「…なんですかねこの文章」
「あれ?なんかコメント欄変ですけど大丈夫ですか?」
「おーい、誰か返事してくださいよ」
「…なんか怖いんで配信終了しますね」
▼概要
『禍』という名のゲームとそれの引き起こす怪奇現象でございます。どうにも××村というところでは村の神に生贄を捧げていたようでございまして、赤子から老人まで近くの村や旅人をさらっていたようでございます。犠牲者は数百人程とか。その恨みが集まったものがなぜかこのゲームに宿ってしまったようです。
▼発生経緯
××村の犠牲者たちの恨みは集まって形を成した後、村の神を内側から食い殺し、村人たちに呪いをかけたようです。その後、19××年に村は滅びているようですが、何があったか犠牲者の恨みは消滅しなかったようでございます。
▼発見経緯
「ほら吹き狐」という配信者がこのゲームをどこかから手に入れたようでして、遊戯を動画で配信しておりました。その配信を私の信者が見ていたのですが、画面から突然現れた様々な人が組み合わさったような怪異に食われてしまいまして発見に至ったわけでございます。
▼回収記録
正常維持怪異収集機関に先に回収されてはならないというご命令を受けましたので、信者を一名生贄に捧げて「ほら吹き狐」の居場所を突き止めました。すぐに影を向かわせ、配信終了から二時間で回収に成功いたしました。
「おや、梵蓮何をしているんだい?」
「これは白陽様。我らの敵の報告書というものの真似をしているところでございます。何かあった時に役に立つかと考えまして」
「うん、それは良いね。私も後で真似をしてみよう」
「白陽さま、禍の味はいかがでしたでしょうか?」
「恨みがたっぷりの魂が数百に、怪異に食われた人間の苦しんでいる魂も混ざっている。恨みだけでは単調な味だけど、苦しみが良いスパイスになっている。最高の味と言っていい。寿命がずいぶんと延びたようだよ」
「それは良いことでございます。奴らよりも早く回収した甲斐があったというもの」
「うん、本当にありがとうね。さてと、そろそろ入れ替わる時間だ。後のことは頼んだよ、梵蓮。ああ、ほら吹き狐とかいう配信者には目をつけておいてね。彼女はこれからも良い餌を用意してくれそうだから。あと、このゲームの製作者はこういうことに詳しいみたいだから探しておいて」
「お任せください、白陽さま」