名称:
発生地:K県E町
危険度:弐番
▼概要
K県E町に発生した怪異です。婚礼衣装の最高位にあたる白無垢を着た骸骨の姿をしています。
この怪異はE町に伝わるある物語から誕生したと考えられます。
▼E町に伝わる物語について
E町にはこんな物語があります。
「むかしむかし、E町がE村と呼ばれていた頃。この村の村長に小雪という娘がいた。小雪はたいそう可愛らしく、求婚を申込む村人も多かったが、彼女はそれを受けなかった。ある日、この村にとある若い武士がやって来た。小雪はこの武士に恋をし、武士の方も小雪に恋をしたが、武士と村長とはいっても農民の娘の小雪。その恋は許されることなく、武士は村を去るしかなく、小雪の恋は実らなかった。しかし、親により決まった別の男との結婚の日の前日、小雪は花嫁衣装をまとって姿を消した。恋をした武士の下へたどり着けたのか、どこかで死んだのか、その行方は誰も知らない。」
▼発見経緯
E町にて、森の中が明るかったから行ってみると、骸骨が結婚式を行なっていて、それを見ていると襲われたという噂が発生しました。
けが人も出ていたため、調査をしたところ、噂通りであり、近くで行方不明者も出ていることがわかりました。
▼交戦記録
怪異との実戦は初めてでした。
22時に森の中に入ると、噂通りに骸骨が披露宴をしていました。奥には白無垢を着た骸骨と紋付袴を着た骸骨が、手前にはそれを祝う骸骨たちがいました。
披露宴を行っている場に僕が入ると、骸骨たちが襲いかかってきました。一人一人は弱いのですが、数がいたため、時間がかかりました。
22時10分に骸骨を全て倒し、奥に向かおうとしたところ、体が少し麻痺していました。
気がつくと、足元一面に真っ赤な彼岸花が咲いていました。多分、白無垢を着た骸骨の能力だと思います。彼岸花の毒を領域の内に入った者に与えるという能力です。
対抗するために僕も能力を使いました。その人物にとって最も親しい、望んでいる人物の幻覚を見せる能力を。この町に伝わる物語通りなら、怪異は武士の幻影を見ていたはずです。
あとは楽でした。近づいて槌を側頭部に叩き込むと、怪異は崩れ落ちて、根源札が残りました。
▼事後処理
行方不明者は殺害された後に、この披露宴の客にされていたようです。また、一番若い人は新郎役にされていました。
根源札は烏部隊の方に渡して弐番倉庫に送られると思います。
この町に伝わる物語では小雪の行方はわかっていません。ですが、実際には途中で死んでしまったのでしょう。
死んだあとも彼女は相手の武士を想い続けて怪異になったと僕は考えています。
人を殺している以上、彼女はれっきとした悪ですが、最後に幻影とは言え想い人の姿を見て、少しでも救われていれば良いなと僕は思います。
・望月望の能力について
彼の能力はその人物が会いたいと望む相手の姿を見せるものです。ただし、現れる人物は遠くにいて近づいてくることはなく、ただ微笑んでいるだけというものです。
彼の能力は派手ではないですが、相手によっては格上にも通用するものです。
私はこの能力を最も優しく、最も残酷なものと考えています