この小説を読んでくださる方のおかげで、やる気が維持できています
本当にありがとうございます
名称:
発見地:G県Z町
危険度:弐番 ただし、その力は参番に匹敵する物でしたわ
▼概要
この怪異はどこで発生したのか不明の怪異ですわ。どうにも、この怪異の能力で情報が消えてしまっているようですの。
見た目は▽▽▽▽や犬のようでしたわ。
その牙で△△△△考を食べてしまうというのがこの怪異の能力ですわ。特に自分についての情報や自分への意識を食べるようでしたわ。
▼発見経緯
▽▽▽▽での任務をしていたところで遭遇しましたの。
△△△△鳴を上げながら山に引きずり込まれるところを楓乃宮と目撃しましたの。
獣も人を襲うことはあると聞いたことがありますが、ちらりと見えた姿は獣としてはありえない大きさでしたの。すぐに怪異だと気づきましたわ。
楓乃宮も▽▽▽▽怪異と気づいたようでしたわね。
普段は私△△△△の意見は合わないことが多いのですけれど、今回はあの怪異を追うことで一致しましたわ。
▼交戦記録
すぐに▽▽▽▽追いかけましたわ。
山とい△△△△や木が生い茂っていて何とも動きにくいところですのね。少し手間取りましたわ。
山を進んでいくと、開けた場所に出ました。その奥の血で汚れた地面で思喰は待ち構えていましたわ。大きさはかなり大きく、体調は3メートルほどはありましたでしょうか。
思喰はその巨体に似合わぬ速さで私たちに襲い掛かってきましたの。ですが、所詮は獣の怪異。私のように道具を使う怪異や怪異退治に慣れている楓乃宮の敵ではありませんわ。
そう思っていましたの。実際、私の紅糸と楓乃宮の弓矢でかなり傷を負わせることはできました。
でしたのに、楓乃宮が戦闘中にも関わらず、ぼうっとし始めましたわ。呼びかければはっとしていましたが、時間が経てばまたぼうっとし始めますの。私は楓乃宮を守りながら戦うことを強いられましたわ。
私は楓乃宮を守り、思喰は楓乃宮を狙う。その膠着状態がいくらか続いた後、思喰は逃げ出しましたわ。
私としたことが、▽▽▽▽いかけるよりも楓乃宮の介抱を優先しましたの。
そのせいで思喰が△△△△げたのかは不明ですわ。私としたことが、楓乃宮を優先するとは…。
ですが、楓乃宮が死んでしまえば永嗣さまが悲しまれますわ。ですので、今回のことは黒瀬さまのためと思うことにいたしますわ。
▼事後処理
鼠部隊が行方を追っていると永嗣さまは仰っていましたわ。ですが、思喰は見つからないと思いますわ。
これまで▽▽▽▽いての情報がないのは情報を思喰が全て食べてしまったためだと考えますの。
あの撤退△△△△らして獣でありながら頭は良いようでしたわ。きっと時間をかけてでも自分の存在についての情報を喰らうはずですもの。
おそらく、被害者の情報についても喰うことで消しているのでしょう。人が行方不明になっているのに噂にならないなんておかしいですもの。
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽
思喰についての報告書
△△△△△△△△△△
「私の予想通り、自分の情報を消しましたわね」
暗い森の中、思喰は突然聞こえてきた声に驚き、振り向いた。
「私、執念深い女ですの。決して獲物は逃がしませんわ」
自分の情報は喰うことで消し去っていて、決して誰にも分からないはず。それなのになぜ先日自分が戦った女が目の前にいるのか、思喰は困惑する。
「なんで自分の居場所が分かったのかとでも言いたげな顔をしてますわね。簡単なことですわ。あなたの能力は自分についての情報や思考を喰らうこと。それも、人間相手だけではなく、書類などにまで影響が及ぶようですわね。ですので、わざと報告書を書きましたの。あなたが情報を喰らった瞬間、あなたの場所が分かるようにして。後は簡単でしたわ」
自分の能力を利用された。思喰はすぐに自分の報告書の情報を喰ったことを後悔する。
「あなたを退治すれば黒瀬さまにほめていただくことが出来ますの。それに、楓乃宮に貸しを一つ作ることが出来ますわ。ですので、死んでください」
だが、後悔をほとんどする暇もなく紅染は思喰に攻撃を始める。紅糸を自在に操り、思喰の逃げ場を無くしたうえで、一方的に切り刻んでいくのだ。
もちろん、思喰もただでやられているわけではない。楓乃宮にしたように、自分と戦わなければならないという意志を喰うことで紅染を棒立ちにさせようとしているのだ。
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽
「こんなもので私を抑えられるとでも?」
△△△△△△△△△△△△△△△△△△
だが、能力は紅染には全く効かない。思喰が何度試しても無駄なのだ。
「あなたの能力は人間相手に特化したもの。あなた、今まで他の怪異と戦ったことがないのでしょう?怪異には能力の効きが悪いですもの」
紅糸により全身を締め上げられて、思喰はやっと目の前の女が自分と同じ怪異であることに気が付いた。
人間から自分の痕跡を隠すために能力を使ってきた思喰の能力は、人間には特効でも、怪異には意味をなさないものとなっていた。
「では、さようなら」
思喰の体を締め上げていた紅糸に力がこもっていき、ぎちぎちと思喰の肉に食い込んでいく。思喰は悲鳴のような鳴き声を上げるが意味はなく、そのままバラバラになった。
その後には何も残らない。
「あら、自分の情報を食うことで存在を消していたせいで根源札も残らないんですのね。なんと皮肉なことですの」
紅染は口元に手を当て笑う。それは自分の能力により二度と蘇ることが出来ない思喰への嘲笑だった。
「さて、後は帰って永嗣さまにほめていただくだけですわ~!」
思喰への嘲笑が終わると、今度はかすかな笑いを紅染は浮かべた。この笑顔は永嗣にほめてもらえることへの期待感から浮かんだものだった。