名称:K病院の怪
発生地:A県K町
危険度:壱番
▼概要
A県K町のはずれにあるK病院って名前の廃病院に出てくる怪異を全部合わせた名前だな。
K病院に入ってきた人間を驚かしてその様子を楽しむやつらだ。
驚かせることを目的にしてるだけで、危害を加えるつもりはないみたいだぜ。
▼発生経緯
この病院は二十年くらい前に儲からなくなってやめたみたいなんだが、建物は取り壊されないまま残ってる。権利関係でいろいろもめているとかなんとか。
二十年間も放置されてるせいで窓ガラスは割れ放題だし、雑草も伸び放題の立派な廃病院になってしまってるぜ。
その見た目と何年も取り壊されないせいで「あそこには幽霊が出る」って噂になって、それを基にしてこの怪異は誕生したみたいだな。
▼発見経緯
K病院についての噂は十年くらい前から機関も知っていたみたいなんだが、特に人的被害がなかったから調査はしていなかった。
つい最近、一応の捜査はしておけって上から命令されて、俺が調査をした。
中に入ってみたら怪異が出てきたってわけだ。
▼事後処理
この怪異と話をしてみたんだが、こいつらは人を驚かせることに楽しみを感じているみたいで、人を襲うつもりはないらしい。
人を怖がらせるのも十分悪いことなんだが、人に危害を加えるやつらに比べれば可愛いもんだ。
こいつら自体は放っておいても問題なさそうだと俺は考えたんで、こいつらをどうするかについてを上に聞いてみた。
「この怪異を討伐するより、放っておくことで得られるものに重きを置く」だそうだ。
こいつがいればこの病院に新しく怪異が発生することはない。
それに、肝試しや心霊スポット巡りをしているやつらが被害にあう可能性を減らせるだとか。
話してみたら意外と面白い奴だったし、討伐するとなると心が痛むから、こうなってくれてよかったよ。
「こんばんはー!!ほら吹き狐です!今日は心霊スポットの探索をしていこうと思います!」
「そうなんです!今日は心霊スポットのK病院に来ています。この病院、けっこう昔に辞めちゃったみたいなんですけど、誰もいないはずの部屋に明かりがついてたり、誰かが歩く足音が聞こえたりするとか!」
「早速入ってみますね!」
「ガラスが散らばってて結構危ないですね。それに、真っ暗だからこけて怪我しないようにしないと……」
「ここは病室だったんですかね?ベッドもそのままになってますね」
「ベッドの下ですか…? うわあああああああああ!!!!!」
(ベッドの下の頭がカメラに映る)
(病室から逃げ出して走っているのか、カメラが足元だけを映す)
「ぎゃああああああああああああ!!!!!」
「も、もう大丈夫そうですね。は、ははは」
「必死に逃げてたんで今気づいたんですけど、ここは階段ですね。すごく怖くて足が震えてるんですけど、上に行ってみようと思います…!」
(ほら吹き狐が階段を上り始めると同時に病院内に笑い声が響く)
「だ、大丈夫ですこれくらいっ…!」
「ちょっとあ、足ががくがくしてうまく動けませんでしたけど、二階につきました」
(二階の奥、手術室のランプが赤く灯る)
「なんだかものすごく嫌な予感がしてきました」
(手術室の扉が開き、中から刃物を持った医者のような恰好をした何かが飛び出してくる)
「ご、ごめんなさいーーー!!!!!」
(階段を三段飛ばしで駆け下り、前から走ってきた車いすを飛び越え、足にまとわりついてきた骸骨を蹴散らし、扉を開ける直前に追いついてきた医者の格好をした何かに右ストレートを叩き込んで病院の外に出た後)
「きょ、今日の配信はここで終わります」
▼追記
こいつらともう一度会う機会があったんだが、俺が調査をした後、配信者が来たから驚かしてやろうとしたら返り討ちにあったらしい。
怪異を殴り飛ばす配信者ってなんだよ……