名前:鏡の世界のウワサ
生まれた場所:N県C町
あぶなさ:弐番
▼この怪異について
N県C町。この町の鏡を見たら自分の見たいものが見えるってうわさ。
鏡には家族だったり、自分のゆめがかなったすがたがうつるってうわさだったよ。
そうやって人を鏡の中にさらうのがこの怪異だよ。
▼どうして生まれたのか
この町にこの怪異が出てきた理由はわからない。
だけど、この怪異が生まれた理由はわかるよ。
私もだけど、何かが手にはいったり、今の自分のゆめがかなったらどうなるんだろうって考える。
だけど、それはその時にならないとわからない。
そのすがたを早く見たいって気持ちからこの怪異が生まれたんだと思うよ。
▼何で見つかったか
N県C町でなんかいもきゅうに人がきえちゃったみたい。
それに人がきえたのは鏡のまえだった。
だから鏡の怪異のせいだってわかった。
▼ちょうさ記録
隊長からながつぐと一緒に調査をしてこいって言われた。
ながつぐとは何回も話をしたけど、一緒に調査をするのははじめて。
3月20日にN県C町でながつぐと調査をはじめた。
人がきえた鏡がある場所はばらばらだった。だから怪異はこの町の鏡をいどうしつづけているんじゃないかって考えた。
いどうしてるから見つけるのはたいへんだった。だけど、いどうするときにけがれを残していた。
だからけがれを追いかけて怪異を見つけた。
怪異は町の空き家のなかの鏡にいたよ。
近づいたら私と家族が一緒にいるようすがうつってた。ながつぐは後から聞いたけど、怪異と関わらなかった人生がうつってたらしい。
このまま鏡を壊せば怪異はたおせる。だけど、さらわれた人が帰ってこれるかはわからない。
だから鏡の中にたすけにいくことにした。
鏡に手をのばすと鏡から手がいっぱい出てきた。その手に引っ張られて私も永嗣も鏡の中に入ったよ。
気がついたら夕方の町にいた。
ながつぐをさがさないといけないと思ってさがしたけど見つからなかった。
だから町を歩いてさがしてみた。
一時間さがしてもながつぐはどこにもいなかった。
ながつぐだけじゃない。この町には人がだれもいなかった。
このとき私は怪異のわなにはまってたんだと思う。
思い出したらこのときの私はながつぐをさがしているけど、なんでさがしているかはおぼえていなかった。
そうやってながつぐをさがしていたらお母さんが私をむかえにきた。
よくよく考えたらおかしいのに、私はお母さんと一緒に家に帰った。
家にはお父さんとお母さん、それに弟がいた。
怪異に殺される前の私の家族、怪異が私のほしいものを用意したんだと思う。
最初は私はわなにはまっているからおかしいと思わなかった。だけど、少しして私の前にいるのは家族じゃないってわかった。
私のおぼえている家族の音とお母さんたちの出している音がちがったから。
ねずみのすすむと同じ、姿は同じだけど音がちがう。
それでなんで私がここにいるか思い出した。
そうしたらお母さんたちのすがたをしたものくずれていった。
お母さんたちも家もどろみたいにくずれていって、私は空き地に立ってた。
私が全部思い出したからだと思う。
それからながつぐの気配をおいかけた。ながつぐは他の人とちがう気配をしてるからどこにいるかわかりやすかった。
ながつぐは学校で一人でしゃべってた。私と同じ、怪異のわなにはまっていた。
多分、ながつぐには友だちが見えていて、友だちとしゃべってたんだと思う。
だから、思い出させるために音をきかせた。隊長の声、ながつぐの怖いものを。
そうしたらながつぐも全部思い出して、学校がくずれた。私の時と同じ。
それからながつぐになにがあったかせつめいした。
ながつぐはさいしょこんらんしてたけど、すぐに自分が何しに来たか思い出した。
そのあとはながつぐと一緒に鏡にさらわれた人をたすけた。
町の大きさが小さいのと人がいる場所はけがれがこいいからそんなに大変じゃなかった。
さらわれた人に私がふだん聞かない音を聞かせておどろかせる。
そうしたらその人の望んでるものがくずれていく。
そうやって全員たすけたら町が全部どろみたいにくずれた。
気がついたら私とながつぐはまっくらな場所にいた。
その場所に鏡が落ちてた。
近づくと手がのびてきたけど、ながつぐが全部切った。
その後、私が鏡を壊したらさいしょの空き家にもどってた。
▼その後の話
鏡の前におふだが落ちてたから倉庫に持って行ったよ。
鏡の中にさらわれた人たちは全員ぶじに家に帰れたってたぬきさんとからすさんたちが言ってた。
この怪異はまだ弱かったからよかったけど、もっと強くなってたら大変だったと思う。
あと、私はにせものでも家族にまた会えてうれしかった。