作品名:弐ノ壱参番 女王蜂
私が完成させたいくつもの作品の中でも素晴らしい出来のものです。
人に女王蜂を埋め込んで身体を変貌させており、身体には蜂の巣がいくつもついていて、背中からは透明な羽が生えています。
この作品は餌を与えてやれば何匹でも働き蜂を産むことが出来ます。
この作品の優れている部分は人間を使用することで生産性が高まったことです。
怪異の状態では一月に数匹が限界だったものを一月に数十匹まで増やすことが出来ました。
働き蜂を産むことが出来なくなったとしても、身体を変えてやれば良いというのが出来の良い作品である理由の一つです。
作品名:弐ノ壱参ノ壱番 働き蜂
本来であれば私の手で作り出したもの以外を作品とは呼びたくないのですが、これはなかなかの出来だったため作品と呼びましょう。
女王蜂から産み出されたこの作品は人に似た姿をしていながら右手は鋭い針となっています。
個体としては針で刺すことしかできない失敗作ともいえるものですが、これが真価を発揮するのは集団で用いる時です。
この作品は死ぬときに周囲に毒を放出します。
毒はそれほど強いものではありませんが、吸い込み続ければ身体が麻痺するでしょう。
屋外では十匹ほど、屋内であれば五匹ほどの毒でほとんどの人間は動けなくなります。
そうなれば蜂に囲まれて身体をめった刺しにされるしかありません。
穴だらけとなった人間のなんと美しいことか…
身体に空く穴は一つとして同じものはなく、何度刺されて死んだかによって作品の表情も変わってくる。
この蜂は芸術を作り出す道具として利用できるでしょう
作品名:壱ノ伍番 投影機
これもまた傑作だったものです。
過去に滅んだものを不完全ではありますが再現できます。
これを使えば既に存在しない怪異をこの世に生み出すこともできるでしょう。
欠点は再現しようとしているものの情報、その一部、再現するものに応じた量の人間の命が必要であるうえに、他にも細かい条件がいくつもあることですね。
ですが、再現したものはこちらが再現を終えるか外部からの強い衝撃によって再現が不可能になるまで活動をし続けることが出来ます。
この作品はとあるものを再現しようとした際に壊れてしまったため、現在は使用できません。
壊れた際に作品自体がこの世から消滅したため修理は不可能であり、作品自体も偶然できたもののため再現も不可能です。
せっかくの傑作を駄目にしてしまうとは実に残念なことをしてしまいました。
作品名:捌ノ壱壱番 ×××
やっと完成した私の最高傑作です。
人間の××の××にあるものを組み合わせることで誕生しました。
この作品は×××と×××を繋ぐ×であり、完全に覚醒すれば××××の望むものも呼び出せるでしょう。
ただし、この作品は成長していく作品です。
根気良く育てていく必要があります。
無理やり×××と×××を繋ぐこともできますが、望む結果は得られないでしょう。
この作品は成長するさまを楽しむものなのです。
作品名:肆ノ捌 偽阿修羅
人間を三人組み合わせたものをいくつも作り、殺し合わせることで完成に至った作品です。
それぞれが殺意を持って憎み合い殺し合い食らい合い、暗い感情を貯め続けさせ、人間でありながら怪異と同じだけの力を持たせることに成功しました。
ベースとなった人間の意志はほとんど残っておらず、うわごとを呟くのみとなっています。
この作品の素晴らしい部分は人間をベースにしているため、怪異と違って感知されにくい点でしょう。
さすがに姿を見られると駄目ですが、穢れによって怪異と人間を区別する方法をとっている場所では潜入と破壊に十分使える出来となっています。
作品名:陸ノ壱番 禍福糾縄
この作品は様々なものを組み合わせるとどうなるのかを観察するために作成しました。
人だけでなく犬や烏、猿に狸、様々な生き物を組み合わせた作品です。
この作品は二つの面を持ちます。
幸せの面では周りの生物に福を与えることができ、この作品自体も幸福な気分なのか、すべての顔がにこにこと微笑んでいます。
しかし、不幸せの面では周辺の空気をどんよりとさせ、生物に災いを与えたうえで生きる意志を奪います。
また、作品も苦痛を感じるのか、苦しそうな顔をしながら自身の周囲にいる生物を殺害します。
この特性を活かせないかといろいろと考えてみましたが、あまりにも使い悪すぎるため、この作品は廃棄することとしました。