怪異調査報告書   作:狐憑

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5 愛しいあの方とのデート♡ 危険度参番 「N遊園地の怪もしくは観覧車の亡霊」

デート報告 調査報告:N遊園地の怪

正常維持怪異収集機関

黒瀬永嗣の恋人 紅染(べにぞめ) 烏部隊特別隊員 紅染

 

名称:名前なんて覚えてないですわ N遊園地の怪、もしくは観覧車の亡霊です

発見地:E県K市

危険度:遊園地全体では肆番、内部の怪異は壱番から参番まで様々でしたわ

 

▼概要

 永嗣さまとの初めての共同作戦です♡

 廃墟になった遊園地と聞いていましたが、(わたくし)たちが入った時には営業中でしたわ。たくさんの方が園内に居て、とてもにぎやかでしたわ。

 メリーゴーランドにジェットコースター、ミラーハウスにお化け屋敷!私、遊園地という場所は初めてでしたけど、永嗣さまがエスコートしてくださって楽しめましたわ!

 途中でデートの妨害をしてくる邪魔者がいなければ完璧でしたのに。

 

 ちゃんとした概要を書きますね。N遊園地という遊園地の跡地に発生した怪異です。この遊園地の全盛期の姿を再現しているみたいでした。

 中には大量の人影がありましたけど、危険度壱番程度の怪異でした。ですが、危険度弐番以上の個体が何体か混ざっていることもありました。

 

▼発生経緯

 ええと、二十年ほど前に開園したN遊園地という場所があって、数年前に経営不振で閉園したんですの?それにもともと、N遊園地には幽霊が出ると噂があったそうですの。

 その遊園地が廃墟になって、人間たちが廃墟の遊園地と噂したことでもともとN遊園地にいた怪異が成長し、この怪異が誕生したと考えていると永嗣さまがおっしゃってますわ。

 

▼発見経緯

 ここは俺が書きますね。

 一年ほど前から閉園したはずのN遊園地が毎晩開園しているのを見る人が相次ぎました。

 それで、遊園地の中に入って確認した人たちは帰ってこなかったそうです。それに、遊園地の敷地は毎晩広がっていったみたいで、遊園地の近くの家が何件か呑み込まれています。

 もちろん、その家の住民は行方不明になりました。ふざけて入った人や、確認のために入った人達合わせて五十人くらいが行方不明になったらしいです。

 そんなことがあれば機関も気づきますよね。最初は鼠部隊の人が潜入したらしいんですけど、危険度壱番の人影みたいなのが襲い掛かってきたみたいです。

 でも、金糸雀には反応しなかったみたいで。それで、この怪異は穢れを持っているかどうかで遊園地は襲う相手を決めていると慈鳥隊長が考えたみたいで、俺と紅染が派遣されたってわけです。

 

▼邪魔者駆除記録

 せっかくいろんなアトラクションを楽しんでいたのに、ピエロというものの格好をした邪魔者や警備員を名乗る邪魔者が襲ってきましたの。ですから、紅糸で細切れにしてやりましたの。

 でも、弱い人影の怪異は襲ってきませんでしたわ。あの怖い方が言っていたように、低級の怪異は穢れで相手を感知しているようでしたわ。

 永嗣さまとそうしてアトラクションを楽しんだり、怪異を退治したりして楽しんでいましたら、突然遊園地から人影が消えましたの。何事かと考えていましたら、観覧車のゴンドラが上から落ちてきまして。

 永嗣さまが私を突き飛ばして助けてくださいましたが、黒瀬さまは代わりに押しつぶされました。それを見た瞬間、私を怒りが支配しましたの。

 黒瀬さまを傷つけるのは、私だけでないといけないんですもの。

 すぐに永嗣さまを押しつぶしていたゴンドラを紅糸で観覧車に投げ返してやりました。投げ返したゴンドラが観覧車の真ん中に当たって、悲鳴のような音をたてながら崩れ落ちていきました。

 永嗣さまもすぐに元通りになって安心していると、崩れた観覧車の中から黒瀬さまを傷つけた不届き者が現れましたわ。

 不届き者は回転木馬の馬を操る、弐番程度の怪異を生み出すなどして攻撃してきましたが、私と永嗣さまのコンビネーションに勝てるわけありませんわ。

 永嗣さまのために紅糸で道を作って差し上げて、その上を黒瀬さまは駆け抜けていきました。そして、不届き者の首を一閃!

 不届き者が崩れ落ちるとともに遊園地も廃墟の姿に戻ってしまいました。まだまだ永嗣さまとデートをしたかったんですのに…

 もしも遊園地の姿が戻らなかったのならもう一度メリーゴーランドに乗って、それからー

 

▼事後処理

 紅糸が妄想の世界に入ってしまったので、俺が最後に書くことにします。

 この怪異は観覧車に取りついて遊園地の再演をしていたみたいです。紅糸が観覧車を壊した時に本体が出てきたってのもありますけど、怪異退治のために結構派手に物を壊したり、地形を変えたりしたんですけど、遊園地の姿が廃墟に戻った時に観覧車が壊れてるだけで、後は壊れたものはありませんでした。

 遊園地に取り込まれた人のうち、数名は息がありましたが、ほとんどはアトラクションの中で息絶えていました。おそらく、怪異に食われたんじゃないかなと。

 どうも、危険度壱番から弐番程度の怪異が「客」として遊園地で遊んでいたみたいです。その「客」も遊園地の怪が吸収したおかげで事後処理は楽だったんですが、後味が悪いです。

 根源札は倉庫に入れておきました。かなり大規模な怪異だったので、穢れも集まりやすいと思います。清掃はこまめにした方が良いかなと。

 

 紅糸についてなんですが、力は衰えているとはいえ、古くからの怪異なのと危険度が元は参番だったこともあって、かなり強いです。これからも烏部隊の戦力として活躍すると思います。

 俺も、彼女のことは悪く思ってないですし。たまに殺意を向けてくるのはやめてほしいですけど……

 




金糸雀
危険度壱番の怪異。人間に協力的な怪異から産まれており、怪異から優先的に狙われるようになっている。この怪異を用いることで、怪異がどの様な存在なのかを比較的安全に知ることが出来る。
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