Fate/Grand Rail - 千の異星紀行   作:TheLazyMan

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 注意
 本稿は、序章幕間までのネタバレを含んだ各設定となります。
 時系列としては、序章幕間が完結した時点。
 あらかじめご承知ください。


カルデア・アーカイブ No.1~17

No.1:アラベル=ヴォルフスベイン

 陣営:カルデア/巡海レンジャー

 出身:第七三辺境星域、ルシオラ・アウトリム

 性別:女性

 年齢:20代前半

 属性:物理

 運命:巡狩

 クラス:マスター

 

プロフィール

 かつて辺境星域を渡り歩いた、自称・巡海レンジャー。

 宇宙の辺境に生まれ、自由を謳歌し、そして希望を喪った。いちど苦難を味わった身では、再び自由を取り戻すとも感傷は生まれず、ただ燃え上がる業火が胸の内を焦がすだけだった。その後、星々の海を狩場として、自ら秩序を遠ざけ、掟を己で刻み、その後に奇怪なる出会いを経て巡海レンジャーを自称するようになる。自由を尊ぶが、その内には癒えぬ喪失と、翼ある怪物への激しい憎悪を抱えている。

 カルデアにおいては異邦からの来訪者として転移し、有り得ざる49人目のマスター候補として人理焼却に巻き込まれる。人と馴染むのに時間がかかり、普段は皮肉っぽい態度で煙に巻く。だが、宇宙の荒波を越える過程で培った冷徹な判断力、そして武器を手にした姿は誰よりも雄弁で、慈悲を与えない狩人として敵を狩り落とす。その本質は、「巡狩」。

 

戦闘スタイル

 戦闘時には、星海を旅する過程で鍛え抜いた俊敏さ、目の良さを生かして戦場を駆け巡り、ハンドガン型のエーテル粒子銃と、壊滅狙砲を切り替えながら遠距離戦を仕掛けるのを好む。この壊滅狙砲は、「狙撃銃兼榴弾砲」という奇抜な設計となっており、狙撃銃では単体に対する高精度の長距離狙撃を、榴弾砲では広範囲を覆う爆撃を実現する。かつて所属していた宇宙一の無法者集団から足を洗う際、別れの駄賃代わりとして拝借して以来、アラベルの頼れる相棒となり続けた。

 レフによって世界との繋がりが焼却された後、専用の弾薬が補充できなくなった元の銃の代わりに、外見・機能・構造がそのままでありながら地球由来の素材で代替できる地球適応型モデルの銃と弾薬をダ・ヴィンチに

製作してもらい、巡狩の意志を持って、特異点攻略に挑む。

 

他者からの評価

藤丸立香:「人との距離を取ろうとするけど、戦場で背を預けると本当に心強いんだ。彼女に失望されることがないよう、一生懸命、訓練を続けていくって決めたんだ! 絶対に頑張るよ!」

ダ・ヴィンチ:「あの子、野暮ったい見た目をしてるけど、いいセンスをしてるよ! 実は彼女がいま使っている銃、私の工房で再調整してあげたのさ。見た目も性能もパーフェクトだろう?」

ロマニ:「歓迎会のとき、皆が笑ってる輪に入ってなくてね。よく見たら、どこか寂しそうな感じがあった。でも、ふとした時に見せる笑顔は本物だった。彼女はきっと、カルデアで少しずつ変わっていける」

 

 

No.2:クー・フーリン(ライダー)

 陣営:カルデア

出身:アイルランド、アルスター地方

 性別:男性 / 英霊

 年齢:年齢不詳

 属性:雷

 運命:壊滅

 クラス:ライダー

 

プロフィール

 アルスター伝説の大英雄にして、戦場を駆ける槍の名手。本来は槍兵として名高いが、この姿は愛馬のマッハ、セングレンと共に現界した、クラス:ライダー。飄々とした皮肉屋だが、仲間を見放すことはない。大食漢でもあり、豪放な一面を見せる。カルデアでは場を盛り上げるムードメーカーとして振る舞うが、その戦士の矜持は一切揺るがない。

 余談だが、アラベルと、彼女が新しく召喚した英霊:ロビン・フッドと並んで、皮肉屋三人衆と陰で言われていることには気づいていない。

 

戦闘スタイル

 本来はランサーとしての適性があるため、地上においては、魔槍ゲイ・ボルグを用いて縦横無尽に敵を蹴散らす。しかし本召喚においては、クラス:ライダーとして現界し、より破壊的な攻撃能力を有したことから、その本質は「壊滅」となった。二頭の愛馬、灰のマッハと、黒のセングレンによって引き立てられたチャリオットを召喚し、自らそれを操って戦場を蹂躙する(御者のラグはどこかへ行った)。車軸と蹄鉄に走る火花を原初のルーンで電撃へと変換。そして衝角(スキッド)付きの低い車体は、接触した敵を刎ね、削り、弾く――接触一つが既に熾烈な攻撃となる。

 またアルスター伝説のとおりルーンの使い手でもあり、自らの強化や防御、落とし穴といった罠まで自在に操る器用さすらある。その武勇、一人千軍の如し。

 

他者からの評価

アラベル:「あの食いっぷりは見てるだけで腹が減るよ。戦場じゃ頼りになるけど、宴席じゃうるさいね。お馬さんみたいに」

藤丸立香:「いつも軽口を叩いてるけど、誰かが傷つけば真っ先に駆けつけてくれる。僕たちにとっては、かけがえのない守護者だよ」

ダ・ヴィンチ:「骨付き肉を掲げて騒ぐ姿は面白かったなぁ。――そんな彼だからこそ、戦場でその背を見たとき、あれほど安心するものはないんだろう。特異点での活躍、期待しているよ」

 

 

No.3:藤丸立香

 陣営:カルデア

 出身:日本

 性別:男性

 年齢:10代後半~20歳手前

 属性:物理

 運命:存護

 クラス:マスター

 

プロフィール

 カルデアを襲った爆破テロ、そして特異点Fを奇跡的に生き延びた48人目のマスター候補。カルデアに召喚された英霊を束ね、数々の特異点を渡り歩くことが宿命づけられた、運命の子。魔術的素養は決して高くはないが、状況適応力と仲間を信じ抜く胆力においては、今後の成長が期待されている。

 その存在は、英霊たちにとって「戦う理由を思い出させる楔」であり、同時に人理修復という使命においては不可欠な前線指揮者。戦闘そのものよりも、戦況判断と指揮、そして「絶対に見捨てない」という姿勢が最大の武器であり、その本質は「存護」。

 

戦闘スタイル

 魔術師としての能力は限定的で、直接戦闘力は皆無に等しい。

 しかしカルデア礼装を介した命令権「令呪」は、英霊たちの能力を瞬時に最大値へと引き上げる奇跡の力。また各種礼装は防御結界や支援能力を持ち、彼自身を戦場で生かし続けるための盾となる。「宝具」という形は持たないが、令呪と指揮そのものが、人類の存続に匹敵する奇跡である。

 

他者からの評価

ロマニ「戦う力は乏しいが、誰よりも先に一歩を踏み出す。それだけで僕たちは立ち上がれるんだ。彼がどんな時でもずっと立ち続けられるよう、サポートをしていくつもりだよ」

マシュ:「先輩は……私の進む理由そのものです。傍にいる限り、私は盾であり続けられる」

ジャンヌ:「彼は聖人君子ではなく、ただの一人の人間です。けれど、そんなただの人間であるからこそ、私に希望を思い出させる。彼のような人を支えるために、この道を進んだのだと、私の決意を思い出させてくれる」

 

 

No.4:マシュ・キリエライト

 陣営:カルデア

 出身:不明

 性別:女性 / デミ・サーヴァント

 年齢:10代後半

 属性:氷

 運命:存護

 クラス:シールダー

 

プロフィール

 カルデアに在籍する職員であり、華奢な体の内側に、自分とは異なる英霊の魂を秘めている。その本質は「存護」であり、巨大な盾を携えてマスターを護る。穏やかで純朴な性格だが、その奥底には誰かのために在りたいという強い意志が宿る。霊器の内に、別の英霊の力を宿し、自身の存在意義に悩み続けていた。だが偶然にも人理修復の旅路へと乗り出すこととなり、その過程において藤丸立香と出会い、「一緒に歩むこと」を選んだことで心の在り方に確信を得る。

 

戦闘スタイル

 携える武器は巨大な盾は、宝具展開時には防御結界を展開し、敵の猛攻を受け止める。

 未だ成長過程の未熟な守護者であるが、仲間を護り、進むべき未来を繋ぐ象徴であり、藤丸の指揮と合わせて数多の困難を乗り越える忠誠心と守護の決意は一級品。攻撃力は乏しいが、その「絶対防御」は戦場の均衡を覆すに足る。

 

他者からの評価

クー・フーリン「守ってばかりの子だと侮るなよ。あの盾がなければ、誰もここにはいねぇ」

ダ・ヴィンチ「立香くんと一緒にいるときの彼女は……強さを倍にも三倍にもする」

ジャンヌ:「聖女として断言できます。彼女は純粋な祈りの結晶。そして、人理を守る光そのものとなれる人だと。……これからも共に戦っていきましょう」

 

 

No.5:ジャンヌ・ダルク

 陣営:カルデア

 出身:フランス、ロレーヌ地方ドンレミ

 性別:女性 / 英霊

 年齢:10代後半

 物理:風

 運命:調和

 クラス:ルーラー

 

プロフィール

 神の声に導かれ、戦乱のフランスを解放するために立ち上がった農民の娘。フランス百年戦争を戦い抜いた聖女。

 炎の中で処刑された少女は、英霊となってなお信仰と祈りを武器とする。その存在は「人々を奮い立たせる旗印」であり、信仰の象徴であると同時に、戦場に立つ者たちの心を守る光であり、その本質は「調和」。純粋な強さというよりは「希望の象徴」であることに意味がある。

 

戦闘スタイル

 携える武器は「聖旗(ルー・ド・リュミエール)」。戦場で翻るその旗は、敵に対しては破邪の炎を、仲間に対しては守護の加護を与える。宝具「我が神はここにありて(リュミノジテ・エテルネッル)」は、信仰の奇跡を形にした「結界防御」――仲間を包み込み、あらゆる攻撃から守る。

 炎に焼かれた記憶は彼女の宝具に転じ、希望を燃やす光となって再び戦場を照らす。その姿は「信仰が奇跡を形にする」ことを体現している。

 

他者からの評価

藤丸:「彼女が前に立つと、不思議と背筋が伸びる。何をするにも本来の自分以上の力が出るような感じなんだ。これが聖女の祈りの力なのかな」

アラベル「ジャンヌの祈りは、単なる宗教心じゃない。誰もが安心できる居場所を作る力だよ。……オレにはできないなぁ」

 

 

No6:オルガマリー・アニムスフィア

 陣営:カルデア

 出身:ヨーロッパ、アニムスフィア家

 性別:女性 / 死亡済

 年齢:20代前半

 運命:その道は絶えた

 

プロフィール

 人理継続保障機関カルデアの所長にして、魔術名門「アニムスフィア家」の次代当主。生来の誇り高さと使命感からカルデアを率いたが、特異点Fでの事件によって儚く散る。しかしその死は完全な終焉ではなく、生への執着が彼女を魔力体としてこの世に留めさせた。

 アニムスフィア家の責務を継ぐ者として、常に高圧的かつ完璧主義を貫いたが、その内面は不器用なまでに「人類と家の名誉を守ろうとする」強い責任感で満ちていた。死後もなお残り続けたのは、生に執着したからではなく「カルデアの未来を見届けたい」という願いの裏返しでもある。

 

他者からの評価

マシュ「自分にも他人にも厳しい人でした。でも……彼女はずっとカルデアのことを考えていたのだと思います」

ジャンヌ「人間は、死んでなお使命に縛られることがある。その象徴のような人でした」

ロマニ「時々、彼女が生きていれば少し違う選択をしたかもしれない、なんて思うことがある。……こんなうじうじした所を見せたら、彼女なら怒るだろうけどね。もっとしっかりしないと!」

 

 

No7:ロマニ・アーキマン

 陣営:カルデア

 出身:イスラエル

 性別:男性

 年齢:20代後半~30代前半

 運命:調和

 

プロフィール

 カルデアの医療主任にして、気さくな医師。常に冗談めかしており、シリアスを避ける傾向があるが、誰よりも人を大切にしており、その本質は「調和」。自ら戦うことはなく、医師としての知識と魔術理論でカルデアを支え続ける。

 人理焼却以後は、生存者の序列から一番上位の職員となり、暫定的なカルデアの最高責任者に就任。圧しかかるプレッシャーに対して胃を痛めながらも、一人の人間としてカルデアに在り続けようと、懸命に努力をしていく。人には言えない秘密を抱えると、糖分を摂取して現実逃避をするのが悪癖。

 

他者からの評価

藤丸「彼の声を聞くだけで、なぜか安心できた。医者というのはそういうものかもしれない」

マシュ「ロマニさんの言葉に、私は何度も救われました。戦いの中で、心を繋ぐのはああいう人なんです」

ダ・ヴィンチ「彼のようなお人よしがいる限り、カルデアは決して壊れない――そう思わせてくれる温かみがあった。あれでもう少しセンスが良くなったらモテるんだろうけど、本人は無頓着なのがもったいない。私という立派な教師がすぐ近くにいるのにねぇ」

 

 

No8:レオナルド・ダ・ヴィンチ

 陣営:カルデア

 出身:フィレンツェ共和国、トスカーナ地方ヴィンチ村

 性別:絶世の人に性別の境なし / 英霊

 年齢:20代後半

 属性:虚数

 運命:知恵

 クラス:キャスター

 

プロフィール

 ルネサンス時代を、果ては人類史を代表する万能の天才。その叡智は魔術と科学の狭間に立ち、数々の奇跡を生み出した。カルデアにおいては技術主任として、観測機構から礼装設計、果ては仲間の心の支えに至るまで広く携わる。その本質は「知恵」。英霊として召喚された際、自身の「最も美しい姿」としてモナ・リザの面影を選び、その選択の影響で肉体的な性別は女性となる。

 奇想天外で自由奔放な振る舞いは周囲を振り回すが、芯には「人類愛」と「美への探究心」が燃えている。カルデアにおける天才の象徴にして、仲間の創造性を刺激する存在。

 

他者からの評価

ロマニ「カルデアでの付き合いも長くなってきた。だというのに彼女の発想力は衰えるどころか輝きを増している。あれが人類史に名を刻んだ天才たる所以なんだろうな。……彼女がいれば、この先の未来に希望を持てる」

マシュ「困ったときほど笑って背中を押してくれる……ああいう人が、カルデアにいてくれてよかったです」

クー・フーリン「万能の天才って肩書きは伊達じゃないな。俺でも思わず感心するぜ。……だが次からは肉に変なモンを混ぜないでくれよ? メシに警戒するのは生前で間に合ってるからな」

 

 

No9:レフ・ライノール

 陣営:カルデア → ??? 

 出身:不明

 性別:男性

 年齢:20代後半~30代前半

 運命:壊滅 / 虚無

 

プロフィール

 カルデアに所属した魔術師であり、カルデアの根幹となるシステムを開発した凄腕の魔術師。温厚で人当たりの良い研究者として振る舞っていたが、その正体は人理の破壊者であり、人理焼却を実行に移した裏切り者。爆破テロ事件によってオルガマリーを始めとしたカルデアスタッフの大半を殺害し、カルデアを地獄へ突き落とす。  

 事件前に装っていた穏やかで温和な態度はすべて偽装であり、その瞳には人類を見下すような虚無が潜んでいた。

 

 

No.10:特異点F

 カルデアの観測網が最初に捉えた異常点。位置は2004年、日本・冬木市。通常の歴史と異なる「燃え盛る都市」として存在し、無数の英霊が錯綜する死地と化していた。

 その実態は、レフ・ライノールが人理焼却計画の最後のピースとして、人類史を焼却するための最後の一手。この特異点を創造する過程として、オルガマリー他カルデアのスタッフ達の多くが殺害され、藤丸とマシュは強制的に戦場へ放り出され、アラベルが時相の乱れによってカルデアへと引き寄せられた。特異点修復の最初の試練であり、後の人理修復戦の原点とされる。

 

 

No.11:人理焼却

 レフの口によって語られた、人類の歴史そのものに対する破壊行為の総称。特異点Fの消滅間際、カルデアの観測機構が突如記録しはじめた「人類史そのものの崩壊現象」。人類の歩んできた全ての歴史が焼き払われ、未来は存在しないと示された。後にダ・ヴィンチは、人理焼却の楔として七つの特異点を起点にした因果改変こそがその本質であり、すべての特異点の異常を解決することで人理焼却が否定されると推測。カルデアはこれに抗するため、「歴史の修復」を唯一の手段と定め、レイシフトによる歴史への介入を実行していく。

 

No.12.英霊召喚

 カルデアで用いられる召喚は、従来の魔術的契約とは異なる「英霊保管・再現システム」によるもの。人理の座から直接英霊を呼び出すのではなく、英霊の記録を疑似的に再現し、現界させる。

 この方式は安定性に優れるが、従来の聖杯戦争のような強制的支配は行えない。召喚後のサーヴァントはマスターの魔力を媒介としながら、共に特異点修復へ赴く。この技術の完成が、カルデアを人理焼却に抗う唯一の砦たらしめた。

 

 

No.13:星神

 人の理を超え、銀河に姿を隠すもの。名を持ち、テーマを抱き、それぞれがひとつの「道」を示す。それらが道を示すことで、其は星神となり、其が歩んだ道が「運命」となる。

 向き合い方によるが、生命に繁栄をもたらす者もあれば、破壊を求める者もあり、道筋は様々である。また其の息吹が満ちる場所では、ただ生まれただけの存在であっても、やがてその運命を背負い歩むことになる。星神は神々のようであり、しかし信仰の対象ではない。ただ、この世界の理そのものとして、人も獣も宇宙船も、はては星すらも縛るものである。

 

No.14:運命

 地球の外の宇宙で広く伝わる概念。星神によって開かれた道筋。この宇宙では、人の生き方はただ己の意思だけで決まるものではなく、星々を越えて、目に見えぬ流れが存在する。ある者は守護を担い、ある者は狩人のごとく敵を追い、またある者は知識を求めて終わりなく歩む。すべては星神と呼ばれる超常の存在から授けられた軌道だという。

 運命に抗うことは容易ではなく、むしろそれを受け入れた者ほど力を引き出し、異常なほどの強さを示す。カルデアの前に現れた者たちは、各々の運命に導かれていた。

 或いは、こういうことも言える。はたしてレフ・ライノールは、いかなる運命の道標に導かれて、宇宙からの脅威を見たのだろうか。

 

No.15:宇宙の蝗害

 かつて宇宙を埋め尽くした災厄。背後には「繁殖」を名乗る星神の影があったとされる。

 滅びゆく星の断末魔の中、別の力がそれを押しとどめたとも言われるが、その戦いさえも破壊を増す結果に終わった。生き残った者たちは、ただ群れの去った空を呆然と見上げて、蹂躙しつくされた文明の跡地で、尽きぬ涙を流すしかなかったのだという。これらの災厄は、今より数千年前の出来事らしい。

 

No.16:真蟄虫

 宇宙の蝗害を引き起こした群れの名を、人々は「真蟄虫(スウォーム)」と呼んだ。その本質は、「繁殖」。ただ生まれ、増殖するためだけに生きる存在。

 見渡すかぎりの黒い影が、無尽蔵に湧き出るかのように押し寄せる。ひとつひとつが独立して襲いかかり、そして群れ全体は意思あるもののようにうねる。それはカルデアにとっても、一種の恐怖の象徴だった。

 星海の狩人いわく、あれら繁殖の眷属を前にしては、いかなる都市も砦も砂上の楼閣に過ぎない。たとえ一匹を仕留めても、次の瞬間には十倍の数が迫る。故に、彼女はどんな苦難があったとしても、それを討つと決めたからには討ち漏らしを許さなかった。その執念が、彼女とカルデアとを一本の縁で結びつけたのだろう。

 

No.17.運命一覧

 

壊滅

 壊すことで世界を作り替える者。破壊によって生きて、破壊によって鎮められる者たち。

 彼らにとって破壊は無意味な暴力ではなく、新しい時代を切り開くための「必然」なのかもしれない。

 

巡狩

 標的を定め、必ず仕留める者。

 その執念深さは狩人そのもの。個を超えて「使命」だけが生きる理由となる。

 

知恵

 広い視野を持ち、世界を解析する者。

 彼らは自分の知を誇示するのではなく、力として使う。

 

調和

 仲間を支え、全体を響かせる者。

 旋律を奏でるように、周囲を導き、一つの力に束ねることを得意とする。

 

虚無

 意味を疑い、価値を壊す者。

 彼らは「すべてが空である」と知ってなお、その空虚を力に変えていく。

 

存護

 壁となり、皆を守る者。

 自らの痛みをいとわず、仲間に降りかかる刃を受け止め続ける。

 

豊穣

 命を繋ぎ、病を癒す者。

 その手は救いをもたらすが、ときに残酷な選択を迫られることもある。

 

記憶

 過去を刻み、忘却に抗う者。

 出来事や魂を留め、時には過去そのものを呼び出して戦わせることもある。

 

開拓

 未知に道を作る者。

 踏み固められた道を歩まず、危険を承知で進み、やがて他者のための道筋を築く。

 

愉悦

 混乱や遊戯を好む者。

 彼らは他者の反応そのものを楽しみ、秩序だった物事にひとつまみの狂気を加える。

 

不朽

 終わらない時を生き続ける者。

 死や衰退を拒み、永遠に存在することを自らの血肉をもって体現している。

 

繁殖

 数を増やし、拡大し続ける者。

 個の栄光より群れの拡張を求め、その在り方は時に制御不能なまでに広がる。

 

神秘

 答えではなく謎を愛する者。

 解けぬ問いを前に微笑み、その不可解さこそが真実だと信じる。

 

均衡

 対立するものを秤にかけ、釣り合いを求める者。

 得れば失い、守れば壊す。彼らにとって公平は絶対の原理だ。

 

終焉

 終わりを見届ける者。

 静かに、しかし確実に、すべてを閉じる役割を担う。その歩みは破壊よりも厳かだ。

 

秩序

 混沌を嫌い、規則に従わせる者。

 法と規範を重んじ、乱れを正すためなら容赦しない。

 

貪慾

 満たされぬ飢えに従う者。

 欲望を糧として際限なく奪い、飽くことなく飲み込む。

 

純美

 美を唯一の基準とする者。

 効率も善悪も捨てて、ただ「美しいか否か」で選び抜き、行動する。

 

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