噂の飛び交う学校へ転生した 作:ブラックホール
アンケート回答ありがとうございます。
Aクラス、Bクラスの票数があまりにも多かった。(お気に入り登録者数より多い気がする…)
というわけで2√書く事にしました。
Cクラス、Dクラスに入れてくれた方申し訳ございません。
今回はAクラス√です。Bクラス√は来週投稿かな?
超エリート達のいる教室へ
「長州君、またねっ」
「ああ、一之瀬も」
俺と一之瀬はBクラスの前で別れる。俺はより奥の教室へと足を運んだ。
俺は神を信じない。運命と言うものは残酷だった。
(Aクラス…)
配属されたクラスはAクラス。
俺も知っている通りこのクラスは学年最高の実力を持つクラスである。そして今後2人のリーダーが各個仕切る事になる。
俺が知ってるAクラスの特徴としては入学時点で最高クラス振り分けられたクラスなだけあり、生徒達の能力は高く、当初からクラスポイントは独走状態を続けており、クラスの降格は2年生の3学期開始まででは一度も無い。
トップクラスの頭脳を持つ坂柳を筆頭に、学力はどのクラスよりも高く、運動能力でも突出した生徒こそいないものの平均以上の生徒が多い。正に学年で最も総合力が高いクラスだった。またDクラスとは正反対に問題児がおらず(一部を除いて)、優等生揃いのため、問題を起こすことなく、規律面でも優秀(なはず)。
しかしその蓋を開けてみれば実際には盤石とは言い難い側面が多い。
入学当初、早くも坂柳をリーダーとする好戦的な過激派「坂柳派」と葛城康平をリーダーとする保守派「葛城派」の2つの派閥ができてしまいクラスが2分されてしまう。両派は主導権争いを繰り広げていたが、1年次の夏に行われた無人島試験にて葛城がクラスメイトの信用を失う失態(龍園に有利な2クラス間の契約を結んだ。加えて橋本の裏切りで内部破壊されている)を犯したため、派閥争いは過激派の坂柳が勝利して2学期には坂柳をリーダーとする独裁体制を確立。この内紛で、Aクラスは多数のポイントを失っている。
また坂柳は、自分に絶対の自信を持つが故に「自分だけですべて考え、自分で行動する」ことを基本としている為、クラスメイトのことも単なる駒としか見ていない。方針や個々の役割を指示するだけで、誰かに相談したり、全体で意思疎通を図るようなこともしない。その為圧倒的なトップダウン体質の弊害として、坂柳以外の生徒は没個性的になってしまっている。他クラスにいる参謀の役割を持つ生徒もいないため、坂柳不在の試験では、指揮者不在であっさり敗れることも多い。
このようにAクラスはエリートとは程遠いクラスである。加えてこれからは一之瀬のBクラスとも争わなければならない。
俺は憂鬱な気分で教室に入った。
周りを見る。何人か知ってる顔が目に映る。
あそこにいるのは多分山村美紀。あれは多分戸塚弥彦。
そして…
ガタッと隣の席に誰かが座る。思わずそちらを見る。
(マジかよ…)
隣の席に座った女子生徒を見て俺は驚いた。
彼女は今後の坂柳派であり、身体に障害を抱える彼女の右腕として行動する事になる
手癖が悪く、入学直後の時期にコンビニで万引きしたところを坂柳に目撃され、脅される形で不本意ながらも坂柳派として協力を強いられている。
…その協力の中には一之瀬への誹謗中傷のビラをポストに投函したのも恐らく含まれている。
そんな地雷系の女子生徒がよりにもよって俺の隣に座っていた。俺は少し緊張しながらなるべく前を向くようにした。
「…そんなにチラチラ見られると気になるんだけど」
「あ、すまないそんなつもりは無かったんだ」
やや鬱陶しそうに俺の方を見る女子生徒。
長身で紫髪のサイドテール。そのスタイルは非常に良く、多くの男子を惹きつける。
「その、…長州未音。隣同士よろしく」
「…神室真澄よ」
俺の顔をじっと見つめながら呟く。一応答えてくれた。
「…神室さんは中学何処?将来何になりたいとかあるのか?」
「…■■県よ。将来はまだ決めてない」
「そうか」
「そういうあんたは?」
「俺は…」
続けざまの俺の質問にも気だるそうだが答える。こうして話して見ると悪い人には思えない。
「…この学校凄いな。入学すれば希望の進学先、就職先につけるんだって。夢みたいだ」
「私もそう思う。進路についてはちょっと気になるけど」
ん?神室は全面的には信用してないのか?まあ確かに入学出来ただけで希望の進路に行けるなんて胡散臭い話ではあるが。
「…ごめん、沢山話し込んじゃって」
舌がほどけてつい多く質問してしまった。神室は多分途中から少し引いていたが、取り敢えず答えてくれた。地雷系だなんて思ってすみませんでした。
「別に…他の奴だったらうざいって言ってるけど隣だからあんたは許すわよ」
「よ、良かった…」
取り敢えず嫌われて無かった。敵対は避けられた。その事実にホッとする。
ていうか神室思ったより優しく無いか?そう思って前方に目を向ける。
その神室はと言うと俺の顔をまじまじと見ていた。もしかして少しは気に入って貰えたのかな?
まあ俺には一之瀬がいるけど(←まだ付き合ってない)。
周りを見ると多くの生徒が登校していた。
前方に体格の良い男子生徒がいる。
あれは後のリーダー候補、葛城康平。
カツン、カツンと杖が鳴る音がした。皆の視線がそちらに向いた。銀髪。ベレー帽。杖。
(来たか…)
俺は出来るだけ平静を保ってその人物を見る。
作中のヒロインの1人で自らを「天才」と称するほどの超高校級の頭脳を持つAクラスのリーダーとなる人物。
容姿は色白の肌に薄紫のセミロングヘアでかなり小柄。
原作主人公である綾小路の素性を一方的に知った上で、彼に敗北を教えた上で人肌の温もりを教えようとしている。
彼女は「人は刻まれたDNA以上のことは出来ず、生まれた瞬間にそのポテンシャルが決まっている」と結論付けていたが、ホワイトルームで難なく課題やチェスをこなすと綾小路に思わず目を奪われ、その少年に影響されてチェスを始めるようになる。
ホワイトルームの実験を不幸の始まりだと考えている父親に代わって、天才は教育で決まるものではなく、生まれた瞬間に決まっているものだと証明する事、つまりは打倒ホワイトルームひいてはその最高傑作と謳われる綾小路清隆を倒すことを心に誓う。
綾小路のみに対しては過剰に気遣い、彼の事を何かと心配する一面があったり、優しく忠告をしたりと物腰が柔らかくなる。
これだけ見ると幼少期に見知った人物に片思いする可憐な美少女だがその内面は恐ろしい程冷酷。
普段は名家の令嬢らしくお淑やかで言葉遣いは誰に対しても丁寧な一方、その本性は冷酷で保守的な葛城とは対照的に非常に攻撃的な思考を持つ。
それは敵対する者や自分に屈辱を与えた者には、容赦無く報復を行うなど、暴力でクラスを支配する龍園とは違った形の恐怖政治、独裁政権を敷いていた。
1年の3学期でも一之瀬の誹謗中傷に大きく加担した人物である。
そんなある意味俺の天敵と言える少女。
坂柳有栖。
少し厳つい見た目の男性教師が入ってきた。
Aクラス担当の真嶋智也先生。ファンからは綾小路世代の高育の担任で一番まともと言われる先生である。担当科目は英語。
「この学校にはクラス替えが存在しない。卒業までの3年間私が担任として君達全員と学ぶ事になる。そんなわけでよろしく頼む。今から1時間後に体育館で入学式が行われるが、その前にこの学校の特殊ルールについて書かれた資料を配る」
真嶋先生はそう言って資料を配り始めた。そして、この学校について説明を始める。
この学校は全寮制を敷いており、卒業まで家族や学外の友人等への連絡・面会等は一切出来ない。また卒業までクラス替えが無くAクラスのメンバーは卒業まで同じクラスで過ごす事になる。
生徒は学生証カードを使い、プライベートポイントを消費して敷地内にあるすべての施設を利用したり、商品を購入する事が可能。学生証へのポイントは毎月1日に振り込まれ、ポイントは敷地内で1ポイント=1円に換算されて支給される。
この学校にポイントで買えない物は存在せず、どんな形の無い物でも指定されたポイント額を支払えば購入することが出来る。ポイントはクラスや学年問わず譲渡可能。
入学試験を突破した俺達には全員一律で10万ポイントが支給された。
10万ポイントの金額に多くのクラスメイトが湧く。俺も現実を知っていなかったら舞い上がってたかもしれない。
「話は以上だ。では入学式に間に合わせるように」
真嶋先生はそう言って教室を出て行ってしまった。
残されたAクラスの面々はポイントの話で浮足立った。「毎月10万ポイント貰えるなんて」とあちらこちらで聞こえてくる。
カツンと杖を突く音がする。全員の視線がそちらへと向いた。
「皆さん、卒業まで同じクラスで過ごす事ですから、折角なので入学式までの時間に自己紹介をしませんか」
そう言って微笑む坂柳。可憐な笑顔に男子だけでなく女子の視線も集まる。流石Aクラスの女王だ。人を惹きつける力が違う。
「彼女に賛成だ。この時間を有効活用しない手は無い」
反対側から男性の声がする。声の主は葛城。こちらも只者ではないオーラーを発している。
周りも賛成の声が上がる。
「では言い出した私から。坂柳有栖です。見ての通り先天性疾患を患っています。皆様にはご迷惑をかけることもあるかもしれません。勉強は得意な方なので分からない事があったら遠慮無く聞きに来てください」
そう言って頭を下げる。拍手で包まれる。完璧な自己紹介だった。自身の弱点を教えて親しみやすくした上で長所も開示し、頼りやすくする。
「坂柳の次は俺が言おう。葛城康平だ。中学時代は生徒会をやっていた。器用貧乏だがある程度何でもこなす事が出来る。困った事が何かあれば俺を頼って欲しい」
堂々とした自己紹介だった。やはり風格が違うな。
その後も自己紹介は続いた。橋本正義、山村美紀、森下藍、戸塚弥彦、そして隣の神室真澄。
そしてついに俺の番になった。
「長州未音です。特技と言える程じゃないけど運動全般が得意です。3年間よろしく」
一応俺の自己紹介も終わった。
その後の入学式も順調に進み、その日は解散になった。
坂柳と葛城は既に多くの生徒に囲まれていた。
彼らを見て今後の方針を考える。
取り敢えずBクラスに向かう。目的は勿論一之瀬に会うためだった。
Bクラスを見ると一之瀬は坂柳と葛城以上に多くの友達に囲まれていた。やはり人望が有り余る程ある彼女は男女問わず大人気なようだ。白波や網倉等の女子が一之瀬に抱きつき、柴田や渡辺等の男子が一之瀬の方を見て話している。俺に気づくと手を振ってきた。
俺はそれを見て片手を上げてBクラスを後にする。今日は友達からの誘いがある。邪魔は出来ない。
彼女を見届けると俺は上の階に上がった。
今回は一之瀬の出番は少な目。
Aクラス√の主人公はどう動くのか。