入学試験でデルタアクセルするとどうなるのか!! 作:交響魔人
「アポリア、パラドックス!!三幻魔の事件が起きた時代に、デルタアクセルシンクロの反応が出た!」
アンチノミーの言葉に、二人のマシーンとなったデュエリストは静かな声で呟いた。
「「消しに行こう」」
そんな二人に、ZONEは待ったをかける。
「待ちなさい。アンチノミー、デルタアクセルシンクロしたモンスターは?」
「コズミック・ブレイザー・ドラゴン。」
「と言う事は…。我々同様、過去へ干渉したデュエリスト…。アンチノミー、私がそのデュエリストと直接話します。」
「君がそれを望むなら。」
海馬とペガサスを退けた龍道は考える。
こうなると。イリアステルが介入してくるかもしれない。
直接対決となった時にそなえ、あるシンクロモンスターに目を向ける。
これならば、干渉せず見守らせる流れになるかもしれない。
その一方で抹殺しようとするなら…。彼ら全員を逆に抹殺出来る。
デッキを組み終えた龍道がベッドで横になる。
しばらくした後、龍道の姿は光に包まれる!
気が付くと、龍道はスクラップ置き場にいた。
周りを見渡すと、4人のデュエリストが思い思いに立ってこちらを見ている。
龍道はなるべく平静を装いながら、まるで想定通りなようにふるまう。
「初めまして。この次元の…星の民よ。」
「我々の事を知っているのか!」
「全てではありません。ここは、交流を兼ねてデュエルモンスターズで語りませんか?」
「だったら僕が!」
「いや、私が」
「待て、私が」
「待ちなさい。私が相手をしましょう。」
重苦しい声に、龍道は反応する。
「どうやら、貴方がリーダーのようだ。では、始めましょう。」
『『決闘!』』
龍道 ライフ4000
手5 フィールド
魔法・罠
ZONE ライフ4000
手5 フィールド
魔法・罠
「俺のターン、ドロー!相剣軍師-龍淵の効果発動。手札の相剣師-泰阿を捨てて、手札から特殊召喚し、「相剣トークン」(幻竜族・チューナー・水・星4・攻/守0)1体を特殊召喚する。」
「なるほど。レベル4のトークン、チューナーを呼び出すのが、貴方のデュエル…。」
「レベル6とレベル4のチューナー、と言う事は。」
「Lv10のシンクロモンスター!」
「フン、どんなシンクロモンスターを出そうと、ZONEに敵う訳が」
「レベル6の相剣軍師-龍淵にレベル4の相剣トークンをチューニング!S召喚!Lv10!時械神祖ヴルガータ!」
龍道が場に出したシンクロモンスターを見た瞬間。その場の全員が唖然とする。
「「「「…は?」」」」
「墓地の龍淵の効果は発動しない。俺はこのままターンエンド。」
龍道 ライフ4000
手4 フィールド 時械神祖ヴルガータ
魔法・罠
ZONE ライフ4000
手5 フィールド
魔法・罠
「わ、私のターン…。ドロー。私の場にモンスターが存在しない事で、時械巫女を特殊召喚…このカードをリリースする事で、時械神メタイオンを召喚します…。」
場に現れたアーマーの腹部から、巨大な猿のような顔が浮かび上がる。
傲然とした顔立ちは次の瞬間、呆けた表情に変わる。
もしも言葉を発せるなら、「え?どちら様?」か、「誰コイツ、知らん…」と呟いただろう。
「それが、この次元の時械神…。出てきたからには、戦闘を行うのでしょう?」
「…バトルです。メタイオンで、時械神祖ヴルガータを攻撃。」
ZONEのセリフに、メタイオンは体ごと振り返る。
『え?それ、本気で言ってます?』と言いたげではあったが、覚悟を決めたのか、唇をかみしめると炎の玉を放つ。
「時械神祖ヴルガータは戦闘、効果では破壊されず、戦闘ダメージは0になる…もっとも、攻撃力0同士では戦闘破壊は発生しないが。」
「ええ。その通りです。」
「ダメージステップ終了時に、時械神祖ヴルガータの効果発動!相手の場のモンスターを全て除外する!」
ヴルガータは酷薄な笑みを浮かべると、光の奔流をメタイオンに浴びせる!
光の奔流に包まれたメタイオンは、絶叫しているような表情を浮かべながら、その場から消失する!
「何?!ダメージステップ終了時に!」
「全て除外?!」
「ZONEッ!」
他の三人が叫ぶ。
「もっとも。このターンのエンドフェイズ、除外したモンスターは可能な限りそちらの場に特殊召喚します。」
「…メタイオンは、バトルフェイズ終了時。相手モンスターを全て手札に戻します…。申し訳ありません…このデュエル、中断して頂けませんか?」
ZONEから戦意が消えた。
戦う理由が消えた上に、そもそもこれ以上デュエルしても勝てないと悟ったのだろう。
「…貴方がコズミック・ブレイザー・ドラゴンをデルタアクセルシンクロした事と、その時械神のシンクロ・モンスター。どうやって貴方があの時代に来たのか、大体予測できます…。私は、貴方と言う可能性に未来を託すことにします…。」
龍道は一言も、自分は時械神祖ヴルガータの力で並行世界の過去へ飛んだ未来人であるとは言っていない。
すべては、ZONEの錯覚に過ぎない。
ただ、ZONEが錯覚するように振る舞いはした。
とはいえ。
ZONEが「やはり貴方は危険な存在です。排除します!」と宣言していれば、次のターンにZONEを返り討ち。
怒り狂ってデュエルを挑んでくるであろう他のメンバーも軒並みスクラップにした上で禍根を根こそぎ絶つ。
無事に元の時代へ戻ってきたことで、龍道はこの先について考える。
とりあえず、チャンプになる。チャンプになれば色々と便宜を図れる。未来への対応はその後だ。
まず、彼らの本来の歴史にあった、コズミック・ブレイザー・ドラゴンをデルタアクセルシンクロします。
直接接触してデュエルになれば、時械神祖ヴルガータをS召喚しましょう。
すると、ZONEは「並行次元から過去の世界にヴルガータの力でやって来た未来人」と貴方の事を「錯覚」し、可能性を託してくれます。
これを錯覚資産と言います。
色々あるでしょうが、たぶんこれが一番早い和解ルートです。