入学試験でデルタアクセルするとどうなるのか!!   作:交響魔人

7 / 12
オリジナルカードが登場します。ご了承ください。


龍道とD-HERO Bloo-D

「地下デュエル場?」

 

 

 龍道はその依頼を前に考える。

 これまでも少なからず依頼はあった。

 

 「廃寮へ入ったオシリスレッド寮生二人の制裁デュエルを担当してくれ」

 「伝説の決闘者、武藤遊戯のデッキを安全に送り届け、回収までの護衛」

 

 

 とはいえ、どちらもスケジュール調整が出来ずに断った。

 

 

 今回は違う。龍道はプロリーグを『遊び』と称する過酷な地下デュエルの世界に足を踏み込む事にした。

 

 

 

 鋭い目つきの青年が衝撃増幅装置をつけて、デュエルを行っている。

 

 

「か、勝つ…勝たなきゃ…養分だっ!俺は手札から魔法カード、パワー・ボンド発動!」

「そいつは?!」

「手札の沼地の魔神王とリボルバー・ドラゴンを融合!現れろ、ガトリング・ドラゴン!パワー・ボンドで攻撃力は二倍!」

 

「や、やめて、やめてくださいよぉ!おれ、これ以上ダメージを受けたら。」

「うるせぇっ!てめぇが借金を返済していれば、連帯保証人の俺がこんな目に合う事は無かったんだ!やれ、ガトリング・ドラゴン!迅雷の魔王スカル・デーモンを攻撃!」

「う、うぎゃあああああ!」

 

 

 決着がつき、勝者と敗者を分かつ。

 

 

「おめでとう。これで君の借金はチャラだ。それとこれは、彼のデッキだ。」

「…まぁ、貰えるもんは貰っておくか。」

 

 

 

 なるほど。随分と荒んだ世界だ。

 仮面と全身を覆うデュエルコート、厚底靴で慎重をごまかす龍道は内心そう考える。

 

 

 地下デュエル場は、行き詰った人間が最後に落ちてくる場所と思っていた龍道だったが、年若い少女が参加している事にかなり驚く。

 

 

「フン、こんなガキが相手か。楽勝だな。」

「お兄さんの事、知ってるよ。雑誌に載ってた。」

「そうだろうそうだろう!」

「デュエルアカデミアのオベリスク・ブルーに三年間在籍していた、デュエル・エリート。今後の活躍に期待…とあったけど。プロリーグで一勝も出来ずに引退してたよね。」

「こ、このガキ!潰してやる!」

 

 

 プロリーグに行っても、活躍できるとは限らない。プロの世界はシビアだ。

 

 

「ハハハハ!思い知ったか!俺の場にはパーフェクト機械王!!」

「フーン、すごいね。エンドフェイズに速攻魔法、スケープゴート。羊トークンを4体特殊召喚。」

「そんな雑魚に何が出来る!ターンエンド。」

「私のターン、ドロー。」

「ここで永続罠、DNA改造手術!俺は機械族を宣言!ハハハ!装備魔法、7カードとユニオンモンスター、強化支援メカヘビーウェポン!魔導師の力とDNA改造手術により、攻撃力は5900だったが…お前の羊トークンが機械族になった事で、パーフェクト機械王は攻撃力を2000ポイントアップ!7900だ!」

「羊トークンを攻撃表示に変更。」

「ハハハ!攻撃力0を攻撃表示ぃ?やっぱりガキだな!」

「強制転移発動。パーフェクト機械王を頂戴。」

「ナハハハハ、ハ?」

「じゃあね、元エリートさん。バトル。」

「ま、待った!待ってくれ!そんな攻撃を受けたら、俺は…金ならやる!だから」

「パーフェクト機械王で羊トークンを攻撃」

「うぎゃあああああ!」

 

 

 

 

 デュエルを見物しながら、龍道は機会を待つ。

 プロの世界も地下デュエル場も、金さえ払えば大抵の要望は通る。

 

 

 例えば、地下デュエル場に時折現れる凄腕と戦いたい、という要望も金さえ出せば話をつけてくれる。

 

 

『さぁ、今日の特別マッチ!何と、無敗の王者に挑戦するルーキーが現れた!』

 

 

「…お前か。俺に挑もうというルーキーは」

「地下デュエルの無敗なら、全力を出せそうだ。」

「ふっ、全力を出せ。これが最後のデュエルになるのだからな。」

 

 こちらを値踏みするような目つきの男に、龍道はデュエルディスクを構える。

 

 

 

『『決闘!』』

 

 

龍道 ライフ4000

手5 フィールド 

    魔法・罠 

DD ライフ4000

手5 フィールド 

    魔法・罠 

 

 

「先攻は貰う。」

「いいだろう。」

「俺のターン、ドロー。レスキューキャットを召喚。このカードを墓地に送り、デッキからX-セイバーエアベルンとXXセイバーダークソウルを特殊召喚。」

 

 場に二体のモンスターを並べる龍道。

 

「俺の場にX-セイバーが二体存在する事で、XX-セイバー フォルトロールを特殊召喚!魔法カード、ワン・フォー・ワンを発動。手札のフォルトロールを捨てて、XX-セイバー レイジグラを特殊召喚。」

「随分とモンスターを並べるのだな?」

「特殊召喚に成功したレイジグラの効果発動、墓地からフォルトロールを手札に戻す。レベル6のフォルトロールにXセイバーエアベルンをチューニング!S召喚!Lv9!XX-セイバー ガトムズ!」

 

 

『し、シンクロ召喚?!ま、まさかルーキーの正体は…。』

「ふん、これが新たな召喚法か…。ククク。」

 

 これで条件は揃った。

 

 

「場にXセイバーが二体存在する事で、フォルトロールを特殊召喚!ここでガトムズの効果発動!俺のX-セイバーモンスター1体を生け贄に発動できる。相手の手札をランダムに1枚選んで捨てる。俺はフィールドのダークソウルとレイジグラを生け贄に、手札をランダムに二枚、捨てて貰う。」

「ちっ」

 

 デビルズ・サンクチュアリとトーチ・ゴーレムが墓地へ送られる。

 

 

「場のフォルトロールの効果発動、1ターンに1度、墓地のLv4以下のX-セイバーを特殊召喚!レイジグラを特殊召喚!レイジグラの効果で墓地のフォルトロールを手札に戻す。ガトムズの効果発動!フォルトロールを生け贄に、お前の手札をランダムに一枚捨てさせる!」

「…これは?!無限ループか?!」

 

 D・フォースが墓地へ送られる。

 

「場にガトムズとレイジグラが存在する事で、フォルトロールを特殊召喚!ガトムズの効果発動、レイジグラを生け贄に、お前の手札をランダムに一枚捨てさせる!」

 

 ブレイク・ザ・デステニーが墓地へ送られる。

 

「フォルトロールの効果発動、墓地のレイジグラを特殊召喚!墓地からフォルトロールを手札に戻す!ガトムズの効果発動、レイジグラを生け贄に手札を1枚捨てさせる!」

 

 

 ドローパラドクスが墓地へ送られた事に龍道は少し反応する。

 

ドローパラドクス(未OCGカード)

永続罠

お互いのプレイヤーは自分のドローフェイズ時にドローできない。

お互いのプレイヤーは相手のドローフェイズ時に自分のデッキからカードを1枚ドローする。

 

 

 なるほど。D-フォースのドローできないデメリットを実質相手に押し付けるためのカードか。

 確かにこれなら、一度決まった時点で地下デュエルのデュエリストに打つ手はない。

 

 

「カードを1枚伏せて、ターンエンド。墓地へ送られたダークソウルの効果発動、デッキからX-セイバーを手札に加える。XX-セイバー ボガーナイトを手札に。」

 

 

龍道 ライフ4000

手3 フィールド XX-セイバー ガトムズ フォルトロール

    魔法・罠 伏せ1

DD ライフ4000

手0 フィールド 

    魔法・罠 

 

 

 DDのターンになるが、どうにも様子がおかしい。

 先攻全ハンデスを受けたが戦意は衰えない。全身から白い靄のようなものが噴出する!

 

 

「さ、させぬ!貴様ごときに負けぬ!俺のターン、ドロー!速攻魔法、ガレージ・シンクロを発動!」

「何?!」

「お前の墓地から、X-セイバーエアベルンとXX-セイバー フォルトロールを除外!レベルの合計9となるシンクロモンスター一体を、お前のエクストラデッキから特殊召喚だ!」

 

 

ガレージ・シンクロ(オリカ)

速攻魔法

相手の墓地からチューナーとチューナー以外のモンスター1体を選択してゲームから除外し、その2体のレベルの合計と同じシンクロモンスター1体を、

自分または相手のエクストラデッキから特殊召喚する事が出来る。

 

 

 

 どうやら、対戦相手が自分だという事はバレていたらしい。随分凶悪なシンクロメタだ。

 

「カウンター罠、神の宣告。ライフを半分払い、ガレージ・シンクロの発動と効果を無効にして破壊する。」ライフ4000から2000

「ぐううっ…」

 

 

 かなりの脱力感。例えるなら、熱が38.5℃でのどがカラカラな状況だ。

 

 

「…ターン、エンド。」

 

龍道 ライフ2000

手3 フィールド XX-セイバー ガトムズ フォルトロール

    魔法・罠 

DD ライフ4000

手0 フィールド 

    魔法・罠 

 

 

「俺のターン、ドロー。バトルだ、フォルトロールとガトムズで、ダイレクトアタック!」

「ぐ、がああああああっ!」ライフ4000から1600、1600から0

 

 

 

 

 

 デュエルに勝利すると同時に、龍道は倒れる。

 

 

 

 目を覚ますと、警備主任が待機していた。

 

 

「気が付きましたか!」

「…なんとか。」

「DDが話をしたいそうですが。どうします?」

「会います。席を外してください。」

 

 

 

 病室で、龍道はDDと向き合う。

 

 

「…済まなかった。あのカードの影響は日増しに強くなっていて、もう抑えられなかった。ありがとう、君のおかげでようやく解放された。」

「何があったのですか?」

 

 DDは全てを話す。

 人生が行き詰まり、カードデザイナー、フェニックス氏から開発中のカードを手に入れて一発逆転しようと。

 その結果、開発中のカードに肉体を奪われ、フェニックス氏を殺害していた事を。

 

 

「貴方は、エド・フェニックスの後継人をしていましたよね?何故ですか?」

「…後継人を名乗り出たのは、調査状況をエドから聞き出すため。」

「それだけですか?」

「えっ?」

「貴方がきっかけで起きた事件ですが、肉体を乗っ取って殺害したのはそのカードでしょう?なら貴方がするのは自首ではない。エドが立派な大人になるまで保護者を務める事。」

「…そう、言ってくれるのか。」

 

 そもそも、開発されたD-HERO Bloo-Dに破滅の光の意思が宿った事で、フェニックス氏が封印しようとした所にDDが来て起きた事件。

 DDが来なければ事件が起きなかったとは言い切れない。その場合、破滅の光によって別の人物が操られるなりして、フェニックス氏は殺害されていただろう。

 

 

「しばらく、療養します。次は、プロの世界で戦いましょう。」

「その時は、チャンプとして全力で戦う。それまで、チャンプの座は死守しておくとしよう。」

「それまで、とは?」

「何?」

「勝ちを譲らないでください。むしろ、俺を返り討ちにする心境でいてください。」

「は、はは、ワハハハハハッ!」

 

 

 心の底から愉快そうに、DDは笑う。

 

 

「ありがとう。そうだ、君にこれを渡しておく。」

 

 

 D-HERO Bloo-D、D・フォース、ブレイク・ザ・デステニーを差し出すDD。

 どうやら先ほどのデュエルに負けた事で干渉する力を失ったらしく、普通のカードとしか思えない。

 

「では、預からせて頂きます。いずれ、しかるべきデュエリストの手に渡します。」

「…感謝する。」

 

 

 できれば、ドローパラドクスとガレージ・シンクロのカードも欲しかったが、龍道は言い出せなかった。




ガレージ・シンクロ
シンクロ使いに敗北した海馬社長とペガサス会長により開発されたアンチシンクロカード。
イラストにはガレージに暗黒竜コラプサーペントと輝白竜 ワイバースターが疲れ切った様子で描かれており、その近くではジェット・シンクロンとジャンク・シンクロンが倒れている。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。