IFルートには行くなよ!いいか、絶対だぞ!フリじゃry   作:乳圧の大罪司教

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二章開始です……。



ゼロカラオボレル───?①

 

 

 やあ皆。オレだよ。オレオレ。

 伝説の超イケメン転生者、ルーカスだよ。

 

 

 イケメンすぎる……イケメンすぎるんですよ、俺は……!

 

 

 それにしても……いやあ、エルザは強敵でしたね。

 

 意識を失った時はどうなることかと思ったけど、俺は元気です。今はロズワール邸の一室でのんびり出来ています。窓から見える夜空が綺麗だぁ。

 異世界は糞な事ばっかりだけど、日本にいた頃よりも星が綺麗に見えることだけは評価しよう。あと全体的に顔面偏差値が高いことも良い。あとは、致命的な治安の悪さがどうにかなれば、ある程度は満足出来ると思う。

 

 あ~あ。なんかの間違いで、ラインハルトの中身がイキリ系転生者になったりしないかなぁ。もうさ、ラインハルトが何もかも力づくで解決して、終わりでいいんじゃない?

 

 あいつ公式最強キャラだし、不死鳥の加護で残機無限だし、レグルスとかのどうしようもない奴は、大瀑布の彼方に叩き落としていけばいいしさ。やろうと思えば出来るっしょ。

 

 覇王ラインハルト降☆臨!

 リゼロ完! 終わり! 閉廷! って感じで。

 

 そういうの駄目? 駄目すか? 駄目かぁ……。

 

 

 

 

 

 ───と、のんびりしている俺を見て、画面の前の皆は驚いただろう。

 

 

 おめぇ、のんびりしてる暇あるんか?バカなことやってねぇで働け! と。

 

 

 まぁまぁ、ちょいと落ち着いて、俺の話を聞いてくれ。

 まず、俺は一日ちょい寝てたらしく、起きたのが今日の昼頃。そこから飯食ったり屋敷の面子と話したり色々あって、今はロズワール邸二日目の夜ってわけだ。

 

 二章は全行程五日間だが、最後の周だけは四日間になる。

 

 ということは……もう終盤じゃねぇか! はえーよホセ! 明日の夜から魔獣騒動が始まっちゃーう↑ 今回はそこに至るまでの過程、特に分岐点がある四周目を何とかしないとヤバいんだ! 起きるのがおせーよホセ!

 

 

 一章と同様に、二章にも分岐するIFルートが存在する。

 

 

『ゼロカラオボレルイセカイセイカツ』───二章四周目から分岐するIFルートだ。

 スバルがレム殺害の犯人として、ラムとロズワールに追われ、逃げた先で崖からダイブせず、ベアトリスの指示を受け入れて領外へ逃亡した場合に突入する。

 

 内容を簡単に説明すると、四周目でロズワール邸から逃亡したスバルは、三周目でレムから受けた拷問で人間不信になって闇堕ち。

 現代知識で築いた財産を元手に犯罪結社を創設。数多の人間の生死をコイントスで決める、作中屈指の狂人───『粛清王』として、☨闇の世界☨の頂点に君臨することとなる。

 

 その後、☨闇の世界☨で猛威を振るうも、なんやかんやあってラインハルト率いる討伐隊によって組織は壊滅。しかし、本来の主人公陣営のメインキャラがほぼ退場。名無しのモブも大勢死んでるはずなので、損害の規模はアヤマツルートに勝るとも劣らない……どうしてこうなった! って感じのルートだ。

 

 ……スバルって、闇堕ちすると何でこんなにヤバいことしでかすの? 正史ルートだと段階的に覚醒していくのに、闇堕ちすると色々すっ飛ばして超覚醒するのマジ何なの? あの両親から生まれたにしては闇堕ち適性高すぎんだろ。そのポテンシャルはどっから来たんだよ。

 

 

 ……と、このようにヤバいルートなわけだ。

 スバルは最終的にラムに殺されて、死に戻りは発動するのか、しないのか……それは忘れたが、どの道ろくでもないルートであることは間違いないだろう。俺は粛清されとうない。

 

 全員生存でエルザさえ倒せば何とかなった一章とは異なり、二章はスバルの意思次第な所があるので、俺が出来ることは多くないが、それでも二日間をほとんど棒に振ってしまったのはかなり痛い……と、最初は思ったが、たぶん大丈夫だと思う。

 

 

 その理由を説明しよう。

 まず、二章は全部で五周ある。そして、この世界が何周目かを見極めるのは意外と簡単だ。

 

 一周目と二周目は、スバルは手指に怪我をしている。

 慣れない屋敷の仕事、主に料理関係で怪我をしたためだ。あと執事服を着てる。

 

 三周目は使用人じゃなくて食客扱い。

 なので、怪我はしていないし、服もジャージ。

 

 四周目は……一応、食客扱いか?

 三周目と似たようなものだ。三周目で自分を拷問したレムにビビッて、客室で引きこもり中。なので執事服ではない。あと、この四周目の結末次第でIFルートに分岐するかどうかが決まる。

 

 

 それらを踏まえた上で、考えてみよう。

 

 今日の昼頃、スバルは俺が目覚めてからすぐに来た。

 おかゆのような料理(味は微妙)を持って来てくれて、俺は空きっ腹を満たしながら、盗品蔵での戦いの顛末や現在の状況を色々と説明して貰った。

 

 

 ……大遅刻したラインハルトのことは一生許さん。

 だぁからお前は英雄にしかなれないんだよ! このタコ! せっかくのチート能力が台無しだよ! 宝の持ち腐れ! お前の父ちゃん酒浸りのクズ! お前の爺ちゃんクズ親!

 

 

 ───と、一旦ラインハルトへの怒りは措いておこう。

 その時のスバルの様子だが、執事服を着ていて、手指に怪我がなかった。無駄にテンション高めで超ウザキャラって感じのあの振る舞い……間違いない。これは今が五周目であることの証だ。

 

 

 もう分岐点は過ぎている。前周までの俺が上手くやったか、もしくはスバルがメンタル持ち直して頑張ったかしたのだろう。

 

 これなら、もう何も怖くない! 勝ったなガハハ! 風呂入って……あ、今日はもう入浴時間終わってるわ。明日は絶対入ろう。そうしよう。

 

 

 

 

 

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

 

 

 

 そんなわけで、俺は安心してのんびり出来るわけだ。

 

 いやー、助かった。どうすればIFルート阻止出来るのか、ぶっちゃけ今回はわかんなかったんだよね。いざとなったら、『貴様アアア!! 逃げるなアア!!! (主人公の)責任から逃げるなアア!!』って感じで、崖ダイブキャンセルしたスバルを斬首するつもりではあったけど。その必要はなさそうでよかったよかった!

 

 おかげで俺は、のんびり怪我の治療に専念することが出来そうだ。

 

 その他には……あ、そうだ。

 俺って、治癒魔法が効かないみたいだ。いや、全く効かないわけじゃないけど、ほとんど気休めレベルみたいな? 治癒魔法受けるのは今回が初めてだから、効かないことに気付かなかった。だから、エルザ戦で負った傷はまだ治ってない。

 

 どうやら俺が持つ加護───『鈍感の加護』が悪さしているみたいだ。

 

 このいまいちダサい名前の加護は『言霊の加護』なんかと同じく、常時発動している加護だ。具体的な効果は……実は、まだ完全には理解しきれてないんだよね。

 

 俺が知っているのは、痛覚を筆頭に、疲労や倦怠感など、色んな感覚が鈍いこと。殺意や怒りを向けられても、それが原因で動きに支障が出ないから、精神的にも人より鈍いかもしれない。でも、鈍感系主人公にはならないと思う。

 

 少々地味だが、この加護のおかげで俺は元現代人ながら戦うことが出来る。下手なチート能力よりもありがたい能力だ。

 

 

 ……まぁ、今回で特大デメリットが判明したんですがね(涙)

 

 

 治癒魔法も対象なのかよ! 野盗におちぶれた魔法使いと戦ったことはあるけど、普通に攻撃魔法でダメージ受けたのに……あれか? 魔法によって発生した物理現象は無効化出来なくて、治癒魔法のような肉体のマナに直接干渉する系は加護の対象になるのか?

 

 そうだとしたらすげぇ困るんだけど! 前衛なのに、魔法で回復出来ないとかクソゲーすぎるだろ! この世界には回復ポーションなんてないんだぞ!? 治癒魔法が駄目なら低レベルな治療しか受けられないじゃないか!

 オットーみたいに加護の出力を下げるのはどうだ? でも加護の出力調整ってどうやるんだ? 加護を意識すれば特定の感覚を鈍感にすることは出来るけど、その逆はどうすれば……誰かー! 誰かやり方教えてくれよー!

 

 

 ……と、考えこんでたらノックの音がした。

 入ってまーす! と俺が返事をする前に、「失礼するよ」と言ってぬるりと入って来たのは、この屋敷の主人の変態ピエロこと、ロズワールだ。

 

 こんな時間に一体何の用かと思ったが、どうやら今後のことで内密に相談したいことがあるらしい。

 

 変態の話の内容を要約すると、『腸狩り』に匹敵する凄腕(ここ重要)の剣士である俺を、エミリアの騎士としてスカウトしたかったようだ。今回の事件を受けて、エミリアの警護をもっと強固なものにすべきと痛感したんだと……どの口が言ってんだこいつ(呆れ)

 

 当然、俺の答えはNO! 絶対にNO!

 

 原作主人公のポジションを奪うのはオリ主の特権と言ってもいいが、さすがに嫌だよ。騎士になったらそう簡単には離脱出来ないだろうし。

 俺が怖いのは問題のあるIFルートだけであって、それに分岐しない地点まで来たら離脱する気満々だからな。具体的に言うと六章終了後。

 

 それに、騎士なんて柄じゃないんだ。俺にユリウスやラインハルトみたいな振る舞いが出来ると思うか? てか、出来てもやりたくないわ。

 

 だから、傭兵としてならええよって言った。俺の意思でいつでも辞められる感じで。あ、おちんぎんはいっぱいほしい。現代知識で異世界ハーレムを作るにしても、最初にまとまった金が必要だからな。原作が終わるまでは貯金する。

 

 あ~、毎晩美人の巨乳ちゃんとイチャイチャしてぇ~。爛れた生活送りてぇよー。働かないで食っちゃ寝して美人とお突き合い(意味深)するだけの生活が待ち遠しいよぉー。

 

 

 ……あ、OKすか? 騎士になるまでのお試し期間的な感じ?

 いや、騎士にはならないけど……まぁ、とりあえずはそれでいいや。

 

 はい。じゃ、よろしくぅ!

 

 変態が部屋を出たことを確認し、思わず俺はにやけてしまった。

 二章の分岐点も越えてるし、エミリア陣営でのポジションも簡単にゲット出来た。治癒魔法が効かないのは問題だが、その辺は三章までの二ヶ月間で加護の制御を頑張ればいい。何とかなるさ。

 

 

 あとは、想定外の事が起きなければ、二章は原作通りに進んで終わるだろう。今回は楽が出来そうだな!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「───私も一緒に戦うわ」

「…………」

「信じて貰えるかはわからないけど……私、もうあの時みたいな失敗はしないから。だから、私を信じて! 一緒に皆を守って! お願い!」

 

 そう叫んだのはエミリアだ。

 

 両手を前に突き出し、いつでも魔法を放てるように構えている。その姿からは並々ならぬやる気と気合を感じさせる。普段のほわほわした雰囲気の彼女とのギャップが凄まじい。

 

 ……もっとも、村の子供達の呪いを解呪するためにオドを削り、夜通しパックを実体化させていた。ある程度は睡眠をとったとはいえ、万全の状態とは言い難いだろう。

 

 そんな彼女を横目で見た後、眼前の魔獣に視線を戻す。

 

 その魔獣は、一言で言えば『デカい蜂』だ。

 紅い眼光に二本の触覚。膨れた腹に、尻から生えた鋭い針。黒く、細い上半身には、翡翠色の(はね)が生えている。サイズは、本体だけなら拳半分程度の大きさだろうか。

 

 百は越えているであろう魔獣の群れは、獲物を前にして顎を『ギチギチ』と鳴らしていた。

 

 …………………………。

 

 ……………………。

 

 ………………。

 

 ……どうしてイレギュラーは発生するんだろう?(白目)

 

 俺さ、今アーラム村にいるんだよね。

 そんでそのー……ははっ。いや、なんか……変な魔獣と戦うことになっちゃってさ。いやー、参ったよね。なんで俺が戦わなきゃいかんのですかね。まだ怪我治ってないんだよ? リハビリにしてもハードすぎるって言うかさ……。

 

 

 原作と違う展開はやめろォ!(本音)やめろォ!!(懇願)

 

 

 なんで村に魔獣がいるんだよ!

 教えはどうなってんだ教えは!

 お前ら村人は結界を管理してたんじゃないのか!

 分かってんのか!?

『魔獣騒動』が起きたのは村人が結界の管理を怠ったせいだろうが!

 命取んのかよ!?

 くそったれ!

 

 

 俺は半ばやけくそになりながら、襲いかかる魔獣の群れを迎え撃つのであった。

 

 

 ど、どうしてこんなことに……。

 

 




・カス
生きていた主人公。
将来の夢はおっぱいの大きな美女と爛れた生活を送る事。

・鈍感の加護
カスが持ってる加護。
元ネタは『Re:ゼロから始める異世界生活 偽りの王選候補』というゲームに登場する人物が持っている加護。

所持者は肉体や精神が鈍感になる。
具体的に言うと、魔法によるバフデバフ、洗脳等の精神干渉系能力を完全に無効化する。さらに精神的なプレッシャー等にも鈍感になるため、いついかなる時でもマイペースを保つことが可能。仮に精神が乱れても、平常心を意識すれば瞬時に冷静になれる。

カスはまだ加護が制御出来ておらず、半ば暴走状態。
なので治癒魔法もほぼ無効化しちゃってる。無能。

・デカい蜂
正式名称は『養魔虫』。
本作の二章ラスボス。エルザに比べると大したことない強さだが、今の負傷しているカスにとっては結構な強敵。

こっちもゲームで登場した。
ゲーム中の黒幕が黒幕なので、多分既存の虫を改造かなんかして生み出した新種の魔獣っぽい何かだと思われる。とある人物が使役していた。

・イレギュラーが発生する理由
→A.いわばケツだな


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