ゴールデンOKITAさん   作:アイヌ文化保存係

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小樽防衛隊VS熊嵐!! その2

沖田さんとヒンメルが瞬間移動に見えるほどの全力疾走で、小樽の町まで跳んでいった頃。

残された杉元、アシリパ、白石、谷垣ニシパ、そしてピンクの髪の毛を持った愛されアホの子ポンコツ男の娘アストルフォきゅんは遅れてではあるが、小樽の町を救うために今から向かう所である。

 

「僕はアストルフォ!!シャルルマーニュ12勇士が1人だよ!!此度の召喚じゃライダーで呼ばれたんだ!!宜しくね!!そうそう、僕は埋蔵金とか興味ないから!マスターは不死身だし…この北海道を満喫するし…民間人には手を出さないからさ!!」

 

アシリパさんのトラップにかかっていたこともあり、アストルフォきゅんの首筋は少し赤くなっている。サーヴァントは神秘のない攻撃は一切受けないが、アシリパさんのトラップは濃厚な神秘が唯一残る試される大地北海道のこともあり、アストルフォきゅんにダメージを与えたようだ。しかし、サーヴァントは現代人より基本的に頑丈であり…微々たるダメージしかない。

 

「山に居たのは面白そうだっただけなんだよ…」

「それは分かったけど。クラスとかよく分からんな。てか、双眼鏡で見た第七師団のサーヴァントとは違って黒い靄はないんだな」

 

現在の杉元パーティーの状況。杉元さんピンピンしてる。白石ピンピンしてる。アシリパさん、空腹という名のバッドステータス。谷垣ニシパ、右足骨折+右腕骨折…ヒンメルの魔術で多少マシになっている。そしてアストルフォきゅん、第七師団のサーヴァントと違って普通のサーヴァント。

 

「これが本来のサーヴァント…というか過去に生きた偉人なんだろうな。第七師団の魔術師はサーヴァントを人ではなく道具として見ていた。だからこそ、わざと不完全にして黒い靄が有ったんだ。俺が仮にサーヴァントとして、あんな扱いされたら反逆してる」

 

第七師団の魔術師連中はサーヴァントを道具のようにしか見ていない。当然、友好的な信頼関係を結ぶつもりもなく、道具として使い潰すつもりだった。だからこそ、格を落としたシャドーサーヴァントにしたのである。

シャドーサーヴァントにすることでへっぽこ魔術師でも呼べるし、裏切られる可能性は低い。まあ、熊嵐にはその個性もあってか格が戻り…秒で裏切られて多くの犠牲者が出たが。

 

「それより、早く俺達も行くぞ!沖田さんとヒンメルだけに戦わせるわけには行かないだろ!」

 

杉元が急かすように告げて、大急ぎで小樽に帰ろうとする。無理もない。現在、例の暴走バーサーカーこと熊嵐は人口密集地でもある小樽に向けて...気配を殺しながら進んでいるだろう。だが、考えてほしい。神秘がなければサーヴァントにダメージを与えることは出来ず、杉元では熊嵐にダメージを与えれないのだ。吸血鬼と違い、サーヴァントには普通の人の力ではダメージを与えることが出来ず…どうすることも出来ない。

 

「だとしても、俺達は普通の人間だぜ?コイツだってヒンメルちゃんの魔法で多少はマシになったって言え、骨が砕けたんだろ!?」

 

白石の言うことももっとも。はっきり言えばサーヴァント相手には杉元達は足手まとい。杉元はダメージさえ与えれることが出来れば足手まといではないが、杉元の打撃も銃も神秘がないのでサーヴァントにダメージを与えることは出来ないのだ。

 

「いや。だとしても俺は行く。あのヒグマのサーヴァントはどういう訳か、黒い靄だった頃から俺に執着していた。ヤツは必ず俺の前に現れる。それに、俺は兵士の前にマタギだ。人を食らう熊をみすみす見過ごせるか!」

 

谷垣ニシパは第七師団の前に、1人のマタギだ。ここまで人を餌として認識しているヒグマのサーヴァントである熊嵐はほおっておけば見境なく、北海道の人間どころか日本中の人間を食い尽くすだろう。そんなヒグマを放置することは、生態系と共に生きる狩人のマタギからすれば許すことは出来ない。

 

「あの…僕、ヒポグリフを出せば皆で小樽に行けるよ。ヒポグリフー!!でばんだよー!!」

 

アストルフォきゅんが叫ぶ。その瞬間、どことなく…猛禽類の頭部をもった下半身が馬の幻獣 ヒポグリフを召喚した。生まれて初めて見るヒポグリフの姿に杉元達は唖然となるが、アストルフォはヒポグリフに跨がった。

 

「さあ、皆のって!!」

 

アストルフォに言われ、杉元達はヒポグリフに跨がっていく。最初に怪我人の谷垣ニシパが杉元に補佐されて、ヒポグリフに乗せられ、杉元がアシリパさんをヒポグリフに乗せて、最後に杉元と白石が跨がった。

 

「よーし!!いくぞぉー!!」

「ひぽぅぉ」

 

だが!!ヒポグリフ!重量オーバーで動けず!筋肉ムキムキのフィジカルオバケの杉元、マタギドスケベマッスルの谷垣ニシパがいるから上手く動けないようだ。

 

「仕方ない。私と杉元は別で行くぞ」

「アシリパさん?」

 

アシリパさんはヒポグリフから降りて口笛を吹くと、ザザッと何かが森を疾走する音が聞こえてくる。そして、森を疾走して、その何かはアシリパさんの前に現れた。それは絶滅したはずの大型肉食動物であり、北海道の生態系頂点に君臨する絶対捕食者 蝦夷狼であった。

 

「ワォォォーン!」

「よしよし、よく来てくれたレタラ」

 

アシリパさんにレタラと呼ばれた蝦夷狼はアシリパさんに首もとを撫でられて、背中にアシリパさんを乗せた。

 

「杉元乗れ!!」

「おっおう…アシリパさん」

 

杉元はレタラの背中…アシリパさんの後ろに跨がると、レタラは地面を疾走して、小樽まで物凄い速度で駆け抜けて行った。

 

「行っちゃった」

「蝦夷狼…生き残りが居たのか」

「アンタ…」

「恩人の家族には手を出さんさ。だが、1人のマタギとして挑みたいと言えば本音だが」

 

そして残されたアストルフォ達、ヒポグリフも翼を広げて空を駆け抜けて行く。しかし、ギャグ補正が働いたのか…白石がヒポグリフから落ちてしまった。

 

「ぎゃー!!」

「白石ぃぃい!!」

「丸坊主のおじさんが落ちたーー!!」

 

だが、間一髪…白石はヒポグリフの尻尾を掴んで事なきを得て、小樽に着くまでギリギリ耐えたとか。

 

 

 

「なるほどな。たしか、サーヴァントは神秘のない攻撃は通じないと、トシさんが言ってたな」

「永倉さん?土方さん生きてたんですか!?」

「噂には聞いてたが、会ったのはつい先日だ」

 

その頃、沖田さんとヒンメルはヒンメルの兄貴分であるニコラスを連れて、永倉爺さんの元を訪ねていた。永倉爺さんにヒグマのサーヴァントの話をすると、興味深い話が聞けた。なんでも沖田さんの試衛館時代の後輩であり兄貴分そして新撰組副長である土方歳三がお爺さんとなっていて生存しており、先日に永倉爺さんに会いに来たのだ。

 

「しかも刺青の囚人の1人だ。最新式の武器を調達してほしいと頼まれてな。刀以外の得物は沖田と同じく、ウィンチェスターライフルだったよ。まあ、トシさんは標準モデルの銃身が長く14発装填だが」

「土方さん、網走監獄におったんかーい!!」

 

だが、このままでは話が土方歳三の話題に行ってしまう。今はヒグマのサーヴァントをどうするかということであり、土方歳三の話は落ち着いてからでも問題はないだろう。

 

「しかし…サーヴァントとやらになるなら神秘とか知らん人間でも知っている知名度が有るだろう。そんな狂暴な人食いクマの話なんてあまり聞かんな」

 

この中では北海道在住歴が最も長い、永倉爺さんが腕を組ながら天井を見てそう言った。

一応、明治11年に札幌で人食い熊の事件が起きたことは記録されている。だが、そのヒグマは冬眠明けで空腹だったこともあり、家畜を押そって流れで人を襲ったケースだ。今回、多くの人間を食い殺したヒグマのサーヴァントのような獣害事件は起きていない。

 

「確かにヒグマの被害は無いとは言えんが、ワシの知る限りでは家畜を襲ったヒグマを追い払おうとして襲われたケース。山に入り、ヒグマを刺激して襲われたケース位だ。

ヒンメルの兄貴分の…えーと、お前さん、たしかニコラスだったな。お前さんの意見はなんだ?」

「ワイの仮説やけど、未来での事件に関わるヒグマちゃうか?英霊の座には時間軸は関係あらへん。それこそ、人々が深層心理に思う浦島太郎や花咲か爺さんなどのヒーローも居るんや。並行世界や未来のヒグマも居るやろう」

 

そう、英霊の座と呼ばれる所では時間軸は関係ない。新撰組時代の永倉爺さんだったり土方爺さんだったりの実在した猛者は勿論のこと、人々が深層心理に思う浦島太郎や花咲か爺さんなどの創作物のヒーローも登録されているのだ。そして時間軸は関係ないということは、未来の猛者や並行世界の存在も召喚されるということだ。

 

「「へっ?未来のヒグマ?」」

「かも知れへんってことや。この爺さんが知らんだけで、大昔に人をめっちゃ食ってたヒグマかも知れへんけどな。

てか、ヒンメル。お前、任務前にガブリエルから英霊の座について言われたやろうが。それに、第七師団だけちゃうで、痺れを切らしたアイツベルンのアホどもが魔術協会やイギリスの豪商達に『聖杯』の作り方を伝えて劣化物じゃなくて本物のサーヴァントも願いの為にゾロゾロやってくるわ」

「あの…と言うか、なんでイギリスの金持ちも?」

 

ニコラスから提供された爆弾情報。サーヴァントを呼び出すのは第七師団だけではない。低魔力ほぼパンピーな魔術師でもサーヴァントを呼び出せる『聖杯』と呼ばれる代物の製造方法をアイツベルンが、列強国や金持ちにリーク。これを使うことで、ほぼパンピーでも強力なサーヴァントを呼び出せるし、サーヴァントは『聖杯』の力で願いを叶えられるかもしれないというWinWinな関係が産まれるのだ。

 

しかし、なんでイギリスの金持ち集団も北海道にやって来るのだろうか?やはり、埋蔵金だろうか?

 

「やっぱり埋蔵金ですね」

「一生遊んで暮らせる大金は誰もがほしがりますもんね」

 

ウンウンと頷きながら、イギリスの金持ち連中が北海道を目指す目的を予想する沖田さんとヒンメル。だってお金は無くて損することはあっても、無くて損することは少ない。使う使わないは個人のかってだが、有れば有るだけ良いだろう。

それに第七師団はイギリスの豪商とも繋がりがあり、豪商達も第七師団から埋蔵金のことも聞かされたのかも知れない。

 

「ちゃうわ。まあ、これに関してはヒンメルと嬢ちゃんは知らんやろうな。言ってもいいか、この北海道の何処かに莫大な埋蔵金と共に、北海道の権利書が保管されとんねん。その権利書が有れば、北海道を自分の物と宣言できんや。冗談ちゃうで?当時の列強国と日本が記した本物や。文字通りの北海道争奪戦やで」

「なるほどな。と言うことは、歳さんもそれが狙いか。蝦夷地を独立させると言ってたしな」

 

イギリスの豪商達の狙いは北海道の権利書。北海道には莫大な富や資源が眠っており、権利書さえ手に入れることが出来れば北海道を自分の物に出来るのだ。

ニコラスから手に入れた情報から、土方爺さんもその権利書が目的だろうと予想を立てる。蝦夷地…北海道を独立させるなら権利書が有れば事足りるためだ。

 

「最悪、北海道から世界大戦の始まりや。サーヴァントさえも道具にする…なんでもありやで。それを防ぐために、ワイは来たわけや」

「それほど、北海道は魅力的という訳か」

 

大人2人は冷静であるが、子供2人こと沖田さんとヒンメルは

 

「いや~世界大戦ですか」

「Oh!Crazy!」

 

現実逃避を行い、お茶を啜る。それから数秒後…

 

「「えっぇぇぇぇ!!世界大戦!?」」

 

ものすっごい声を驚きながら出してしまう。その声に永倉爺さんとニコラスはうるさいなっと言いたげに、顔をしかめてしまった。

 

と、その時だった。聞きなれないサイレンの音が響き、明治では考えられない爆弾の爆発で壁が吹き飛び、更に爆炎を突き抜けて…平成や令和の世では装甲車と呼べる乗り物が突っ込んできた。

 

「なんですかアレ!?」

「車!?いやでも俺の知ってる車と違う!?」

「アホ!!良く見ろや!!これ、神秘の塊やんけ!!サーヴァントの仕業や!!」

 

サーヴァントの座は時間軸に縛られることはない。未来の存在も呼べるのだ。そして中には概念や存在を呼び出すサーヴァントも含まれる。

ギルガメッシュは王の宝物庫…ゲートオブバビロンを介して色んな物を出せる。オジマンディアスはピラミッドを出せる。ならば、警察の礎を作った彼は警察の概念を過去と未来関係なしに出せるだろう。

 

「お前達、逃げるぞ!此方だ」

 

永倉爺さんの言葉でその場から逃げ出す沖田さん達。沖田さん達が部屋から出て直ぐの事だった。

装甲車から何かが投げられた。それは平成や令和で警察特殊部隊が採用している、スモークと閃光弾だ。閃光弾が眩い光を放ち、装甲車から鎮圧舞台であるS・A・Tがサブマシンガンで武装して出てきた。

 

『クリア』

『ラジャー。続けて行くぞ』

 

しかし、既に屋敷から沖田さん達の姿はなかった。

 

 

永倉爺さんが事前に作っていた逃走経路で敷地外に逃げ出した沖田さん達。

 

 

「なんとか無事に逃げれましたね」

「サーヴァント相手なら、ワシは足手まといだからな」

 

沖田さん達は小樽の港に無事に逃走できた。

 

「ヒンメル。魔力が濃い反応を探すんや。あんな派手なことしたさかい。アサシンでもない限り、わかるわ」

「ですね」

 

あんなにド派手に警察特殊部隊や装甲車を動かせば、アサシンのサーヴァントでない限り、魔力の反応は間違いなく出る。隠すことが出来ても、間違いなく近代史~平成のサーヴァント。魔術はろくに使うことは出来ない。

だからこそ、痕跡は間違いなく残る。そのため、ヒンメルとニコラスは双眼鏡を使って濃い魔力の反応がある所を見る。

 

「ニコラス!沖田さん!永倉お爺さん!!見つけました!!」

「なんやて!?」

「本当ですか!?」

「どんな奴だ!?」

 

ヒンメルは直ぐにそのサーヴァントを確認。投影魔術で写真を投影、その写真には1人のデコが広い日本人の男が写る。

 

「こいつは…川路利良か!警察を作った男だ」

 

永倉爺さんはその写真に写る男を見て川路利良と言った。

川路利良は日本警察の父と呼ばれており、明治時代に警察の礎を作った男である。しかし、史実では病で明治初期に亡くなっており、ゴールデンカムイの時代では故人だ。

 

「あれ?たしか薩摩藩士でしたよね?」

「そうだ。戊辰戦争の働きで、大久保に認められた男だったな。まさか、コイツも呼ばれるなんてな」

「しかし、警察を作っただけで未来含めた警察の装備使えるとか、サーヴァントはなんでもありですか?」

 

 

 

 

 

「過去の亡霊…幕末の生き残りめ」

 

丘の上から川路は燃える永倉爺さんの屋敷を見下ろす。聖杯のバックアップ付きでイギリスの豪商に召喚された川路は、自身の目的で永倉爺さんを襲撃したが…既に逃げられたことを悟る。

 

「グルル!!」

 

だが、そんな川路も今ではサーヴァント。人間より魔力は豊富であり、川路を捕獲するため背後からバーサーカー 熊嵐が迫る。

川路は丘を飛び降りて、警察用ヘリを呼び出し、ヘリに掴まってその場を飛び去る。しかし…

 

「うわー!!退いてー!!」

「ほんげぇぇぇーーー!!」

 

ヒポグリフに激突され、川路は吹き飛ばされた。川路、史実でうんこを投げた変態エピソードがあり、今後も出る模様。

 

「あー…なんか、白石と谷垣ニシパが乗った幻想種に、川路…でしたっけ?吹き飛ばされましたよ」

「「なんだって!?」」

「なんやて!?」

 

白石達、沖田さんと無事に合流!!




次回!杉元達も無事に合流~からの刀崎さん再び!!届く第七聖典

ヒンメル「刀崎さん?…魔改造しすぎてません?」
沖田さん「時代を数百年先取りしてません?」
刀崎さん「やりすぎちゃった!」

変態属性持つ史実の人、もっとサーヴァントで出す?

  • なにを言う、人類は皆変態なのさ
  • 我がパンツに一片の悔いなし!!
  • 俺の尻をなめろ~なめろなめろ~
  • 風呂?入らんよ
  • 藤丸「助けてくれぇぇ!!」
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