ゴールデンOKITAさん   作:アイヌ文化保存係

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ヒグマの足の速さは時速60キロ(しかも荒れ地)

「こっち見て消えたな」

「消えた…お化けみたいに」

「それどころか…物理的干渉を防ぐ術があるのかな」

「とりあえず、これだけは言えますよ」

 

「「「「絶対、生前より危険すぎるヒグマ!!」」」」

 

病院で事前に獲物と決めていた第七師団の兵士達、搬送された第七師団の亡骸、そして病院の病室で偶然にも熊嵐と居合わせてしまった看護師や医師、ついでに動けないでいる患者を文字通り食らいつくした熊嵐は霊体化して姿を消してしまった。

沖田さん達が病院の周辺を調べてみるが、熊嵐が現れた物理的痕跡は皆無。このことから熊嵐はお化けのように誰にも姿が見られず霊体化したまま病院に忍び込み、病室で獲物を確認してから実体化。実体化したと同時に兵士達を攻撃して物の数秒で動かぬ肉塊に変えて食べてしまったのだ。

 

「というか、生前にお化けみたいなこと出来ないよな?つまり、サーヴァントになってから魔力とかの使い方を学んで学習したってことか?」

「人間じゃありませんし、旦那…そんなことあります?」

 

お互いに顔を見合わせて「あのヒグマヤバくね?」と言いたげな杉元とヒンメル。そんな2人の疑問にここで答えておこう。

ヒグマの学習能力と思考力は人間の想像を遥かに超えていると言える。

実在の例だが、ヒグマはかつて海を渡って本州に上陸が確認されたことがある。だが、そのヒグマはしばらく探索してる内にあることに気づいた。それは自分と番になってくれるであろうメスのヒグマが居ないことに気付き、子孫を残せないと判断して北海道に泳いで帰ったのだ。そう、繁殖出来ないからと北海道に戻る判断力を持っているのである。他には平成では「ヒグマはラジオや熊避けの鈴が苦手」なんて情報があるが…明治より自然と町の境界が曖昧になり…ヒグマはラジオ=弱い人間が居ると覚えてしまいラジオを恐れなくなっているのだ。

 

「いや、ありえる。私はヒグマの子供を育てたことがあるからわかるが、物覚えが非常に良いぞ」

「「「マジでぇぇ!?」」」

 

そう、ヒグマは非常に頭の良い動物なのだ。事実、史実の熊嵐も子供と女=弱いと分かっているのか、優先的に子供と女性を狙って食べていた。なんなら胎児まで食べようとしていた。

そんなヒグマであるが、熊嵐のようなデンジャラスすぎる個体もいれば、大真面目に英霊の座に登録されてそうな人間大好きなヴォイテクという優しいヒグマも実在している。ヴォイテクは人間の仕事を理解しており、生き残るためにもポーランド軍の弾薬を運ぶ仕事を手伝っていたのだ。

 

「ヒグマの嗅覚はアイヌ犬以上だ。流石にレタラ達、蝦夷狼には負けるが」

 

えー、ここでヒグマのゲキヤバスペックを話しておこう。

先程も言った通り…ヒグマは学習能力と思考力が非常に高い生き物であり、見た目と戦闘力どおり肉体もオーバースペックなのだ。先ず腕力…軽々と人間を吹き飛ばす。両腕には鋭利な爪があり、ビンタのような攻撃でも人間の貧相な皮を剥ぎ取る。毛と分厚い皮そして脂肪はそれだけで頑丈な鎧となり、ナイフや散弾銃では殺すことは出来ない。骨と筋肉も頑丈であり、特に頭蓋骨でもっとも分厚い額の部分は明治時代の銃弾さえも弾く…というか平成のハンドガンさえも弾く。嗅覚は軍用犬を遥かに凌駕しており、哺乳類最強の嗅覚を持つ大陸狼にちょっと劣る程度。荒れた急勾配の山道を時速60キロ以上で駆け抜けるスピード!!因みに時速60キロは平成での車の法定速度、平坦な道を走る馬の速度である…それを荒れた山道で60キロ出せるのだ。木に上れば逃げれるって?残念!!ヒグマは木登りが得意だ!!山では逃げ場は存在しない!!

簡単に言えば、大相撲の横綱と同じパワー+両手にサバイバルナイフ装備+追跡能力は軍用犬真っ青+木登りの達人+荒れた山道をディープインパクトと同じ速さで突っ込んでくるのだ。しかも防弾チョッキとヘルメットを装備して。うん、無理ゲーだ。悲しいことに、このオーバースペックぶり…史実熊嵐のような異状個体ではなく標準個体でこれだ。

 

うん、普通の人間は先ず勝てん!!

 

「で、これで川路みたいに逸話とか功績がとんでもない特殊能力になってんだろ?」

 

この中でもっとも戦いに足手まといな白石がガクガク震えながら言う。

しかもそんなただでさえヤバいヒグマであるが、ヒグマの中でも特殊個体である熊嵐のサーヴァント化。現代英霊であり(熊嵐はぶっちゃけ人間側から見たら反映霊)逸話や功績から間違いなくとんでもないスキルや能力系宝具を有している。

今判明している中ではマスター不在でも肉を食べれば半永久的に活動可能。どういうわけか不変の存在である受肉前サーヴァントなのに成長出来る。肉…というか人間を食べれば食べるだけパワーアップ。事前知識なしで霊体化の効率的な人の襲いかたを考える学習および思考力を有しているのだ。

 

「というか、未来か並行世界のヒグマですよ。逸話とか功績とか分かりませんし、能力は分かりませんね」

「ただ言えるのはあのヒグマはウェンカムイということだな」

 

正にヒグマはヤバい生命体。と、その時だった。

 

「おやおや…誰かと思えば聖堂教会の異分子さんデスね」

 

すると前からイギリス系の白人が無数の様々な年代の人間を引き連れて現れた。そしてその白人はヒンメルを見て、教会の異分子と言ったのだ。つまり、ヒンメルが埋葬機関のメンバーであることを把握しているのだ。

 

「「「「知り合い?」」」」

「いや、初めて会いましたけど?」

 

「私はトーマスデス。日本には商売と戦争をしに来ました。戦争は儲かりマス!!私、戦争大好きです!!」

 

その白人はトーマスさん。日本には武器商売、そして埋蔵金と北海道の領地所有権が欲しくてやって来た豪商である。

 

「「本当に豪商がサーヴァントらしき人引き連れてやって来た!!」」

「えっ!?沖田さん、ヒンメル?しってんの!?」

「私は紳士デス。貴方の存在を消す前に、理由を証明しましょう」

 

トーマスさんはそう言うと、トーマスさんの配下と思われるサーヴァントが数枚の紙を沖田さん達の足元に飛ばす。それを拾って見ると、それは…

 

『第七聖典継承者 ヒンメル。懸賞金3千万ポンド』

『堕天使ガブリエル。懸賞金5千万ポンド』

『葬儀屋 ニコラス・D・パニッシャー。懸賞金3千万ポンド』

『死徒27祖 剣聖ベ・ゼ。懸賞金50億ポンド』

『死徒27祖 メレム・ソロモン。懸賞金5千万ポンド』

 

ヒンメル達、埋葬機関の村八分にされているメンバーのヨーロッパ共通の指名手配書であった。因みに、ジジイとガキンチョ2つの姿があるメレム・ソロモンは写真が2つ存在している。

 

「なんか、俺指名手配されてるんですけどぉぉぉお!!」

「「「なんで!?」」」

 

悲報!!埋葬機関、村八分されていないNo.2を除き欧州で指名手配される。

 

「既に貴方達は不必要ナノです」

 

トーマスさんは語る。埋葬機関として本来なら封印および討伐対象さえもエクソシストとして管理していたのは、死徒27祖を含めた人外を抹殺するため。そのため此の世の理から外れたヒンメル、死徒27祖最強の剣士であるベ・ゼでさえも特例としていた。しかし、アインツベルンがもたらした『聖杯』の作り方とサーヴァントの召喚方法、そのお陰で聖堂教会とヨーロッパはサーヴァントという力を得ることが出来た。

 

「サーヴァントの皆さんは吸血鬼などの人外から人を守るのに協力してくれマス。死の理から外れたヒンメル、加熱した天使信仰を抑えるため堕天された熾天使ガブリエル、聖堂教会の人体実験の被害者ニコラス、そして剣聖ベ・ゼはもう必要ありません。

ベ・ゼの討伐にはバーサーカー ヘラクレス、ライダー アキレウスを向かわせました。ガブリエルは逃げられましたが、時間の問題でしょう。さあ、第七聖典を返却して死んでくだ……「殺してみろぉぉ!!俺は不死身の杉元だぁぁあ!!」ファァァイ!?」

 

ペラペラと聞いてないのに喋ってくれたトーマスさん。だが、その長話が仇となった。ヒンメルからブレードライフルことジャッジメントを借りた杉元が、ジャッジメントをライフルモードにして、銃剣を振り回すように突撃してきたのだ。

 

「我が主よ!!私の後ろに!!」

 

トーマスさんがマネー=パワーで触媒をゲッチュして召喚した2つの槍を持つ、泣き黒子が特徴のイケメンが前に出る。イケメンのランサーは2つの槍で、杉元の一撃を受け止めた。

 

「ぐっ!!これ程の戦士……ケルトにも居なかったぞ!!」

 

イケメンランサーは赤い長い槍、黄色の短い槍を持っている。杉元の一撃を受け止めたことで2つの槍が激しくしなり…黄色の槍は見事に破壊された。

 

「俺のゲイ・ボウ!?」

「俺は不死身の杉元だぁぁあ!!」

 

ブレードライフルの銃身がイケメンランサーの下顎をクリーンヒット!!バキバキと骨が砕かれる音が響き、身体が捻られて数メートル吹き飛び、ピクピクと痙攣して動かなくなった。

 

「くっ!!黄色のモンキーの兵士は野蛮です!!セイバー!!」

「御意。新撰組一番隊隊長 沖田総司の力を見せましょう」

 

トーマスさんの言葉を聞いて1人の侍が前に出る。その侍はかの有名な新撰組の羽織を着ており、写真として伝わる男としての沖田総司と同じ顔をしていたのだ。

 

「「写真と同じ顔ぉぉぉぉお!!」」

「替え玉くん!?召喚されたんかぁぁい!!」

 

そう!!彼は沖田総司として伝わることになった、沖田さんの前世の替え玉くんだったのだ。しかし、サーヴァントは伝承や言い伝えも能力となる。そのため…

 

「私は人々が思う沖田総司としての力を得ました。残念ですが沖田隊長…いいえ、歴史に語られることはない小娘よ。貴方に勝ちはありません」

「一先ず、パイルバンカーで貫く?魂さえも破壊してやる」

「なんでヒンメルちゃんがぶちギレてるの!?」

「しょうがないですね、一先ず勝った方が本物ですね。ヒンメル、刀借りますよ」

 

替え玉くんは人々が思う沖田総司としての力をサーヴァントになってから得たのだ。人々は沖田総司を新撰組一番の剣士と思っており、非常に手強い。

そんな替え玉くんに対して、沖田さんはヒンメルから元から神秘のある刀を借りて、替え玉くんと退治する。

 

「いざ!!尋常に!!「はぁ…江戸時代の人達が思ってる私って、こんなに弱かったんですか?」ぶべら!!」

 

その瞬間。沖田さんは替え玉くんの背後に現れ、替え玉くんは真っ二つに両断されて光の粒子に変わって消滅した。

 

「そういや…トーマスさんでしたっけ?アナタ、死徒になったんですか?」

 

ガチャリ…ヒンメルが第七聖典本体のウェポンラックからアサルトライフル ブレイズを取り出した。

日頃から死徒を狩りまくっていたヒンメルはトーマスが人間を辞めていることに気付いたのだ。

 

「はい。便利ですよ。魔術協会がアナタに行った実験で完全な不死は再現できなくても、日光を浴びても良い死徒になる薬が出来ました。定期的に血を飲まないといけませんが、素晴らしいです!!

これ以上老いなくなるし、戦争で私は儲かり続けます!バカな子供に家を継がせる必要もな…ギャァァァア!!」

 

その瞬間。トーマスの腹部に黒鍵が突き刺さり、100万ボルトの電流が内側からトーマスを焼き、ブレイズの銃弾がトーマスの左半身を吹き飛ばす。

 

「貴方が戦争が好きなのは自分に危害がなく、儲かるからでしょ?その儲けの裏でどれ程の人が死んでるのか、大切な人を失ってるか、殺したくないのに殺さないといけないことを」

「身体が…身体が再生しない!!ヒッヒっ!!」

「なあ…戦争が好きなんだろ?良いぜ、俺が戦争で知ったことを身をもって教えてやるよ。吸血鬼は物理が効くんだよな?」

 

不死身×2に睨まれて、トーマスさん大ピンチ!!

 

「ロシアも日本も、戦争で死ぬのは俺達のような若者だけだ。どっちの若者も国や家族の為に戦ってんだ!!俺の死んでいった親友達も、俺が殺したロシアの野郎もだ!!

戦争が好き?戦争がどんなもんか知らない癖に、言うんじゃねぇぇ!!イギリス野郎!!」

「まっ…まって!!お金あげるから!!武器もあげるから!!ギャァァァア!!」

 

トーマスさん、杉元さんに機能が停止するまでボッコボコにされて消滅したとかさ。

 

「!!ッッ!!ッッ!!」

 

だが、杉元達は知らない。気配遮断スキルを使い、下顎が砕かれたイケメンランサーを熊嵐が連れ去り、森に運んでいったことを。

 

 

 

 

一方の谷垣ニシパ達。

 

谷垣ニシパ達は森で1人のマタギとであった。

 

「その銃は…村田銃だったな。1発しか入らず、威力も低い」

 

そのマタギは村田銃こと村田式単発銃を構える。その視線の先には迫り来る普通のヒグマが居たのだ。

 

「5回撃てれば、5回勝負できると勘違いする。

だが、1発で決めなければ死ぬ。1発しか撃てないからこそ、腹が据わるんだ」

 

そのマタギは迫り来るヒグマの心臓を的確に一撃で撃ち抜き、たった1発の銃弾で倒してしまった。それも貫通力の低い村田銃でだ。的確に肋骨を避けて心臓を撃ち抜かなければ出来ない芸当である。

 

「まさか…アンタはまさか…」

 

そのマタギこそ、伝説のマタギ 二瓶鉄造。これまで200以上のヒグマを打ち倒した伝説の男である。




オマケ 後日の沖田さんとヒンメル

沖田さん「ヒグマのサーヴァントを倒してからも、様々なサーヴァントを倒してきましたけど」
ヒンメル「これだけは言える」
2人「あのヒグマのサーヴァント…強すぎじゃね?」

変態属性持つ史実の人、もっとサーヴァントで出す?

  • なにを言う、人類は皆変態なのさ
  • 我がパンツに一片の悔いなし!!
  • 俺の尻をなめろ~なめろなめろ~
  • 風呂?入らんよ
  • 藤丸「助けてくれぇぇ!!」
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