ゴールデンOKITAさん   作:アイヌ文化保存係

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大怪獣SF大決戦!!熊嵐VS第七聖典フルアームド

翌朝。谷垣ニシパ達は目覚めて、川(水温-5度)で身体を水洗いする全裸の二瓶鉄造を目撃する。だが、二瓶の上半身は白石やヒグマに食われたおっさん、尾形に狙撃されたおっさんと同じく埋蔵金の暗号が記された刺青が記されていたのだ。

 

「アンタ…刺青の囚人だったのか!?」

「数年前か。猟師を狙う殺し屋が居てな、ソイツらを返り討ちにしたらこの有り様さ。俺は埋蔵金に興味はない。脱獄したのは…自然と共に生きる物として、最期は山で迎えたかったからさ」

 

二瓶はそう言って川から出る。今の二瓶は無防備その物であり、谷垣を見る。谷垣は第七師団で埋蔵金争奪戦に参加している鶴見中尉の部下であり、埋蔵金の為には刺青の囚人を捕まえる必要があるのだ。

 

「多くの鹿やヒグマを撃ち殺した。もちろん、ソイツらに殺されるのなら本望だ。俺は命をかけている。

それで、谷垣よ。今のお前はどっちだい?第七師団の兵士、谷垣一兵卒か?それとも人食いクマの化物を停めたいマタギの谷垣か」

 

二瓶の問いかけに対して、谷垣は軍帽をとって、まだ火が残る焚火に放り込んだ。谷垣本人としても心で迷ってたのだろう、マタギに戻るのか…兵士として生きるのかを。

 

「俺はマタギの谷垣です」

 

谷垣はマタギに戻るのを決めた。杉元が元から心優しかった青年が戦争を経験して、殺しのリミッターが壊れたように…谷垣もまた戦争で狂ってしまった1人だ。

第七師団に入ったのは妹を嫁に貰いながら、妹を殺した親友を探しだして復讐するためだった。しかし、戦争で再会した親友は妹を手にかけたこと理由を話してくれた。妹は致死率の高い病、疱瘡…天然痘にかかっており、助かる見込みがなかったのだ。親友は妹の頼みを聞いて、手にかけてしまい…自分の命の使い道を探すため日露戦争で散った。

谷垣も元は優しい青年だった。いや、優しすぎた。戦争が向いてないほどに優しかった彼も日露戦争で変わってしまったのだ。しかし、この北海道の大地で軍から外れて行動する度に、自然に触れて元の自分に戻りつつあるのだ。

 

「そや、お前さん…兵士に向いてなさすぎるで?」

「私もそう思う。谷垣くん、君はあまりにも優しすぎる」

 

日頃から人外を殺しまくるニコラス、そして幕末の武人である佐川に指摘される谷垣。2人の言う通り、谷垣は戦争で変わってしまったと言え…非情になりきれない男なのだ。

 

 

と、そのときだった。魔動駆動のエンジン音と狼の足音が聞こえてくる。やがて音が大きくなっていき、第七聖典本体に乗ったヒンメルと沖田さん、レタラに乗ったアシリパさんと杉元…なぜかレタラに頭をあまがみされて運ばれる白石が到着した。

 

「谷垣!!ニコラス!!大変なことになっ……囚人だぁあぁあぁあ!?」

「「「囚人だぁぁぁあ!!」」」

 

沖田さんご一行。無事に合流。

 

「はぁぁぁあ!?俺ら全員指名手配!?てか、おやっさんだけ賞金高すぎやろ!!…まあ、おやっさんの強さ考えたら妥当やな。

ちっ…レガートだけなしか。あのNo.2、くそ老害どもと仲が良いし…用無しになった俺らを消すきやな」

 

「しかし、本当にイギリスの豪商がサーヴァントを呼び出すとはな。だが、聖杯で願いが叶えられるかもしれないとなれば、呼ばれるか」

 

「それより件のサーヴァントのヒグマだ。佐川さんの言う通り、霊体化も使いこなしてる。それに成長するなんて聞いてないぞ」

 

杉元達から持たされた情報を聞いたニコラス、佐川、谷垣ニシパの感想だった。

 

「ヒグマを嘗めるな。やつらは学習する。銃を持つマタギから逃げ延びたヒグマは、銃がどんな物か学習して裏をかいてくる。人間だけが特別だと思わないことだ」

 

だが、伝説のマタギである二瓶鉄造は違った。サーヴァントと言えどヒグマ。ヒグマのことを知りつくす二瓶にとって、ヒグマの学習能力の高さは理解しており、人間との戦いを生き延びたヒグマはこうするだろうと言うのは想定内だったようだ。

 

「ヒグマは自分の物に執着する。食べきれない肉は土や雪に埋めて保存食にするが、マタギはそこでヒグマが戻るのを待ち構えて狩ることが多い」

 

二瓶の言う通り、ヒグマは自分の物に執着する。特に仕留めた獲物を奪われると何処までも追ってきて取り返しに来る。ならばと、人間はヒグマが埋めた保存食の近くに隠れてヒグマを狩るが…それを学んだヒグマは…

 

「しかし、人間が待ち構えていることを学んだヒグマは戻らない*1。更に賢いやつは人間の裏をかいて、人間を背後から奇襲する。

話を聞く限りだが、お前さん達が挑む人食いクマはそれ以上の化物だと思った方が良い。大きさが6メートルを超えるなら、最新型軍用の小銃でも側頭部から頭蓋骨を撃ち抜くのは不可能だろう」

 

ヒグマは頭蓋骨の中でも額が分厚い。だからこそ、一撃で頭部を撃つなら、側頭部などの薄い部分を撃つのだ。しかし、現在の熊嵐は6メートル以上…今はもっと大きくなっているかもしれない。そんな熊嵐に対しては神秘が宿っていても、三十式小銃や最新型の三八式小銃で頭蓋骨の側頭部を撃ち抜くのはほぼ不可能だ。

 

「それじゃあ…近接でゴリ押しですか?」

「6メートル以上のヒグマに鍛えた人間が近接で勝てるわけがない。普通の大人でもツキノワグマには丸腰では勝てぬのだからな。

だから…射つなら、この角度で鼻を狙う」

 

沖田さんの疑問に答えてくれる二瓶。ただでさえ強い異常個体の熊嵐。その熊嵐がサーヴァントの宝具やスキルの恩恵で生前より遥かにパワーアップ!6メートル以上に身体も成長しており、サーヴァントと言えど近接で挑むのは自殺行為だ。

だが、頭蓋骨でも骨のない所は存在する。それが鼻である。

 

「これが俺が昨日仕留めて、谷垣達と食べたヒグマの頭蓋骨だ」

「でか!?」

「ここを見ろ。大きな穴が有るだろ?これが鼻の穴だ。毛皮が高く売れなくなるから、あまりやらんが…鼻を斜め上に銃弾で貫くと、この穴を通り、薄い上の骨壁を突き破って脳に届く」

 

そう、これは哺乳類共通だが、鼻の穴の部分は骨がなく…この真上には脳ミソ…特に運動を司る小脳が近いのだ。鼻を斜め上に突き抜ければ、脳にダメージを与えてヒグマを倒せる。ただし、鼻がボロボロになり商人が高く毛皮を買ってくれなくなるのだ。

 

「あっ…でも丁度良いじゃないですか。こっちも最終兵器を使いましょう!!」

 

手段は選んでられない。森の再生が可能な規模で持てる全てを用いて熊嵐を完全に消滅させなければ、北海道の全生物が熊嵐に食い尽くされてしまう。その次は樺太か本州だ。

沖田さんは最終兵器を使うしかないと、笑顔でヒンメルの肩を叩く。

 

「おう!マイクロなんとかかんとか使わなかったら、何でも有りで良いな!!」

 

杉元もヒンメルの肩を叩く。

 

「えっ?…もしかしてEclipseフルアームド?」

「「「もちろん!!」」」

 

「しゃあないやろ!!こん中で対軍規模の攻撃をポンポン出せるのはお前だけや。それどころか上澄みの対軍以上の攻撃できるサーヴァントも限られるんや。ガッツと根性でやるしかないやろ!!」

 

埋葬機関の兄貴分であるニコラスにも激を飛ばされ、ヒンメル…第七聖典Eclipseフルアームドで熊嵐と時代バグのSF対怪獣大決戦が決まってしまった。

 

 

 

「ガツガッツグッチュ!!」

 

小樽の近くの森の何処か。そこでは熊嵐がイケメンのランサーを美味しそうに食べていた。先ず、熊嵐はイケメンランサーの頭部を齧り、頭蓋骨を砕いて脳ミソを堪能する。史実の熊嵐も子供の頭部を齧り、間違いなく脳ミソを頂いてるのでありえる話だ。

脳ミソを楽しむと、腹部から柔らかい内臓とお肉を堪能する。味わって楽しむこと、約10分…イケメンランサーはその全てを熊嵐に食べられてしまった。

 

「グゥォォォアア!!」

 

彷徨を響かせて、森全体が揺れる。神性の力を上乗せしたソレは…莫大な神秘がまだ残る北海道の自然を大きく揺らした。

熊嵐の宝具 頂点捕食者(ピークスプレデター)の効果で、霊器と肉体がより進化する。この宝具は食べた肉をエネルギーに変換して、ステータスと肉体を強化することが出来るのだ。人間はもちろんのこと、サーヴァントを補食するとより成長できる。イケメンランサーの真名はディルムッド、ケルト神話に出てくるイケメンな英雄であり、その栄養はより熊嵐を高みに上げていく。

 

熊嵐は全長8メートル程にパワーアップし、だいたいアロサウルス位の大きさとなったのだ。いや、アロサウルスは尻尾も含めて8メートルであり…体感的にはアロサウルスより大きく感じる。

 

と、その時だった。無数のミサイル、取り回しの良い連射グレネード、軍勢さえ凪払う対軍規模の機関砲が同時に熊嵐に直撃して、熊嵐はダメージを受ける。

 

「グゥォ!!」

 

だが、熊嵐は既にこの程度ではジャブ程度である。爆炎から熊嵐は飛び出して、攻撃が飛んできた方向を見ると、第七聖典Eclipseフルアームドを装備し…右手にブレードライフルジャッジメント、左肩にグレネードランチャー シック+パイルハンマーのパイルバンカー(グレネードも射てる)を装着したヒンメルが登場した。

 

 

 

「杉元さん、分かってますね」

「おう!俺達は巻き添えが来ない範囲で待機!!アストルフォがアイツを転倒させたら、そう攻撃だ!!」

 

大怪獣VSパワードスーツのSF大決戦、ここにファイ!!

*1
実際にあったそうだ




因みに今の熊嵐、ビンタで並みサーヴァントが塵に変わるパワー持ってます(笑)

変態属性持つ史実の人、もっとサーヴァントで出す?

  • なにを言う、人類は皆変態なのさ
  • 我がパンツに一片の悔いなし!!
  • 俺の尻をなめろ~なめろなめろ~
  • 風呂?入らんよ
  • 藤丸「助けてくれぇぇ!!」
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