前略、グランドオーダーに巻き込まれました。   作:モフモフ毛玉

10 / 18
憎悪で燃える街

 

翌朝、立香はスッキリした顔で背伸びをする

 

「初めての野宿だったけど、意外と寝れたなぁ…」

 

もしかしたら自分はアウトドア派だったのかもしれない、と思いながら、固まった身体を動かしてほぐす。

 

「そりゃよかった」

 

目の下に濃い隈が見えるミナトは、どうやらあの後寝れなかった様だ。

 

「…マスターあの後一睡も出来てませんね」

 

「寝付けないというのは本当みたいですね…」

 

「くっ…私が枕になればマスターは寝れたはず…!」

 

「それはそれで悪いから…くぁ…」

 

欠伸を噛み殺し、ミナトはジャンヌを見つめる

 

「それで、情報収集っても何処を目指すんだ?」

 

ミナトに問われたジャンヌは、真っ直ぐ見つめ返して答える

 

「この森を抜けて、オルレアンの方向に向かう途中にラ・シャリテがあります、そこで情報収集をしようかと」

 

「成程、じゃ出発しよう」

 

そう言って立ち上がったミナトは、睡眠不足な為かフラフラと揺れて地面に倒れる。

 

「うん、ダメだ立てん…」

 

「なら私が抱っこして行きますよ」

 

呼延灼はそう言ってミナトをお姫様抱っこする

 

「出来る限り揺らさない様に気を付けます、では皆さん行きましょう」

 

そう言う呼延灼に、皆は頷いて歩き出した。

 

そして、森を抜けた頃

 

「ぐー……」

 

「…寝ましたね」

 

「寝ましたね」

 

「やっと寝れた様ですね」

 

呼延灼に抱えられたまま、ミナトはグッスリ寝ていた。

 

『む、ちょっと待ってくれ。ラ・シャリテの方でサーヴァントの反応を感知した…高速で街から離脱している様だけど…』

 

「…っ!ジャンヌさん街が!」

 

「そんな…!」

 

恐らくラ・シャリテであろう街には火の手が上がっていた。

 

「皆さん、少しペースを上げて下さい!」

 

ジャンヌはそう言って素早く走り出した。

 

「ライダー!」

 

「分かりました」

 

メドゥーサはペガサスを呼び出し、立香とマシュを乗せて飛び立つ

 

「俺達も行くか…」

 

「遅れるなよ」

 

飛び立つとほぼ同時に、クー・フーリンとエミヤも速度を上げる

 

「行きますよ」

 

「はいっ!アサシンさんはどうしますか?」

 

アルトリア・ランサーの馬に慣れた手つきで飛び乗ったリリィは、そう言って呼延灼を見る

 

「私はマスターを抱えて走ります、お二人は先に!」

 

「承知した、行くぞ!」

 

二人を乗せた馬はクー・フーリンとエミヤを追う様に走り出した

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

「…っ…ドクター、生体反応は…!?」

 

『いいや、命と呼べる反応はない』

 

メドゥーサから飛び降りつつ、マシュはDr.ロマンに問うも、生存者は居ない様だった。

 

「待ってください!今物音が!」

 

「生存者…じゃない!」

 

物陰から現れたのは、潰れた肉体を無理に動かす兵士達…ゾンビの群れだった。

 

「戦闘準備!迎え撃つよ!」

 

立香のその言葉に、ジャンヌとマシュ、メドゥーサは武器を構えた。

 

「アァァ…!」

 

「ふっ…!」

 

刃こぼれした剣を振り回すゾンビ兵を、マシュは盾で剣を弾き、そのままグルリと一回転して首を盾で穿つ

 

「はぁっ!」

 

ジャンヌはその旗で素早く正確にゾンビ兵達の首を狙うも、弱体化している影響か、倒れ込んだ後に起き上がる

 

「…っ!今の私ではここまでですか…!」

 

しかし、そのゾンビ兵を朱槍が穿つ

 

「追い付いたなぁっ!」

 

「合流したぞ、マスター!」

 

クー・フーリンとエミヤが間に合った様だ。

クー・フーリンはそのまま朱槍を振り回し、突き刺さっているゾンビ兵を鈍器代わりに他のゾンビ兵を砕く

 

エミヤは立香の近くに居たゾンビ兵達を矢で穿ち仕留める。

 

「ギャォォ!!」

 

「っ、ワイバーンだ!」

 

しかし、空からワイバーンが群れを成して襲いかかってきた。

 

「させませんよ。…はぁっ!」

 

そのワイバーンの群れを、メドゥーサが鎖を群れの数匹に穿ち、その怪力を持って強引に動かして衝突させ、墜落させる。

 

「空を飛んでりゃ鬱陶しいが、これなら楽勝だな!」

 

「そうだな」

 

地に落ちたワイバーンを見逃す訳がなく、エミヤとクー・フーリンが仕留めた。

 

『っ…!?立香!街から離れていたサーヴァントが反転した!君達の存在を感知したのかもしれない!…数は…嘘だろ5騎!…速い…ライダークラスでも居るのか…!?ともかくそこから一度離れるんだ!冬木の時のシャドウサーヴァントとは訳が違う!』

 

「…分かりました!みんな一度逃げ…!」

 

「…呆れた、戻って来てみれば…何よこれ?」

 

しかし、離脱するには遅かった。

 

「改めて見ると笑えて来るわね、あんな小娘に、この国は縋っていた訳なんだから」

 

ジャンヌとそっくりな顔の少女が、サーヴァントを引き連れて、丁度立香達の退路を塞ぐ形で現れた。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。