前略、グランドオーダーに巻き込まれました。 作:モフモフ毛玉
「おぉ…ジャンヌ…!ジャンヌっ!」
狂信者は願う、己の聖女の復活を
台座に置かれた聖杯は、その輝きをもって願いを叶えた。
「…ぅ…ジル…?私は…何があって…ここに…?」
朧気に目を開き、竜の魔女は復活した
「ジャンヌ…!」
「…えぇ、言わずとも覚えています。馬の群れ、そして世界を焼く程の極光…あのコソコソと隠れていた、もう一人のマスターのサーヴァントでしょう
ですので、ジル
新しいバーサーク・サーヴァントを召喚します」
「御意…」
拠点に置かれた召喚陣、それに手を伸ばす
「来なさい、あの極光を覆しうる…サーヴァント!」
その時、召喚陣が暴走する様に…爆ぜた
そして、そこに立つのは一人の冷酷な、冬の魔女
「……本来ならルーラーですが、特別です
バーサーカーとして、この力を振るいましょう」
それはあり得ざる召喚
本来なら、まだ居ないはずの、英霊
「改めて、名乗りましょう。私はバーサーカーのサーヴァント、名をモルガン
…そして」
そう言って、モルガンは壊れた召喚陣の方へ振り返る。
「…何とも粗末な陣ですね、こんなもので、あれを殺せる者を呼ぼうとした訳ですか」
「…何故だ…?バーサーク・サーヴァントを呼んだはず…」
そのジルの呟きに、モルガンは答えた
「あぁ、無理に狂化を授けようとしていましたね…ですが、私には幼稚な術です。そんなものは既に弾きました。
ですが、召喚した礼です。その相手は殺してあげましょう」
そう言えば、モルガンは霊体化して何処かへと去った。
「…ジル!あのサーヴァントは…!?」
「…分かりません、しかし、我らに手を貸すのであれば、味方でしょう」
拠点の外、草原を歩く冬の魔女は、一人呟く
「ええ、召喚した義理として、あのアルトリアと異界のマーリンは殺しますが
その後は、私の自由でしょう?
召喚陣は再利用出来ない様に破壊しましたし、カルデアへの最低限の義理も果たしました
私も人理の味方ではありませんが…」
歩みながら、モルガンは遠くを見つめる
「少々早いですが、我が夫に会えるのです。
……何やら知らぬ英霊が多いですが、瑣末な事。カルデアから呼ばれているのなら、倒しても問題ありませんね」
真っ直ぐと、標的へと向かう中でワイバーンが襲いかかるが
「所詮は最下級の竜ですね、私の敵ではありません」
モルガンがその手に現れたオーラを握り潰すと同時に、ワイバーン達はただの肉塊になった。
血飛沫と臓腑が飛び散るが、モルガンには一つとして付かず、その足元は綺麗な草のままだった。
「……我が夫はこんなのを焼いて食べていた訳ですね…
…私の料理で口直しをしなければ」
そう呟いて、モルガンは再び霊体化した。
そして、同時刻
「…む」
「…ん〜?」
「どうかした?ランサー、ルーラー」
出立する立香達の後ろに続くミナトとサーヴァント達
その中で、アルトリア・ランサーと、メタトロンだけが、気付いた
「…いえ、気の所為ですね」
「…そうだねぇ…ただ、ここより先は戦闘があると思うよ〜」
「そうか…まぁ、余程の相手じゃなければ…勝てる戦力だが」
「呼延灼が居るんです、どんな相手でも勝ちますよ!マスター!」
そう言って胸を張る呼延灼を見ながら、メタトロンは心の中で呟く
(うーん、モルガンが来るとか想定外…普通に負けそうだなぁ…まぁ、そうなったらめんどくさいけど、私が頑張るかぁ…)
メタトロンは椅子に座ったまま、一人覚悟を決めるのだった。