前略、グランドオーダーに巻き込まれました。   作:モフモフ毛玉

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聖女との遭遇と、ドラゴン肉

 

体感的には長く感じた疾走も、すぐに終わった

 

「マスター、着きましたよ」

 

「戦闘は既に終わって居た様ですね」

 

乗馬に慣れてないので股が痛むが、隠してランサーに降ろして貰う。

 

「…立香達も無事に生き延びているみたいだね」

 

懸念点だった戦闘も、立香達の被害も少なく終わっている様だ

 

「あ、先輩!無事だったんですね!」

 

「そもそも敵と遭遇してないからね…」

 

立香も怪我はなく、マシュもほぼ無傷、エミヤ達は流石と言うべきか、息切れさえしていない。

 

そのまま少し先を見つめれば、フランス兵士達が撤退して行っている

 

どうやら、ここまで同じらしい。

 

「丁度いい、拠点まで撤退するだろうから、そのまま追跡しよう」

 

『そうだね、この特異点の状況を知るには接触する必要がある。気を付けて追跡してくれ』

 

Dr.ロマンのその言葉に、立香とマシュは頷き、サーヴァント達は霊体化して兵士達の後を追った。

 

「…これは…」

 

「…中々酷い有様だな」

 

『外壁はそこそこ無事でも、中がボロボロじゃないか、これじゃあ砦と呼べないぞ』

 

「…負傷兵ばっかりだ」

 

砦の近くの茂みに隠れながら、様子を窺う

 

「ひぃっ!?ま、また来たぞ!」

 

外で巡回する兵士の一人がこちらに気付き、槍を構えながらこちらを怯えた目で見つめる。

 

「待ってください、敵ではありません。この通り丸腰です。それに敵であるならば、砦は要所、見つかる前に即刻落としているはずです」

 

自分が真っ先に立ち上がり、敵対する意思はないと告げる。

 

「…敵では、ないのか?」

 

「はい、つかぬことをお聞きしますが、シャルル7世は休戦協定を結ばなかったのですか?」

 

マシュが続いて立ち上がり、兵士にそう問いかける。

 

兵士はその言葉に、怯えた顔で答えた

 

「シャルル王?なんだ…知らんのかアンタら、王なら死んだよ…魔女の炎に焼かれて…な」

 

「…死んだ?」

 

「…魔女の炎?」

 

首を傾げる立香と、死んだという事実にピクリと眉が動くマシュ

 

そんな二人を見て、兵士は続けて言う。

 

「ジャンヌ・ダルクだ。あの方は"竜の魔女"となって蘇ったんだ!」

 

そう叫んだ兵士は、ハッと気付き空を見つめる。

 

「し、しまった。声を出し過ぎた!来た!奴らが来たぞぉ!」

 

土の中から這い出る様に、骨で作られた兵士達…骸骨兵が湧き出る。

 

「アサシン、頼んだ」

 

「お任せくださいマスター!」

 

ミナトのその言葉に、呼延灼が霊体化を解いて骸骨兵達に肉薄する。

 

「邪魔ですよ!」

 

鉄鞭をしならせ、骸骨兵達を吹き飛ばす

 

たったそれだけで、そこそこの数が居た骸骨兵は骨粉になった。

 

「…草木の肥料になれるといいな」

 

『いや、魔力で出来ているから肥料にはならないよ』

 

Dr.ロマンはミナトの呟きに突っ込んだ。

 

「…今、いきなりあの女性が出て来た様な…」

 

兵士は目元を揉んで見間違いかと再び見る

 

「マスター、倒しましたよ!褒めて!たくさん褒めてっ!!!」

 

「偉いぞーアサシン、流石は梁山泊の一人だ」

 

兵士の目に映るのは、さっきまで骸骨を一撃で粉微塵にした女性が、デレデレしながら青年に撫でられているという絵面だ。

 

「…つかぬ事を聞くが、あの二人は恋人の様な関係なのか?」

 

「…いえ、多分違います」

 

立香は困惑する兵士にそう答えた。

 

「そうか…君達が敵ではないのなら…信用しよう」

 

兵士から信頼を得たその時、恐竜の様な絶叫が響く

 

「…この響く声…まさか…!」

 

『っ!君達の周囲に大型の生体反応だ!しかも、速いぞ!気を付けてくれ』

 

ロマンのその声と同時に声の主が現れる

 

「ワイバーン!?」

 

「…おいおい、フランスに居ねぇだろ、アレ」

 

「…そうだな、流石は特異点、という事か」

 

「…最悪の場合、マスターとマシュさんを連れて離脱します」

 

クー・フーリンとエミヤはそう言いながら武器を構え、メデューサは最悪の事態を想定しつつ鎖を構えた。

 

「ファンタジーじゃド定番の竜だな…食えるか?」

 

「マスター、良ければ首を落として血抜きをしましょう、ドラゴンステーキというのも良いですよ」

 

「ドラゴンステーキですか!?食べてみたいです!」

 

「ワイバーンの肉は…硬めでしょうか?…いえ、食欲の前にこの場を切り抜けなくては」

 

ワイバーンに囲まれている状況の中、ミナトはドラゴン肉の事を考え、呼延灼は首を落としての血抜きを提案し

アルトリア・リリィは既に食べる前提なのか目を輝かせ、アルトリア・ランサーは一瞬ドラゴン肉の事を考えるも即座に槍を構えた。

 

「いつの間にこの人達は現れたんだ…!?いや、人手が多い方が助かる…!」

 

「待ちなさい!兵士達は水を被りなさい!彼らの炎から一度は身を守れます!

 

そこの方々も手をお貸し下さい、私と共に!続いて下さい!」

 

「…この方は…!?」

 

「…もしかして」

 

「…聖女、ジャンヌ・ダルクだろうね、恐らくは」

 

「ワイバーン、来ます!」

 

セイバー・リリィの声と共に、ワイバーン達は襲い掛かって来た。

 

しかし、立香達の敵ではなかった。しっかりとサーヴァント達を強化した結果である。

 

「ワイバーン肉♪ワイバーン肉♪」

 

「これでもっと褒められます…!」

 

ウキウキした表情でワイバーンをカリバーンで解体しているセイバー・リリィと血抜きの為に首を落とす呼延灼をそのままに、途中から加勢したサーヴァントを立香とミナトは見つめる。

 

「そんな…貴方は…いいや、お前は!逃げろ!魔女が出たぞ!」

 

兵士はそう言って砦へと走って行った。

 

「…あの、ありがとうございました。加勢して頂いて」

 

「いえ、当然です。それより、貴方の名を教えて頂けますか?」

 

マシュの問いに、そのサーヴァントは答えた

 

「ルーラー、私のサーヴァントのクラスはルーラーです。真名をジャンヌ・ダルクと申します」

 

「ジャンヌ・ダルク…!」

 

「でも、ジャンヌ・ダルクって魔女になったんじゃ?」

 

立香の疑問に、ジャンヌは答えた

 

「その話は後で…彼らの前で話す事ではありませんから…どうぞこちらに来てください、お願いします」

 

「すいません、その前にワイバーン肉の加工終わってからでいいですか?」

 

「マスター!ドラゴン肉バーベキューですよー!」

 

「マスター!ドラゴン肉を作りましたよー!褒めて下さい!褒めてぇぇぇ!!!」

 

ミナトがそう言えば、ジャンヌは炎が荒れ狂う焚き火と、褒めてと突撃し、ミナトへダイブを決める呼延灼を見て

 

「えっ…あぁ…はい…」

 

困惑しつつも、了承した。

 

 

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