前略、グランドオーダーに巻き込まれました。 作:モフモフ毛玉
ワイバーン肉を作り終えた後、移動する事になった為にワイバーン肉の大半を砦の近くに置いて行く事になった。
「まだ沢山あったのにぃ…」
「せっかく焼いたのに…」
落ち込むリリィと呼延灼を慰めながら、ミナトと立香達はジャンヌ・ダルクに付いて行く
途中、ワイバーン等の襲撃があったものの、先程の戦いで慣れたのか、立香の指揮で殲滅出来た。
「…ここなら落ち着けそうですね」
ジャンヌのその言葉に、立香達は手頃な倒木に腰掛ける
「ワイバーン肉を取れると思ったのに…」
「取ったとしても生肉です、血の匂いで獣を寄せ付けます、だからと言って焼けば狼煙が上がり、敵に気付かれます。先程は砦近くだったのであの程度の量でしたが、ここで狼煙が上がれば先程より多くの敵がここへ送り込まれてしまいます。残念ですが、捨て置くのが一番です」
落ち込むアルトリア・リリィに、呼延灼は危険性を説いた。
「そうですね、この森には狼が多いです。先程の肉の方へと群れが行った事でしょう」
アルトリア・ランサーは後方の道をチラリと見て答えた。
「…それでは、まず、貴方達のお名前をお聞かせください」
ジャンヌのその問いに、マシュが答える
「了解しました、私の個体名はマシュ・キリエライト、こちらは藤丸立香、私のマスターです」
「私達は藤丸立香のサーヴァントだ。まぁ、ルーラーであれば真名看破のスキルがあるだろう」
エミヤがそう言えば、ジャンヌは申し訳なさそうに答えた。
「…いえ、私に真名看破のスキルはありません、対サーヴァント用の令呪、聖杯戦争に関する知識の大部分、そして、ステータスのランクダウンが起きています」
「…なんだと?」
ジャンヌのその言葉にエミヤは少しだけ驚く
「…ルーラーだってのに、そんな状態なのか?おいおい、大丈夫かよ」
「…私は数時間前に現界したばかり、私自身も困惑しています」
そう言って、ジャンヌは困り顔のまま続ける
「ですので、皆さんのクラスや真名、そして今のこの状況について、教えて頂けると助かるのですが…」
「それなら…」
『ああ、それならこちらも紹介しないとね。初めまして、聖女ジャンヌ・ダルク。僕はロマニ・アーキマン。皆からロマンと呼ばれています。彼女らのサポートを行っている者です』
Dr.ロマンはそう言ってホログラム越しに自己紹介をする
「なるほど、ロマン…夢見がちな人なんですね!」
ニコリと微笑んだジャンヌに、ロマンは若干ガッカリ顔で小声で呟く
『…なんだろう、この敗北感…褒められたのに褒められた気がしない…全然嬉しくない…』
その後、ロマンと立香とマシュが現状の説明をした。
「……なるほど、よく分かりました。まさか世界そのものが焼却されているとは…
私の悩みなど小さな事でした…ですが、今の私はサーヴァントとして万全ではなく…自分でさえ"私"を信用出来ずにいる…
オルレアンを占拠したジャンヌ・ダルク、それだけではなくあの飛竜や骸骨の兵士…」
「…兵士も竜の魔女と呼んでいたし、竜を操るスキルを持ってる可能性が高いね」
「一体どうやっているのか不明です、生前の私もそんな事は思い付きませんでしたし…それに、竜の召喚は最上位の魔術と聞きます、まして、これだけの数を召喚するともなれば…」
『現代の魔術師では不可能だ、この時代の魔術レベルでも困難なはず』
ロマンのその言葉に、ミナトが呟く
「なら、キャスタークラスが敵に居る可能性は高い、竜を呼ぶとなるとその逸話持ち…有り得ないとは思うが空海か…?」
ミナトはこの先を知っている、しかし、今のこの場で明かす事でもない。
なので、キャスタークラスが居るかもしれない、と呟く事でジャンヌダルク以外にも敵が居る可能性がある事を遠回しに伝える。
『空海…確かに雨乞いの為に竜を作ったけれど…あの僧が人類史に敵対するとは思えないな…あり得るとすれば』
「聖杯?」
「…ですよねぇ」
『その通り、まだ憶測の域だけどボクらも他人事じゃなくなってきたぞ』
「ジャンヌ・ダルク、ここまで話すと言う事は我々と目的が同じと思われるのですが?」
呼延灼はそう言ってジャンヌを見つめる
「…私の目的は決まっています、オルレアンに向かい、都市を奪還する。その為に障害であるジャンヌ・ダルクを排除する。
主からの啓示はなく、その手段は見えませんが…ここで目を背ける訳にはできませんから」
ジャンヌはそう言って真っ直ぐ立香とマシュ、ミナトを見つめた。
「なら目的は同じだ、こちらは特異点の解決で龍の魔女ジャンヌを倒す。ジャンヌダルクも同じく…なら手を取り合って叩いた方が早い」
「…そうですね、こちらこそ、よろしくお願いします」
そう言って、ジャンヌは頭を下げた。