何でもかんでもカードバトルが解決してしまうのでバトルを避けて今日もカード開封して美少女を愛でたいだけの一般TS転生者   作:農田林

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知らない少女

 

「あれ。デバイスの故障?映らなくなった?えーここからが良いところなのに」

 

『なんかホッとした様な〜♪』

 

うーん、おかしいな。今までこんな事一回も無かったのに、うわー寿命かな。勘弁してよ、ただでさえ少ないお小遣いでたまにBOX買いするのが僕の僅かな楽しみだったのに。

 

「"ボクの事が見えてる?"」

 

暗くなったデバイスの画面を見つめていると、知らない顔が写った。いや、写ったなんて淡々と言ってるけど。

 

「え、ゆ、幽霊っ!?」

 

思いっきり飛び上がって勢い良く壁に頭をぶつけるぐらいにはびっくりした。突然人に話しかけられるだけでも驚くのに、それが幽霊だったら尚更だと思う。

 

「"失礼だなぁ。ボクの何処が幽霊に見えるのさ"」

 

「突然現れて他所様の家に不法侵入して、浮世離れしてるところ」

 

「"あー、そっか忘れてたごめんね、おじゃまします。コレで良い?"」

 

"靴は履いてないから脱ぐ物無いや"。と言う彼女の足は確かに存在したから、幽霊じゃないと安心した。

 

「"で、時間も無いし、本題に入ろうかな。お茶はお構いなく"」

 

「本題?」

 

「"ボクのゴブリン君倒したの君でしょ?いや、正確には君が所持するカードか"」

 

「そう」

 

嘘つく意味も分からないから僕は素直にそれを肯定する。それが間違いだと分かったのは数十秒後の話。

 

「"やっばり。此処らへんで反応消えたのと配信で調べて貰った結果が此処だったからさ。で本題だ。君、ボクと組まない?"」

 

「組む?」

 

「"そう、簡潔に言えば僕はACAの関係者なんだって言えば分かるかな?"」

 

うわっ、これは厄介案件だ。絶対面倒臭い奴じゃん。なんかアニメのイベントみたいだけど、僕は主人公じゃないしただカード引いて美少女を当てて愛でたいだけなんだから。知ったこっちゃ無い。だけど。

 

「断るって言ったら?」

 

「"分からせるしか無いかな。大丈夫、少しだけ痛い目を見て貰うだけだから"」

 

髪の長い少女は、ポケットからカードを取り出した。

 

「'勿論、バトルでね"」

 

嫌だもうバトルは懲り懲りだ。そう思うと僕の身体はその意思を汲み取り、次の行動に出た。

 

それは、部屋からの脱出。今は自分の部屋で配信をしていたからそこから出て誰か助けを呼べば良い。きっとバトルジャンキー達は喜んでバトルをしてくれると思う。

 

「"あ、扉は開かないよ"」

 

ドアの部を掴んだ瞬間、そう忠告をされるけど無視をして動かす。でも開かない。鍵なんか掛かって無いのに。

 

「"ボクとバトルしたく無いんだ。いや、普通にバトルをしたくないのか。君の過去的に……"」

 

「ッ!?」

 

「"あれは不慮の事故だったんじゃないかな。なんて、第三者のボクには何とも言えないけど。取り敢えず、バトルしない?"」

 

「しない」

 

ドアは開かない。なら、僕は片手に持った配信用のデバイスを思いっきり振りかぶって、窓にぶつけた。

 

「"無駄だよ。此処には特殊な結界が貼られてるから。誰も入って来れないし、出る事も出来ない。ボクとバトルをして満足するまではね。例え、割れて逃げたとしてもボクの能力で君を連れ戻せる"」

 

そんな……。それじゃあバトルするしか無いって事?

 

『成程な』

 

「わっ、クソ長ネームドラゴンさんいたんだ」

 

前と同じ様に横にはドラゴンさんがいた。

 

『前も言っただろ?我はいつでも主の元にいると。何か不満か?』

 

「いや、ありがとう。早速で悪いけど」

 

『皆まで言うな。さっさと終わらせて飯を食おう』

 

「トイレ行きたいから五分でお願い」

 

『また無茶を……』

 

ドラゴンさんは溜息をついた後、カードを探し始めた。

 

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