東方恋愛伝   作:ターメリック

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処刑場

紫のスキマを使い草原に向かう。

3人がまず目にしたのはそこら中に飛び散った大量の血や肉片であった。

「え…なに、これ…」

「ま、まるで地獄絵図…」

「こんなの…見るに耐えられないわ…」

その奥に立つ1人の影が見えた。気は今出ておらず特になにも感じられなかったので近づいた。

近づくに連れてシルエットがはっきりしてきた。

その顔をみて3人とも驚愕した。

「まさか…」

「あの禍々しい気を出していたのは…」

「しょーや…」

血にまみれた草原に立っていたのはしょーやだった。

しょーやは何かを考えているように3人には見えた。

俺は…フランのことが好きだ。でも…でも‼︎俺があの行動をしたばっかりにレミリアに無理矢理追い出されて紅魔館にも出入り禁止。挙げ句の果てには次に姿をみたら殺すって…誤解なのに理解してもらえないのか…。

ならば、レミリアを殺してみればどうだ?あいつさえいなければずっとフランと一緒にいれる‼︎

フランを好きになったためにできた邪悪な考えがしょーやを動かしていた。手のひらの上では禍々しい気が渦巻きそれを見つめながら考えていた。

するとフランが口を開いた。

「しょーや、いったいどうしたの?」

しょーやはフラン達に気づき振り向いた。

「フランか…。悪いがフラン、俺は…もう紅魔館へは入れなくなったんだ…。そしてフランに会うのもダメなんだ」

「どうして…」

「あの時、俺はやってはいけないことをやったんだ。もう合わせる顔がない…」

「あれは、準備の遅かったフランが悪いんだよ、しょーやはなにも悪くないよ」

「どうであれ、レミリアにはもう一度紅魔館へ来たら次は殺すっていわれたんだ。それが紅魔館へ行けない理由。そしてそれからさ。この力が出て来たのは」

霊夢が問いかける。

「ねぇしょーや。いったいその能力は?」

「これか?これは知らないうちに使えるようになったものだ。暗黒を操る程度の能力とでも言っておこうか、この手に出ている気に触れたものは様々な効果が反映されるようになるんだ」

「まさか…」

「悪いがもう俺のことは放っておいてくれ…」

「そんなこと出来ないよ‼︎」

「この状況をレミリアが見てみろ‼︎俺は完全に殺される‼︎こんな状態でも命は…惜しい」

言葉を残し去ろうとする。

「待って‼︎」

しかしフランの声も届かず黒い気に巻かれてその場から消えた。

「しょーや…」

「かなり厄介なことになったわね」

「さっきの話を聞いていて彼が何処へ行ったのか予想がついたわ」

「え?」

紫の言葉に疑問を抱く霊夢。それを察した紫が答える」

「彼は多分レミリアのところよ。これはあくまで予想でしかないけど、多分フランのことが好きなのよ。でももう紅魔館へは行けない。だったらレミリアのところへ行き逆に殺してやるって考えているのかも」

「だったら急がないとまずいわね」

「わかってるわ」

こうしてしょーやを追いかけるため紅魔館へ向かった。

 

紅魔館では…

「おい、レミリアを出せ」

「しょーやさんいったいどうしたんですか⁉︎」

「美鈴じゃ話にならんな。だったらこのまま紅魔館ごと消し去ってやる‼︎」

「あら、自ら殺されに来たのかしら?」

レミリアが出てきた。

「違う。お前を殺しに来た。前の俺と思ってると一瞬で死ぬぞ」

「お嬢様、ここは私が…」

「いや、私だけで充分よ。所詮人間、霊夢が居なくてはなにも出来ないわよ」

忠告をしたはずなのになぜここにいるのかしら、次に会ったら殺すと言ったはずなのに。

「へぇ、余裕そうだな。じゃあ戦う前に少しだけ能力を見せてやるよ」

手のひらに気を集めて圧縮をはじめた。

え?なにあの能力、初めて見る能力…異変の時は使っていなかったわよね、いったい短時間でなにが⁉︎

驚いてるのもつかの間しょーやの気の圧縮が終わり攻撃体制に入っていた。

「まぁこれくらいでいいだろう」

圧縮した気を握りしめて拳を突き出した。

一直線に伸びるその気は一瞬で紅魔館の門を粉々に砕いた。

「⁉︎」

レミリアは驚いた。今まで見たこともない力を目の当たりにしたからだ。

「やっぱりこの程度じゃこれくらいしか威力ねぇか、でも見せるには充分だったな、じゃあ殺させてもらうぜ‼︎」

「ち、ちょっと待って‼︎」

「問答無用‼︎」

気をまとってその場から消える。

え?何処へ行ったの⁉︎まさか生身の人間が消えるなんて‼︎

「‼︎」

考えがまとまっていないところに拳が入り紅魔館内へ吹き飛ばされるレミリア。

そこへ霊夢達が駆けつける。

「しょーや‼︎もうやめなさい‼︎」

「あ?霊夢か、なにしに来たんだ?邪魔するな‼︎」

「しょーや、なんでそんなことするの?」

「俺はフランのことが好きだった。少しでも仲良くなりたくていろんなところへ行く計画も立てたよ。でも‼︎あの時‼︎俺は待っていればいいのにフランの部屋に入った。それが全ての間違いだった‼︎」

「じゃあしょーやがこんなことする理由がないじゃない‼︎」

「でもレミリアは‼︎俺の話も聞かずに無理矢理殴り飛ばして…フランにも会わせないって言ってそれから考えた結果はレミリアを殺せばフランにまた会えるって思ったんだ」

「そんなことしてまで会いに来られてもフラン嫌だ。会うためにお姉様傷つけるくらいなら会わないで傷つかずに済む方がいい‼︎」

「なっ…そうか…」

ギャリィィィン‼︎

心の中で物がひとつ壊れた。

その刹那気をまとってその場から立ち去った。

「あ…」

しょーやがいなくなってから自分が言ってしまったことをとても悔やんでいた。

フランなんでしょーやにあんなひどいこと言っちゃったんだろう…しょーやのこと好きなのに、もっとたくさん話したりいろんなところを見て回ったりしたかったのに…

「ううっ」

殴り飛ばされ気絶していたレミリアが目を覚ます。

「お姉様」

「フ、フラン…戻っていたのね…」

「なんでこんなことになっちゃったんだろうね…」

泣きながら弱い声でフランが言った。

その後、その場にいた全員、一言も喋ることはなかった。

そしてしょーやは再び消息を絶った。

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