しょーやが消息を絶ってから早くも1日が経っていた。
紅魔館では…
「フラン、ご飯食べなさい」
「いらない…お腹が空いてないの…」
「昨日からなにも食べてないじゃい、ほら食べなさい」
「いらないって‼︎」
ガシャーン‼︎
食器を払いレミリアから距離をとっていた。
あのことがあってから姉妹の関係は再び悪い方向へ向いてしまった。
2人の会話はなくなっていき、紅魔館には険悪な空気が漂っていた。
「妹様、今日もお食事を取られなかったのですか?」
「えぇ、困ったわ…せっかく関係が良くなって来ていたのに元に戻りつつあるなんて…」
「どういたしましょうか?」
「やっぱりしょーやしかこの状況を解決できる人はいないのかしら…」
「探しにいきますか?」
「いや、私ではしょーやを連れてくるのは無理よ…」
こんなに滅入ってるお嬢様をみるのは従者になってから初めて、どうしたらいいのか全くわからない…
「とりあえず霊夢がなんとか解決するかもしれないけど…今の状態ではどの運命からでもハッピーエンドの結末が見つからないの…」
「そうですか…」
解決の糸口を見つけることの出来ないレミリアは完全に困り果てていた。
その頃ある場所では3人が話をしていた。
「やっと見つけたわしょーや‼︎」
「放っておいてくれと言ったはずだ。さっさと神社に帰れ」
「悪いけど帰る気は無いわ」
「紫までそんなこと言うのか。だったら、力ずくでも返してやるよ‼︎」
能力を使い気を作り出す。
「霊夢、なんとしても止めるのよ‼︎」
「わかってるわ‼︎だからあんたも手伝いなさいよ紫‼︎」
「もちろん‼︎」
「先に言っておくが今は弾幕なんてぬるいものは使わねぇからせいぜい死なねぇように頑張りな」
体を気が覆いあたりを暗くする。
ドーム状にできた気は何者も寄せ付けない邪悪な力を持っていた。
「あんたいったいなにを⁉︎」
「こっからはタイマンと同じ、待ったは無しの死闘さ‼︎2対1でいいから来いよ」
「舐めやがって‼︎」
「霊夢ダメ‼︎」
しかし紫の声は霊夢には聞こえてないようで真っ直ぐ突っ込んで行った。
「くっ、あんな簡単に挑発に乗るなんて‼︎」
「絶対にあんたを倒す‼︎」
「周りが見えてないな霊夢」
「なんですって⁉︎」
霊夢の周りに無数の黒球が浮いているのに気づいた。
「まさか‼︎」
「その通り‼︎お前は俺の罠にはまったんだよ。惨殺スピリットサイス」
黒球からたくさんの斬撃が飛んでいく。
「くっ、こんなのどうってことないわ‼︎」
全ての斬撃をギリギリでかわす。
「よけられちゃったか〜」
「あんた私を殺す気⁉︎」
「今更なにを言ってんだか…俺は邪魔するやつははなっから殺す気だよ‼︎」
この心から消えたものを探しているだけなのにそれを邪魔するやつはゆるさねぇ‼︎あの時壊れてなくなった一つの気持ちを‼︎俺は必ず見つけ出す‼︎
「こうなったら最後の手段しかないわ、紫‼︎フランをここに連れて来て頂戴‼︎」
「わかったわ、すぐに連れてくる。それまでなんとか持ちこたえていてね‼︎」
「えぇ、もちろんよ‼︎」
紫はすぐにスキマを使って紅魔館へ向かった。
霊夢に集中しすぎて紫がいなくなったことに気づいていないしょーや、これがのちに奇跡を起こすことになる。
紅魔館へ来た紫はフランの部屋に向かった。
「ねぇ‼︎フランはいるかしら⁉︎」
「ここにいるよ?」
「あ‼︎フラン‼︎実はしょーや君を見つけたの‼︎でも今異変に近いことになっていてあなたの力を借りたいの‼︎」
「しょーや…」
「お願い‼︎」
「わかった。行く‼︎」
こうして紫はフランを連れて霊夢のところへ戻ってきた。
「霊夢‼︎連れて来たわ‼︎」
「やっと来た‼︎ちょっと手を貸してかなりまずいことになっちゃったわ」
時を遡ること数分前…
「俺には時間がねぇんだ‼︎次で決める‼︎」
「やれるもんならやってみなさい‼︎」
ゴゴゴゴゴ‼︎
あたりが揺れ始める。
膨大な気の圧縮を始めるしょーや。
「そんな大技出すなんて隙を作ってるだけじゃない」
一気に間合いを詰めにかかる霊夢、しかしこの時すでにしょーやは手を打っていた。
「これは時間がかかるから隙ができるのはわかってるさ。だからこそこれで迎撃だろ‼︎」
圧縮の最中、足を力強く地面に踏み込む。
すると目の前に漆黒の槍が地面から突き出した。
「なにっ⁉︎」
咄嗟に身を翻してよける霊夢。
くっ、このままじゃ攻撃出来ない…
九割ほど圧縮が終わり準備完了までほとんど時間がない、そんな時に紫達が来て今に至る。
「これで終わりだー‼︎暗黒デスソード‼︎」
一直線に霊夢に向かって飛んでいくデスソード、その刹那フランが霊夢の前に立つ。
「しょーや‼︎もうやめて‼︎」
その声にしょーやは気づいた。
なんで、攻撃の先にフランがいるんだ⁉︎このままじゃ当たっちゃう。
すぐさま攻撃の向きを変え攻撃はフランにギリギリで当たらず気のドームにぶつかって消えた。
よかった…フランに当たらなくて…。
しょーやの目からは涙が流れた。
「どうやら、なんとかなったようね」
「えぇ、意外ときつかったけどね」
「しょーや…しょーや‼︎」
涙を流しながら立つしょーやの元へフランが駆け寄り抱きついた。
「フラン…」
「大丈夫、大丈夫だよ。だから帰ろう。一緒に」
その言葉を聞いた瞬間周りを囲んでいたドームが消えた。
「やっと元のしょーやに戻ったみたいね」
「そうね」
少し離れたところから見ていた霊夢と紫は静かに2人を見守っていた。
「フラン…本当にすまない…」
「しょーやのその気持ちだけで充分だよ」
「ありがとう。でも…」
「でも?」
「紅魔館へは行けない…」
「なんで?」
「レミリアに殺されちゃう」
「フランが話をつけてあげる。だから一緒に行こ」
横から紫と霊夢が、
「ほら行って来なさい」
「ちゃんと誤解を解いて来なさい」
しょーやは少し考えて、
「…あぁ」
こうしてしょーやの暴走はフランのおかげで無事止めることに成功した。そして2人は紅魔館へ向かうのだった。