「陛下、シュトゥデント将軍より女王シレーヌを捕縛したとの報告が!シレーヌ王国は我が国に降伏いたしました!」
前線から勝報が入り、周囲で歓声が上がる。
HOI4の画面でもシレーヌ王国が降伏し、講和画面のフェーズに入っていた。
HOI4的に言えば、国境線すべてを守る兵力すらなくVPが首都にしかない小国に対して山岳師団や騎兵師団が国境を突破して好き勝手に塗り絵をし、ダメ押しとばかりに首都を空挺攻撃で占領したのだ。降伏して当然と言える。
まあ敵の地上軍が空爆だけで消滅したのはHOI4の処理的には起こらないことだが…今は現実だしな。それに、HOI2では敗走させる等して塹壕を剥がした陸軍師団をCASの地上攻撃で溶かすのはよくある事だった。何らおかしいことではない。
「…よくやってくれました。しかし、北方へ通報されれば我が国に大いなる災いがもたらされることは変わりません。空軍には引き続き海上の警戒を、陸軍にはすべての沿岸地を探って潜伏者や船が隠されていないか徹底的に捜索させてください」
「はっ!」
「魔族はすべて武装解除の上で拘束を。奴隷にされていた人々は保護します。その慰撫には、ラヴェルダとイーリアの姉妹にも手伝ってもらってください。その方が話が早いでしょうから」
「承知いたしました」
勝利は間違いないと思っていたので、考えておいた指示を次々と飛ばす。
当然シレーヌ王国の領土は全土併合。魔族の支配地などこの大陸には存在してはいけない。
更に、『完全に独立している』『シレーヌを支配している』の2つの条件を満たしたので、ディシジョン「ヴァラド大陸の統一」を実行する。
ヴァラド大陸の統一
我が国がヴァラド大陸に存在する唯一の国家となった。
大陸唯一の統治勢力として、ヴァラド大陸全土を支配することは我が国にとって当然の権利であり、明白なる天命である。
我が国は大陸国家として飛躍する準備が既にできており、今後は大陸すべてを支配する一大国家として知られることになるだろう。
ニア我が国の統治によって大陸は繁栄するだろう!
ディシジョンの効果で旧シレーヌ王国領や沿岸地などの空白地帯がすべて中核州化され、我がパラド連合帝国の正当なる領土となった。
更に大陸統一により、2つの新しいNFツリーが解禁。
『大陸統一』から始まり、二者択一の『大海軍の創設』から始まる侵略者を海上で撃滅する大規模海軍を建設するルートと、『大陸の要塞化計画』から始める沿岸要塞や基地航空隊等で沿岸部を要塞化するルートとに分岐する大陸防衛ツリー。
『亡命王侯の保護』から始まる、北方諸大陸の魔族支配地への戦争目標獲得やスパイ作戦の解禁などが行われる外征ツリーが進められるようになった。
…ああ、NFというのは国家方針とも呼ばれ、HOI4の内政でもっとも重要と言ってもいい要素だ。
その名の通り国の方針を決めるシステムで、いくつかのツリーに沿って取得していき一つ獲得するごとに強力なバフを得たり、デバフを取り除いたり、宣戦事由を得たりと様々な恩恵を受けることができる。
DLCで選ばれた国々以外は大国しか専用のNFを持たず、その他枠の汎用NFしか持たない国もあるが…パラド連合帝国はなんか専用NF持ちだった。
当面目指すのは北の三大陸を征した魔族の軍勢に対抗できる軍備の用意。その中で海軍は特に作るのに時間がかかるので、NFによるバフを受けるべく大陸防衛ツリーの海軍ルートを進めていこう。
そして、シレーヌ王国の併合と大陸統一による恩恵を受けるのはHOIシステムだけではない。海に出たことによって、これまで内陸マップ18枚しか使えなかったCities: Skylinesが、92マップすべて利用できるようになったのだ!
沿岸部よりは大陸間の中継地として使った方が良さそうな群島マップもいくつかあるし、北方で使う為に何枚かマップを残しておいた方が良いだろうが…それでも何十というシティスカ都市を築き、国土の大開発が行えるに違いない!
「…まあ、明るいことを考えるのはこのくらいにして、面倒な戦後処理の方もやらないとな…」
奴隷にされていた北方の人々については何とかだろう。
魔族というわかりやすい脅威がある以上、それから自分たちを守ってくれる唯一の存在であるこちらに反抗することはあるまい。立場を弁えない馬鹿がいたら再教育だが。
…問題は、シレーヌ征服によって支配下に置かねばならない魔族たちだ。
奴らは異世界マローダーだ。マローダーが何かと言われればスペースモヒカンだ。たまに大ハーンとかいう世紀末覇者が出てきて覚醒する。
こんな連中を国民として迎え入れるなど論外だし、平等な扱いをしてやったとしてもそれに感謝するほど殊勝でもあるまい。
そんな連中への対処方法として、新しいゲームシステム…“Stellaris”を導入する。
StellarisはParadox Interactive開発の戦略SLGで、他の戦略ゲームが“過去”を舞台にするなか唯一“未来”を舞台としているのが特徴だ。プレイヤーは惑星を統一して宇宙に乗り出した宇宙新興国として星間国家を築き、銀河の覇権を巡って争うゲームである。
所謂ヒューマノイドのみならず爬虫類人や鳥人、岩石種族やロボット文明等様々なエイリアンを支配することになる為、種族ごとに“市民権”を設定することができるのだ。
シティスカ都市開発やDEVポチでポップしてきたパラド人たちは第一種族に通常与えられる市民権である“完全市民権”が与えられている。職業などに制限はなく、政治活動に参加することも可能だ(選挙権があるとは言ってない)。
奴隷から解放したヨルデン世界の人間その他には、とりあえず完全市民権に次ぐ“居住権”を与えておく。幸福度にー10%のペナルティが入り大臣や司令官等になることができないが、完全市民権持ちより扱いが悪いとはいえ政治活動への参加や政治家になることも可能な待遇だ。
彼女らは現状でパラド国民になる気があるかは疑問だし、社会常識も19世紀レベルだから下手に完全市民権を与えると混乱の元になりかねないからこれでいいだろう。
この二つは待遇の差こそあれ立派な市民権を与えられた階級だ。…故に、その下は真っ当な“市民”待遇ではない。
“奴隷”、“浄化”、この2つが主な居住権より下の階級だ。
“浄化”はその名の通り、国家からその民族の存在をキレイキレイしてしまうということ。
“奴隷”もまたその名の通りだ。“市場奴隷”“契約奴隷”“家庭用奴隷”“戦闘奴隷”と色々種類がある。…連中の所業を思えば“家畜”“発電グリッドとの融合”あたりにしても良い気がするが、後者は文明レベル的にまだ無理だし魔族の肉とか食いたくねぇ。
Stellarisにおいて職業は“統治者”“専門家”“労働者”の大きく3つに分けて分類される。
統治者は政治家とそれに準ずる職業で一番上。労働者は農民、鉱山労働者等のブルーカラー職と事務員で一番下。専門家はその中間で医療従事者・法務執行官(警官)・研究者等の様々な専門的知識が求められる職業、といった具合だ。
そして、奴隷は基本的に労働者の職業に限定され、奴隷分類によって一部の専門家職にも就職できるようになっている。
市場奴隷はデフォルトの奴隷分類で幸福度ペナルティが他がー20%の中唯一ー30%と大きく、基本的に専門家になれないが資源産出量に+10%のボーナスが入る下層奴隷。
契約奴隷は法務執行官やエンターテイナーにはなれないが官僚など大抵の専門家職に就くことができ、他の奴隷より有する政治力も大きい奴隷階級の上澄み。
家庭用奴隷は娯楽職の専門家職になることができ、職業枠がないと他の国民に快適度を提供する“召使”になる使用人的奴隷。
戦闘奴隷は法務執行官の専門家職になることができ、その種族の地上軍が編成できるようになると共にダメージ補正に+20%のバフが入るその名の通りな奴隷。
……こいつらの幸福度がいくら下がっても大して影響は出なさそうだし、専門家職にも就けたくないからとりあえず“市場奴隷”にして鉱山に送ってしまおう。
“生活水準”も市場奴隷は“許容水準”と“基本的生存”の二択になるが、より低い“基本的生存”で構うまい。実務的なことは慣れているだろう
他の魔族も奴隷にするようになったら、そいつらを最低にしつつ今いるネグス氏族の待遇を上げたり、氏族間で待遇差をつけるのもいいかもしれないな。安心と信頼の大英帝国方式だ。