異世界パラド   作:ヒャル

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こんな時の為のカスタム国家

 第一次国土拡張計画を発動する前のことであるが、俺はEU4の機能“カスタム国家作成”を使用した。

 

 これはEU4でニューゲームを始める時に使えるもので、首都とする(プロヴィンス)を選んだ後、難易度によって200から800点与えられるポイントを消費して“外観”“宮廷”“政府”“アイデア”“初期領土”を定め、自分だけの国家を作り上げるというものだ。

 

 “外観“は国名と俯瞰マップ上での色、国旗を決めるコマンドでポイントは消費しないので飛ばすとして、次の“宮廷“は最初の国家元首である『統治者』と、それが倒れた時に次の元首と成り得る『後継者』『配偶者』を設定するコマンドだ。

 

 ステータスは統治・外交・軍事の三種類で下限は0、上限は6となっており、当然ながら優秀にするほどポイントを消費する。

 それに加えて様々なバフ・デバフを与える『個性』が年齢に応じて最大3個付与され、年齢と性別も設定することで人物として完成するのだ。

 

 さて、この“宮廷”、『後継者』と『配偶者』は不在にすることもできるのだが、セオリーとされているのがこの両者を徹底的に無能にすることだ。

 『配偶者』は全ステータスを0にすると共にデバフ個性を付けることでポイントは-4、『後継者』に至っては年齢が低いほどポイントがマイナスされるので全ステータス0の0歳児にすることで消費ポイントを-24にすることができるのだ。

 

 当然そんな無能が統治者になってしまえば大変なことになるが…『後継者』はさっさと廃嫡してしまえば宮廷から追い出せるので何の問題もない。

 『配偶者』の方も基本的に統治者になることはなく、統治者が亡くなったが後継者が成人の15歳に達しておらず即位できないので成人まで統治を代行するといったピンチヒッター的即位しかしないのだ。それでも不安なら『統治者』を女性にすれば夫である配偶者を将軍にすることができるようになるので、負けそうな戦場に突っ込ませることで名誉の戦死()を遂げさせれば済む話である。

 まあ、カスタム国家の最初の統治者を女性にすると以降の統治者も女性がなるようになるが、それによる外交関係悪化とかはないし女性君主のデメリットは無視できるレベルだろう。…ここ地球じゃないから、神聖ローマ帝国皇帝位の被選挙権がないとか言われても関係ないし。

 

 さて、肝心の『統治者』だが、ステータスはオール6にするとして悩みどころなのが年齢だ。

 カスタム国家の統治者(と配偶者)は年齢を20~40歳の間で設定でき、個性は『15歳で成人した時』『即位から10年経った時』『即位から25年』経った時に獲得する(よって後継者と配偶者は統治者にならない限り個性は1個のまま)。内部的に統治者は15歳で即位したことになっているので、24歳以下なら個性は1個、25歳以上39歳以下なら2個、40歳なら3個となる。

 

 若い統治者でスタートすれば2個目、3個目の特性を指定できずデバフ個性を得てしまう可能性も出るが、若い分長く在位してくれる可能性が高まる。40歳でスタートすれば3個の個性をすべて指定できデバフ個性を得ることもないが、年齢が高い分在位期間が短くなる危険性が高まる。

 どちらを選ぶかは好みが分かれるだろうが…個人的には20歳スタートがいいと考えている。デバフ個性が付く危険を冒してでも、オール6の神君主が長い間玉座に就くメリットの方が大きいと考えるからだ。君主が若い方が後継者ガチャを回しやすいし(

 

 こうして誕生したのがクリスティーナだ(統治者としてはヴァーサ王朝のクリスティーナⅠ世)。

 一個だけ選べた個性は今後の軍事作戦を考え、撃破した魔族軍の残党は勿論解放した現地民も縁もゆかりもない相手ということで反乱が起きにくくなる『公正(国家不穏度-2.00)』を選択しておいた。

 シティスカパワーで作った街の方も戦争前提のゲームではないので、戦時体制になると不満が溜まる可能性も無くはないし。

 

 

 続く“政府“は国家形態を定めるもので、『文化』『宗教』『技術グループ』『政府』『政府ランク』を設定するコマンド。

 

 この内一番重要と言えるのが政体を定める『政府』で、特定の文化や宗教が習得の前提となっている政体もあるのでこれを最初に決めると良いだろう。

 ポイントを100も使うが前提条件がない上に癖がなくシンプルに強い“オーストリア君主帝国”、特殊な募兵や属国システムを持ちイスラム教系政体最強とも言われる“近代化オスマン政府”、キリスト教固定だが軍質全振りの聖なるゴリラ“ジャンヌ・ダルク修道会”等々何十という政体があるが、今回選んだのはポイントが少な目で前提条件がなく、シンプルに使いやすい“大帝国”。

 

 というかよく知らない政体は危なっかしくて使いたくないのだ。

 例えば政体“第五王国派政権”は前提条件がなくアフリカのイスラム国だろうがアジアの仏教国だろうが採用できるのに、宗教がキリスト教以外だとゲーム開始即バッドイベントがブッパされ強制破産や国家独立等国家崩壊RTAを突っ走らされるというとんでもない地雷である。

 強力でもどんな地雷が埋まっているか分からない政体を使うよりかは、凡庸気味でも安心して使える汎用政体を使うというのは間違った選択ではないだろう。

 

 さて、『政府ランク』は公国・王国・帝国の三段階に分かれ高いほどメリットが大きく、上げるのは大変なので最初から帝国ランクスタートにした方が良い。ポイント消費も少ないし。まあ今回は政体“大帝国”の影響で政府ランクは帝国固定なのだが。

 ちなみに神聖ローマ帝国諸侯でスタートするとゲーム開始後に政府ランクを公国に落とされるので注意だ。諸侯をしつつ帝国ランクを維持したいなら“大帝国”のような帝国ランクに固定される政体をつけておくのが必須である。

 

 『文化』『宗教』はポイントを消費しないので、使いたい政体の前提条件に引っ掛からなければプレイヤーの好みにしやすい分野だ。

 ゲームでは周囲の文化や宗教などを考慮する必要があるが……ここは異世界だから地球の文化も宗教も関係ないし宗教が幅を利かせる時代でもないので適当に決めた。なお、パラドはスウェーデンの会社であるので今回の文化はスウェーデンである。

 

 残る『技術グループ』は初期の技術レベルと軍事ユニットの強さに影響する。

 1444年時点の最強国家オスマンの技術グループである序盤に強い“アナトリア“、ゲーム後半には全世界を呑み込んでいく西欧列強の技術グループである後半に強い”西洋“、技術レベルは低くなるが軍事ユニットは強力な未開人の星”アボリジニ“あたりが強力な技術グループだろうか。逆にアフリカなど、田舎の技術グループは技術レベルが低いうえにユニットも弱かったりするので使うには愛が必要になるだろう。

 これもゲームではともかく、こちらは技術面ではもっと先の時代のゲームに頼るので以下略。

 

 ゲームでは重要だけど現実となった今ではあまり影響ないから……と適当に流してきたものも多かったが、残る“アイデア”は重要だ。

 NI(ナショナルアイディア)は国全体に与えるバフで、初期から持っている2つの“伝統“、アイディアグループのアイディアを3つ取得する度に……つまりは国家としての一定レベルに達する度に1つずつ追加されていく7つの”アイデア“、そしてすべてのNIを取得した時に得られる1つの”宿願“の三種類がある。

 

 NIは統治系・外交系・軍事系の三系統で様々なものがありポイント消費も様々。各NIに追加でポイントをつぎ込むことで4レベルまで上げて効果を強めることもできる(レベル上限が低いNIもある)。

 ただし三系統の一つだけで全体の半分以上を占めるとデバフが入るので、バランスよく割り振っていく必要がある。

 

 さて、それらを前提にどんなNIを選ぶかだが、戦争そのものにおいては戦争に特化したゲームシステムに頼るつもりなので、ゲームではまず何よりも優先して選ぶべきとされている規律上昇の効果の“憲兵隊”などは選ばない。

 造船速度を上昇させる“経験豊富な造船工”、 国家税補正を向上させる“効率的な税管理”、 開発コストを削減する“土地改革”、国家不穏度を減少させる“自由の保障など内政系のNIを組み込んでいく。

 

 NIは全部最高レベルで取ったが、これまでで消費したポイントは426。手持ちのポイントは800スタートだったから、残りは374ポイント。後はこれを使って首都以外の土地を獲得して初期領地を広げていく。

 

 領地獲得に消費するポイントは、開発がなされた土地であるほど多く、未開の地であるほど少ない。そして地形に応じて補正がかかり、金鉱山があったり交易上の要衝であったりすると更に増加する。

 地形補正はその土地が開発しやすい地形をしているかが重要で、“農地“の地形を持つ場合はポイントが増加するが、”砂漠“”山岳“等の開発に適さない地形だとかなりポイントが安くなる。

 

 さて、これから領有しようとしているヴァラド大陸であるが…EU4基準では率直に言ってゴミである。

 北米大陸並みの広さこそあるが、シティスカマップで土地を上書きしたヨハンボルグ一帯以外は農地もなければ金山もなく、ポイント激安の荒地と山岳がただただ広がる不毛の大地である。

 

 土地そのものが不毛でも、地球が舞台のEU4であれば沿岸部には“河口”や“交易の中心地”等の交易に有利な補正を持つ土地がちらほらあるものだが、ヴァラド大陸は北端の僅かな土地を除いて海岸線近くにまで山岳地帯が広がっており、上陸に適した砂浜などはほとんど存在しない。

 沿岸都市を作るとしても、海沿いの僅かな平野を使って大陸にへばりつくように街を築くのが精一杯だろう。……俺はシティスカパワーで地形上書きできるけど。

 

 この世界の人類がヴァラド大陸に進出しなかったのは宗教的な聖地ということもあるが、そもそも開拓難易度がルナティックなのにリターンがロクに望めないからだったんじゃないかな…魔族たちも逃亡者を追いかけて北端部に上陸しても、それ以外の土地に進出する気配はまったくないし。

 

 そういうわけで大陸全域が激安物件のため、広いヴァラド大陸のほぼ全体を残りのポイントで領土化しきることが叶った(シレーヌ王国になっている北端部の近辺、そして沿岸は外部勢力との接触を避ける為に手を出さなかった)。

 というか予想外にポイントが余ってしまって、ポイント節約の為に用意した後継者と配偶者をなかったことにしたくらいだ。まあ、排除されるためだけに生まれてきた人物とか見たくないしね…

 

 

 あとはじっくり時間をかけてゴミ土地を手動開発(DEVポチ)やシティスカマップによる上書きで豊かな土地に変えていくだけ…と思っていたのだが、これが思わぬペースでの国力の激増を招く要因となったのだ。

 

 

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