この透き通る世界での探究心は無くならない   作:月山 白影

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素のカバラ

 

 

 

 

 

数日経った後、俺は先生の元を訪れていた。

先生は優しく対応してくれていたが、俺は居心地が悪かった。

最近まで敵対していた先生と2人きりだからだ。

先生はそれに気づいたかのようにリラックスしてと言ってきた。

しかし、そんな簡単にもリラックスはできない。

気まずいものは気まずい。

 

 先生『カバラがやっと信用してくれて私は嬉しいよ。』

 カバラ「そ、その…今まで反抗して…悪かったな…」

 先生『っ!?』

 先生『カ、カバラ…?』

 カバラ「な、なんだ…?」

 先生『け、敬語を使った丁寧な喋り方じゃないの?』

 カバラ「あー…えっと…その、これが俺本来の喋り方だ…」

 カバラ「ずっと強制されてきたがあんな堅苦しい喋り方嫌だし…」

 カバラ「それで、話を戻すが…なんでも受け入れる。さぁ、罰してくれ…」

 先生『……あははっ!!』

 カバラ「な、なんだ…?」

 先生『あはは、罰したりしないよ。私を信用してくれただけでいいよ!』

 カバラ「だ、だが…それじゃ俺が…」

 先生『いいの!カバラも私の生徒なんだから!それに、子供が苦しい思いするのは嫌だしね。』

 先生『そういえば最近アビドスの方ではどう?』

 カバラ「っ……」

 先生『どうしたの?アビドスで何かあったの?』

 カバラ「その…アビドスをやめてきた…」

 先生『……それはまたどうしてだい?』

 

俺は先生が怒ると思っていたが違った。

優しく、やめた理由を聞いてきた。

何処か安心する。

 

 カバラ「死ぬ為に…」

 先生『死ぬ為…』

 先生『そんな事考えちゃダメだよ。』

 先生『死んじゃったら私が悲しい。』

 先生『それに、カバラはまだ若いんだから。まだまだやり直しが利くから。』

 先生『さ、立って。』

 

俺は立つ。

すると、先生は手を差し出す。

 

 先生『アビドスに行くよ。』

 カバラ「ダメ…」

 先生『……どうして?』

 カバラ「やっぱり、俺が行っても皆に迷惑かけちゃう…」

 カバラ「セリカにストレス与えちゃったし…それに、1番迷惑かけちゃったのはホシノ先輩だし…」

 カバラ「ホシノ先輩は1週間俺を探す為だけに不眠不休だった…」

 カバラ「だから――」

 先生『――きっと皆許してくれる。皆優しいからね。謝れば許してくれるさ!』

 カバラ「……先生がそう言うなら…」

 

俺は改めて思う。

「あぁ、この大人を信用して良かった」と。

先生と居るとなんでも出来る気がする。

俺はアビドスへと向かった。

 

 

 

 

 

 

 │アビドス・対策委員会教室

 

 

俺は先生の後ろに隠れながら教室に入る。

皆、俺の存在には気づいていた。

そして、真っ先にセリカが俺の方へとやって来た。

 

 セリカ『……』

 

セリカは先生に話しかける。

 

 セリカ『先生…カバラに何したらそんなベッタリになるの…』

 先生『カバラがやっと私を信用してくれたんだ…まるで我が子が立った感覚だよ…』

 セリカ『……』

 

セリカはこっちを見る。

 

 セリカ『…おかえり。』

 カバラ「……ただいま…セリカ…」

 セリカ『て、丁寧な喋り方じゃない…!?』

 カバラ「これが…俺の本来の喋り方だ…」

 セリカ『そ、そうなの…なんか一人称も「私」から「俺」になってるし…』

 

突然、俺の脚に痛みが走る。

俺は振り向く。

そこにはシロコ先輩が居た。

 

 シロコ『ん、おかえり。どう、久しぶりのアビドスは。』

 カバラ「別に…ちょっと気まずい…」

 シロコ『カバラがまた帰ってきてくれて嬉しい。』

 カバラ「そ、そうなのか…」

 

ホシノ先輩がやってくる。

1番気まずい…

ホシノ先輩に殺される覚悟が必要だと思うぐらいだ…

 

 ホシノ『…カバラ君、ちょっとついて来て。』

 ホシノ『あっ、先生と皆はゆっくりしてて〜』

 

俺は半ば強引に連れて行かれる。

そして、壁に押し付けられる。

 

 ホシノ『……どうして私から逃げたの?』

 カバラ「……」

 

怖い…

でも、言うしかない。

どんな結果になっても受け入れなければならない…

それが、(カバラ)なのだから…

 

 カバラ「死ぬ為に…」

 ホシノ『……』

 

ホシノ先輩は俺の頬や体を触ってくる。

撫でるように、本物かを確認するように。

 

 ホシノ『良かった…』

 

よく見るとホシノ先輩の目には涙が浮かんでいた。

そして、ゆっくりとホシノ先輩は俺を抱きしめる。

俺はそれに応える様に抱き返す。

ホシノ先輩の温もりが伝わってくる。

ほんのり温かくて安心する。

 

 カバラ「ホシノ先輩…ごめん…ごめんなさい…」

 ホシノ『カバラ君が生きてて良かった…』

 ホシノ『もう、どこにも行かないでね…』

 カバラ「うん…」




なんか書いてたらハッピーエンドになっちった。許してちょ
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