この透き通る世界での探究心は無くならない   作:月山 白影

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身を滅ぼす実験

 

 

 

 

 

 │黒服の実験室・364号室

 

 

 カバラ「ククク…神秘は不思議です…生まれつき神秘を有する者は銃弾を貫かない体を有している…だったら…私の身体に後から神秘を入れてみる…何度もこの方法をやってきた…ですが…いつも気を失っている…だから今回は気を失わないという都合のいい薬をが黒服から出てきた…やってみますか!」

 

私は都合のいい薬を飲み、神秘の入った注射器を手に取る。

ただ、私の荒い息だけが微かに聞こえる。

痛覚だけが私を支配する。

骨を圧迫されて折られるような痛みが私を襲う。

視界は歪み、吐き気がする。

頭はかち割れるかのようにズキズキと痛む。

ただ、痛みにもがくだけ。

 

 カバラ「がぁぁっ…!!ぐぎぁぁっ……!!」

 

あぁ、やっと分かった。

いつも気を失う原因を。

痛みによるショックだと言う事を。

これは…死ぬより辛い身を滅ぼす実験…!

記録…しなければ……!!

忘れてしまう…!!

 

私は机へと這って向かう。

そして、机の近くまで来た。

 

しかしその瞬間、経無頼カバラの意識は途絶え、机へと向かっていた手は力無く地面に落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 カバラ「っ……!!」

 

私は目を覚ました。

机の直ぐ側で。

 

 カバラ「なぜ、私は机の側で寝ていたのでしょうか…?」

 カバラ「……?」

 カバラ「なぜ、こんな所にメモ帳が…?」

 

私は興味本位でメモ帳を手に取り、捲る。

記されていたのは「2025年10月28日火曜日午後16時42分53秒 神秘の研究―内容―神秘を自身の身体に注入。」と書いてあった。

私は納得した。

また、失敗したのだと。

私は成功したのなら必ず記録する。

しかし、成功も失敗も書いていなかった。

私はそっとメモ帳を元の場所に置き、実験室を出た。

 

 

 

 

 

 │カバラの家

 

 カバラ「はぁ……神秘…私の探究心を擽った物だが……」

 カバラ「今の私にはまだ、早いのかもしれない…」

 カバラ「だが……はぁ……」

 カバラ「もう、今日は考えるのはやめよう…」

 カバラ「考えても虚しいだけ…」

 

私は倒れるようにベッドに横になる。

そして、スマホを見る。

モックス、旧モモッターを開く。

気になる記事などなく、スクロールばかりする。

しかし、すぐ飽きてスマホの画面を消す。

天井を見る。

いつもの天井。

 

 カバラ「はぁ…神秘の研究…面白いのだが…難しい…」

 カバラ「まるで…フェルマーの最終定理を解くぐらい難しい…」

 カバラ「頭が痛い…少し…寝よう…寝たら…治――」

 

――ドガン!!

大きな音で眠気が消される。

私は音のした方へと向かう。

多分、玄関のほうだろう。

 

 カバラ「っ……!?」

 

私は驚く。

玄関のドアが凹んでいた。

外れてはいないもののくっきりと足の形ができていた。

 

 ???『カバラくーん?なんで学校来ないのかなぁ?』

 ???『おじさん限界だよぉ?』

 

た、暁のホルス(小鳥遊ホシノ)…!?

なぜここに…!?

 

 ???『なんで1週間も学校来ないの?前言った約束は口だけだったのかなぁ?!』

 

次の瞬間、ドアが勢い良く外される。

小鳥遊ホシノがドアをどこかへ投げ捨てた。

 

 ホシノ『カバラ君?なんで学校1週間も来なかったの?』

 ホシノ『おじさん限界だったんだよぉ?』

 

私が瞬きをした時には、私は床に押し倒されていた。

背中に痛みが走り、小鳥遊ホシノの手が肩を強く床に押され、痛みが走る。

 

 カバラ「ぐぁっ…!?」

 ホシノ『答えてよ。答えないとおじさん、カバラ君の肩を破壊しちゃうかもだから…!』

 

更に力がかけられる。

 

 カバラ「がぁぁっ…!?こたっ…答えます…!答えますからっ…!!」

 ホシノ『早く言わないとマズいよぉ〜?』

 カバラ「トリニティの桐藤ナギサさんに拉致されていたんですっ…!」

 ホシノ『っ……へぇ…?』

 

小鳥遊ホシノは立ち上がる。

小鳥遊ホシノの目は笑っていたが、その奥の瞳には光を宿していなかった。

ドス黒く、殺意の籠もった目だった。

 

 ホシノ『…おじさんちょっとアビドス離れるけど心配しないでね。愛しのカバラ君♡』

 

私は寒気がした。




鍛冶さんお気に入り登録ありがとうございますご感想などお待ちしておりますこれからも温かい目で見てちょ。
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