カバラ「はぁ…神秘…肉眼では絶対見れない物質…ただ、手では触れれる…不思議なものだな…」
私は自室のソファに横たわり、そう1人で呟いていた。
開放的なドアのせいでとても寒い。
知っているだろうか。夜の砂漠はとても寒いのを…
風邪引いてしまうかもしれない…そう思い、ブランケットに身を包む。
カバラ「明日、黒服の所へ行くか…」
私はそう思いながら、目を閉じる。
カバラ「……っ」
私はいつの間にか寝ていたようだ。
まぁ、最も。目を閉じていたら眠くなるに決まっている。
私は起き上がり、ブランケットを畳み、そこら辺に置く。
カバラ「さて…ご飯でも食べるか…」
私はキッチンへと向かう。
冷蔵庫の中には食パン、納豆、バナナがあった。
その他は食材のため食べるわけにはいかない。
私は食パンを取り出し、キッチンに置いてあった蜂蜜の入った瓶を手に取る。
瓶の蓋を開けると濃厚な蜂蜜の匂いが私の鼻の中へと入っていく。
私は蜂蜜を食パンに塗る。
そして、食べる。
食べた瞬間、濃厚な蜂蜜の味だけが伝わってくる。
食パンはあまり味がないため、更に蜂蜜の味が際立つ。
数分後には私は食べ終わっていた。
カバラ「さて…黒服の所へ行くか。」
私はドアの意味を成していないドアを玄関の隅に寄せ、家を出た。
もう10月だというのにまだ外は暑い。
これも、砂漠の影響だろう。
近年、アビドスの砂漠化が酷いらしいがそんなの知ったこっちゃない。
私には関係のないことだ。
カバラ「それにしても本当に暑い…」
カバラ「どうせ夜にはとても冷えるんだろう…」
カバラ「……はぁ…」
なぜ、黒服は砂漠の近くに実験場を建てたのだろうか…
本当に行くまでに面倒くさい。
私は愚痴を心の中で思いながらただひたすら歩く。
歩くたびにサッ、サッ…と砂の音が聞こえる。
少し、好きな音だ。
私はそんな事を考えながら歩く。
どれほど経ったのだろうか…
やっと黒服の元へと辿り着いた。
本当に長かった。
カバラ「黒服、居ます――」
???『――今すぐカバラに神秘の研究をやめさせろ。黒服。』
黒服『そう言われましても……』
ドア越しで聞こえたが、黒服は誰かと話しているようだ。
うまく聞き取れない。
黒服『っ…!』
黒服『それは大人のカード…』
???『今すぐカバラを呼べ。私が説得する。』
今、はっきりと聞こえた単語がある。
「大人のカード」…
ようやく黒服が誰と話しているのか分かった。
あの忌々しい大人…「先生」だ…!
私はドアを開ける。
そこにはやはり黒服と先生の2人が居た。
先生『…カバラ!丁度良かった!』
先生は突然肩を掴んでくる。
私はすぐにその手を払いのける。
カバラ「はぁ……急に肩を掴むとは…君に常識という物は無いのか?」
カバラ「君に用はなくてね。後にしてくれ。」
先生『っ…!?』
カバラ「私は君という大人が嫌いでね。」
先生『カ、カバラ…?』
カバラ「はぁ…気安く私の名前を呼ぶのはやめてくれないか?吐き気がする。」
カバラ「そもそも、先生という立場でありながら黒服を脅すような事をするとは。やはり君も私の知っている大人同様、表向きは誠実の仮面を被った裏ではクズの人間。」
先生『カバラ…?黒服に何かされ――』
カバラ「私も言えない立場ではあるものの、君も黒服の事を信用してみてはどうかと思うがね。そんな黒服が残酷な事をすると思うかい?」
カバラ「私から見たら黒服の方が余っ程誠実な大人だと思うがね。」
カバラ「はぁ…どうだい?私の言ってる事は間違っているかい?」
先生『……』
カバラ「はぁ…答えられないからって拳を握りしめるのはやめたほうがいい。君が負けたように見えるぞ。ククク…」
先生『黒服、やはりお前がカバラに何か――』
カバラ「――何もされてないと言っているだろう?君は本当に教師かい?」
カバラ「君はもう少し、考えるということを身に着けたほうがいいだろう。今の君はまるで、キヴォトス人の様だぞ。私を撃ったあのお転婆娘の様だ。ククク…失礼?君は生徒が貶されると苛立つんだったね。」
先生『カバラ、君は一体何がしたいの。味方になったと思ったら敵になる。なんだ?君は本当に何がしたいの?』
カバラ「はぁ…気安く名前を呼ぶなと、言ったはずですが?まぁ、答えてあげましょう。私は自分自身に信じ込ませるんですよ。」
カバラ「その時、私はあることを思いました。先生、君を信じたい。そう思い込ませ、その後何らかの方法で思い込みを解けばよいのでは?と。」
カバラ「そうして一時的に味方になり…そしてその後、敵になる…」
カバラ「そうすれば君の精神はぐちゃぐちゃになる。君は生徒を信頼している。だから、その心を利用したまで。分かったかい?」
先生『カバラ、君はなぜ私が嫌いなんだい?』
カバラ「はぁ…まだ粘るか…」
カバラ「……私は大人が嫌いだからだよ。」
カバラ「ただ、それだけだよ。」
カバラ「早く帰り給え。君の顔を見ていると反吐が出る。」
目の前の大人、先生は黒服の部屋を出ていった。
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