この透き通る世界での探究心は無くならない   作:月山 白影

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何も言えず、ただ震えて

 

 

 

向かわなくては……!!

早く……!

なぜ、もっと早く気づかなかったのだろうか…!!

バッドエンドを迎えてしまったら…この心は永遠に落ち着かないままだ…!

早く…早く…!!

 

私は走る。

ゲヘナの風紀委員達が撃ってこようが構わずに走る。

左肩の断面と右手の小指から生じる痛みが私を襲い続ける。

 

私は…!!なんで間違った選択を…!!

 

私は自身を責める。

グチャグチャになりそうな程のストレスが私を責める。

過去は変えられない。ただこの1つの事実が私をさらに責める。

間違っていても変えられない過去。

 

クソクソクソ…!!

憎い…!!

今はただ、私が憎い…!!

 

私はそんな事を思いつつ走る。

やがて、別世界のシロコさんが設置してくれたワームホールへと辿り着く。

 

 カバラ「はぁ…はぁ…!!」

 

私は少し止まり、ワームホールを潜る。

そして、次の瞬間、銃弾が私の頬を掠める。

 

 カバラ「っ!?」

 シロコ✳テラー『やっぱり、こっちのカバラも断ったんだね。じゃあ、死んで?』

 

私は考える暇も与えられずに銃弾が私へと飛んでくる。

私は走り出す。

ただ、弾を避ける事だけ考えて。

私は勝てるなど考えてない。

彼女は私より強いだろう。

その雰囲気が物語っている。

別世界のシロコさんはリロードをする。

私はその隙を逃さずにスキルを発動する。

 

 カバラ「慈悲深き苦痛を持って断罪する裁定者…玉座への喚び声は此処にありて使用…!!」

 

私はオートマタ共を召喚する。

私は再びスキルを発動する。

 

 カバラ「慈悲深き苦痛を持って断罪する裁定者…至高の権能を目撃せよ使用…!!」

 

私はオートマタ共に強化バフを付与する。

そして、オートマタ共は別世界のシロコさんへと攻撃を仕掛ける。

別世界のシロコさんもそれに対応するかのように弾丸を放ち始める。

 

 カバラ「なにか…決定打となるスキルは…!!」

 

私は必死にスキルを頭の中で探す。

しかし、この建物はこの部屋だけとは限らない。

もし、他に部屋があるのならどこからかやってくるか魚雷やミサイルはダメだ。

たしか…合理を超えた勇猛な仲裁者は氷の柱を生成できるはず…!

合理を超えた勇猛な仲裁者のスキルで戦うしか無い…!!

私は右手を別世界のシロコさんへと翳す。

そして、口を開く。

 

 カバラ「合理を超えた勇猛な仲裁者…審判の柱使用…!!」

 

私は別世界のシロコさんを氷漬けにしようとスキルを発動する。

しかし、別世界のシロコさんは素早くその場から離れ、オートマタ共を無視して私に銃弾を放つ。

 

 カバラ「合理を超えた勇猛な仲裁者、知性の根源使用!!」

 

私は考えるよりも先に氷の壁を作っていた。

本能的に感じ取った「死」、ここまで死にたくないと思ったのは初めてだ。

死ぬためにキヴォトスに来たというのに。

なんとも皮肉な事だ。

 

 カバラ「はぁ…はぁ…!」

 シロコ✳テラー『私の居たあっちの方のカバラは最初から裏切ったけど、貴方は途中からなんだね。』

 シロコ✳テラー『カバラだけは死なせたく無かったの。アビドスの一員だから。前の世界でカバラが死んでないと聞いて私は嬉しかったの。でもね、最初から裏切ったの。私の心を。その時、私はね、苦しくて苦しくてね。だから殺したの。でも、こっちのカバラは快く承諾して、嬉しかったの。私はね、あっちのカバラとあっちのホシノ先輩は結ばれると思ってたの。それが苦しかったの。ねぇ…カバラ…私の物になって…?そうすれば私が守ってあげるから…ねぇ…』

 

狂ってる……

狂気じみてる…

 

ただ、恐怖だけが私を襲う。

痛みなど忘れ、ただ、恐怖が私を襲う。

 

 シロコ✳テラー『ねぇ…答えて…?今ならまだ許してあげる。答えて…?』

 

怖くて言葉も出ない。

ただ、その場に立ってることしかできない。

目の前の狂人を見て、立っていることしかできない。

逃げる事も、喋ることも、瞬きすらできない。

まるで、身体が硬直したように…

呼吸できているかすらもわからない。

今はただ、感覚すらない。

 

 シロコ✳テラー『答えてよ…』

 カバラ「っ……!!」

 

気づけば別世界のシロコさんは私の眼前に居た。

私へと手が伸びてくる。

動けない。

恐怖で何もできない。

別世界のシロコさんは私の顔を両手でそっと掴み、見上げさせる。

心臓の音がうるさいように聞こえてくる。

 

 シロコ✳テラー『ねぇ…殺されるか、それとも私の物になるか…どっち…?』

 

突然、別世界のシロコさんの真後ろで爆発が起こる。

別世界のシロコさんは目を大きく見開き、振り返る。

私は思い出す。

オートマタ共が居ることを。

別世界のシロコさんはオートマタ共を処理し始める。

私はその隙に、オートマタを1人壁へと向かわせ、自爆させる。

壁は壊れ、壁の外を見てみると、地面を見えず、風が吹いていた。

 

 カバラ「っ…!!」

 

私は少し、不安を感じながらも、飛び降りた。




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