はぁ……。
本当に申し訳ないが、また質問だ。
君はもし、自分より頑丈で、銃を持った人が敵に居るとどうする。
私はもちろん逃げるのが最善策だと思うがね。
はぁ……。本当に、ストレスでおかしくなってしまいそうだよ。
バンッと音と共に私の横腹を銃弾が掠り、砂の地平線の方へと消えていった。
カバラ「危ないですね。私は仮にも人間ですよ?先生と同じね。」
ホシノ『だからなんだ。私はお前を戦闘不能にするまでだ。』
カバラ「はぁ……面倒臭い……。」
カバラ「やっぱりキヴォトス人は好きになれないな。短気で喧嘩っ早い。好戦的で……まとめきれないさ。」
ホシノ『っ……お前、本当にイライラするな。ゲマトリアとかいうカス組織入ってる事にイライラしてるのに。さらにイライラさせるとか……。』
カバラ「だからなんです?私は馬鹿と話すとイライラするんですよね。私の言っていることを理解できない、または理解しようとしないから。」
ホシノ『お前、本当に死にたいのか?』
カバラ「はぁ……。」
カバラ「こんな人が私より年上とは考えれないですね。」
ホシノ『お前、子供なのか?』
カバラ「えぇ。15歳ですよ?1月30日でしてね。」
カバラ「ですが、私はゲマトリアに入りしました。とても、楽しくてですね。ゲマトリアの皆さんとても友好的ですよ。あ、ですが、ベアトリーチェは嫌いですね。」
カバラ「ククク、昨日も楽しかったですね。」
ホシノ『遺言はそれでいいか?』
カバラ「っ……。」
生きたい……。
なんだ?今の感情は?
生きたい…?
私は死ぬ為にキヴォトスに来たんだろ。
神秘の研究がまだ終わってないからか……?
ホシノ(……相手は人間。致命傷を避ければ良い。後はゲマトリアを抜けさることさえできればいい。)
ホシノ(大丈夫だ。足の狙いを外さなければ良いだけだ。)
カバラ「ククク、何か躊躇いがあるのですか?私が人間だからです?」
ホシノ『っ……。』
カバラ「図星、と言ったところですね。」
カバラ「ククク、やはり撃ちにく――」
バンッとショットガンの発砲音が私の言葉を遮る。
カバラ「え……?」
私の妙に足が温かい。
私は左脚を見る。
左脚の太腿から血がダラダラと垂れて、力がどんどん抜けていく。
カバラ「うっ…!?」
私はバランスを崩し、地面に倒れる。
カバラ「何故……。」
ホシノ『おい。』
カバラ「っ……。」
私の額にショットガンの銃口がピタリとくっつく。
その銃口は少しの温もりがあった。
ホシノ『ゲマトリアを抜けると言うのなら命だけは助けてやる。』
カバラ「っ……。どうしましょうか……。」
一旦は抜けて、また入るとしましょうか。
どうせ暁のホルスは私の事など1、2週間後には忘れているだろう。
カバラ「本当に、命だけは助けてくれるのですか?」
ホシノ『あぁ。』
カバラ「なら、ゲマトリアを抜けます。」
ホシノ『言ったな?二言は無しだぞ。』
カバラ「えぇ、分かってます。私は約束だけは破りませんから。」
ホシノ『……そうか。ほら、立てるか。』
暁のホルスは私に対して手を差し出す。
私は差し出された手を取り、立ち上がる。
ホシノ『ほら、肩貸してやる。』
カバラ「……」
ホシノ『何を泣いている。』
カバラ「え…?」
私は目元を触る。
そこには確かに涙があった。
そうか。今分かった。私は久しぶりに優しくされたからだ。
カバラ「……ありがとうございます。」
私は目元の涙を拭い、暁のホルスの肩を借りる。
カバラ「これから何処へ?」
ホシノ『アビドス学校で手当てしてから先生の所に行く。』
カバラ「ですが……。」
ホシノ『なんだ。何か不満か?』
カバラ「少し、先生と敵対関係になってしまいまして……。」
ホシノ『敵対関係……?』
カバラ「私が生徒さんに少し言い過ぎまして……。」
ホシノ『そうか。』
カバラ「怒らないのですね…。」
ホシノ『当たり前だろ。原因を分かってるし、その様子だと反省してる様だしな。先生には私から言っておく。』
カバラ「本当ですか。」
ホシノ『お前、いや、君、名前は?』
急に暁のホルスの雰囲気が柔らかくなった。
カバラ「私の名前は……
ホシノ『経無頼カバラ……。オッケー。カバラ君ね。』
ホシノ『おじさんは――』
カバラ「――小鳥遊ホシノ。知ってます。貴方は要注意人物と教わりました。その高い戦闘力が、危険だと。」
ホシノ『そこは言わせてくれても良いんじゃないかな。』
カバラ「すみません……。」
ホシノ『それより、おじさんに撃たれたのに恨んだりしてないの?』
カバラ「私は人を恨むのはしない主義でしてね。」
カバラ「恨んでも別になんにもならないのに。」
ホシノ『あはは……。』
カバラ「それより、図々しいかもしれない質問なのですが、いつになったらアビドス学校に着くのですか?」
ホシノ『あともうちょっとだよ〜。』
ホシノ『それまでの辛抱だからね。』
早く着いて足を……。
っ……。
なぜ私は暁のホルスに心を許そうとしているんだ…?
私はもう、誰にも心を許さないと決めたはずだ……!
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