逆行ハリー・ポッター   作:C E L I C A

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2,変わらない思い

「組分け儀式がまもなく始まります」

 

 マクゴナガル先生の言葉に、私の胸がザワつき始めた。もうすぐ、この狭い空き部屋から出て、大広間へ向かう。そしてその先には……ダンブルドア先生、スネイプ先生。それに、私より年上のセドリックも、当然そこにいるはずだ。

 

「さあ、一列になって。ついてきてください」

 

 心臓がバクバクと鳴る。緊張する。私は果たして、まだ生きて元気な彼らを目にしたとき、感情を抑えられるのだろうか。

 

 二重扉をくぐって、大広間に入る。

 

 ……懐かしい。当たり前ではあるが、まだホグワーツの戦いで城が崩れる前の、あの頃のままだ。笑顔で談笑する上級生。不安げながらも、新しい生活に期待を膨らませ、目を輝かせる一年生。そして、そんな生徒たちを温かく見守る先生たち。……一人と、一体を除いて。

 

 そうだ。ヴォルデモートがいる。

 

 私は即座に閉心術をかけた。

 

―――

 

 組分けの儀式は順調に進み、ついに私の番が来た。

 

「ポッター・ハリー!」

 

 無心で前に進み出て、組分け帽子を頭に被る。

 

「……ん? これは閉心術かね?」

 

「諸事情で」

 

 私は小声で囁いた。

 

「まあ、よいか」

 

 流石に適当すぎる気がする。

 

「では、どこの寮が良いかね?」

 

「グリフィンドール」

 

 即答した。他の寮にも興味はあるけれど、やはり私の居場所はここしかない。

 

「……よし、では。グリフィンドーーール!

 

 グリフィンドール生に揉みくちゃにされながらも、何とか隣が空いている席にたどり着いた。もちろん、ロンのためだ。

 

 席に座って先生たちの席を見やると……いた。

 

 ダンブルドア先生と、スネイプ先生。

 

 感動と懐かしさが胸に湧き上がったが、閉心術のおかげで涙は出なかった。今思えば、フレッドに会ったときも閉心術をかけていれば、ロンたちをあんなに心配させずに済んだかもしれない。

 

―――

 

 組分けと夕食、そして一年生の歓迎の時間は、特に問題もなく進んだ。傷が一瞬だけ疼くような感覚はあったものの、平穏に終わろうとしていた。

 

 そして私たちは、監督生のパーシーに連れられ、大広間を後にしようとした、その時。

 

「ポッター」

 

 忘れもしない声が、私を呼び止めた。振り返ると、そこにいたのは――

 

「来い」

 

 スネイプ先生だった。

 

「……へ?」

 

 隣のロンが困惑した声を上げた。

 

 急いで一年生を案内しようとしていたパーシーも、私たちに気づいた。他の一年生たちもざわざわと騒ぎ始める。

 

「しかしスネイプ先生、彼は寮に……」

 

「黙れ」

 

「就寝時間が……」

 

「新学期早々、減点されたいのか?」

 

「……」

 

 パーシーは無言で他の一年生をまとめると、足早にその場を去っていった。ロンは私についてこようとしたが、パーシーに半ば引きずられていく。

 

「パーシー! 絶対ハリーはロクな目に遭わないよ! ハリーより点数が重要なのか⁉」

 

「お前は分かっていない! ハリーのことは確かに心配だけど、彼なら何とかなるだろう……。

それに、寮の点数は僕だけのものじゃない、グリフィンドール全員のものなんだ!」

 

 パーシーとロンの言い争いが遠ざかっていき、完全に聞こえなくなった頃、スネイプ先生が無言で歩き出した。

 

「行くぞ」

 

 ――変わってないなあ。

 

 ぶっきらぼうな態度に、どこか安心しながら、私はまだ短い足で、必死にその背中を追いかけるのだった。

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