どうも、いっ君さんです…。
本日はお日柄は良いですが、朝から面倒な予感がして気分は憂鬱気味なのは気の所為だと思いたいです。
昨日の女友達から当然のクラス襲来の宣言を受け、アイツの性格からして“面倒”な事にしかならないので、面倒なのである。
……あ、余りな事に何度も言ってしまったな。
――まあ、取り敢えず行って
思わず
※ ※ ※ ※ ※
〜1年C組〜
俺が教室に到着すると、突然クラス中に響き渡る声量で「なにこの子可愛いぃぃよぉぉ!?」と叫ぶ女子の声が聞こえて来た。
――ああ、出来れば出会わせたく無かったのに…
案の定、その茶髪に染めたショートヘアが特徴の俺の女友達は目をキラキラと輝かせながら、廣仁の手を握ってオタク並みに「可愛い」「男の娘が実在するなんて…」
廣仁は俺を視線で見つけると、困ったかのように見つめて来る。
――まかセロリ!!
「俺の天使になぁに手を出してるんじゃ!!」
「げっ!?」
俺は速攻で廣仁から魔の手を払うと、胸に引き寄せた。
廣仁が「えっ!?」と驚き、朔夜から呆れた目を浴びながら、俺はニヤニヤとしながらその女友達の前に出る。
「悪いがコイツは俺のものだ。お前には絶対に渡さねぇ」
「なぁにが“俺のもの”よ。気色悪いわよ!!」
「それを言うならお前だって気持ち悪く涎を垂らすなよ」
「は、はぁ!?」
全く、こいつはアニメや漫画等の文化に強く興味を示し易いとは言え、俺の廣仁に手を出すとは許しては置けないな。
※尚、朔夜から見ればお前が言うなと内心思っていた。
「全く…」「はあ…」
「「やれやれ…は?」」
俺と女友達は廣仁を巡って言い争っていたが…
「ストップ温暖化っ!!」
まるで理解が出来ないと言わんばかりの二人に、彰人が止めに入ると誰もが思っていた疑問を口にした。
「少し待てって。色々状況が分からんって。まず二人は知り合いか何かなの?」
「あ、それはボクも思った」
「……右に同じく」
その質問に俺は今更になって、第三者からすれば状況が何もかも分からないまま口喧嘩になっているから困惑するかと思った。
そして、藤澤彰人の質問に俺は答えた。
「……あー悪い。先ず俺とコイツ――
そう、例の俺の女友達――
まあ、細かい事は今は置いておこう。
「そうなんだ。それで…実は遠坂君…じゃなかった…樹君が来る前、望月さんがボクを見て突然叫ぶと手を握って来たんだけど…それは?」
コイツ…マジかぁ。
俺の廣仁の可愛さにやられるのは分かるが、手を出すのは不味いって。
「……あーコイツはアニメとか漫画とかの文化に興味を持っているんだが、二次元の文化に可愛い見た目をした男の子を男の娘と言うんだが…多分廣仁、お前を見て実在するんだとか言って来たんだろう。
……コイツが迷惑掛けたな」
「は、はぁ…別に良くは無いけど…まあ良いよ」
この時、廣仁にこの人も『ボクを見て鼻息荒くする事があるからそれと同じものかな…』と内心思われていたが、いっ君さんに知る由は無かった。
「それはウチもごめん…」
「はあ…それで此処に何の用だ?」
俺が質問すると、望月眞希――眞希は「そうだった」と来た目的を思い出したようだ。
全くコイツは…。
俺は慣れたから良いが、コイツを面倒だと思う理由は、興味や関心を抱いた事に突っ走って相手を困惑させたりしてしまう所であった。
まあ、共通の趣味があるし、見ていて目をキラキラさせる所は可愛いなと思うから別に苦手な欠点はあっても、嫌いでは無い。
「樹は昨日言ったと思うんだけど?あんたのクラスに可愛い生物が居るって聞いて見に来たって訳よ」
可愛い生物と聞いて、廣仁が俺に対して「この人が来た原因はあんたか」と言わんばかりの目で見て来た。
失礼だな、俺は本当の事を言ったまでだぞ!
「あー思い出した。お前の方の可愛い子とかの話だったか」
「ええ。けど生憎、可愛い生物ちゃんの方が気になって来たから昼休みにウチの所に来てよ。紹介するから」
「え、面倒臭いんだけど」
俺が面倒そうに答えるが、しかし待てとも思った。
これは新しい友達を作る機会になるし、実際に可愛い子なら俺も男だ。
少しばかりの興味はあるし、見て見たい気もする。
――それ故に俺は、態度を変えた。
「――いや、やっぱり気になるから行くわ」
「あれ?急に態度を変えたけど……まあ良いか。それじゃあ可愛い生物ちゃん……えっと樹が廣仁君って言ってたから廣ちゃんも良ければ来てね〜!」
そう言って嵐のように眞希は1年C組を去って行った。
「……との事だが、どうする?俺は行くが」
「……ボク、あの人が少し苦手だから今回は遠慮しとくよ」
「……俺も興味は
「俺は行くぞ。可愛い子がどんな子が気になるから」
と、言う訳で廣仁と朔夜は辞めとくと言う事なので、俺と彰人の二人で昼休みに向かう事になった。
※ ※ ※ ※ ※
〜1年B組〜
昼休み。
俺と彰人は眞希が在籍する1年B組にお邪魔させて頂く事にした。
すると、眞希が他の女子と話していたが、廊下側に顔を向いていた事で直ぐに気付くと話を中断させて此方へと手招きをした。
中に入ると1年B組の皆様から「誰だコイツら」と言わんばかりの視線を浴びるが、客として来ている為に必要以上に話し掛ける奴は居なかった。
飽くまでも望月眞希の客として、見られているようだ。
「よお、遊びに来たぞ」
「おーす、友達も連れて来たんだ…へぇー廣ちゃん。ウチを怖がって来なかったんだ…やっぱり馴れ馴れしくし過ぎたのが…」
と、ぶつぶつ呟く眞希さん。
いや、怖いって!?
コイツは少しでも不幸な事や思い通りにならなかったらこうやって自分の所為だって決め付け、勝手に落ち込む所があるのだ。
何時も慰めるのに世話をかけっぱなしなので勘弁して欲しい。
ほら、お友達も怖がってるからさ。
「……ってごめんねぇ〜。少し悲しい事があっただけだからさ。まあ、取り敢えず今は……ウチの友達を紹介するねぇ〜♪」
そう言って眞希は隣に立つ眼鏡を掛けた女子を前に出すと嬉しそうに彼女の自己紹介をしてくれた。
「この子は
「えっと…初めまして。天宮いよりです。その…宜しくね?」
と、眞希とは対照的に大人しそうなお友達の天宮いよりさん。
へぇ…見た目は地味そうに見えるけど、良く見たら可愛いじゃん。恐らく髪型とかメイクとかをちゃんとすればより可愛くなるタイプと見た。
一緒に来た彰人は頬を赤らめる程には、素でも可愛いのだ。
「俺は遠坂樹だ。いっ君さんとか好きに呼んでくれ!」
「藤澤彰人です。え、えっと…宜しくお願いします」
俺はいつも通り、彰人は緊張してそれぞれ言った。
――にしても眞希が言う通り、可愛いな」
「え!?えっと…///有り難う御座います?」
「ん?」
「えっ…ちょっと樹!?何口説いてのよ!?」
――マジか。
俺、無意識に言葉が漏れていたか。
いやはや、このいっ君さんとした事がつい本音を漏らしてしまうとはお口チャックしないと行けないか?
「いや、口説いたつもりは無いが…まあ、本音は言ったが」
「尚更、タチ悪いわ!?」
と、俺が本音を漏らした所為で、クラスの男性陣から殺意を向けられた気がするが…まあ、気の所為だろう!
「んん!!全く話を戻すわよ。いよりっちとは入学初日に見かけた瞬間に私の美少女センサーが働いちゃってさ?それで積極的に話し掛けて友達に持って来れた訳よ」
つまり、女性版のナンパをした訳か。
全く何処かの誰かさんと同じ事をするなよな。
え?誰だって?……さあ、知らんな。(おい)
「あー成る程。ナンパした訳か…天宮さん、コイツが悪い」
「え!?いやいや!寧ろ積極的に話し掛けてくれたお陰で友達になれたので良かったって言うか!」
と、天宮さんがそう言った事で、奴の顔は御満足である。
「嬉しい事を言ってくれるじゃん、いよりっち!!」
「ちょっ!?人が居るのに!?うぅ恥ずかしいよぉ…///」
「あぁ〜美少女の匂い最高ぉぉ〜!!」
おい、心の内に飼っている変態おじさんが出てるぞ。
てか、彰人は彰人で「これが百合って奴か。てぇてぇなぁ…」とか言ってまともなのは俺しか居ないのか?
そんなこんなで時間が許す限り、眞希と天宮さんと交流をした。
例えば、彰人と天宮さんの地元が同じで近いって話や…
「えっ!?藤澤君って同じ地元だったの!?しかも◯◯って近!?」
「ははっ…マジか。どんな確率ですか」
とか、俺と眞希はゲームを開いてガチャで爆死し合ったり…
「なぁんで天井なんだよぉ!?」
「ざまぁ〜笑……ってウチも!?」
って言う事がありつつ、午後の授業が近付きつつあったので、後で連絡する事があるからと言われ、取り敢えず1年B組を後にした。
※ ※ ※ ※ ※
放課後。
俺と彰人は眞希達に「一緒に帰ろう」と言われ、校門横で待っていた。
暫くすると眞希と天宮さんが急ぎ足で此方に現れたのでゆっくり落ち着いてから一緒に帰る事とした。
バスに乗り、女子二人は座席に座り、野郎二人はその後ろの席に座ると色々と話しながら、バスは駅に向かって行く。
因みに車内での話題は何故か「可愛い生物」についてだった。
「可愛い生物?実は猫を飼っているんだけど…」
「「可愛い〜!!」」
と、彰人は雄猫と雌猫の写真を見せて女性陣にウケたり、
「一個下に可愛い妹が居るんだけど、もう甘えて来てくれる姿が可愛くて仕方がないんだよね!」
「そんないよりっちもウチは可愛いと思います!」
「眞希ちゃん…!」
「いよりっち…!」
天宮さんはスマホの待ち受けにしてある家族の話で花を咲かせていたが、いつの間にか百合を咲かせようとしていた。
実はもう出来てるんじゃないかって言う程にイチャイチャをしており、女性陣が可愛い可愛いと言っている彰人を横目に、俺は廣仁の笑顔を思い出して落ち着かせようとしたが、寧ろ逆効果で口角が釣り上がりそうになってしまいました。
カオスな状況の中、バスは駅に到着し、一同は解散すると俺は眞希と共に電車に揺られながら帰路に向かう。
「いやぁ〜ウチのいよりっちとあんたの廣ちゃん可愛かったなぁ」
「廣仁が可愛いのは認めるが、勝手に手を出すんじゃねえって」
「あんたがあの子を過保護なのは分かったけど、余り気持ち悪さを出さない方が良いんじゃないの?」
「は、はぁ!?」
な、何を言っているのか。
廣仁を誰が守らねばコイツの魔の手が迫り来ると言うのに…
「まあ、でも中々高校生活楽しめそうだし、良かったわ」
「それな。中学の時と比べると…な」
「まあ、あの時はあの時で何やかんや楽しかったし、あんたのあれは面白かったけどね〜」
と、ニヤニヤと此方を見てくる眞希。
コイツぅ…と思ったが廣仁を思い出して頭を
電車に揺られ、座席に座る俺と眞希はたわいの無い雑談をして何やかんやコイツと居る時間も悪く無いなと思った。
と、内心思っている間にも電車は駅に到着し、眞希とは別の方向になったので、手を振り合い、別れて俺は帰路を辿った。