どうも、いつも通りいっ君さんです。
今日は以前少しだけ言ったL◯NEに小説やら何かを載せるって話をやって見ようかと思った訳だが…
※ ※ ※ ※ ※
――此処は東亰都立南嶺學園。
この學園では政府や企業が次世代に活躍する人材を育成する為に莫大な金額を投資し、運営されている學園である。
その為、クラスは成績順に選別されており、エリートのAクラスから順にB・C・D・Eに其々に生徒達が在籍している。
高いクラスに応じて卒業後の進学・就職に対する手厚い優遇処置が約束され、逆に低い成績のクラスには何も保証などは無い。
それ故に生徒それぞれに序列が付けられ、皆が上位に入る為に競い合っている実力主義の學園であった。
しかし、そんな學園に青春を求めてやって来た男がいる。その名も――
※ ※ ※ ※ ※
「このいっ君さんである!」
「……自分で言っちゃってるじゃねぇか」
「あはは…」
いつもの放課後、俺の小説を読みながらツッコミを入れた朔夜と苦笑した廣仁に囲まれながら感想を言い合っていた。
「……実力主義の學園の要素は悪く無いが、もう少しモチーフとなった主人公に現実感を持たせたい所ではあるんだよな」
「成る程、じゃあもう少し描写を細かくしてみるとか?」
「うーん、細か過ぎてもアレだから少し削った方が良いかも」
と、話しながら1年C組で野朗共は集まっていた。
他に人はおらず、比較的落ち着いて作業する事が出来ていた。
「……因みに俺の小説はこんな感じにしようかと思う」
そう言って文章を送信した朔夜。
俺達は送信された内容を見てみる事にした。
※ ※ ※ ※ ※
主人公のあなたはひょんな事から死んでしまった。
後悔だらけの過去を悔やみ、成仏しきれないあなたの元に神霊の少女・神奈が地上へと舞い降りて来た。
「あなたは悲惨な最期を遂げてしまった為、天界はあなたを転生させる事となりました」
その一言は主人公のあなたを変えるものとなった。
後悔だらけの人生をやり直す為、過去に戻り、今度こそ選択肢を間違え無いように生きる事を決意する――。
※ ※ ※ ※ ※
「へぇ〜やり直し物か。これは面白そうじゃん」
「うん。どんな物語になるのか楽しみだね」
「……それは有難いんだが、肝心の内容が思い付かなくてな」
「それなら…」
朔夜は廣仁の提案を受け、何かを思い付いたのか作業をし出す。
一方の俺は少しトイレが行きたくなった為、和太鼓部の演奏が少し外れから聞こえて来る廊下を歩くのだった。
※ ※ ※ ※ ※
〜和太鼓部side〜
――カッカドン!カッカドン!ドッカドッカ!
第二音楽室に和太鼓の叩く音が鳴り響く。
和太鼓部の部長を中心に新入生の神楽坂雅紀と藤澤彰人は汗を垂らしながら必死に喰らい付こうと練習をしていた。
両足を広げつつ体勢を少し前に近付け、同時に大バチを構える。
部長の掛け声と共にリズム良く和太鼓の演奏は始まり、
――スットスットドンッ!
1・2・1・2で和太鼓には叩かず、腕を前後に動かし、ドンのタイミングで和太鼓に大バチを優しく叩く。
――ドンッ!カッ!ドンッ!カッ!
ドンで叩き、カッで外側の
そしてまた同じ面に大バチをタイミング良く叩いて繰り返す。
「一旦辞めっ!……よし、最初と比べると上達して来たな」
部長にそう言われ、神楽坂雅紀と藤澤彰人は「あざっす」と言いつつもその表情に緩みは無く、寧ろまだ練習不足だなと言わんばかりに苦しそうなものであった。
「ははっそんな表情をするなって。俺だって1年の時に初めて和太鼓に触れて漸く慣れて来たって所なんだからさ。急いで覚えようとしたって良い事は無いぞ」
と、部長はアドバイスをしてくれる。
だが、気持ち的に部長と並んで演奏が出来るようになりたいと言う思いで2人はいっぱいだった。
「頭では分かるんですけど、気持ち的に急いでしまうと言うか…」
「それな。先輩達の演奏が凄く良いんで早く一緒にしたい気持ちが先走ってしまうと言いますか…」
と、2人は本音で先輩に打ち明ける。
部長は嬉しそうに2人の頭を触れると笑顔で言う。
「ははっ嬉しい事言ってくれるねぇ〜なら先ずは基礎をしっかりとした上で一緒に演奏をして行こうじゃないか」
「「はい」」
こうして、再び部長の掛け声と共に和太鼓部の練習は続く。
※ ※ ※ ※ ※
一方、同時刻…
〜天宮いよりside〜
私は今、美術部でイラストを描いていた。
お題は自由らしいが、その「自由」が分からないでいた。
他の人達は比較的すぐ書き始めていて、私だけ取り残されていそうで焦り始めていたのだが…
――うん?和太鼓の音?
少し外れから聞こえて来る和太鼓部の演奏は良く響く。
しかし今、私の脳裏には「リズム」と言う単語から閃きが走った。
――あ!そうだ。音楽って世界共通なんだし、音楽と平和を組み合わせた作品を作って見よう♪
一度、思い付いたら後は拘りで細かく繊細に絵を描き出す。
時間が許す限り、私は自分の世界に入り出した――。
※ ※ ※ ※ ※
〜望月眞希side〜
どーも、ウチこと望月眞希でーす。
ウチは今、いよりっちと一緒に帰りたくなったのと、家に帰る時間を遅らせる為に暇潰しに教室でラノベを読んでいた。
昼間は他の生徒達もいるから、自由な時間はあるようで無いんだけど、放課後は誰も居ないから静かで良いんだよね〜。
……まあ、今日は和太鼓部の演奏は聴こえるけど、然程うるさくないから気にしないけど。
さてさて。
そんな事より今読んでいる『クラスメイト達が異世界召喚されたけど、俺だけ現世に残った件について』は、かなり斬新な作品で異世界と地球の其々の視線を描いたものだが、暇潰しには丁度良い。
クラスメイト達は勇者の主人公が居ない中、魔王討伐に向けて奮闘するのだが、一方で勇者の主人公は自称陰キャで、至って普通の日常を描くのだが…けど実はって所が面白いんだよねぇ〜。
まあ、良いや。
――ふんふーん♪誰も居ないから、アニメの主題歌を鼻歌でしていても気にしないで良いもんねぇ〜。
ウチが鼻歌をしながらラノベを読んでいると、誰かの足音がし、その足音がこちらに近付いていた。
そうして勢い良くB組から顔を覗かせた遠坂樹の姿を見て、ウチは驚きと恥ずかしさで赤面してしまった。
「ちょっ!?ちょっと何でいるの!?」
「いや、何か鼻歌が聞こえて来たもんで…」
――しかも聞かれてたぁ!?
「恥っず…」
「良かったな聞かれたのが俺で」
「ちっとも嬉しくない!!」
てか、何でコイツが此処に残ってるんだろう?
特に何も無ければもう帰っている時間帯なのに…
「てか、何でまだ残ってるの?」
「家に帰っても暇だし、野朗共で趣味の時間」
「野朗共って…ん?って事は廣ちゃんもいるって事!?」
そう言われたら、廣ちゃんに会いたくなって来た!?
ウチが会いに行こうとすると、廣ちゃんを守るかのように立ち塞ぐが…ふっ…無駄よ。
――仮にもウチは運動部所属ッ!!帰宅部のコイツに体力では負けないのだよ!!
動きが鈍い樹を避け、思い切りB組を出てC組へと向かった。
――待ってて!廣ちゃん!!今会いに行くからぁ〜!!
※その後、廣仁は
※ ※ ※ ※ ※
〜遠坂樹side〜
その後、廣仁の取り合いになったが、辛うじて守る事が出来た。
絶対に廣仁はいっ君さんが守護られば…!
と言う事はさて置き、完全下校の時間となる前に帰りますか。
朔夜と廣仁と別れた俺は下駄箱に靴に履き替え、校門を出た先で部活帰りの天宮さんと眞希の二人に遭遇した。
「あ、こんばんは」
「さっき振り〜」
「おう、これから帰るのか?」
俺がそう聞くと天宮さんは頷き、「良ければ一緒に帰りませんか?」とお誘いを受けたので、一緒に下校する事となった。
俺は基本的に聞き手に徹し、女性陣の会話の邪魔にならないよう気を付けつつ、速度を調整して帰って行く。
「へぇ〜」
「うん、それでね!」
俺の横で天宮さんと眞希が楽しそうに雑談をしているのを見ると眞希が本当に楽しめているんだなと実感が湧いた。
――何せ中学時代の彼女は……っと今はそれは良いか。
「そう言えば遠坂君って眞希ちゃんと付き合いは長いんだよね?中学時代ってどんな感じだったのか聞いても大丈夫?」
と、今まさに思っていた事を聞かれてしまい、俺は眞希に目を向けて聞いても大丈夫か確認して見る。
「……あー中学時代?別に良いけど…と言っても中学三年の時に出会ってからだからそれ以前の事は互いに知らないよ?」
「あれ?そうなんだ。てっきり仲が良いからもっと付き合いが長いのかなって思っちゃったんだけど…」
「それはまあ、コイツとの相性が良くも悪くもバッチリって事だったんじゃないかな〜?」
と、当たり障りの無い返答をする眞希。
何と無くそれを察してか天宮さんも「そうなんだ」と言ってからは別の話題に切り替える事にしたようだ。
……っと暫く雑談をしていたらいつの間にか駅に到着し、俺達は改札を抜け、来た電車に乗って空いている席に並んで座る。
「で、その時樹がさぁ〜」
「えっ!?」
「おい、俺の黒歴史を掘り返すのは辞めて頂きたい」
何故か俺の黒歴史の話題に突入したので、止めに入る。
流石にこれ以上、誰かに俺の黒歴史を知られてイメージダウンされる訳には行かないのだ。
「別に良いじゃん減るもんじゃ無いんだし」
「減るんだが――」
しかし、俺達はたわいの無い雑談をしていた時だった。
「ふん、最近の若いもんは変な髪に染めた女はいるわ、男は女共を侍らせて女に逃げられた儂に対する当て付けのつもりか?あ?」
到着した駅からおっさんが電車に入って俺達を見るなり、そう言って来た。
「……でぇ〜」
「おい、クソガキ。無視するんじゃねーよ?」
「…………はぁ〜何かウチらに用っすか?」
無視出来ないと思った眞希が笑顔(尚、目は笑っていない)は突っ掛かって来たおっさんに話し掛けた。
漸く相手されたおっさんはニヤニヤと笑みを浮かべると、眞希の全身を舐め回すように見た後、こう言った。
「ふん、そんな見た目で男を誘惑させたりしてるのか?ははっ」
おっさんがそう言った時だった。
眞希はおっさんに殺意を放ちながら睨む。
「……良い歳したおっさんがウチらのような歳下に相手をする暇があるんなら、ちゃんと女性を作ったらどうですか〜あ、まともじゃ無いから女性に逃げられたんじゃないですかぁ〜(笑)」
「は?てめぇ…」
眞希は怒りの限界なのか、相手を煽るかのように言った。
対峙するおっさんは歳下に舐められたと思い、拳に力を入れて今にも殴り掛かろうとしていた。
「えっ…暴力は行けませんよ!」
「うるせぇな芋女!!殴られたいんか!」
遂には止めようと声を掛けた天宮さんにも暴言を吐いた。
その言葉を聞いた眞希は怒りを露わに前に出ようとしたが…
「――駄目だ」
前に出ようとした眞希を俺は咄嗟に腕を掴んで止めた。
しかし眞希は俺を見ながら言う。
「はあ?樹は止めないでよ。ウチだけじゃ無く、いよりっちにまで暴言を吐いてただじゃ置かないって」
「暴力を振るうようなおっさんに相手をしたら、それこそ同類だ。それに大事な友達を傷付けられる訳には行かない」
「けど、このまま黙って言われ放題じゃ――」
「さっきから黙って待ってればおっさんおっさんうるせぇんだよ!ああ!!もういい加減腹が立って仕方がねぇんだよ!面貸せやごらぁ!?」
そう言って頭の可笑しいおっさんは感情のままに暴力を振るって来た為、俺は天宮さんと眞希を守る為、一撃頬に受ける。
「樹!」「遠坂君!?」
「問題無い。少し痛むが…おっさん、暴力を振るっては行けないと学校の授業で習わなかったか?」
俺はそう問うも、おっさんは普通の思考回路をしていないらしく舌打ちをしただけでその手を止める事はしなかった。
「……既に暴力罪を犯していますが、これ以上罪を重ねた所で意味は無いと思いますけど」
「チッ…クソガキが偉そうな事を言うんじゃねぇ。俺には失うものなんかねぇんだし、罪がどうとか関係ねぇんだよ!!」
そう言っておっさんは、鬱憤を晴らすかのように攻撃をしようとするが、周囲にいた人達に一度は拘束されてしまう。
しかし、抵抗を辞めないおっさんの力が勝ち、拘束が解かれると再び俺に対して攻撃を加えようとして来た。
――仕方無い。やるしかないのか。
俺は善人の振りを辞め、男として立ち塞がる敵を倒すべく意識を切り替え、拳に力を込めて臨戦体制に入る。
……本来なら暴力とかは好きじゃないのだが、誰かを守る必要があるのなら止むお得ない。
俺はおっさんの一撃を避け、右下から上に掛けて一気に攻撃を加える。その際におっさんの顎と首の間に拳が入るようにする。
その部分は鍛えようが無い箇所であり、数多ある人の急所の一つである為、おっさんは痛みながら背後に後退して行く。
……周囲の人達は撮影やらするか、怖がって止めに来ないか。
「ふっざけるんじゃねぇぞクソガキィィィィ!!」
おっさんは更にイラつきながら俺に触れようとして来た。
成る程、動きを封じ込めて一気にタコ殴りする戦法か。
――だが、無駄な事だ。
俺は寸前の所でおっさんを避け、直ぐに脇腹を力強く肘で突き、電車の揺れでバランスを崩して転倒したおっさんに対し、再起不能にさせる為におっさんの股間に蹴りを入れて悶絶させた。
その隙におっさんの腕を拘束し、少しだけ加勢に入った人達と共におっさんを羽交い締めしてミッションクリアだ。
………………。
さて、少しやり過ぎたのは承知の上で眞希に警察に通報させた。
これで次の駅でおっさんの身柄を引き渡せば無事に解決だな。
「ふっざけ…ぐっ!?」
「すいませんね。少し大人しくしてて下さい」
俺はなお抵抗するおっさんの頭を掴みながら笑顔で言う。
するとおっさんは俺を睨むだけで抗う抵抗を諦め、大人しくなった。
ったく、最初から大人しくしていれば良かったのに。
※ ※ ※ ※ ※
その後、次の駅に到着して駅員や警察におっさんの身柄を引き渡した後、色々事情聴取等で時間を取られたが、無事に解放された。
まあ、警察の人から理由が理由とは言え、反撃をし過ぎだとか注意をされたので、極力こう言った事は控えたいと思う。
それから俺達は時間が時間と言う事で警察が親の人と連絡をし、駅に保護者が来るまで待機する事となった。
「ってて…頬を殴られた時に切ったな。まあ、病院に行く事になるからそれでどうにかなるだろうが」
「えっと…大丈夫なの?ウチの所為もあるけど…」
「元を辿ればおっさんが悪いんだから必要以上に自分を責めるな。俺も生きてるんだし、何よりお前達が無事ならもう大丈夫だから」
俺がそう言うと、眞希は一応は納得して貰えたのか頷く。
しかし煽ったりした事は反省したのか、黙ってしまう。
「……それと天宮さんも怖い思いをさせて悪かった」
「い、いや大丈夫…とは言い切れないけど…それ以上に遠坂君が守ってくれたから…その色々あるけど…まずは有り難う」
「………ああ、その言葉が一番助かるよ」
俺がそう言うと天宮さんは頷いてくれた。
取り敢えず大事な人達を守る事が出来たから良かった方だな。
……相変わらず眞希と天宮さんには心配を掛けさせている所はあるが、それでも俺は自分を犠牲にする事は厭わない。
――俺が犠牲になって、誰かが救われるのであれば上等だ。
何せ
今更自分を作り変える事など出来る筈が無いのだから。
その後、警察からの連絡を受けて駆け付けた兄貴に滅茶苦茶心配されつつも男としてやるべき事をやったと褒めてくれた。
――まあ、家に帰れば鬼の姉貴に怒られる事は確定してるので此処らで切り上げる事とする。
……さて、生きていたらまた会おうな。