ブルアカにドMを生やしただけ 作:ナギサ様の臀部
【超常】分身したイッチのスレ【現象】
222:>>132
まずオーパーツを用意します。
223:名無しの技術者
はい、売ってるやつはなんか高いんですけど、どうすればいいですか。
224:名無しの技術者
>>223
拾ってこい。
225:名無しの技術者
>>224
無茶言うな。
226:名無しの技術者
マンドラゴラは量産してるよー。欲しくなったらいつでもおいでー。
227:名無しの技術者
ヴォルフスエックス鋼鉄も似たようなので代用できるかもだし、とりあえず鉄溶かしてそれっぽく形成しておけばいいか……。
228:名無しの技術者
というかなんでオーパーツが道に落ちてたんだよ!!
229:>>132
はい、オーパーツが用意できたら、次に水35Lやアンモニア4Lなどの人体錬成のレシピを用意します。
230:名無しの技術者
まあ、これなら手に入るか……。
231:名無しの技術者
イッチの真似していっぺんに運ぼうとしたら腰をヤりました。どうしてくれるんだ。
232:名無しの技術者
>>231
イッチは……なんかおかしいから。
233:名無しのトレーニング部員
>>231
あなたもトレーニング部に入りませんか?
234:名無しの技術者
あの質量の物体を平然と抱えて動けるのは鍛えてるとか鍛えてないとかじゃなく、もはやただの超常現象の類なんだよイッチ。
235:>>132
人体錬成のレシピをイッチの作業風景を参照してオーパーツなどと共に並べて2分ほど思案します。
236:名無しの技術者
斜め後ろだったから一部がイッチの背中で隠れてるんだけど、誰か他の角度の写真持ってない?
237:名無しの技術者
>>236
あるぞー。
238:名無しの技術者
>>236
モモトークのグループのアルバムのところに入れておいたから、そこから確認よろしく。
239:名無しのトレーニング部員
ところで皆さん何をなさっているのです……?
240:名無しの技術者
イッチがやってた実験。
241:名無しの技術者
再現性は大事だからね。多少の出費は仕方ないね。
242:名無しの技術者
成功すれば私がもう一人……私がもう一人ということはつまり、私がもう一人ということ!
243:名無しの技術者
思案を終えたら大型のミキサーに炭素、石灰、リン、塩、硝石、硫黄、フッ素、鉄、ケイ素、その他少量の15の元素を順にぶち込み、エーテル以外のその他安価で出てきた素材も混ぜて、最後に水とエーテルを加えます。
244:名無しの技術者
あっ、こぼれた。
245:名無しの技術者
イッチもちょっとこぼしてたし、多少のズレは許容範囲か……?
246:名無しの技術者
むしろあれが微調整だった可能性も……。
247:名無しの技術者
>>246
いや絶対そんなことはないぞ。何をどうすればいいか悩んで私らの視線に耐えられなくなった結果ミキサーにぶち込んだだけだし。
248:名無しの技術者
混ぜてから10秒ほど経ったものがこちらになります。
249:名無しの技術者
……ゴミ!
250:名無しの技術者
臭い! 多い! 色々混ざってるから処分に困る! ミキサー壊れたから自費で弁償! ……あれぇ?
251:名無しのトレーニング部員
ちゃ、ちゃんと私と同じ手順を踏んで行ったんですよね……?
252:名無しの技術者
これは多分、あの時不思議なことが起こったってことで解決しなきゃいけないやつだな。
253:名無しの技術者
実験に失敗はつきもの! とりあえず何が違って何がダメだったか考えないとか。
254:名無しの技術者
>>253
その前に片付けだぞ。この……なんだ、えっと……とにかくこの謎の塊をどうにか処分しないことには始まらない。
255:名無しの技術者
臭い! 謎のガスが出てる! 謎の液体も滴ってる! これって何ゴミ!?
256:名無しのトレーニング部員
私の実験の再現をしようとしたということであれば、こちらで業者を手配しますね。とりあえずまずは何がどうして私が増えたのかを考えましょう?
257:名無しの技術者
うわぁ、黒服の人たちが全部持ってった!?
258:名無しの技術者
あ、新しいミキサーが……軽くウン十万とかウン百万とかする機材が、ぞろぞろと運び込まれてる……。
259:名無しの技術者
あっ待って、それ実験と関係ないやつ! 私が勝手に横で食べてたお菓子のゴミです! なんか申し訳ないから! それは流石にいいからぁ!
260:名無しの技術者
うん、あの、只者じゃないなとは思ってたんだよ。
261:名無しの技術者
雑誌で見た顔だなーとかって思うわけだ。
262:名無しの技術者
セミナーにもたまに顔出してるよねイッチ……。
263:名無しの技術者
……ここは匿名掲示板! オフ会しても関係性はあくまで知人未満! オーケー!?
264:名無しの技術者
>>263
オーケー!(ズドン)
265:名無しの技術者
>>263
オーケー!(ズドン)
266:名無しの技術者
>>263は二度死ぬ……。
267:名無しのトレーニング部員
私の素性についてはお気になさらず! とりあえず二人分の体を動かすのには慣れてきましたが、どうして動かせているのかも分からないんですよね。
268:名無しの技術者
当然のように体が二つある状況に慣れないでくれる?
269:名無しの技術者
そういえば最初から体は増やそうとしてたっけ……。
270:名無しの技術者
超常現象に理由を求められてもねぇ。そもそもこんなところに入り浸ってるのなんて、さほど能力の高くない連中ばっかりなわけだし。
271:名無しの技術者
そしてさほど能力がないから、イッチの実験を真似て少しでも成果を出そうとしたのだ!
272:名無しの技術者
>>271
余計なことをバラすんじゃない!
273:名無しのトレーニング部員
今電車でトリニティの方まで来たんですが、ミレニアムに置いてきた分身は問題なく動かせるんですよね。不思議!
274:名無しの技術者
あっ、まさかあそこでランニングしてるイッチって分身の方!?
275:名無しの技術者
>>273
五感とかどうなってるの?
276:名無しの技術者
うわぁ思ったより体二つに適応してる!?
277:名無しのトレーニング部員
>>275
電車の揺れや音や隣の人が食べてるドーナツの匂いは確かに感じますし、ランニングの疲れや汗のしっとりした感じやスポドリの味も確かにしますよ!
278:名無しの技術者
頭おかしくなりそう。
279:名無しの技術者
だが流石イッチだ! なんともないぜ!
280:名無しの技術者
走ってる途中でたまにつまずいてるのは……まあ、仕方ないか。
281:名無しの技術者
>>280
転んでないどころか当然のようにルート変えながらペースも考えて走ってるのは十分ヤバいだろ。
282:名無しのトレーニング部員
はっ! もしかしてこの状態で私も走り回れば、トレーニング時の精神的な負荷は二倍なのでは!? ちょっとここから走って帰ってみますね!
283:名無しの技術者
えぇ……?
284:名無しの技術者
なぜ負荷が二倍と知って嬉々として走ろうとするのか。これが分からない。
285:名無しの技術者
>>284
分からないのはそれだけか!?
286:名無しの技術者
ぶ、分身の方の走るペースも上がってる……怖っ……。
私があの子……あの子と言っても同い年の彼女、土江ムイと会ったのは、今から一年前にヒマリに紹介された時だった。ヒマリの車椅子になりたいだなんてよく分からないことを言う子、というのが私からの第一印象ね。
私を見て何を感じたのかは分からないけれど、初めて会った時からなぜかあの子は私に友好的だった。……懐いていると表現した方が正確かしら?
暇さえあればヒマリの車椅子を押しているあの子だけど、私を見るとすぐに駆け寄ってくる。……ヒマリもこっちに来ることになるから、せめて車椅子から手を離してからにしてほしいものね。
どんな時も明るく元気なあの子の姿を見ていると、いつも元気を貰える。しかも普通に優秀だから、研究などで行き詰まった時に知恵を貸してくれたりもする。先によその部活に入っていなければ、セミナーに勧誘していたでしょうね。
そんな今や私やヒマリにとってなくてはならない存在になったあの子には、最近ある噂が流れていた。それは、あの子のドッペルゲンガーがミレニアムを徘徊しているという噂。
あの子はやたらと身体能力が高いから、数分前まで別の場所にいたはずなのに別の場所でも目撃した、という程度なら自然とそういうものだと慣れて噂も無くなるだろうと思っていた。だけどしばらく経っても噂は消えないどころか、目撃証言は増える一方だった。
ゲームセンターで、グラウンドで、実験室で、教室で、寮で。ミレニアム中をソレは彷徨っていた。
決定的だったのは、全く同じ時間に数キロは離れた2地点で別々のことをしている2枚の写真。写真そのものも撮影時刻も加工されたものではないのは何度も確認したから、あの子にそっくりのナニカがミレニアムにいることが確定してしまった。
ヒマリにも頼んで正体を突き止めようとしているけれど……三十分前に手がかりを掴んだと連絡があってから、応答がない。足が不自由な程度のハンディで簡単にやられるような彼女ではないはずだけど、まさか……。
最悪の事態も想定しながら私は隠れ家で作業をしていた。そこに、ありえるはずのない来客があった。
『リオさーん! 私です、ムイでーす! ……留守でしょうか?』
「……少し待ってちょうだい。すぐに鍵を開けるわ」
私は扉の向こうから聞こえる声に適当な返事をしながら、ヒマリやムイやC&Cに緊急事態を知らせるスイッチを静かに押す。今の声が本当にムイのものなら、センサーがすぐに扉を開けたはずだからだ。
というかそもそも、扉の前に立った時点で鍵を開くようにしていたはずだ。それだというのに開かないということは、そういうことだろう。外からはまだですかー、まだですかー、リオさーん、とソレが呼ぶ声がする。
ヒマリとの回線は強引に開いたが、警報だけが虚しく響いているようだった。C&Cどころかムイからも連絡は来ず、ミレニアムが今どうなっているのかも分からない。私にできるのはもう、ここに籠城して少しでも時間を稼ぐくらいしか──
「ねー、リオさーん?」
「……っ!?」
扉の鍵は開けていない。頑丈に作ってあるから、こじ開けられたのなら大きな音がするはずだ。それなのに、ソレの声はすぐ後ろから聞こえる。
足音が近づいてくる。小さな手が肩に置かれる。身長は据え置きなのか吐息が後ろから感じられるようなことはないが、情報が正しければ身体能力は本物のあの子に匹敵する。
あまり戦闘は得意ではない私に、肉弾戦も銃撃戦も一流のあの子のコピーたるソレがこの距離まで近づいてしまった以上、私にはもうどうすることもできない。
「ムイ……ヒマリっ……!」
せめて二人が無事であれば、ミレニアムは大丈夫。そう信じて私は歯を食いしばり──
『……っく……ふふっ、あははははっ……すみません、流石にもう堪えられません……!』
「ああっ、もうちょっと続けられましたよヒマリさん!」
「……えっ?」
開きっぱなしの回線から、ヒマリの笑い声が聞こえる。悪戯に成功した子供のような、そんな笑い声。一体どういうことかと振り向けば、そこには二人のムイが立っていた。
……? 二人?
眩しい笑顔が二倍でハッピーも二倍、なんて呑気なことを考える余裕は私には無かった。
「まず私、分身の方の私が声をかけました!」
「次に私、本体の方の私が扉のロックを解除しました!」
『ロック解除時や開けた時に出る音は、エンジニア部に作ってもらった道具で消し、C&Cなどへ向けた非常事態信号は私がシャットアウト……いかがでしたか、リオ?』
余裕のない私に、二人のムイは笑顔で種明かしをする。なるほどつまり、全て悪戯だったということか。理解した私は、キーボードを叩く。
「……どうして増えているの?」
「色々混ぜたら!」
「なぜか増えました!」
「……そう」
ムイには色々聞かなければならないことがあるけれど、今はそれ以上にしなければならないことがある。
悪戯をすること自体は構わない。それが良識的な……私が良識を語るのは違和感があるけれど、とにかく良識的な範疇の悪戯であったならば、私も何も言わなかった。
「細かい話は後で聞くことにするわ」
「……あれ? どうして扉を閉じて……?」
「……おや? この手錠は一体……?」
『……回線が切れませんね』
「こういう悪戯は良くないと思うのよ、私」
ミレニアムの不特定多数の生徒を不安にさせた以上、説教をしないわけにはいかない。……心配させたからとか、怖かったからとか、怒ってるからというわけではない。決して断じてそんな個人的な感情ではない。