ブルアカにドMを生やしただけ 作:ナギサ様の臀部
427:名無しの椅子
ハナコさんが水着で徘徊してたって理由で捕縛されましたわ。
428:名無しの椅子
えぇ……?
429:名無しの椅子
そこそこ前にイッチが会った時から危うい気配はしてましたが……まさかマジでやらかすとは、このワタクシの目を待ってしても……。
430:名無しの椅子
あとなんか大量の催涙弾バラ撒いて籠城してる奴がいますわ。目がクソ痛ぇからやめろですわ。
431:名無しの椅子
もう終わりですわねこの学園。>>427みたいに作戦中にスレを開く正実までいますし……。
432:>>427
催涙弾直撃したところにグレネード投げられて、混乱した仲間にもさんざん踏み潰されて保健室なうですわ。このくらい許されてしかるべきでしょう。
433:名無しの椅子
なんかキレ気味だと思えば……ゆっくり傷を治してくださいまし。
434:名無しの椅子
ああ、道理で救護騎士団が走り回ってたんですのね。
435:名無しの椅子
あいつら嫌いですわ! あそこの団長、救護という名目で殴ってくるではありませんの!!
436:名無しの椅子
それは貴女がおとなしく救護されないからでは?
437:名無しの椅子
そういえばイッチ、ミネ様とも面識があると風の噂で聞きましたわ……あの子無駄に顔が広いんですのね。
438:>>427
ハスミ先輩もたまにイッチの話してますし、伊達に行政官やってないってことなんでしょうね。人は見かけによらないものですわ。
439:主席
>>438
それは暗に私のことをバカにしてませんか?
440:名無しの椅子
あら、噂をすればなんとやらですわね。でもだってイッチですもの……。
441:名無しの椅子
尊敬はしてますわ。敬意も払いますわ。凄い人だとも思いますわ。でもそれはそれですわ。
442:主席
ひどい! 今日はせっかく皆さんにCHAIRSらしい仕事を頼もうと思ってたのに!
443:名無しの椅子
CHAIRSらしい仕事……安価ですの!?
444:名無しの椅子
CHAIRSの仕事=イッチの補佐=安価! Q.E.D.ですわ!
445:主席
安価じゃありませんよ!? 確かに安価ばかりしてきましたけど……皆さんナギサ様の椅子としての自覚はないんですか!?
446:次席
イッチ、ワタクシたちはナギサ様の椅子である以前に貴女の部下ですわ。
447:主席
……? ナギサ様の椅子であることには変わりなくないですか?
448:名無しの椅子
変わりますわ!
449:名無しの椅子
椅子である前に意思を持った人間ですわ! つまりいつ主人を振り落とすか分からないということですの! ぐへへ!
450:名無しの椅子
でも大量のワタクシたちが全員集まって一つの椅子を形作ってますから、誰かが謀反を企んだ程度ではどうにもなりませんけどね。
451:名無しの椅子
結局CHAIRSってどのくらい人数いますの? 一個中隊くらい?
452:名無しの椅子
街を歩いてもワタクシたちと同じ端末を持った方は見かけませんし、思ったより少ないのでは?
453:名無しの椅子
でもワタクシみたいに普段は部屋の金庫に保管している可能性もありますわよ。
454:主席
話が逸れまくってるから戻しますね!
今回皆さんに依頼したいのは、向こうしばらくの間私は補習授業部の試験監督で忙しくなるから、その間のナギサ様の護衛です! 怪しい奴らは目視圏内に入り次第射殺許可ですよ!
455:名無しの椅子
乱世じゃありませんのよ??
456:名無しの椅子
射 殺 許 可
457:名無しの椅子
許されても殺せませんわ!!
458:名無しの椅子
というかワタクシたち護衛として近づけるほどの権限がありませんわよ……?
459:名無しの椅子
不用意に近づいたらそれこそイッチ以外の行政官にタコ殴りにされる未来が見えますわ。
460:名無しの椅子
ワタクシ実は放課後だけスケバンなのですけど、その場合はどうすれば……?
461:名無しの椅子
あ、ワタクシも放課後ヘルメット団ですわ。
462:名無しの椅子
>>460>>461
言い訳にしてももっとマシなのを考えなさいな。
463:名無しの椅子
え、でも放課後は不良になってはっちゃける方々の話は割と聞きません?
464:>>460
言い訳でもなんでもなくマジですわよ。とりあえず仲間内でお偉いさんの襲撃計画が出たら、それとなく正実にリークするか止めるかするようにしますわ。
465:>>461
ではワタクシもミレニアムかアビドスの方に遠征しないか聞いてみますわ。ゲヘナに行くのは情勢的にアレですし……。
466:名無しの椅子
次席はどこまで端末をバラ撒いたんですの……?
467:次席
端末一つ一つに爆弾が搭載されていたらトリニティ全土を火の海にできるって言ったら信じますか?
468:名無しの椅子
ヒエッ……というかその数をバレずに配り切った四席がこっそり護衛しておけばいいではありませんの。簡単な話ですわ〜。
469:四席
別口の任務なう。
470:名無しの椅子
……まったく仕方ありませんわねぇ!
471:名無しの椅子
コテハン持ちは派手にやらかす方もいますから、結局はワタクシたちの数が頼りということですのね!
472:名無しの椅子
明日からは自警団らしくパトロールでもしますわ。最近はずっとサボってましたけど。
473:主席
皆さん……!
474:名無しの椅子
直接的な護衛ができない以上、どうしてもこういった回りくどいやり方にはなりますけどね。
475:名無しの椅子
やらないよりはマシですわ! ほら、そこの貴女! このレスを見たそこの貴女ですわ! 見てるだけなら誰にでもできますわよ! せめて少しくらい手を貸しなさいな!
476:名無しの椅子
オヤノスネカジリムシの手も借りたいというわけですのね……いいですわ、一肌脱いで差し上げましょう!
477:名無しの椅子
>>476
脱皮ですの?
478:名無しの椅子
>>476
オヤノスネカジリムシって、勝手にイモムシをイメージしてましたわ。ちゃんと手というか足がありましたのね。
479:>>476
キレますわよ。
「ム、ムイ姉、ここは……」
「あぁ、そこですね。それはですね、参考書のここの……」
「ハナコ、これはどういう意味なんだ?」
「それは古代の叙事詩の一節ですね」
「なるほど……」
補習授業部の部員は無事に集まり、意欲的に勉強するようになっていた。
最初は白洲アズサやハナコが正実に捕まっておりどうなってしまうことかと思ったが、ムイが少し話せばすぐに引き渡してもらえた。
“なんとかなりそうだね”
「はい! 最初はどうなることかと思いましたが、皆さん順調そうで良かったです!」
部長のヒフミも、先生も一安心だった。
一時は何やら意味深なことを言うハナコを下江コハルが怒るということもあったが、ムイが宥めたので特にそれ以上のこともない。
ちなみにムイはコハルと遠い親戚だ。土江と下江は浅からぬ関係があるとのことである。
「コハルちゃんは人見知りしてしまうようですがムイさんとなら話せるようですし、アズサちゃんも学習意欲が高くて、ハナコちゃんも補習になったとは思えないほど教えるのが上手で……」
“ムイも積極的に協力してくれてるからね”
入部に至った背景は様々だが、誰も不真面目ということはなく、ムイも試験監督という立場を超えて手伝いをしてくれている。
本人曰く「ダメとは言われていませんから」らしい。
「実は、一次試験が突破できなかった場合には合宿をするように言われてまして……これならなんとかなりそうですね」
「えっ、そんなの聞いてませんよ?」
「えっ?」
“えっ?”
「えっ」
しかし、ヒフミの何気ない一言が、ムイの動きを止めた。
カタン、とシャーペンが床に落ちる。
「……」
“ほ、ほら、ムイはあくまで試験監督であって、ついでに私の補佐も頼まれただけだから、知らせるタイミングを逃しただけなんじゃないかな! 私も知らされてなかったし!”
「……ナギサ様の隠し事」
「わ、私は部長という役割ですから! ムイさんが余計に気負う必要がないように、むしろ配慮してくださったのでは!?」
「……ナギサ様が、隠し事」
「ね、ねぇ、ここ分かんないんだけど……ムイ姉?」
皆頑張ったが結局、コハルとアズサは惜しくも合格点に届かず、補習授業部の合宿が決定してしまった。
「今日からはここで合宿するのね……」
「長い間使われていないと聞いていましたが……それほど汚れていないようですね?」
「この様子なら、襲撃にも耐えられる」
「うふふ、建物が綺麗なのに対して、ムイさんは随分と疲れていますね?」
「えっ? き、気のせいですよ……?」
合宿で使う予定の別館は長らく使われていないという話だったが、つい最近人の手が入ったかのように綺麗にされていた。
そんな校舎とムイの様子を見て、ハナコはあることに気づいてしまった。
「ちょ、ちょっと、あのっ」
「……まるで一晩中お掃除していたみたいに疲れ切っていますね♡」
目の下のクマを隠すように塗られたファンデーション。隠しきれないやつれた雰囲気。どう見てもこいつが犯人である。
「……ええっ!?」
「ひ、一人でやったのムイ姉!?」
「この広さを一晩で……」
「み、皆さんには集中して勉強に取り組んでもらいたかったので……それに、最低限しかしていませんから、一晩もかかっていませんよ!」
“そっか。それで、昨日は何時に寝たの?”
「四時過ぎですね! ……はっ!」
ムイは真っ先に補習授業部に担ぎ上げられ、ムイ自身が洗濯して用意していたベッドに投げ込まれた。
あれこれ言っていたがやはり疲れていたのか、ムイはベッドに投げ込まれた直後に動かなくなる。
頭でも打ってしまったかとすぐに駆け寄るコハルだが、ムイはただ寝ているだけだった。のび太レベルの就寝速度である。
「お布団も、廊下も、教室も、食堂も、シャワー室も……確かに最低限と言えば最低限ですが、一晩でここまで頑張らなくても……」
「凄まじいスタミナ……埃一つ残さない精度もそうだけど、ゴミ出しも済んでいるとなれば朝も早かっただろうに、さっきはそれをまるで感じさせなかった」
「でも、建物の周りの雑草が少し残っていました。それと体育館とプールも残っていましたね。体育の授業は無いのでわざわざ綺麗にする必要はありませんが……放置したままというのも勿体無いと思いませんか?」
「でも、ムイ姉は私たちに勉強してほしいって……」
“……皆、集中できそう?”
勉強しろと言われても、言った本人があんな調子ではどうにも気になってしまう。先生の言葉に、補習授業部は何も言えなかった。
「せ、せっかくお世話になる建物なわけですからね! ムイさんが残したところも、全て綺麗にしてしまいましょう!」
「かつては栄華を誇っていても、いつかはこうなる……Vanitas Vanitatum, et omnia Vanitas……でも、だからといってやらない理由にはならない。水着は持ってきている」
「ではまずは建物の周りの草を抜いて、その後プールを綺麗にして、体育館を掃除している間に水を張りましょうか!」
「えっ、でも、授業の内容に水泳なんてなかったでしょ」
「でも考えてみてください、コハルちゃん。日差しの下でキラキラと輝くプール……はしゃぐ学生たち……とても、イイじゃないですか」
「……? ちょ、ちょっとよく分かんない……」
「それに、今日を逃せば明日からはもうこんな時間は取れないかもしれないんですから! ねっ!」
ハナコとヒフミも乗り気だったので、まずは掃除からということになった。
各自ジャージに着替えて、まずは暑くならないういに雑草抜きからだ。
「……あれ、私寝てる場合だったっけ」
「ムイさんはもう少し寝るべきですよ」
「あ、おはようございます。今は……17時!? あ、あの、私っ」
「大丈夫ですよ、ムイさん」
謎の不安で目が覚めたムイは、すぐに時計を確認する。
携帯の画面に表示された時計には、しっかり17:23と表示されていた。
補習授業部の顧問を任された先生の補助。そのためにここにいるというのに、既にこんな時間。
ムイは飛び起きようとするが、ハナコにベッドに押し戻される。
「ここではお仕事に追われることなんてないんですから……ナギサさんも、そういった意図があって貴女を試験監督にしたのでは?」
「……行政官のお仕事は、それほど大変ではありませんよ? 私は元々好きでやっていることですし……」
「ここしばらくの平均睡眠時間はどのくらいですか?」
「三時間くらいですね!」
「サバ読んでですか?」
ムイは答えず、ただ視線を逸らしただけだった。
そしてサバを読んだのではない。寝てない日をゼロとしてカウントしていないだけだ。
「元気が戻ったなら、少し目隠しをしてついてきてくれませんか?」
「え、目隠しですか? 構いませんが……」
「では、足元に注意してくださいね」
目隠しをされた状態でハナコに手を引かれ、ムイはどこかへ連れて行かれる。
そして目隠しを取った視界に飛び込んできたのは、夕日に照らされたプールだった。
「わぁ……!」
ハナコが水着だったことを割と普通のことと認識していたムイは何も聞かなかったが、まさか本当にプールに水を入れていたとは思わなかった。
あれだけ汚れていたので、水を貯める時間も考えれば今日は勉強できていなさそうだったが、初日くらいははしゃいでもいいだろう。
「そ、その、ムイ姉。今日は勉強せずに遊んじゃったけど、明日からはちゃんと頑張るからっ……ムイ姉?」
「っ……!」
コハルの言葉に返事もせずに、ムイはプールサイドの水道でさっさと化粧を落とす。
そして突然走り出したかと思えば──プールへ飛び込んだ。
「ぷはっ! ハナコさん! ハナコさん! プールですよプール!」
「あらあらあら……着替えは大丈夫なんでしょうか……」
“飛び込んだら危ないでしょ!”
「すみません! でも、この衝動は抑えられませんよ! ですので、さあ私を止めてみなさい! 止められなかったら明日は特別なテストをプレゼントです!」
「ええっ!? そんなのアリ!?」
服を着たままとは思えない機敏さで人魚のように動き回るムイ。数時間寝たとはいえ徹夜明けのテンションが続いているのか、異様にハイテンションだった。
「なるほど、普段着のまま水中でターゲットを捕獲する訓練か。望むところ……!」
「わーっ、アズサちゃんまで!」
「では私も……止める過程でどこかを触ってしまっても、事故ですからね♡」
「バカっ、エッチなのはダメに決まってるでしょ! 待ちなさい!」
「う、うぅ、ずるい! 私も混ざります!」
“危なそうな時は止めるからね”
既にひとしきり遊び、水着からジャージに着替えていたアズサもジャージのままプールに飛び込む。
いやらしいことでも考えていそうなハナコを止めるためにコハルもジャージのままプールに入ると、ヒフミもじっとしていられなかった。
「ふははは! タダでは捕まりませんよ! 奥義、ムイハリケーン!」
「きゃあっ!? 何で渦ができるの!?」
「くっ、力押しでは勝てないか!」
「あら、水着が……」
「ハナコちゃん!? ま、前! 前隠してください!」
水遊びは日が落ちて暗くなり、先生が止めるまで続いた。