何やってるんですか!?飛鳥さん! 作:駒鳥
煉獄槇寿郎と継国飛鳥のほわほわ回
「おはようございます……師匠、炎柱様」
「おはよ
「目が開いていない…………」
飛鳥が起きてきたのは以外に早かった。
早く寝たというのもあるがいつもより何故か二時間程早く、まだ眠そうなのに頑張って起きている。
髪はボサボサで寝癖だらけ、口元に涎の後があり、槇寿郎は
勝炎は飛鳥のことを両親がボンボンでお坊ちゃまや、多分俺の事下に見てるとか言うので、世間知らずで年上とかに敬語使わず偉そうに話してくるんだろうな、と思っていたが実際そんなことはなく。ちょっとだけ大人っぽいごく普通の子供だった。
槇寿郎の息子、杏寿郎のように明るくはないし勝炎のように口が悪い訳でもない。
「朝飯出来てるけど食うか? 」
「顔を洗ってきます……」
「じゃ準備しとくな」
「あいつめっちゃフラフラしてんぞ」
「大丈夫、いつもこんな感じだし」
「そうか…………」
飛鳥は朝に弱いんだーと、勝炎が米を混ぜながら言った。
槇寿郎が来た時の飛鳥はピシッとしていたのに…………あのような雰囲気はどこへ行ったのやら。
「槇寿郎の米盛り盛りにしてやるよ」
「おう」
「…」
「…」
それから特に話すことは何も無く、ただ無言の時間を過ごした。
勝炎は朝飯の準備をしており、槇寿郎は昨日飲み忘れたお茶を飲んでいた。
勝炎が朝飯の準備を終えると同時に入口の扉が開き飛鳥が帰ってきた。
「ただいま戻りました」
「おかえりー」
挨拶を交わして三人とも席に座る。
「「「頂きます」」」
「おえ…………」
「うっ………………」
「お前ら酷いぞ! 二人揃って口を抑えるなよ!俺の料理は糞なのか!? 」
「糞以下です」
「……」
「キエエエエッ!! 」
槇寿郎は後悔した。
大盛りに盛られたベチャベチャの米。
真っ黒焦げになった魚のような塊。
味が濃すぎる味噌汁。
もう何を入れたかも分からない和え物。
そうだ、勝炎の作る料理は凄く不味く、食べられないほどではないが口にしたくない物だ。
槇寿郎は深く後悔した。
飛鳥は気にせず黙々と料理に手をつけているのに、勝炎は勢いよく米を掻き込みそれを味噌汁で流す。
勝炎は自分の料理の不味さがわかっていない。
とても味覚音痴だ。だから飛鳥に糞と言われる程の料理を作れるのだ。
槇寿郎は対になる二人を見て思う。
(やっぱりこいつら頭おかしい)
飛鳥と同じように黙々とクソマズ料理に手をつけた。
▼
「皿洗いが終わったら修行するか。飛鳥良かったな、炎柱に修行をつけて貰えるんだぞ」
「こんな機会なかなか無いですよね……炎柱様、よろしくお願いします」
「…………炎柱様じゃなくていい、煉獄でも槇寿郎でも好きに呼んでくれて構わない」
「ですが……」
「いいんだ」
カチャカチャと皿同士があたる音と三人の話し声が聞こえる。
飛鳥は皿洗い、勝炎は炉の炭を取って新聞紙に包み、槇寿郎は飛鳥に汚れた皿を運ぶ。
「なら……槇寿郎さん、少しの間よろしくお願いします」
「あぁ」
ちょうど皿を運んできた槇寿郎に、飛鳥は一旦皿洗いをやめて槇寿郎がいる方を見て言う。
飛鳥よりも何倍も高い槇寿郎を見上げて、槇寿郎よりも小さい飛鳥を見下ろして、二人は見つめ合った。
「けっ、何いい雰囲気になってんだよ。━━━━おい槇寿郎、何で飛鳥の頭を撫でてやがる!! 飛鳥は少しくらい抵抗しろや! 」
(杏寿郎より少し背が低い…………)
(手が温かい……)
槇寿郎はよく杏寿郎や千寿郎の頭を撫でることがあった。だから杏寿郎と同じような歳の飛鳥の頭も息子達と同じように撫でてしまったのだ。
もちろんこれは無意識である。
飛鳥は継国
勝炎以外の空間がほわほわとしていた。
「飛鳥修行やるから準備しろよー」
「出来ました」
「…?!」
「相変わらずどこも変わってないな」
(飛鳥は寝巻きのままだぞ? 髪もボサボサだしこれで今から修行しますなんて格好じゃないだろ……)
「じゃ行くか」
「ちょっと待ってくれ……。おい飛鳥本当にそれでいいのか? 良くないだろ? もうちょっと整えろよ色々と」
「大丈夫です」
「大丈夫じゃないから言ってるんだ」
大丈夫じゃない。直してこい。と言う槇寿郎に飛鳥は不満そうな雰囲気を出す。
(いつもこれだし別にいいだろ……なぜダメなんだ? )
「勝炎もなにか言えよ……」
「…………ちゃんと着替えよう。飛鳥」
「面倒くさっ」
(えぇ………………)
槇寿郎が杏寿郎に稽古をつける時はちゃんとした格好で、身だしなみがバカほど整っているので飛鳥の格好はバカおかしいと感じていた。
それに勝炎は何も言わないし、本当におかしい師弟ともう一度思った。
「ほらどうですか? これでいいですよね」
不満気な雰囲気を出して槇寿郎を見る飛鳥。
槇寿郎は思う。
(服しか変わってねぇよ)
何故髪がボサボサのままなんだ! 何故裸足なんだ!!
杏寿郎助けてくれお前と似た歳の子なのに全然違うっ! 槇寿郎は心の中で悲鳴を上げた。
「髪を整えろよ……」
そう呟く槇寿郎は飛鳥の手に櫛を握らせる。
「ちゃんと草鞋を履け……」
今度は飛鳥の足元に草鞋を置く。
「これで勘弁願います」
飛鳥は櫛は使わず、草鞋だけ履いて槇寿郎の方を見た。
(櫛を使えよ……)
槇寿郎がずっと飛鳥が持っている櫛を見てくるので飛鳥はこう言った。
「私━━━━━髪を梳くのが苦手なんですよ。だから無理です」
まじで顔のパーツを一つも動かさず真面目そうに言う飛鳥に槇寿郎は
(なんだこいつ)
と思った。
お坊ちゃまのくせに身だしなみはめっちゃ乱れているし、めんどくさがり屋だし。
はぁ? という感想しか出てこないのだ。
(はぁ、仕方なねぇな)
仕方ない、これは仕方の無いこと、と槇寿郎は言い聞かせ飛鳥が持っていた櫛を取る。
「やってやるから後ろ向いとけ」
「は?」
「……は?」
「大人しく髪梳かされとけよ、飛鳥」
槇寿郎に髪を梳かされている飛鳥は、最初こそ頭に大きなはてなを浮かべていたが、最後ら辺は考えることをやめて大人しく髪を梳かされていた。
(息子達にもやっているんだろう。手つきが慣れている。本当にいい人だな…………)
という考察をしながら飛鳥は髪が梳き終えるのを待った。
▼
「はーい。これよりウキウキワクワクハチャメチャ楽しい修行を開催しまーす」
「なんだこれ」
「……さぁ、師匠は頭がおかしいですから仕方ないですよ」
「はいそこ静かに。じゃ槇寿郎こっち来て、まずは飛鳥にお手本を見せてやらないと」
「……」
へいかもぉーん!と元気よく槇寿郎を手で招く勝炎の片手には鞘に入ったままの真剣がある。
槇寿郎は何も持っていなく、指の間接をポキポキとならし勝炎に向かって何かの構えをした。
飛鳥はそれを見て
(何故槇寿郎さんは何も持っていないんだ……)
と一言。
勝炎も真剣を構え、槇寿郎を睨みつけるように見る。
その表情はガチ真剣ですという顔をしている。
真剣を持ちながら真剣。
「飛鳥、よく見ておけよ」
と言った後直ぐに飛鳥の視界から勝炎が居なくなった。
槇寿郎はというと、動くことなくただそこに立ち止まっている。
「凄いです。 一瞬の間に攻撃を仕掛ける師匠も、師匠を吹っ飛ばした槇寿郎さんもすごくすごいです」
そう。槇寿郎はこっちに向かってくる勝炎を一瞬で吹っ飛ばしたのだ。
軽々と吹っ飛ばされた勝炎はまだ空中にいて、何かの構えを取っていた。
そしてまた勝炎は槇寿郎に攻撃を仕掛ける。
向かってきた勝炎をぶっ飛ばす槇寿郎。
足を踏ん張って投げ飛ばすこともなく、ただ軽々と子供を高い高いするように吹っ飛ばす。
(わーい! 高い高ーい!! すごく高いよ槇寿郎ー)
でも飛鳥は思った。
(これってどんな修行なんだ? )
槇寿郎は勝炎に攻撃しないし、勝炎はずっと投げられっぱなしだし……
「よしっ。飛鳥もやってみろ。はいどうぞ」
勝炎は飛鳥の前に音もなく着地して真剣を差し出す。
次はお前だ、槇寿郎に高い高いされてろ! という何故か輝いている目で飛鳥の背中を押すようにバシバシと叩く。
「槇寿郎に一本でも取れたらお小遣いあげるから頑張ってね」
「……呼吸は使ってもいいのですか? 」
「まだダメ。後からちゃんとした撃ち合いをやってもらうから、それで使って」
(やっぱ自分でもこの修行はおかしいと思っているのか……)
受け取った真剣をちゃんと握りしめて槇寿郎の前に立つ。
さっきと同じように槇寿郎はなんかよくわからん構えを続けているし、いつでも来いという意味なのだろうと飛鳥は読み取り勝炎のように槇寿郎に突っ込んだ。
そうすると、直ぐにふわりと感じ飛鳥は自分が投げ飛ばされたということがわかった。
ただ真剣を振るって突っ込んだだけなのに、槇寿郎は避けずに手と腕だけを使って攻撃が当たる前に投げる。
(まじの高い高いだ。クソっ、上手く安定が取れない。空中だからか? このままじゃ地面に突っ込)
「……」
「…………」
「…」
飛鳥は思った。
(━━━これ意外と難しいんだな……)
顔面から地面に突っ込んで頭を打ってしまった飛鳥。
それを眺める槇寿郎と勝炎。
飛鳥の頭の周りにはひよこが舞っている。
(痛い………………)
人物紹介〜
継国飛鳥(つぎくに あすか)
主人公
地面パーンチ
一心勝炎(いっしん しょうえん)
飛鳥の育手
糞料理
煉獄槇寿郎(れんごく しんじゅろう)
勝炎の友達?
高い高ーい
明治コソコソ噂話〜
勝炎の不得意は料理ですが、得意なことは以外にも絵を描くことだそうですよ。
似顔絵や風景を書いて儲けていた時もあったそう。
次回・名前聞くの忘れた。