日本本土決戦 1998年8月、BETA皇土へ侵攻す   作:岡本めばち

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新たな選択肢(オルタネイティブ・プラン)


【マブラヴ・オルタネイティブ】

【オルタネイティブ・6】

 

人類の新たな道、オルタネイティブ・6はひとえに言えば地球規模の決号作戦だ。

敵主力との野戦決戦を図り、その隙に全ての援軍を完全に引きはがす。

全地球軍規模での陽動作戦であり、全地球規模の総攻撃であるが細かい作戦計画はない。

遂に人類は全戦線で敵軍を押し返し、カシュガル崩壊の衝撃波が凄まじい。

あ号標的の最期は最早無様な姿だった、崩壊したハイヴ構造物に押しつぶされ、ほぼ死にかけていた。

原因は3発目にやや遅れて飛びこんだ弾道弾で、晒上げられた第二層から完全に衝撃波をダイレクトにぶち込んだ。

内部構造を振動と圧力で完全に押し潰し、核攻撃の直後に乗り込んだ第五世代戦術機は圧倒、BETAの群れはもはや敵では無かった。

虚数の塊でしか無く、分断され、容易く壊滅した。

無論、損耗は出た。

今度はBETAが分断されながら必死に死守し、壊滅する番だった。

 

指揮統制が崩れ、全てが破綻したBETAの抵抗は、突入6時間で崩壊した。

 

勝利!それが続けざまに起こった。

亜細亜でのBETA根絶が最大の苦戦であり、最後はインド亜大陸が手間取らされて苦戦しながら、それでもJ-21戦術機が敵地へ飛び込んで制圧した。

全ハイヴが撃破されて3年から6年は各地で湧いて出たBETAを掃討し続けたが、遂に2009年に地球上からのBETA完全根絶宣言が出た。

地球本土の戦いは終結したが、閉塞する気は無かった。

 

人類の統合は比較的スムーズに進んだ。

国連再編が行われ、所謂新国連が成立し、彼らは資源再分配や地球再建を進めつつ、宇宙艦隊整備計画を開始。

遂に人類は2045年、月面へ戦闘宇宙艦隊を展開。

第二次月面戦争の開幕だ。

戦いは最初から人類に有利に進み、軌道戦力が無いBETAは第六世代戦術機に蹂躙され、人類最初の”宇宙戦艦”は長さ120M 、魚の骨みたいに細長く、武装はG元素レーザー砲と核融合ミサイルに40㎜砲が4基だ。

名前と裏腹に放熱板が8枚ほど展開され、それが3列続いてるからエラみたいになるのである。

 

第二次月面戦争、またはオペレーション・ムーンライトは3か月で成功した。

続く国連宇宙海軍は、オペレーション・マーズショットを発動。

火星解放も4か月の時間、5か月の航行時間をかけたがこれも成功。

月と火星でG元素を大量獲得した人類は、遂に月面のサクロボコスコ記念研究基地で核融合発電を実現。

更にエネルギー源以外のG元素の特性が判明し、重力場調整から遂に、人類は2178年、相対性理論を破壊した。

 

 

【別の選択肢】

 

アルファケンタウリ、そしてシリウスにクジラ座へ進出した人類だが……遂にバーナードで恐るべき発見をした。

破壊された未知の惑星宇宙船である。

その破壊痕は、BETAの光線級類似種と推測させた。

戦闘型のBETAは実在する!

 

「我々は、断固として宇宙の平和と自由を守らなければならない!」

 

ただ一部の人たちは、疑問を感じた。

ところで、この残骸が流れて来て何年経過してるんだ?

無論、応え得る人間はいない。

狭い地球から飛び出した人類は、かつてのモヤシがごときの木っ端な船では無く、大型戦艦の時代へ入っていた。

資源採掘の効率化、バイオ技術の進化、独自の生体採掘機械構想、そして第一次試験投入。

ただ、地球は流石にこの代理機械に無節操な採掘は命じなかった。

BETAに対してここまでやって戦闘型が来ないのは、明らかに無為無策だったからだ。

3キロ近い全長をした巡洋艦を平然とシリウスで建艦し、大型軸線砲を竜骨を兼ねて配置し、大型電磁加速投射兵器が主兵装の宇宙巡洋艦。

いまやその葉巻型のシルエットが似合う電磁投射砲が、第二次月面戦争時に運用された旧日本帝国の遺産だと殆どの人々は覚えていない。

いまや、大半の人々は地球の戦いすら経験していない世代だ。

 

これからも国連宇宙海軍は宇宙を睨んでいる。

西暦2188年には、新型宇宙戦艦<キュウシュウ>と<プサン>が就役する。

国連宇宙海軍は地球本土決戦における激戦地しか艦名に付けない。

 

 

 

 

 

【……愚行の後始末】

 

この広い銀河の片隅に、それは有った。

彼らは生体機械をばら撒き、宇宙から資源を収奪し、何もせずに肥え太った。

強大な軍隊も、国力も、資源も全て別の存在を働かせて手に入れた。

だからだろう。

いつしか戦う事を忘れてナマケモノになった。

 

が、転機は銀河周期34周期に発生した。

 

突如別銀河系の各所で彼らの派遣した生体機械は次々破壊された。

領宙侵犯の警告を再三無視し、炭素生命の事を考慮しない彼らは愚行と愚挙を省みない。

遂に彼らは初めての星間戦争へ突入した。

悲しむべきは、彼らに警告を授ける者がいない事だ。

炭素生命はその不安定さゆえ宇宙航行は不可能と言うのが彼らの常識で、それを覆す証拠が無かった。

 

彼らには理解できない存在は、投射原を逆探知して次々と惑星を破壊していき……。

 

その日が来た時には、戦う力はなかった。

自慢の戦闘型は、炭素生命特有のゴリ押し人的資源が覆した。

何より作戦指揮がマズかった、ケイ素生命の基準で物事を見過ぎた。

 

大型戦艦群は長距離ミサイルの無差別攻撃で、星系を壊滅させ、今や残るはデブリ回収業者だ。

 

「最近飛んで来る数が減ったな」

「なぁ」

 

呑気な会話であった。

ちなみに彼らの戦争では開幕ワープして惑星破壊可能な大型ミサイルを全力投射するのが戦争のやり方である。

おかげでまだブレイン級は彼らを認識できていない。

デブリ回収業者が取り逃した破片は、亜光速へ加速して外宇宙速度で太陽系の方向へ飛んでいった。

もっとも、木星が吸い込むが……。

宇宙戦争の結果は、地球人に永遠に分からないままだった。

 

END。





「この戦争でお互いが得たものは何だったんだ。
 おたがい、ここまでやる必要があったのかね」
引用「日本本土決戦 昭和20年11月、米軍皇土へ侵攻す」
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