殺人鬼達に救われる道はあるのか?   作:コミカド

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なぜ彼女たちは再び出会えたのか?

「こんな所に呼び出して、いったいどういうつもりなんだい!?」

 

 赤い部屋に呼び出された万代鈴江はイライラとした口調で問い質してくる。

 ヒステリックで不安定な態度は、麻薬の禁断症状からくるものだと容易に想像がついた。

 

「まあまあ万代先生、そんな喧嘩腰はやめましょうや。せっかく刑事さんが話し合いの場を持ってくれたんですから。」

 

 万代と共に呼び出された虹川は、ニヤケ笑いを隠すことなく万代を宥める。

 その視線の先にいるのは私だ。

 

「まあでも、こっちは散々アンタに振り回されてるんだし、いい加減ハッキリとした答えを聞きたいとは思ってるんだ。」

 

「あら?何の事かしら?」

 

「惚けなさんなって話だよ。昨日控え室を荒らしたり猫の生首を送ってきたのはアンタだろ?」

 

「なんだって!?何でこの女が!」

 

「おおかた俺達に対する脅しだろ。こっちの要求には屈するつもりは無いって。でも良いのかい?俺達はアンタの正体を知ってるんだぜ。」

 

 虹川はお前の思惑なんか全部お見通しだ、とでも言うような余裕の態度を崩さない。

 だけどよく観察すれば、小皺の出来た目元が細かく動いているのが分かる。

 

 私は敢えてゆっくりとした動作でタバコに火を点けると、存分にその味を確かめて紫煙を吐く。

 それを見る虹川の目元の動きが大きくなった。

 

「さあて、いったい何の事やら?」

 

「チッ!惚けんじゃねぇぞ。俺らと『赤髭のサンタクロース』の関係を知ってるのはアンタだけだろうが!」

 

「それはどうかしら?私一人で辿り着ける程度の真相よ。他の誰かが貴女達の正体に気が付いて揺さぶりを掛けてきたとは考えられないかしら?」

 

「減らず口を。まぁ、そんな事はどうだって良い。どうせ俺らとアンタは運命共同体。俺達がブタ箱に入れられた時は、アンタも道連れだからな。」

 

 私の言動にイラつきを覚えてるのは確かだが、それでも自分のペースに会話を持っていこうとしているのか、虹川は私達の関係について仄めかす。

 私はそれに興味の切片も無い風を装ってタバコの煙を吐く。

 

「いったい何の事やら。どうして貴女達がブタ箱に入ったら、私もそれに続かなきゃならないのかしら?」

 

「はあ?呆けたのかいアンタ?アンタの正体はあたし達は知ってるんだよ!アンタもあたし達と同じ人殺しだって。」

 

「だったらお互いにその話題には触れない方が良さそうね。何処で誰が聞いてるか分からないんだから。」

 

「ああ、その意見には同意するぜ。だがそっちは俺達の人殺しの証拠を握っているが、こっちは物的証拠が無いのはフェアじゃない。コチラとしてはもう少し安心できる担保が欲しいんだ。」

 

「それが、警察が押収した麻薬を貴女達に横流しする事だと?」

 

「ああ、そうさ!そうすりゃアンタが完全にコチラ側に来たと確証出来る。アンタも知られちゃならない過去を公にされて警察としてのキャリアを棒に振りたくないだろ?だったら仲良くしていこうぜ。」

 

 ようやく本題に入れたからか、虹川はイキイキと取引を持ち掛ける。

 

 最後の一服を済ませると、私は携帯灰皿でタバコを潰した。

 

「なるほど、貴女達の言いたい事は分かったわ。」

 

「そうかい。じゃあ、答えを聞かせて貰おうか?」

 

「良いわ。貴女達に言うべき言葉はただ一つ。『寝言はブタ箱で言え』よ。」

 

 私がそう告げた瞬間、部屋の外と隠し通路に控えていた捜査員が一斉に部屋に雪崩れ込む。

 突然の事態に虹川と万代は目を白黒させ狼狽する。

 

「お、おい!こりゃどういう事だっ!」

 

「見たら分かるでしょ。彼らは貴女達を殺人と麻薬取締法違反で逮捕しに来たの。」

 

「アンタ自分が何をしたか分かってるのかいっ!こんな事をしたらアンタだって!」

 

 万代が癇癪を起こして叫ぶが、私はそれを一笑する。

 

「あら、私のキャリアを心配してくれるの?でもそれには及ばないわ。」

 

 そう言いながら私は上着のボタンを外し前を開く。

 そうすれば分かるはずだ。

 捜査中は常に腰に下げている拳銃のホルスターと、内ポケットに入れている警察手帳が無いことに。

 

「警察なら今朝辞めてきたから。」

 

「………は?」

 

「正直未練はあるわ。一生を掛けるに能う仕事だと思ってた。だけどね、我が身可愛さでその誇りを穢す事は出来ないの。」

 

 私は理解が追い付かぬ様子の虹川と万代に近づきながら言い放つ。

 

「貴女達のような外道に与するくらいなら、警察を辞めた方がマシよ。」

 

「っ!?あ、あんた!」

 

「散々シャブで良い目を見たんでしょ。だったら次は辛い目を見なさい。きっと、死にたくなるほどの地獄を見れる筈だから。」

 

 そう耳元で囁くと、虹川と万代は顔面蒼白になり崩れ落ちる。

 警官は両脇を抱えるようにして2人を連行した。

 

 それを見送る私に近づいてくる人物がいた。

 

「お疲れ様です。」

 

「お疲れ様です、俵田刑事。ご協力感謝します。」

 

「いえ、貴女が奴らから決定的な証言を引き出してくれたお陰で、スムーズに逮捕できました。今後は裏付け捜査に移っていくでしょう。」

 

「よろしくお願いします。それじゃあ、どうぞ。」

 

 そう言って私は俵田刑事に両手首を揃えて差し出す。

 すると俵田刑事は怪訝な表情を浮かべた。

 

「何ですか、この手は?」

 

「え?いや、手錠を…」

 

「バカ言わんで下さい。貴女にそんなものは必要ありません。それに、私は自分の仲間にワッパは掛けたくないんですよ、不破警視。」

 

 その言葉に思わず目頭が熱くなる。

 涙を見せぬように顔を逸らせると、視界の端で俵田が『してやったり』といった風に笑っているのが見てとれた。

 

「もういいでしょ。行きましょ。」

 

「ええ、どうぞ。こちらです。」

 

 照れ隠しに自分から会話を打ち切ると、俵田刑事は苦笑いで私を誘導する。

 そうして部屋から出ると、そこには先輩がいた。

 

「野々宮、先輩…」

 

「お疲れ様、フワちゃん。本当に、立派な警察官に成ったわね。」

 

 先輩の言葉に、引っ込んだ筈の涙がまた溢れそうになる。

 

 こういうことをするから、先輩はズルい。

 

「後の事は私に任せて。必ずフワちゃんを助けてあげるから。」

 

「…はい。よろしくお願いします。」

 

 大きく頭を下げ、感謝の意を示す。

 顔を上げた私に微笑みをくれる先輩に軽く会釈をしてその横を通り抜けようとしたが、不意に浮かんだ疑問を私は口にする。

 

「あの、先輩…」

 

「ん?どうしたの?」

 

「先輩はいつ…」

 

 質問を言い掛けて、私は言葉を止めた。

 なんだかそれ以上尋ねるのは、とても野暮なように感じたから。

 

「何か聞きたい事でもあるの?」

 

「…いえ、大丈夫です。先輩、今後もどうぞよろしくお願いします。」

 

「…うん!任せといて、フワちゃん。」

 

 そう言って見送ってくれた先輩の顔は、いつもと同じ屈託の無い晴れ渡るような笑顔だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……

………

 

 不破鳴海が任意同行されるのを見送った珠樹は、表情を消すと周囲に誰もいないことを確かめ携帯を出す。

 

 電話帳を開き、そこに記されたある名前をタッチすると、大きく深呼吸をしてから呼び出しボタン押す。

 

 3度のコールの後に、通話が繋がった。

 

「お疲れ様です………ええ、無事終わりました……ハイ、万代と虹川は逮捕。フワちゃ、不破警視は自らの素性を明らかにし、警察を辞職しています…………………ええ、今回は本当にありがとうございました。あなたの情報提供のお陰で最悪の事態にならずに済みました。不破警視もかなり追い詰められていたみたいです……………いえ、そのような………分かりました。じゃあ、前回の事はこれでチャラという事で...………はい……はい………そうですね。またその時はお願いします。では、これで…失礼します………」

 

 

 

「藤原先生…」

 

 

 

 通話を終えた珠樹は壁に寄り掛かると大きく息を吐いた。

 その顔には疲れが色濃く残っている。

 しかし暫くすると自分の頬を両手で強く張った。

 

「…うっし!いつまでもウジウジしない。私は私に出来る事をっ!」

 

 気合いを入れ、気持ちを切り替えた珠樹の瞳に映るのは、一片の暗さも無い目映い輝きのみだった。

 

 

 

 

………

……

 

 職を辞し、警察に自首し全てを明らかにした私は身元調査を受け、程なく指名手配中であった北見蓮子である事が確認され、殺人の容疑で逮捕された。

 

 キャリア採用されていた警察官が殺人事件の指名手配犯だったという事実は世間を大いに騒がせた。となるかと思えば案外そうでもなかった。

 世間の関心は専ら、万代鈴江と虹川幸雄の逮捕に集中しており私はその陰に隠れる形となった。

 それと、私が犯行を犯したのは17歳の頃だったので少年法が適応され報道では氏名や顔は公開されなかった。

 

 まあ、ネットでは普通に顔や個人情報が流出したみたいだけど、そもそも私自身があんまり写真を残さないタイプだったので影響は微々たるものだったらしい。

 

 そうして逮捕から数か月後に私の裁判は始まった。

 この裁判を一言で表すならば、野々宮珠樹の独断場であったと言って良い。

 

「犯行当時被告人は未成年です!加えて被害者から薬物を投与され、激しい暴行を加えられとても冷静な判断を下せる状況にはありませんでした!」

「事件後逃走し、他人の身分を乗っ取ったのは非難される事でしょう。しかし被告人は偽りの身分を悪用することなく、勤勉誠実に社会生活を送っていました!」

「被告人は自身の犯行を隠し通せる状況にあったのにも拘らず、幹部警察官という身分を捨て出頭し全ての犯行を自供しています。これは紛れもなく自首の要件を満たしています!」

「被告人は長年警察官として活躍し、薬物犯罪を含め多くの事件の解決に寄与し市民の生活を守ってきました。これを更生と呼ばぬのであれば、この世に更生と呼べる行為は無いに等しいとさえ言えます。」

「然るに!事件状況及びその後の被告人の生活態度を見るに、長期の刑事罰を与えるのではなく社会の枠組みで見守る事こそ、司法にとって正しい判断であると弁護人は主張します!」

 

 まさしく焔を幻視するほどの熱弁だった。

 先輩の気迫には裁判長や検察官ですら飲まれており、この裁判が先輩を中心に動いている事は傍聴人にも明らかだった。

 

 それと、先輩は多くの情状証人を呼んでくれた。

 

「不破警視は非常に優れた警察官でした。犯罪捜査に向き合う姿勢は他の捜査官の模範であり、間違いなく将来の警察組織を背負って立つ逸材でした。このような事になってしまい非常に残念ではありますが、いまでも不破警視は私にとって自慢の部下です。」

 

 警察庁の元上司は、警察官としての私をそう評してくれた。

 

「不破さんが人殺しをしていたなんてとても信じられません。不破さんは私が下着泥棒の被害にあった時に誰よりも親身になって話を聞いてくれました。一人暮らしで、家に帰るのも恐ろしかった私に寄り添って、犯人が捕まるまで毎日家を訪ねてくれたんです。あんなに優しい警察の人を、私は他に知りません。」

 

 嘗て私が解決した窃盗事件の被害者が、わざわざ函館から札幌の裁判所まで来て証言してくれた。

 

「俺は不破さんに捕まって本当に良かったと思います。親に見捨てられたと思って、薬物に逃げ出していた俺を本気で叱ってくれて、色々アドバイスをくれたんです。不破さんのお陰で今は親ともやり直せて、少しずつだけど元の生活に戻れています。俺、心から不破さんに感謝しているんです。」

 

 嘗て私が逮捕し説諭した元麻薬中毒者が、たどたどしくも私を庇ってくれた。

 

 先輩はこうした情状証人を必死に集め、私の為に裁判で証言してくれるように頼みこんでくれたそうだ。

 証言してくれた方々は、皆快く応じてくれたらしい。

 本当に、ありがたくて涙が出そうになる…

 

 

 そしていよいよ、判決の時を迎える。

 

「それでは、判決を読み上げます。」

 

 正面に座る裁判官が、手元の判決文に視線を落とす。

 私はそれを立って聞き入る。

 

「判決、被告人を懲役3年に処す。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「なお、この裁判確定の日から5年間その刑の執行を猶予する。」

 

 執行猶予がついた。思わず弁護人席に目をやると、先輩は小さくガッツポーズをしていた。

 

「それでは主文を読みます。長くなりますので、どうぞお座りください。」

 

「…大丈夫です。立ったまま聞きます。」

 

「…分かりました。」

 

 裁判長は再び判決文に目線を落すと、朗々と内容を読み上げる。

 

「被告人は、平成○年3月、当時交際関係にあった男性Aから暴行・脅迫を受け、生命の危険を感じたため、抵抗する目的で手元に落ちていた包丁を手に取り、同人の腹部を突き刺して死亡させた。

 その後、警察の追及を恐れ、偶然発見した女性Bの遺物から身分証を窃取し、Bを装って「不破鳴美」と改名して生活した。

 以降、薬物依存を克服し、大学進学を経て警察官となり、以後6年余にわたり各種犯罪の取締りに貢献した。

 令和○年、自身の過去が露見することを恐れ、押収麻薬の不正流用を求められたが、これを拒否し、良心の呵責から警察を辞職のうえ自首したものである。

 

 被告人の行為は刑法第199条、並びに第254条に該当する。

 

 本件は、一時の恐怖と混乱の中で被害者の暴行に抵抗した結果として人を死亡させたものであり、計画的・攻撃的な殺人とはいえない。

 被害者の暴力は執拗で、被告人が命の危険を感じた状況も認められる。

 

 また、事件後に被告人が他人の身分を詐取して逃亡した行為は重大であるが、その後の人生において薬物依存を克服し、社会的に極めて模範的な生活を続けてきたこと、特に犯罪取締り分野で多くの成果を上げ社会に貢献してきたことは特筆すべきである。

 

 さらに、被告人は事件を隠し通すことも出来たにもかかわらず、自ら警察に出頭して罪を告白し、深く反省している。

 この自首の姿勢は誠実であり、真に更生が成し遂げられていると認められる。

 

 これらの情状を総合考慮すれば、長期の実刑をもって臨むよりも、社会内での更生を期待することが相当である。

 

 よって懲役3年の刑を科しつつ、執行を5年間猶予するのが相当と判断する」

 

 判決文を読み終えると、裁判長は私の目を真っすぐに見つめた。

 

「北見蓮子さん、貴方がこれまでに築いた社会的信用は偽りの上に成り立っていたとしても、その努力と成果は無に帰すものではありません。罪を償う意思を貫き、今後は真の自分として生き直すことを強く期待します。」

 

「…はい。ありがとうございます。」

 

 ああ、今日は泣かないと決めていたのに、どうしても涙声になってしまう…

 

 

 

 その後、簡単な手続きを終えた私は晴れて自由の身となった。

 裁判所の外に出ると、そこには野々宮先輩、そして双子の妹の古川花江が待っていた。

 

「先輩…あの…」

 

 感謝の言葉を伝えなければならない。

 そう思って口を開いた私だったが、言葉を紡ぐよりも早く先輩に抱きしめられた。

 

「せ、先輩!」

 

「おめでとうフワちゃん!本当におめでとう!」

 

 心からの喜びの声を上げ、先輩は私を祝福してくれる。

 胸に込み上げる感情が溢れ出そうになるのを必死に耐え、私は感謝の言葉を口にした。

 

「ありがとうございます。先輩のお陰で、私はこうしていられます。」

 

「何言ってんの!全部フワちゃんが頑張ったからでしょ。私はそれを後押ししただけ。それよりも、貴方の帰りを待っている人がいるわよ。」

 

 そう言うと先輩は、私を花江の前に促した。

 

 久しぶりに向かい合った花江は緊張と罪悪感の暗い影を表情に残し、何を言えばよいのか分からないのか言い澱む様子を見せる。

 それがどうにも滑稽に見えて、軽く笑いながら声を掛けた。

 

「ただいま、花江。」

 

「っ!お帰りなさい…蓮子姉さん!」

 

 花江は感極まった様子で泣き出した。

 

「ちょっと!なに人の顔見て泣き出してんのよ!」

 

「だって…だって!私、姉さんが苦しんでる時、何もしてあげられなかった!姉さんが警察で頑張ってたのだって、私のせいでっ!」

 

「馬鹿ねぇ…あんただって、頑張ってたでしょうが。全部知ってるんだから。私の為に、デザイナーの仕事をしてたって…」

 

 拘留中、先輩から花江がどのような生活をしていたのかを聞いた。

 花江は女優として活躍する傍ら、東北の小さな服飾デザイン事務所でデザイナーをしていた。

 それは、いつか私が女優になり、花江がその衣装をデザインするという子供の時の夢を叶えるためにだった。

 

 花江は私が帰って来た時の為に、ずっと準備をしていた。

 「北見蓮子」が夢見ていた、女優として未来を用意するために。

 その為に7年間もの間、女優とデザイナーの2重生活をし、プライベートの全てを捧げてきた。

 

「私こそごめんなさい。ずっとあんたが裏切ったと誤解して、信じようとさえしなかった。こんなに自分の身を犠牲にしてた花江を…」

 

「蓮子、姉さん…」

 

「本当にごめんなさい。それと、ありがとう。こんな私を、見捨てないでいてくれて…」

 

「う、うわああああん!」

 

 耐えきれなくなった花江は私に縋り付くように抱き着いた。

 私はそれを受け止め、強く抱きしめ返した。

 

 ああ、ずっとすれ違ってきたけれど、これでようやく私達はもう一度姉妹に戻れる。

 もう一度「北見蓮子」として生きれるのだと実感し、私はただただ涙を流す事しか出来なかった。




その後の彼ら

・不破鳴美改め北見蓮子
 整形手術を行い元の顔に戻る。
 流石に女優になることは出来なかったが、警察時代の貯えがあるのでしばらくはのんびりと暮らし、将来的には警察時代のスキルを活かし探偵業を始めようかと考えている。
 後に、その濃すぎる経歴がとあるフリーライターの目に留まり、実録手記を出版する事になるが大変な反響を呼び、それを原案にした実写ドラマが製作され大人気になる。
 そのお陰で一財産を築くのだが、それはまた別の御話。

・古川花江
 姉が女優となり自分が芝居で着る衣装を作るという夢は残念ながら叶わず。
 しかし事件後に女優を引退してデザイナー業に専念する。
 その後、「殺人を犯した少女が他人に成り代わって刑事に成り、自分に殺人を行わせた黒幕を追う」という内容のドラマで主人公の少女を演じた速水玲香の衣装をデザインし、ドラマの高評価も相まって話題になり人気デザイナーとなる。

・万代鈴江、虹川幸雄
 共に麻薬取締法違反、並びに殺人罪で逮捕起訴され、万代には懲役20年、虹川には懲役18年が下され、これまで築いてきたキャリアは地に堕ち、出演及び演出してきたすべての作品は封印作品になった。
 劇団アフロディアも団員の殆どが麻薬に関わっていた為に逮捕され解散。
 収監中、長年の麻薬の服用による禁断症状により、2人とも刑務所内で地獄のような日々を過ごしている。

・金田一一
 今回まったくと言っていい程出番は無かったが、裏ではきっちり麻薬の隠し場所の謎を解き、密売ルートを潰すのに貢献した。
 その後は美雪や佐木と共に北海道グルメと函館観光を堪能し、何事もなく帰京した。




・警察の捜査情報を服務規定に抵触しない範囲で教えてくれるおじさん
 嘗ての部下たちを使って六角村の事件の追跡調査をしていた所、麻薬の流通先と思しきホテルに泊まった客をマークする捜査員を認知したが、どうにもとある客と接触してから様子がおかしくなった事に気付き身辺調査を行わせる。
 すると過去に怪しい部分があり、ちょうど目に掛けている弁護士と知り合いだったことから彼女に情報を流し調べさせることにした。
 「相変わらず舞台の外から黒幕気取りで口を出す人だ」と件の女性弁護士にはますます苦手意識を持たれたが、本人はこれで警察の正義は守られたと御満悦。
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