スロー……スロー……クイッククイックスロー…… 作:ハウンド・ドッグ
「貴方が一夏の言っていた《新しいご友人》ですか……」
アリーナのただ中。
未だに火炎の熱量による陽炎は揺らぎ、拡散バズーカの撃ち下ろしの爆発が地面を大きく抉る中、溶接マスクを思わせる頭部に左右非対称に並べられた複眼が怪しく輝く。
「ならば……私にとっても友人同然です……!」
歓喜に打ち震えるように、その身を震わせる無骨な工業的外見のIS。
「さあ……《新しいご友人》……!」
クロータイプのマニピュレーターで握られた《WB-0000 BAD COOK》からは再び火炎が撒き散らされ、右肩に装備された《BML-G2/P19SPL-12》からは2発の分裂ミサイルが発射された。
左腕の巨大なチェーンソー、《WB-0010 DOUBLE TROUBLE》が展開され、エンジンがけたたましく唸りを上げる。
「楽しみましょう……!!」
《CC-3000 WRECKER》にて統一されたフレームの《IS》、《MILK TOOTH》がブースターを迸らせ、漆黒のISへと迫る。
「なんなんだ……」
その漆黒、《シュヴァルツェア・レーゲン》を駆る銀糸の如く髪を靡かせる少女は叫ぶ。
「なんなんだ貴様はァァァァ!!!」
人間は理解の出来ないものを本能的に拒否する。
であれば、これは真っ当な感性であろう。
誰が。
誰が《気狂い》に《友人》扱いされて喜ぶものか。
その少女、ラウラ・ボーデヴィヒは吠える。
「私に……友など要らぬ!……ましてや、貴様のような《男》など、論外だ!!」
はっきり言って、教官を貶めたあの男よりもタチが悪い。
本当になんなんだ。どこをどうしたら友人として扱えるのだ。まるで理解が出来ない。否、理解したくない。
脳が拒絶する。
狼狽と、困惑と、恐怖。
それらは普段冷静で、冷酷な彼女を狂わせた。
「Active Inertial Canceler……!!」
右腕を突き出す。
これで終わらせられる。
この気狂いを黙らせられる。
……普通ならそうだろう。
ここで彼女は《致命的なミスをした》。
この男に、《普通》など、ありはしないのだ。
「……いない!?どこに……!?」
ぞわり。
後方からの殺気。
刹那、閃光。
「ぬぁぁぁぁ!!!」
危機察知能力に任せ、《プラズマ手刀》を振り払う。
《MILK TOOTH》の《ASSAULT ARMOR》によるパルス爆発に巻き込まれながらもどうにか一撃を入れた。
しかし、その強烈な光により視界が思うように見えなくなってしまう。
「ご友人……サプライズをさせてくれないのですか……!?」
《AIC》を使用する寸前で、ブースターを瞬時に吹かせることによる方向転換で後方を取った下手人はプラズマ手刀を受け止めつつ、狼狽する。だが、どこか楽しんですらいる。
「貴様……貴様貴様貴様ぁぁぁ!!」
怨嗟の声を漏らす黒兎。
「友人ならばもてなしたい……喜んでもらえたなら……素敵だ……」
何処吹く風と言った様子で宣うその男の名は……
その後、正式に籍を入れる2人のダンスは始まったばかりである。
続かない(多分)。
名前も未定なんだよね……要望があれば正式版作る、かも。
続ける?
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素敵だ……
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不憫だ……