○監禁先生
[カチ、カチ、カチ、カチ・・・]
陽の光を浴びない地下生活によりただの置き物と化した時計が針を刻む音のみがいやに部屋に響く。
ティーパーティの生徒...ナギサ、ミカ、セイアの三人に監禁され始めてからおよそ一ヶ月、私はもう抵抗することをやめていた。
何故か?答えは単純、意味がないからだ。
ナギサたち三人の指紋でしか開かない扉、四六時中私を見つめる監視カメラ、そして極め付けは...
[ジャラッ]
この首輪と鎖だ。ミカでさえ壊すのに手間取ったというのだからヘイローのないただの一般人な私じゃびくともしないだろう。
「はぁ...」
そんな私はただため息をつき、部屋に置かれている寝心地の良いとても高価そうなベッドに横たわっていた
[ジー...ガチャッ]
そんな時、扉から電子音が聞こえてきた。今日は、昨日がミカで一昨日がセイアだったから、おそらくナギサだろう。
「可哀想に、眠れないのですね、先生?」
「...可哀想だと思うのなら、首輪くらい外してくれてもいいんじゃないかな、ナギサ?」
「残念ですかそれは叶えられないお願いですね。ですが、それ以外で何か欲しいものがあればすぐに用意いたしますので遠慮なく言ってくださいね?」
「なら、私のタブレット」
「ダメです♪」
「スマホ」
「ダメです♪」
「自由」
「ダメです♪」
「...みんなと、他の生徒たちと、合わせてよ...お願いだから、ここから出して...ね?」
「...先生...」
ああ、会いたい。アロナと会いたい、アビドスの子達と会いたい、ミレニアムの子達と会いたい、ゲヘナの子達と会いたい、レッドウィンターの子達と会いたい、山海経の子達と会いたい、連邦生徒会の子達と会いたい、トリニティの他の子達と...
そう、
「ちっ...、今まで散々手籠にしてあげていたのに、まだ足りないとは...先生は随分と欲張りなのですね?」
「ち、違っ...んむ!?」
ナギサの唇と私の唇が重なる
「ん!んん...!ぷはっ」
「ふふ、違いませんよね、先生?ほんとはこうして欲しかったんでしょう?」
「いや、だめ、んっ!そこは!ああっ!」
「体は正直なようですね♪」
ああ、いったい何故こんなことになってしまったのだろう。もし私があの時ちゃんと話を聞いてあげていたら、もし私があの時適当にあしらわずにいたら、もし私の思いをちゃんとこの子達に伝えられていたら...
そんな、今となっては意味を持たない問いばかりが、いつかナギサたちと行ったプライベートビーチで海に飛び込んだ時に海中で見た、現れてはすぐに消えてしまう泡のように...
この快楽の海に、私はこのままどうしようもなくただ沈んでいくのだろう。この心地よい楽園に
もう、堕ちてしまっていいのではないか?いや、ダメだ先生としてこの子達を正しい道へと導かなくては...
「さあ、先生。私に身を委ねてください...あなたを楽園へと導いて差し上げましょう」
もう、色々と考えるのもめんどくさい
「さあ、私の手を握って」
とりあえず、この現状は変わらないのだから
「私の目を見て」
今は、何も考えず、ただ、身を捧げればいい
「先生は、ただ気持ちいいことだけを考えればいいんです」
そうだ、めんどくさいことはあとで考えればいいじゃないか
「...うん♡」
「いい子ですよ、先生♡」
だって、こんなにも、気持ちいいのだから
○獄中結婚先生
[コンコン...ガチャッ]
「ただいま、カヤ」
「...お帰りなさいあなた、とでも言えばいいんですかね?」
「うん、とても嬉しいよ」
「はあ、なぜ先生であるあなたが私みたいな犯罪者と結婚をしたのか...理解に苦しみます。あなたは何も悪くないでしょう?悪いのは、何もできないくせに何かをしようとした私です」
「カヤ」
「...」
「僕は、僕の愛する妻を悪く言われるのは好きじゃないよ」
「それが、他ならぬ
「うん」
「...そうですか、なら謝っておきましょう。すみません」
「いいよ。でも、今まで何回も言ってきたように、カヤはもっと自分のことを愛して欲しいな」
「それは、...難しいです」
「...そっか」
「...」
「...そうだ!はい、これ」
「これは...シュークリーム?それとコーヒー...」
「カヤが前に一度食べてみたいって言ってたのを買ってきたんだ。本当はもっと早くに買ってきたかったんだけど、人気が高くて少し遅めになっちゃった」
「前に私が言っていたのって......とても高いやつじゃなかったですか?...なんでここまで...」
「カヤが好きだからだよ、世界で一番」
「...よくもまああなたはそんな歯が浮くような言動をそうぽんぽんと言えますね?」
「事実だからね」
「はあ...まあ、貰ったものはしょうがないですし、こちらのコーヒーと合わせていただきましょうか。あ、先生は座っていてくださいね?さすがに、ここまで用意してもらってコーヒーまで淹れてもらうのはちょっとアレなので」
「カヤのいれるコーヒーはとても美味しいから楽しみだな」
「はいはい」
ーーー
[シャカシャカシャカシャカ]
「では先生、先にベッドに入っておきますね」
[シャカシャカ...ペッ]
「わかった、僕もすぐいくよ」
「別にすぐじゃなくてもいいです」
「じゃあ、電気消すね?」
「どーぞ」
「...」
「...」
「......先生、少しいいですか?」
「どうしたの?電気つける?」
「いえ、そのままで結構です。...先生は、何故私と結婚なんかしたんですか?」
「...責任を取るためだよ」
「では、責任がなければ私と結婚していなかったと」
「それは、少し違うかな」
「...違うとは?」
「責任がなかった時から、僕は君が好きだったよ」
「...それは恋愛的に、ですか?」
「うーん、どうだろう?今となってはよくわからないかな」
「...どんなところが、好き...だったんですか?」
「...まずは、君がとても頑張り屋さんなところ」
「...」
「それと同時に、すごく健気だったところ」
「...」
「どんな逆境でも、弱音ひとつ口にせずむしろ周りを気遣うような優しいところ」
「...」
「高いものが好きだっていう、ちょっと俗っぽいところ」
「...余計なお世話です」
「笑った時に見える瞳がかわいいところ」
「...え?見えてたんですか?」
「頑張った後に、僕に褒めて欲しそうにちらちら様子を伺ってくれるところ」
「...も、もういいです...」
「そうして撫でてあげると、まるで大きな猫ちゃんのように甘えてきてくれるとこ「も、もう大丈夫です!!」
「そう?まだまだあるんだけど...」
「わ、わかりました。あなたの気持ちはわかりましたから...!」
「でもね、カヤ。ひとつ訂正を」
「...一体何を?」
「好きだった、じゃなく、今も好きだよ」
「...なっ!?」
「大好き」
「くっ!?」
「愛してる」
「や、もうやめてください変になってしまいそうです!」
「でも、これで僕が君のことを愛してるってわかってくれたかな?」
「ええ、それはもう痛いほどわかりましたから、早く寝てください」
「わかったよ。じゃあカヤ、おやすみ。いい夢を」
「...わ、私も」
「?」
「私も、ああ...あなたの、ことを...」
「いっぱい、愛しています...!///」
[チュッ]
「!」
「あ、おやすみなさい!!いい夢を!」
[ガバっ!]
「...おやすみ」
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