孤児院から出てきた七人だが、超が付くほどの事情で学園生活になじめない?!   作:水岸薫

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第一話『初めは新聞がやってきた』

 東京都渋谷区――日本最大規模の生徒を誇るマンモス校『七色鮮舎華学園(なないろあざやかがくえん)』、校舎はガラスと金属と緑の融合、まるで未来と自然のテーマパークのような造りで、通う生徒たちも制服から上方まで自由で、そしてどこか普通ではなかった。

 そんな学園の放課後、赤色の短髪をした青年『赤井輝人(あかい・てると)』は今日も友人たちと一緒に帰宅の道を歩いていた。

 

「今日の世界史、難しかったわね…」

「そうですの? むしろ簡単でしたわ。暗記科目って、慣れれば簡単ですの」

 

 橙色のショートツインテールをした少女『橙山美甘(とうやま・みかん)』は苦笑すると、緑色のロングウェーブをした女性『緑原爽果(みどりはら・そうか)』は髪を揺らして優雅にほほ笑む。

 いつも通りの帰り道。けれど、彼らが帰る場所は少しだけ”普通”じゃない。

 

 輝人と蜜柑と爽果を含む七人は、同じ孤児院『花の羽』で育っている。生まれたときから親は不明職員の人たちに育ってきている。

 そして高校入学と同時に孤児院を卒業。格安で購入した一軒家――その名も『花園荘(はなぞのそう)』に住んでいた。

 格安で買えたとはいえ、築年数不明で畳も抜けかけ、風呂は追い炊き不可。それでも七人にとっては大切な「家」。

 

 花園荘に到着してすぐ、皆はそれぞれの行動へと散っていく。

 

「じゃあオレ、そろそろバイトに行ってくる」

「アタイも! 今日は頑張っていくぞー!」

「あ、僕も…あそこのパン屋…パンの耳もらえるから」

 

 ロングヘアの男子『紫藤正則(しどう・まさのり)』、青色の三つ編みテールの女性『青木氷華(あおき・ひょうか)』、藍色のおかっぱをした少女『藍野晶(あいの・あきら)』は先週から始めたバイトへ出る。

 黄色のロングポニーテールをした女性『黄瀬月観(きせ・つきみ)』は美甘と一緒にリビングへで明日の課題に取り掛かかり、爽果は「ではわたくしは買い物に」と言いながら、訳あり格安スーパー『格安』へと改題に出かけていく。

 

 そんな中、輝人だけは「さてと」と言いながら自室へと向かった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 輝人は扉を開けると、そこは六畳一間、古びたカーペットと中古の机と椅子、そして壁に立てかけられたカラーボックスの本棚。教科書と参考書の間にはひそかに隠した漫画本に資格の試験の資料が詰まっている。

 

「ふぅ、さて今日は英語の長文と数学を…」

 

 輝人はそう言いながら鞄からノートを取り出すと彼は椅子に座ろうとした…。

 すると、机に置いていたある懐中時計を見てふと気づく。機械仕掛けで長針が赤色で短針が青色をした懐中時計。

 これは孤児院『花の羽』から卒業する数日前、物置小屋を探検していたときに見つけた小さな懐中時計。

 職員に聞いたところ分からなかったため卒業する記念にもらった。

 

「これ…」

 

 輝人は懐中時計を見て呟くと「なんだかおもしろいな」とほほ笑んでいた。

 すると、後から『コトッ』と何か音がしたため彼は振り向くと、そこにあったのは本の形をした道具、表紙には不思議な時計の模様をしており『時空新聞』と書かれていた。

 

「じくう…新聞?」

 

 輝人は不思議そうに思いながらそれを持つと「本なのに…新聞? 資料か何かなのか?」と思い開けてみる。

 中から出てきたのは新聞の生地だがおかしなことにホログラムされた特殊な映像で空間に映し出された。輝人は「うわっ!!」と驚き思わず落としてしまった。

 

「な、なんだこれは」

 

 突然の行為に彼は恐る恐るそれを拾ってみると、記事の内容が乗っており。今朝のテレビの情報とほぼほぼ同じ内容であった。

 

「こ、これは一体…」

 

 道具を見て彼は不思議そうに考えていると、不意に何かを押してしまいホログラムの画像が『ピピピピピピピピピピ!』と動き始める。

 

「わわっ! お、押しちゃったからだ!」

 

 彼は慌ててそれから離し机に置くと、記事の映像が止まり始めた。それを見た輝人は「と、止まった」と安心する。

 すると、そこに書かれていたのは『時空管理局の重要保管物、巻き戻しの時が行方不明!?』と書かれていた。

 『巻き戻しの時』とみて彼は「巻き戻し…何かの道具?」と不思議に思いながらそれを閉じると「わからないからしまうか」と呟きながら本棚にそれをしまう。

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