探索者が求める平和な並行世界 作:探索者
HO2
貴女は刑事である。そして超常の力を憎んでいる。
秘匿HO
一般には秘匿されている『魔術師』と呼ばれる存在達を取り締まる人員として対超自然力学対策チームに配属しており、幼少期にカルティストによって家族を奪われた経験を持つ。
その時の犯人は捕まっておらず、貴女は復讐の為に警察へと入り、カルティストの逮捕と事件解決に尽力しているが、当時の犯人をこの手で殺害したいと考えている。
–––––その日、私は奇妙な少年と出会った。
その日の私は最近中高生の間で流行っているおまじないになんらかのカルティストが関わっている可能性があるとして、とある森を捜査していた。
『神罰様』と呼ばれるそれは所謂こっくりさんやエンジェル様のような降霊術の類いを改変して作った咒法で、紙の上にあいうえお表と特定の文言を書き込み、唾液や血液を染み込ませた鉛筆をその上で握る。
その後、呪文を口にして未来の出来事を尋ねる。ただしこの未来は個人の持つ運命に限られており、集団には使用出来ない。
質問を投げるとやや間が合った後に鉛筆が動き、紙の余白に予言が書き込まれる。この時、予言の内容を
咒法そのものはコレ一つで他人を害する事が可能な物ではない。偶然で片付けられる程度の不運が起きる程度、しかも相手の精神力次第では無自覚にレジストされてしまう。
普段なら対策課が動く程の物じゃ無いんだけれど、問題なのは咒法を使った後の処分方法。
やたらと具体的な場所が書かれていて、しかもそれが『霊脈』の上に重なる様に指定されている。
そうなると話が変わってくる。20~30人規模で単一の対象を呪うならまだしも、数人の、しかも魔術の心得の無い子供達が掛けられる念では足りない『力』が溜まっている場所へ、明確な力の方向性を与えるのだ。何も起きない筈がない。
実際に死傷者が出始めた事、SNS等で『本物』だと言う噂が流れ始めた事などによって話題が悪目立ちし始めた為、対策課が動く事になった訳だ。
「しっかし、犯人が居るとして何が目的なんですかねぇ〜? どう思います? 冴島センパイ」
部下の『上月』が私に疑問を投げる。対策課に配属されたばかりの彼はカルティストや彼らが引き起こす事件への経験が無く、方々を回って呪具を回収する傍らこうして質問を投げかけてくる。
新人故の疑問なんだとは思うけど、正直言って私はそう言った質問に対する上手な説明が苦手だ。
私達のようなソレを知る者達からすれば、『魔術』とは歴史上の発祥が不明瞭なテクノロジーと言う認識であり、物理法則とは異なる別法則を持つ謎の現象の事。
『何が目的なのか?』と言う問いかけは『何かが目的』としか答えようが無い。
意地悪な言い方だが、今回の『魔術』は降霊術の改変であり、内容は運命介入。儀式手順は曜日や月相等を考慮していない簡素な物、分解してみるなら『降霊』と『未来操作』と言えなくもないが……それならもっと手間を掛ければ周囲に認知されずに行う事が出来る。
今のところ何か大事になりそうな事が行われている可能性がある、と言う程度の認識が私達対策課の判断で、火種を火種の内に潰す事が目的となっている。……被害者が出てからそう纏まったのは遺憾だけど。
「上月くん。相手の目的が何であれ、私達がやる事は変わらないわ」
「そりゃそうですけど、もーすこしこう、コミュニケーション取りましょうよ〜。配属されてからの初仕事がスコップで穴掘りっすよ? こう、ヤバい怪物と戦ったり、変な空間に行ったりって感じの仕事かと思ったら肉体労働ですし……背広で山歩きはキチーっすよ」
「我慢しなさい。私達は基本的に何かが起きてから対応する事が殆どなんだから、被害が小さい内に単純作業で回収出来るなら万々歳でしょ?。それに、私達の支給品は超心理学の権威が作った特殊な耐性装備なんだから、普通の背広よりは動き易い筈よ」
「いやまぁ確かに動きやすいっすけど、山道歩くのに適してるかって言うと…………あれっ?」
軽い愚痴を語っていた上月が足を止め、遠くを見つめていた。
急に話題が途切れた事が気になり、私もその視線を追いつつ万が一の超自然の存在が現れた場合に備え、胸元のホルスターに手を伸ばしていつでも銃を抜ける様にする。
––––視線の先。木々が生い茂っていてかなり見づらいけれど、120m程離れたところに男子高校生が居た。
紺色のブレザーに黒のスラックス。制服を見る限り周辺の学生じゃない。少なくとも私は見覚えの無い学生服、『神罰様』の噂話が広まって遠方から来たのかも知れない。
ただその割には周囲に彼以外に人は居ない、普通は数人で埋めに来る事から珍しい……いや初めてのパターンだ。
更によく見ると彼の制服は所々に傷が目立つ。それも切り傷や弾痕と言う様な
上月に指示を出して息を潜めながら極力音を立てない様に彼へ接近する。魔術師なら外見年齢を操作する事も不可能じゃない、以前それで油断した同僚が一人殉職した事もあり、私は聞き耳を立てて様子を見る。
「サンスクリット語……か? けど文法的には別の……いや、魔術的な改変っぽいなこれ、見た感じ招来……いや接触の呪文、■■ならこんな事しなくていいし……■■■■■■の猟犬でも無差別に呼ばせる気か? いや、気配が無い。となると……」
彼は小声で何かをボソボソと呟いている。所々耳に入った筈の名称らしき物がノイズが入った様に認識が出来ない事から、やはり超常の存在なのだろう。
そう考えた私は上月にサポートを指示し、警戒しながら彼へ接触を試みるのだった。
HO2
名前 冴島 霞 年齢 29 職業 刑事
STR 10 CON 13 POW9 DEX 12
APP 16 SIZ 11 INT 16 EDU 19
目星 75% 聞き耳 75% 図書館 60% 追跡 50%
回避 45% 武道:柔道 60% こぶし 60% 組み付き 60% 拳銃 70%
説得 65% 言いくるめ 55% 法律 45% 心理学 55% オカルト5+30(成長)
背景
20年前、カルティストの引き起こした事件により家族を失っている。当時の記憶はトラウマによって鍵が掛かっており、何故そうなったのかは不明。
また家族を失った事で人類をたらい回しとなった経験から、普段は表情に乏しく、人に対しての感情を表へ出す事が苦手である。
反面、カルティスト相手には負の感情を剥き出しにする事もあり、オカルト的な事象を内心では憎悪している。
交友関係は非常に狭い。私生活も規則的を越えて機械的な物であり、事務的な対応に終始する為、学生時代も通じて友人は居ない。
最近の悩みは『上月 遼』と言う部下が配属され、性格の違いもあり付き合い方が分からない事。