人によっては苦手な方もいるかもしれないのでご注意ください
「お姉ちゃん……いいって別に…」
「そんな事言わないで、約束したんでしょ?夏祭りに行くって」
「それはそうだけど……」
夏祭りに行く……その約束をした他の……みこち達は先月事故で帰らぬ人となった…
待ち人の来ない祭りに果たして行く意味はあるのだろうか……そんなことを考えていたら姉街にどんどん支度を整えてしまう
「ほら、準備出来たから行くよ」
ぼやっと考えてると準備が終わったようで紺の振袖に白い羽織を身にまとった私が姿見の前にいた
「わかったから……」
「ほらほらすいちゃんは?」
「今日も可愛い~」
いつものコーレスをして夏祭りの会場に向かう……
会場に着いて屋台の並びを姉街と歩いていると見慣れた姿が歩いているのを見つけ固まってしまった
「み……みこち………?」
「にぇ……?すいちゃん!!遅いにぇ!!」
「すいちゃん、待ってたよ」
「あずちゃん……?」
もう二度と会えないと思っていたパートナー達の姿や声、思わず涙が溢れそうになるのを堪え、平静を装う
「すいちゃん、ぼっとしてどうしたの?」
姉街から声をかけられ我に返る、しかし姉街にはみこち達の姿は見えていないようだ
「ううん、なんでもないちょっとお花摘んでくるね」
姉街にそう言って離れる、そしてみこち達に近づくと
「すいちゃん!遅いにぇ!罰としてみこと一緒に屋台まわるにぇ!!」
懐かしい……最期に会った時と変わらないみこちの姿にほっとする
「はいはい、わかりましたよ」
「すいちゃん!早く早く!!」
そんな事を言われながら幾つもの屋台を巡り花火の時間になった
「すいちゃん!早く行かないと場所無くなっちゃうから行くにぇ!!」
みこちに引っ張られながら見晴らしのいい高台に向かう、あずちゃん達と合流して向かっていると姉街をほったらかしにしていることを思い出した
「みこち、姉街放ったらかしにしてるから合流してもいい?」
そう言うとみこちは
「すいちゃん……」
とちょっと悲しそうに言った
「みこちどうしたの?」
そう言うとみこちは
「すいちゃん……」
「みこち、大丈夫私が説明するから」
「あずちゃん……?」
「すいちゃん、このままついてくる?それとも引き返す?今ならまだ間に合うよ?」
「あずちゃん……?何言ってるの?間に合うって何?」
「すいちゃん……」
私は思わず聞き返してしまった、直感でここで引き返せば戻れるがみこち達にはもう会えないのがわかる、しかしこのまま進むと姉街に会えなくなる予感もする
私は……
「ごめんね、みこち、あずちゃん、私はまだそっちには行けないよ」
「すいちゃん……すいちゃんが選んだ事なら仕方ないにぇ……」
「すいちゃんと一緒にした約束が守れただけでも十分だよね」
「夏祭りを一緒に回れただけで十分だにぇ!!」
「そう……だね……」
「みこち…あずちゃん……」
「すいちゃん、一つだけ言いたいんだけど」
「何?あずちゃん」
「また一緒にステージに立てなくてごめんね?」
「な、何言ってるのさ!」
「もう、ステージには立てないけどさ、いつも見守ってるから」
「あずちゃん……」
「AZKiのこと忘れないでね?」
そう言ってあずちゃんは「みこち、後は任せていい?」と言って暗闇に消えていった
「みこち……」
「すいちゃん?」
「なに?」
「すいちゃん、夏祭りみこと回って楽しかった?」
「っ!楽しかったよ!!」
「なら……なら良かったにぇ!!」
みこちはそう言うと満面の笑顔をこちらに向けてきた
「みこち……」
「すいちゃん、みこち達は近くで見てるからこれからも頑張って欲しいにぇ!」
「みこち……無理だよ、頑張れないよ!」
「みこち達が居たから頑張れたんだよ!いきなり居なくなったと思ったら突然現れて!」
「すいちゃん……」
「みこちが居なくなって!どれだけ寂しかったと思ってるのさ!!もう離れ離れなんて嫌なんだよ!!」
「すいちゃん!!」
「すいちゃん…ごめんね……突然居なくなって……でもみこは近くで見てるから……すいちゃんが輝く姿を見てるから……」
「みこち……」
思わず涙が流れ、決壊した感情がとめどなく溢れてくる
「すいちゃんには涙は似合わないにぇ!笑顔が1番だにぇ!!」
「う、うんそうだね……」
「じゃあみこはここてさよならだにぇ」
「違うよ、みこち」
「にぇ?」
「また会えるからさよならじゃない、『またね』みこち」
「すいちゃん、また会おうにぇ!!」
「バイバイみこち」
「バイバイ!すいちゃん!」
そう言って私は来た道を引き返す、しばらく歩くと姉街が怒った風にこちらに寄ってきて聞いてきた
「全く!どこまでお花摘みに行ってきたのさ!」
「ははは……ちょっとね」
「何かいいことでもあった?」
姉街からそう聞かれ私は笑顔で返した
「ちょっと約束を守ってきた」
一応別ルートも考えてはいるのでもしかすると分岐ルートを投稿するかもしれません