ホロの短編集みたいな何か   作:味噌砺波

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今回死ネタになりますので苦手な方はブラウザバックよろしくお願いします


お嬢が人間様に「おかえりなさい」っていう話

「人間様~おかえりなさい!」

「ただいま、あやめ」

「お風呂沸いてるから先に入ってて!ご飯温めておくから!」

そう言ってパタパタと足音を立ててキッチンへ向かっていくあやめ、私の最愛の人だ

「人間様~準備出来た余!」

そう言ってテーブルの向かい側でニコニコしながら待っている彼女を見るとこちらまでニコニコしてしまう

仕事で辛いことがあっても

「人間様?余は分からないけどなにか辛いことがあった?」

そう言って膝枕をしながら「人間様は頑張り屋さんだね~だけどたまには余に頼ったり甘えてもいいんだよ?」

そう言って励ましてくれたりもしてくれる

そんな生活を続けて早4年仕事の都合でしばらく出張に行かなくてはならなくなった

向こうにあやめを連れていくことは出来ず、どう伝えようか悩んでいたある日帰宅すると

「人間様?なにか悩んでることがある?」

そう聞かれて出張の事を伝えると

「人間様としばらく会えなくなるのは寂しいけどまた一緒に過ごせるから大丈夫だ余!!」

そう言ってくれた、そして出張に向かう人朝

「人間様!行ってらっしゃい!」

そう言ってお守りと鞄を渡してくれた。

 

 

それから月日は流れ仕事が忙しくて直接会うことはなくても夜にビデオ通話をしたりで毎日のように声を聞いているとあっという間に来週には出張が終わる日にちになっていた。

それをあやめに伝えると

『人間様とやっと会えるね!』

そう言って笑顔で喜んでくれた

出張も無事に終わり新幹線のホームであやめへのお土産を持ってメッセージを送る

『○▲時位に帰るから』

そうメッセージを送り新幹線へ乗り込み出張の疲れからか座席に座るとすぐに睡魔がやってきた。

私は睡魔に身を任せ、意識を手放した、これが最期に見る光景だとは思わずに

 

人間様が出張から帰ってくる、そうメッセージで送られてきてウキウキで大好物を準備しながら帰ってくるのを待っているとリビングに飾ってある人間様との写真を入れたフォトフレームが「パキンッ」と音を立てて壊れてしまった

「なにか起きるのかな……?」

そんな事を思いながら準備をして後は盛り付けるだけまで終わり、そこまでやって人間様が帰ってくるまでテレビでも見ようかと思い電源を入れるとあるニュースがやっていた

新幹線が土砂崩れに巻き込まれ脱線、重軽傷者多数

そのニュースを見た途端不安になり人間様へメールで

『人間様?ニュースで新幹線が脱線したみたいだけど大丈夫だよね?』

そう送った、普段なら10分もしないうちに返事が帰ってくるのだが今日は10分所か1時間経ってもかえってこなかった。

きっとバッテリーが切れてるのだろうと思い人間様から送られてきた帰宅予想時間になっても人間様は帰ってこなかった、

結局その日は帰ってこず、そのまま朝まで待ってみたが人間様からの連絡は無く、ニュースを見ていると昨日の事故の続報が入ってきた

ニュースキャスターが語ったのは死者が出た事とその死者の名前だった

『亡くなったのは□▽市に住む○□さん▽○歳で~』

顔写真とともに名前が読み上げられた途端足元が崩れたような錯覚に陥った

 

 

それからしばらくして人間様の葬式がおこなわれ、火葬が終わり、人間様は小さな箱に収められた、その箱を持ってマンションに帰る、玄関を開け部屋に入るとあの日から時間が止まったままのリビングに新たに加わった人間様の仏壇が見えた、ふとまだ言ってなかったなと思い私はこう言った

「おかえりなさい、人間様」

そういった途端とめどなく涙が溢れてきてその日はそのまま人間様の箱と一緒に寝てしまった

その日から私は

「行ってきます」と「ただいま」を毎日人間様に言うようにしている、もう「行ってらっしゃい」や「おかえりなさい」と言うことはもう無いけれど、人間様と過ごした日々を思い出して、1人だけど人間様は見守ってくれていると信じて今日も生きていく

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