魔法科高校の後輩   作:パクチーダンス

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エスケープ編
第五十一話 何かが起こる予兆


 司波達也と十文字克人の戦いから数日後、イザヤは学校に登校する直前、緊急で流れてきたテレビニュースがふと目に入る。

 

『トーラス・シルバーは、国立魔法大学付属第一高校三年生、司波達也氏である。日本の方々よ。司波達也氏を説得してほしい』

 

七賢人と名乗る人物は、ディオーネ計画にトーラス・シルバーの参加を望んでいるという旨を話していた。声は加工されており、男か女か判断出来ない。だが問題は、トーラス・シルバーの正体が司波達也であると世間に公言した事だ。真偽を確かめるために、学校にメディアが押し寄せてくるだろう。そろそろ出ないと学校に間に合わない、イザヤはテレビを消して、家から出た。エレベーターで一階に降りて、フロアから外の道に出る。

 

「…………………」

 

見られている。自分を監視している人間がいる。これで隠れているつもりなのか。隠密魔法がお粗末だ。

 

(いつまで監視するつもりか分からないが、そろそろ鬱陶しくなって来たな)

 

そう思いながら、イザヤは学校へと足を進めるのだった。

 

 

 

 

 

 イザヤが校舎に入り、クラスに向かっていると、あちこちで生徒達の話し声が聞こえて来る。内容はもちろん、司波達也の事である。

 

「おはようございます、イザヤ君」

 

「ああ、おはよう」

 

泉美がクラスに入って来たイザヤを見ると、いち早く挨拶を交わした。イザヤが席につくと、泉美は椅子ごとイザヤの方へ近づけた。

 

「今朝のニュースはご覧になりました?」

 

「見たよ。大変な事になってるね、達也先輩は」

 

泉美に目を向けず、授業の用意をするイザヤ。他人事の様に話す。あの日以降、達也関しての興味が薄れていた。

 

「イザヤ君、何かありました?」

 

「……なんでそう思うんだい?」

 

泉美のその言葉で、イザヤの動きがピタリと止まった。そして泉美に顔を向ける。

 

「いえ、なんとなくですが………」

 

泉美は上手く説明できないようだ。だが、イザヤの心境の変化に気付いた様だ。

 

「泉美ちゃん、ごく偶に君が怖いと思う時があるよ」

 

「私が怖い?」

 

「僕は君に、心の中を覗かれている気分になる」

 

「それは………私が貴方のことをよく見ているからですかね」

 

恥ずかしがる事なく平然と言う泉美に、イザヤはフッと笑う。

 

「達也先輩では、僕に敗北を与える事ができないと分かったんだ」

 

イザヤの声には、失望と悲しみが含まれていた。達也では、自分が追い求めている人間になれない。

 

「期待しすぎた結果、退屈が押し寄せて来た。今の日本には、達也先輩ほどの魔法師はいない。今の日本にはね……………」

 

「イザヤ君………?」

 

いつのまにかイザヤの顔には、不気味な笑みが張り付いていた。泉美は背筋にひんやりとした空気が流れてきた。

 

「何を、考えているのですか……?」 

 

不安が押し寄せて来た。どこか含みのある言葉は何だろうか。恐る恐る泉美はイザヤに聞く。

 

「……………………」

 

イザヤは何も話さない。こちらを見ようともしない。イザヤの目は、ここでは無いどこかを見ていた。泉美はイザヤに触れようと手を伸ばすが、イザヤは立ち上がった。

 

「どこに行くんですか……?」

 

「図書館に行くよ。今は達也先輩も居ないしね」

 

「もう授業が始まりますよ」

 

「なんだか、めんどくさくなっちゃった」

 

イザヤは笑って泉美の横を通り過ぎて、教室から出て行こうとしている。イザヤの背中を泉美は見つめる。そして胸を押さえた。何か胸騒ぎがする。

 

「待ってください」

 

イザヤが廊下に出ると、泉美が後ろから声を掛けた。泉美は立ち上がり、イザヤに近づいてこう言った。

 

「私も一緒に行きます」

 

「……授業はどうするの?」

 

「私も、めんどくさくなってしまいました」

 

今のイザヤを一人にしてはいけない。泉美はそう感じた。イザヤが遠くに行ってしまいそうな気がしたからだ。

 

「泉美ちゃん、僕に構って良いの?一応、生徒会で先生から優等生として見られてるんじゃないの?」

 

「良いんですよ。ほら行きますよ」

 

そう言って泉美は、イザヤの手を掴んで図書館へと歩き出した。イザヤは泉美に連れられるまま歩く。

 

「………………」

 

イザヤは泉美に繋がれた手を見つめていた。そして優しく、泉美の手を握った。その時、泉美の身体が少し跳ねた。イザヤからは見えない角度で泉美は、嬉しそうに微笑んでいた。

 

 

 

 

 

 二限目が始まる前には、マスコミが学校に押し寄せて来ていて、正門が固められていた。放課後まであの状態だと下校はどうするのか、何らかの対応が必要だと深雪は考える。

 

「すごい人だかり………」

 

ほのかは教室の窓から正門をのぞいていた。そこにはカメラの機材を持っている者達の姿が。

 

「達也さんは居ないのにね」

 

後ろから雫が呆れた声を出した。当の達也は学校を謹慎している。ここに来ても無駄だろうに。

 

「警察を呼ぶ事になるのかな……?」

 

「それは先生方がお考えになるでしょう。私たちの一存では決められないわ」

 

ほのかの不安がる声に深雪が反応した。肩に手を当てて優しく微笑む。今は学校の職員に任せるとしよう。だが、もしこの状況が好転しなかったら………。

 

 

 

 

 

 イザヤと泉美は、図書館に設置されたテーブルを挟んで向かい合う様にしてそれぞれ本を読んでいた。今は本も電子書籍の時代だが、紙媒体ならではのページをめくる音が二人の世界を包み込む。だが泉美は、本の内容が頭に入ってこず、チラチラとイザヤ見つめていた。イザヤの本を読む姿が思ったよりも様になっていだからだ。肘をつき、片手で本を持ちながら、文字を目で追っている。

 

「僕を見てどうしたんだい?」

 

「………気づいていたんですか?」

 

「気づくさ、あれだけチラチラを見られたらね」

 

本から目を離して、泉美を見てフッと笑いかけた。

 

「本がつまらなかった?」

 

「いえ、そう言うわけでは………」

 

「本はね、本はね、ただ文字を読むんじゃないだ。自分の感覚を調整するためのツールでもある」

 

「感覚を調整?」

 

首を傾げる泉美にイザヤは言葉を続ける。

 

「調子の悪い時に本の内容が頭に入ってこないことがあるだろう?そういう時は、何が読書の邪魔をしているか考えるんだ。逆に、調子が悪い時でもスラスラと内容が入ってくる本もある。何故そうなのか考える。精神的な調律、チューニングみたいなものかな」

 

イザヤはそう言うと、パタンと本を閉じて立ち上がった。

 

「そろそろお昼の時間だ、食堂に行こうか」

 

「はい……」

 

イザヤと泉美は読んでいた本を元の棚に返して、図書館を出た。並んで歩くイザヤの横顔は、つまらなそうな顔をしている。すると、午前授業が終わるチャイムが鳴る。腹を空かせた若者達が食堂へと集まって来る時間だ。一足先に食堂に辿り着いたイザヤと泉美は、テーブルを確保し、食券を買いに行く。

 

「イザヤ君、今週のオススメはカレーオムライスらしいですよ」

 

「面白い組み合わせだね、それにしよ」

 

二人は受け取った料理をトレーに載せ、テーブルに戻って来る頃には、学生達が食堂にゾロゾロと入って来た。その中には、

 

「おーい、泉美」

 

香澄が水波を連れて現れた。

 

「一緒に座ってもいいよね?」

 

「構いませんよ」

 

「………………」

 

泉美に対して了承を取る香澄の一歩後ろで、イザヤをチラチラと見つめていたのは水波。伊豆の別荘での一件があったので、一緒に座るのは気まずい。

 

「水波さんどうしたの?」

 

「いえ……何でもありません」

 

「そう?じゃあ食券を買いに行こうか」

 

香澄は水波を連れて食券を買いに行く。水波は香澄の後ろをついて行きながらも、後ろを向き、チラチラとイザヤを見ていた。その様子を泉美はしっかりと確認していた。

 

「イザヤ君、先程から水波さんが貴方を見ているのですが……」

 

「放っておいて良いよ」

 

イザヤはそう言い、料理に手をつけた。

 

「ふーん、悪くないね」

 

香澄と水波が戻って来る頃には、イザヤは料理を食べ終えていた。それは美味しかったに違いない。「素直じゃないな」と泉美は一人微笑んだ。

 

 

 

 

 

 そろそろ下校の時間が近づいて来た。だが午前と変わらず、正門にはマスコミが固まって塞いでいた。

 

「強行突破という訳にはいかないよね」

 

「香澄ちゃん、物騒な事言わないでください」

 

力ずくでならマスコミを蹴散らすのは簡単だ。だがその結果、一般人に暴力を振るったとして、犯罪者として社会からはじき出される。

 

「あっ、深雪先輩」

 

校舎から出てきた深雪に気づいて、泉美は香澄との会話を中断した。歩いて来る深雪の後ろには水波もいた。

 

「深雪先輩、どうでした?」

 

「残念だけど、校長先生は警察の介入を避けるつもりのようです」

 

それは、学校としてマスコミに対処するつもりがないという事を意味していた。

 

「じゃあ、大人しくマスコミに捕まるしかないんですか?」

 

詩奈が泣きそうな表情で深雪に不安を訴える。

 

「マスコミの人たちも、手荒な真似はしないと思うけど……」

 

自信なさげに深雪は答えた。マスコミの中に、反魔法師主義の人間がいるかもしれないからだ。

 

「深雪」

 

近づいて来たほのかが深雪に声を掛けた。ほのかの背後には雫と幹比古が続いている。

 

「ほのか、通用門はどうだった?」

 

「ダメ。大勢待ち伏せしていて素通りはできない」

 

「会長」

 

ほのかたちとは反対側から、部活練会頭の五十嵐、十三束、琢磨が、それに関係のない侍郎が走って来た。

 

「全クラブに部活動の中止を通達しました。いつでも帰れる状態で待機させています」

 

五十嵐の報告に深雪は「ご苦労様です」と伝えた。さてどうするか、全員で一斉に下校するにしても、何人かはマスコミに捕まってしまう。犠牲が出る方法は現実的ではない。

 

「まだ帰れないんですか?」

 

「イザヤ君……」

 

校舎から歩いて来たのは折紙イザヤ。教室で待っているのも暇なので、荷物を持って出て来たのだ。

 

「深雪先輩、方法が思いつかないのであれば、僕が提案しましょうか?」

 

「何か策があると?」

 

「部活動の男子を総動員させて人間の壁を作れば良いんですよ」

 

イザヤの提案に雫はいい案だと思ったが、深雪はすぐに否定した。

 

「男子生徒を人間の盾にする事はできません。それは男女差別ですよ、イザヤ君」

 

「いい案だと思ったんだけどな………」

 

「イザヤ君、どうか何もしないで下さいね。泉美ちゃん、雫、詩奈ちゃん、イザヤ君が悪さしないように捕まえていて」

 

「「わかりました」」「わかった」

 

そう言うと三人は、イザヤの左腕を泉美が、右腕を雫が、腰を詩奈がそれぞれ捕まえて離さない。

 

「動けないんだけど………」

 

「詩奈ちゃん、さらっと後ろからイザヤ君に抱きついてますね」

 

「策士」

 

「自分でやってて少し恥ずかしいです………」

 

詩奈が顔を赤らめているのを、泉美と雫は半目で睨み付ける。こんな時に何やってるんだと、ほのかや香澄は親友、妹にため息をつく。

 

「では深雪先輩、一体どうするんですか?」

 

身動きが取れないながらも、イザヤは深雪に話し掛ける。他の者も、深雪に視線を向ける。皆の視線を受けて、深雪は「仕方が無い」とため息を吐くような表情を浮かべた。

 

「……私が話します」

 

「深雪先輩がですが!?」

 

泉美が悲鳴混じりの驚きの声を上げた。

 

「ええ、マスコミの皆さんに、帰ってもらうよう話します」

 

「それは危険です!」「ダメだよ」

 

「私も本当は嫌だけど、このまま何もしない訳にはいかないでしょう?私は生徒会長だから」

 

そう自分に言い聞かせて、深雪は雫と泉美の反対を押し切る。そして、マスコミ達の方へ歩こうとした時、

 

「フッ、深雪先輩、それは悪手だな」

 

後ろから、自分を馬鹿にしたようなイザヤの声が聞こえた。深雪はすぐに足を止め、イザヤに顔を向ける。

 

「どう言うことかしら?」

 

内心、イザヤに腹を立てているが平然と振る舞う。

 

「深雪先輩と達也先輩は婚約者です」

 

「そうね。だからこそという面もあるわ」

 

「だからですよ。深雪先輩が達也先輩の元妹で、婚約者である事はマスコミも調べればすぐに分かることだ。貴方も分かっているでしょう?それが普通ではないことが」

 

実際は妹ではなく従姉妹であったが、ずっと妹として過ごしていた人間と結婚するなんて普通ではない。イザヤの言葉に、深雪は明らかに気分を害した顔をしている。そしてイザヤを軽く睨みつける。自分と達也の婚約にケチをつけられたのだ。

 

「それは……私達が魔法師全体のイメージダウンに繋がるとでも言いたいの?」

 

「そうですね、言ってあげましょうか?僕、そういうのとても気持ち悪いです」

 

「イザヤ君!」

 

泉美がイザヤを非難の声をあげる。気持ち悪い、そう言った瞬間、深雪から放たれたのは全てを凍らせる絶対零度の冷気。深雪を中心にして全てを凍らせていく。今の言葉は、流石に我慢ならなかった。深雪は怒りを露わにした。

 

「深雪様!落ち着いて下さい!」

 

「深雪!」

 

側にいた水波やほのかが深雪に声を掛けるが、深雪はイザヤを睨んでいた。そして一歩ずつ足がイザヤに近づいて行く。イザヤにくっ付いていた三人は、近づいて来る深雪に怯えて、完全にイザヤに密着していた。

 

「怒りましたか?深雪先輩」

 

深雪はイザヤの目と鼻の先まで近づいて足を止めた。冷気がイザヤを包み込むが、イザヤは平然としている。イザヤの周りだけ冷気が届いていなかった。

 

「イザヤ君………」

 

これほど、誰かに怒りを向けた事は無いぐらいに自分が怒っているのを自覚していた。そして、後輩の戯言でいちいち感情を揺さぶられる自分の未熟さを責めていた。深雪はその場で深呼吸した。そして口を開く。

 

「イザヤ君、貴方の言うとおりです。私と達也様に対して、口では言わないものの、そう思っている者も少なからずいるでしょう。そしてこれから、その声が聞こえて来るようになるでしょう。だからもう、それで心を乱されるのは今ので終わりです」

 

深雪はイザヤに睨むのではなく、決意した瞳をイザヤに向けた。

 

「イザヤ君、以前貴方は言いましたね?私を達也様のただの人形だと。その言葉、撤回させてあげるわ。私は後ろをついて行くだけじゃ無い。達也様の隣に並び、支える人間でありたい。貴方に、それを見せてあげるわ」

 

深雪の変化にイザヤは口角を上げた。

 

「へぇー、深雪先輩、ようやく貴方が面白いと思ってきましたよ」

 

深雪の宣誓、イザヤは今までの評価を改める事にした。出会ってから一年と少し、ようやく深雪を認める事にした。

 

「だけどさっきの言葉、私とても傷ついたわ。避ける事は許さないわ。イザヤ君、歯を食いしばりなさい」

 

深雪は右手を大きく振りかぶった。そしてイザヤの左頬を思いっきりぶっ叩いた。バチンッと大きな音が響いた。イザヤは深雪の手を避けなかった。イザヤの頬には、赤く腫れていた。

 

「痛ったーー」

 

「それで許してあげるわ」

 

深雪はニコッと微笑み、スカッとさせた。通常の深雪に戻った事に、一同はホッとした。その時、マスコミがザワザワとしだしたのを、皆が気付いた。

 

「まさか……!?」

 

深雪は何か感じ取ったとだろう。皆を置いて正門に走り出した。

 

「深雪!待って!」

 

ほのかや幹比古、他の皆が深雪を追いかけて走り出す。その場まで立ち尽くしているイザヤは、まだ深雪から受けたビンタの痛みに顔を歪ませていた。

 

「自業自得ですよ、イザヤ君」

 

「クズ」

 

「あれは無いと思いますよ……」

 

「……………」

 

イザヤを非難する三人の女性の言葉を、何も言わずに受け入れる。

 

「達也様!?」

 

マスコミの前に現れたのは司波達也であった。これには驚きを隠さなかった。何故マスコミの前に姿を現したのか。マスコミ側も、まさか本人が登場して来るとは思いもよらなかった様子だ。

 

「ディオーネ計画に参加するつもりはありますか!?」

 

「貴方はトーラス・シルバーなんですか!?」

 

「…………」

 

取り囲む記者達の質問に達也は答えない。だが、ここにきたのには訳がある。深雪と水波を迎えにきた。そして、

 

「金曜日にFLT本社でトーラス・シルバーの記者会見が行われます。疑問があれば、その席でお訊ねください!」

 

その声は、この場にいる全員の耳に届いた。そして、達也は学校の敷地に入り、深雪と水波を連れて車を走らせたのだった。その後、記者達はその場から退散した。記者会見への準備に急ぐのだろう。正門前や通用門には、人だかりが無くなった。これでやっと下校できる。

 

「三人とも、もう離れてもいいよ」

 

いつまでもくっ付いている女性陣に「早く離れろ」というニュアンスで声をかける。

 

「イザヤ君、もうお帰りになるのですか?」

 

「今日はちょっと早く帰らないといけないからさ」

 

「何処に行くのですか?」

 

「いや、家に帰るだけだけど……」

 

「怪しい……」「「………」」

 

雫の女の勘が働く。雫以外の二人も何かやましい事があるんじゃないかと考えた。

 

「ねぇイザヤ、私も家に行ってもいい?」

 

「え?何でですか?」

 

「前からイザヤがどんな家に住んでいるのか気になってたから」

 

「今日じゃなくてもいいと思うのですが………」

 

「いや、今日がいい。今日にする」

 

自分の意見を押し倒す雫に、イザヤは困った顔をする。家に帰ったら、絶対に夕歌があるからだ。もう毎日、イザヤの家に足を運んでいる。

 

「わ、私も気になります!」

 

「私は一回行った事がありますけど、また行きたいですね」

 

後ろで手を挙げる詩奈と、イザヤの家に入った事があると何故かアピールする泉美。

 

「ええ…………まあ、いっか」

 

イザヤには本当にやましい事は無い。ただ夕歌の研究の協力の為に議論を交わすためだ。夕歌の事で何か言われるかもしれないが、姉と言って乗り切ろうと思った。いや、無理だけど………。

 

(夕歌さん、きっと驚くだろうなー)

 

かくして、イザヤは泉美、雫、詩奈を連れて家に帰る事になった。家に着いた時、夕歌がどんな表情をするのか少し楽しみになった。

 

 

 

 

 

 

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