尾獣とは力の塊であり、そして六道仙人に作られし生き物だ。
これは尾獣の一人である、この儂、九喇嘛も理解していることだ。
だがしかしこの世界には一つおかしなことがあった。
それは…尾獣どもが性的な目で人柱力を見ていると言うことだ。
何をバカなことを言うかと思うが、他の尾獣どもは揃いも揃って人柱力にお熱で、重度変態行為中毒者
揃いなのだ。
いやワシは断じて違う!あくまでナルトと合意の上でやってることだ。
そう、ナルトとあれをやったのはその昔…
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グググ…グググ…
手に体重がかかるように体を傾けていく。そして手の下にあるものには優に数万トン以上の力がかかる、はずだ。
だが床にめり込むほどの体重をものともせずにケロッとしている。正直信じられない気持ちだ。
確かにこれができるのを望んだのは儂だがな…
手の下にいるのは、現在の人柱力、うずまきナルトだ。
わしの力を、欲望を、情愛を、ためらわずに思うがままぶつけても、平気な顔をしていられる。
少なくとも体の方は六道仙人にも匹敵するほどだろう。
「九喇嘛、もしかして太った?」
「……なんだ?藪から棒に…。尾獣でも太ることはあるだろう」
「…そっか…尾獣も太るのなんか凄いってばよ」
「ワシの全体重載せても潰れないお前の体の方が、ワシは凄いと思うぞ」
「えー、謙遜すんなってばよ、九喇嘛」
「………(本気で思うんだがな)」
思い返せば思春期のころ、体中がムズムズして動きたくてたまらなかった頃に六道のじじいに付き合ってもらったりしたのを思い出す。その頃やったことと言えば、モグラたたきチャレンジが一番多かった気がする。
少し大きくなった体から繰り出される拳は山一つを簡単に消し飛ばす。
じじいは小さい体でその拳を避け、しかしまともに喰らっても傷一つなかった。その顔はいつも何か、笑ってた気がする。
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正直そんな人間はじじいくらいだと思っていた。だから、今の人柱力をそれができるまでに鍛え上げた。だがここまでできるとは…まさかだった。
今となっては踏みつけ、握りつぶし、そして喰って歯で噛み砕いても傷一つつかぬ。おおよそこれ以上は望めないほど鍛えられた体が眩しく見える。
手をほどいて圧縮から解放された見上げてくる金髪には、これ以上ない安心感があるだろう。
だがしかし、まだ言っておくことがある。
「…なんだよ、今日のプレイは終わりかってばよ? …九喇嘛?」
その体をむんずと掴み顔に近づける。
「!???」少しビビった顔が心地いいが、それは今はいいだろう。
「よく聞けナルト…お前が会いたいという他の尾獣どもは、どいつもこいつもクソ変態SMプレイ好きのヒトナー揃いだ。ワシのプレイなど初心者レベルの、重度変態行為中毒者だ。お前はそれでもそいつらに会いたいっていうのか?」
それにナルトは少し顔を埋めた後、こう答えた。
「…尾獣がそういうのが好きなのは、そいつらそれぞれにちゃんと理由があるんだろ? 知ろうとしなきゃ、会わなきゃそんなこと分からない。
オレの父ちゃんだって、それが知りたかったからお前とやったんだろ?」
「…そうだ」
「だったら、火影になるためならそれくらいやらなきゃ。みんなに知らせて、それができたら、きっとみんな尾獣のこと分かるってばよ」
「…ああ…そうだな…」
頑丈な体に裏打ちされた自信ではあるが、それが言える眩しい太陽に、付いて行こうと思った。