スーパーロボット大戦OG 魔神伝   作:”蒼龍”

1 / 69
皆様こんにちは、作者の”蒼龍”と言います。
本作はスーパーロボット大戦OGの熱が再燃した作者がスーパーロボット大戦OGの二次創作を投稿しようと思い立った作品です。
なお、単純な二次創作を投稿しようとは考えなかった為にクロスオーバーが発生しました。
これも全部クロスゲートの所為にすれば…と考えましたが、それだけではちょっとアレなので一捻り入れました。
その一捻りについてはこのプロローグとも言うべき1話目から分かると思います。
では、長々と前書きを書くのもアレなので本編へどうぞ!


OG1 ディバイン・ウォーズ:DC戦争編
第1話『目覚める魔神達(前編)』


 新西暦と呼ばれる時代。

 

 人類が宇宙に本格的に進出してから約2世紀が経過していたが、人々の生活は21世紀の初頭とさほど変化が無かった。

 

 それは旧西暦時代に地球に落下した2つの隕石による被害と混乱のため、人類の進化が一時的に停滞したためだった。

 

 そして新西暦179年。アイドネウス島に3つ目の隕石である「メテオ3」が落下した。

 

 メテオ3の調査を行った「ビアン・ゾルダーク博士」はそれが人工物であり、何者かの意志によって地球に落とされた物であると確信した。

 

 何故ならメテオ3は、L5宙域に突如出現した後、地球へと落下……しかも落下前に減速していた事が判明したからである。

 また、メテオ3の内部には他者によって閲覧されることを前提とした状態で、人類にとって未知の物質と技術情報が封入されていた。

 

 それらはエクストラ・オーバー・テクノロジー……「EOT」と呼称され、地球連邦政府上層部の面々で構成された「EOT特別審議会」とビアンが責任者を務める「EOTI機関」の厳重な情報管理の下、更なる調査が進められた。

 

 そして、何者か……すなわち地球外知的生命体が使用していると思われる全長10メートル以上の有間接機動兵器のデータが発見された時点で、ビアンは彼らに強い警戒心を抱いた。

 

 ビアンは、地球外知的生命体がEOTを人類へ提供した目的を推測し、それが達成されるまでの過程に侵略行動が組み込まれている可能性が高いと判断した。

 

 また、彼は地球外知的生命体……コードネーム「エアロゲイター」による侵略の危機を連邦政府や連邦軍に訴えた。

 事態を重く見たノーマン・スレイ少将は、地球圏防衛計画を提唱。

 エアロゲイターに対抗しえる人型機動兵器「パーソナルトルーパー」の開発が開始されることになった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これが、本来のこの世界の流れだ。

だが足りない、この世界には変数、因果、様々な呼び名のそれが足りないのだ。

本来、我はこの世界に介入する事が叶わないのだが………この世界には偶然我を、魔神を駆りその力で神にも悪魔にもなれる男と、我の器たる魔神を造りし者が居る。

ならば我は因果を紡ごう………この世界に、より可能性の光を導く為に、『兜甲児』が生きる世界の未来を見る為に………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やぁ、俺の名前は『コウジ・カブト』。

 君と同じ、何の変わりもない普通の少年だ。

 でも、君がある日突然、人間以上の力を持ったら、君はそれをどう使う? 

 その力で、世界を滅ぼす悪魔になるか? それとも、世界を救う英雄になるか? 

 俺、コウジ・カブトはその恐ろしい力をある日突然貰い受けてしまうのです。

 そしてその力とは…。

 恐るべき戦闘能力を秘めた戦闘ロボット…その名も………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───日本・熱海市───

 

 

 

 

「お~い甲児〜、朝じゃぞ〜! 

 早く起きんか〜い!」

 

「………ふ、ふわぁ………むにゃむにゃ………何か夢を見た気がするけど………気の所為だったかな………。

 ふっ、う~ん………分かったよお爺ちゃん!」

 

 新西暦186年某月某日の日本、静岡県の熱海市。

 その街並みが見渡せる別荘地としても有名な山道付近の住宅群の一角にて、『コウジ・カブト』は祖父である『ジュウゾウ・カブト』の声で身体を起こし、寝間着から私服とエプロンに着替えて1階へと降りていた。

 更に洗顔、歯磨きを軽く終えると直ぐに朝食の用意を始めていた。

 因みに今日はトースターで焼いた食パンとスクランブルエッグとこんがり焼けたベーコンの日なので居間には油と肉汁の香ばしい匂いが漂っていた。

 

「ふぁ~、おはようアニキ」

 

「おはようシロー。

 ご飯はもう直ぐ出来るから早く顔洗って歯を磨いてお爺ちゃんと一緒に食べようぜ」

 

「は~い」

 

 更に2階の別室からコウジの弟である『シロー・カブト』が起床し、コウジの様に洗面台で顔を洗い始めていた。

 カブト家は祖父のジュウゾウが新型エネルギーである『光子力エネルギー』を富士山の地下にある『ジャパニウム鉱石』から創り出し、研究を重ねた結果3度の隕石落下によって宇宙に進出し始めてから遅々として進まなかった技術革新のチャンスを生み出すと試算され地球連邦政府から光子力研究所及び光子力の特許と研究の資金援助を受けた事で巨万の富を得ていた。

 が、コウジ達は別に贅沢な暮らしは求めていない平凡な一家だった為持ち家も食卓も一般家庭と大差無かったりする。

 

「おはようコウジ、シロー! 

 おお〜良い匂いがするのう! 

 今日もご飯を食べてワシは元気に研究に打ち込めるわい!」

 

「おはようお爺ちゃん! 

 光子力の研究は順調?」

 

「おう順調だとも! 

 何せ助手の『ゲンノスケ』も息子の『ケンゾウ』や嫁の『ツバサ』夫妻も献身的に手伝ってくれとるからな! 

 このまま行けば世界初の光子力発電所も作れて世界は化石燃料から完全解放されより進歩する事じゃろうな~!! 

 な〜はっはっはっはっはっ!!!」

 

 更にカブト家の地下施設にある研究区画………関係者以外立ち入り禁止エリアから何処からどう見ても悪人面のマッドサイエンティストであり、光子力の権威たる老人ジュウゾウ博士が老体とは思えぬ様な機敏さと元気振りを見せながら日課となってる高笑いを上げていた。

 助手の『ゲンノスケ・ユミ』や自身の次に天才と認める『ケンゾウ・カブト』、その妻であり元考古学者兼現温泉宿くろがね屋の女将である『ツバサ・カブト』もリモート通信や直接出向き研究の補助をしているのでコウジは祖父の言う通り研究が盤石に進めば世界の発電燃料は光子力が握るだろうと考えていた。

 何せエネルギー効率や発電量が従来の原子力発電や化石燃料発電、自然発電を上回り、且つ光子力は通信機としても使えると言う研究結果も生み出し、新生歴以前に起きた『ネットワーク・インフェルノ』による情報産業の停滞にも終止符を打ちつつより飛躍するだろう。

 更にはエンジンとして使用すればテスラ・ドライブと比肩、或いはそれ以上の航行能力を飛行機や戦艦等に与えると試算されているのだ。

 

「やっぱりお爺ちゃんは凄いよ」

 

「なっはっはっは、もっと褒めて構わんぞコウジ!」

 

 まだまだ学生の身であるコウジには朧気にしか分からぬが、それでも世界に与える影響は大きいだろうと言うのは理解出来てるのでそんな夢の様な、しかし実現に迫る研究が完成する日が孫として待ち遠しくもあるのだ。

 そんな祖父達を食事等で支えるのもコウジの役目なのだ。

 

「あ、お爺ちゃんおはよう!! 

 アニキの朝ごはんも出来たし、一緒に食べようよ!!」

 

「おお〜おはようシロー! 

 ささコウジ、早速朝食を摂るぞい!」

 

「はいはい、ご飯は逃げも隠れもしないよっと!」

 

 そうしてコウジは朝ご飯をテーブルに並べ、3人は仲良くいただきますと声を出してから食べ始めていた。

 ジュウゾウはこんな悪人面ではあるが家族愛が強く、特に孫であるコウジとシローは目に入れても痛くない位可愛く、そして愛おしき存在なのだ。

 ジュウゾウが日夜光子力の研究を続けているのもコウジ達の明るい未来を文字通り光で照らしたいが為に狂気的に没頭しているに過ぎないのだ。

 ケンゾウ達もそれが分かってる故にその後ろを付いて来ている、コウジとシローも当然ながらそんな祖父の愛を理解してるのでお爺ちゃん子として育ったのだ。

 そんなこんなでカブト家は今日も平和である………但し、この平和があくまでも仮初めの物である、と言う前提がある事は一般人のコウジもシローもまだ知らなかった………。

 

 

 

 

 

 

───日本・地球連邦軍極東方面支部・伊豆基地───

 

 

 

 

「………では、『ATX計画』も順調なのですな、『グレッグ』少将?」

 

『はい、『レイカー』准将。

 先のビルトラプター墜落事故後に送られたテストパイロットはコードネーム:アルトに近日中に搭乗予定です。

 更に元教導隊の『ゼンガー・ゾンボルト』少佐の指導の下、ただの一兵卒を抜けて地球圏を守る剣の1つとなるでしょう』

 

 日本にある地球連邦軍極東方面支部伊豆基地にて、司令官の『レイカー・ランドルフ』准将はラングレー基地司令官にして盟友でありの『グレッグ・パストラル』少将と通信を行い、両基地で進めている来たる異星人侵略から地球圏を防衛する為の新型兵器開発計画である『SRX計画』と『ATX計画』等の進捗具合を確認し合っていた。

 異星人による侵略………これは新西暦179年に起きた外宇宙探査航行艦ヒリュウが冥王星外宙域にて謎の機動兵器群に襲われ撤退を余儀無くされた事案、更に同年に南太平洋マーケザス諸島のアイドネウス島に第3の隕石メテオ3が落下し、その内部から異星人『エアロゲイター』の機動兵器データやEOTの発見から決定的となり地球圏の市民には伏せられているが、確実に目の前に差し迫った事態である。

 それを阻止し、地球圏を防衛する為にレイカー准将やグレッグ少将達抗戦派は新型兵器開発を進めているのだ。

 

『して、SRX計画の方は?』

 

「漸く3人のパイロットが揃った所ですな。

 今は『イングラム・プリスケン』少佐の下、新入りの3人目を叩き上げて居るところでしてな。

 筋は良いので間違い無く地球圏防衛の要となるでしょう。

 Rシリーズも開発を進め、1号機がロールアウト間近です」

 

『うむ………しかし、順調と思える時程足下を掬われかねんとも言う。

 事は慎重に進めて行くぞ、我々の後ろには無辜の市民達の命があるのだからな』

 

「分かっておりますとも。

 では互いに出来得る事を尽くしましょう」

 

【ピッ】

 

 それから通信を終え、レイカー准将はほんの少し溜め息を吐くと幾つも思案していた。

 新型兵器とそのパイロットの擁立、抗戦派の対立派閥たる対異星人降伏派の政治的、軍事的妨害工作、更には………恐らくこんな地球圏の状況を嘆いているEOTI機関総裁たる『ビアン・ゾルダーク』博士の動向etc…。

 地球圏防衛の為に考えるべき事が余りにも多過ぎるが故に頭を悩ませては居るが、立ち止まる訳には行かずやれる事をやるだけなのだ。

 

「【シューン!】失礼します、『ショウタ・ヘビクラ』中佐及び『ガイ・クレナイ』少佐、只今現着しました!」

 

「うむ、来てくれたかヘビクラ中佐。

 対異星人降伏派の妨害工作もある中、元特殊戦技教導隊の一員である君が来てくれた事は喜ばしいよ」

 

「この2人がショウタ・ヘビクラ中佐とガイ・クレナイ少佐………あの教導隊の一員にして現在は対異星人及び対『ビースト』・『怪獣』用特殊部隊『ストレイジ』の隊長と副隊長………」

 

 其処にレイカー准将により予てから打診されていた対異星人及び対ビースト・怪獣用特殊部隊の隊長たるショウタ・ヘビクラ中佐とガイ・クレナイ少佐が敬礼と共に司令室へと入室し、レイカー准将と腹心である『サカエ・タカナカ』中佐は2人を歓迎する様に握手を求め、ヘビクラ達は無論拒む理由も無く握手を交わした。

 対異星人及び対ビースト・怪獣用部隊………この世界にはメテオ3が落下して間も無く謎の生物である『スペースビースト』と呼ばれる、人間の恐怖心を糧にする化物や、それを呼び水に太古の昔に伝説上の生き物として文献に遺されていた『怪獣』が出現したのだ。

 地球連邦軍の機動兵器であるPTや戦闘機、更に開発を進めている特機………『スーパーロボット』と呼ばれる機体を以て対処すべき存在が居り、差し迫るエアロゲイターの侵略と同等の危機を地球圏は迎えているのだ。

 ストレイジはその怪獣やビーストを対処する為、またビーストや怪獣の出現と同時に現れたコードネーム『タイプ:U』と言う巨人達の調査を任務として新西暦183年に結成され日夜世界中を奔走していたのだ。

 それが今回伊豆基地に出向された理由はSRX計画等との連携と言うのが表向きの理由であった。

 

「我々が此処へ来た理由は既に伺っております。

 私達もまた地球連邦軍の士官、無辜の市民の命を守る事はこの軍服に誓った身です。

 それはレイカー准将達の持つ責務と衝突せず、また同じ軍の一員として協力する所存です」

 

「うむ、協力に感謝するよ。

 まぁ、その腹の中はまだまだ明かされてない様子ではあるが…地球圏を脅かす物ではないと信じてるよ」

 

「………」

 

 ショウタとレイカー准将は短く言葉を交わすと、どうやらレイカー准将はショウタ・ヘビクラと言う男は何か腹に一物あると考えてるらしく軽く牽制して来ていた。

 が、ヘビクラはそんな軽い牽制は何処吹く風であり何時も通りの様子を見せて取り敢えず敵ではないと言う雰囲気だけは出していた。

 それを横で見ているクレナイは言われてるぞと言わんばかりの視線を向けていたが、この視線に気付けたのはレイカー准将とヘビクラ本人のみであった。

 

「まぁ、小難しい事は抜きにして我々にスペースビーストの対処のノウハウを授けてくれると有り難い。

 あの怪物は…既にサンプルの思考波チェックの結果が示す通りこの地球上、いや全宇宙規模であってはならない生物である………君達の様な専門家の力と知識は代え難いが故に重宝したいのだよ」

 

「勿論その要望にお応え致します。

 その為に我々はやって来たのですから」

 

 しかし、そんなヘビクラをレイカー准将は拒絶せず受け入れていた。

 それは言葉通り怪獣よりも………スペースビーストと言う醜悪な存在が齎す災害を地球連邦軍内にて誰よりも………それこそヘビクラやクレナイと言った面々以外で抗戦派や異星人降伏派の両者に、この存在の危険性をビアン・ゾルダーク博士と共に論じて来た者としての度量であった。

 そんなレイカー准将の様な存在が居る地球連邦軍に従う価値はある、ショウタ・ヘビクラはそう考えながら隣りに居るガイと共にまた今日もスペースビースト対策を積極的に行っていくのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───日本・カブト家地下研究区画───

 

 

 

 コウジ達が学校に登校した後、ジュウゾウ博士は研究区画………その最奥のトップシークレットエリアに潜り『ある物』の最終調整に移っていた。

 

「光子力エンジン始動………出力75………89………98………100………よし、遂に本体が完成したぞ………ワシの傑作、ワシの成果たる『Z』が。

 ケンゾウよ、お前の方はどうだ?」

 

『此方も『G』の最終調整は終了しました。

『テツヤ』もエネルガー時代の物から更新し、何時でも出られます。

 ………しかし、Zのパイロットは………』

 

「………ワシがまだコイツに乗れる体力があるならば乗る所じゃが………こんな老体ではコイツを造り、傷付けば直すのがやっとじゃ。

 ………矢張り、ワシは地獄に落ちるべき男じゃろうな………」

 

 ジュウゾウ博士は息子のケンゾウ博士と通信しながらある物………ZとGについて語り合い、何方も完成はしたとしていた。

 が、Zの方はパイロット………乗り手がまだ見つかっていなかった。

 そして、ジュウゾウ博士達はZについてある事を考えており………それがジュウゾウ博士の心を痛め付けていた。

 何故ならば、この『魔神』を孫………コウジに押し付けてしまうと考えているからだ。

 コウジもまたカブトの人間、光子力や魔神からは離れられない運命にあるとしても………矢張り可愛い孫にこんな物を、世界の命運すら変え得る力を押し付けるのは血の繋がった家族として見ても最悪であり、何より何も知らないコウジに押し付けるのだから良心が痛まない訳が無いのだ。

 しかし自分にはコレは扱えない、そんな体力がない老体である………ジュウゾウ博士はZが完成に近付く度に、コウジの知らない所で罪悪感と自己嫌悪に陥っていたのだ。

 

『しかし、ZもGもこれからの世界には必要な力です。

 エアロゲイターやビーストと言った厄災から護るべき物を護る為にも………』

 

「………分かっておる、じゃからこそワシはコイツをより完璧に仕上げる必要があったのだ。

 ジェットスクランダーはまだ完成していないが、必ずやワシの手で完成させる、それがワシが孫達に出来る贖罪じゃ」

 

 しかしケンゾウ博士は既に腹を括り、コウジがこれから先の未来でこの魔神を駆る事を容認しつつ鍛え上げようと考えていた。

 未来は己の手で掴まねばならないと、この世界に生まれて落ちた人間には何れ背負う使命が存在する。

 ジュウゾウ博士もまたそんな避けられない現実と向き合いながら、Zをより完璧に仕上げて孫達の命を護ろうと決意していた。

 そう、これも全てエアロゲイターやスペースビースト、怪獣と言った脅威があるこの世界で生き抜く為に必要な事なのだ。

 それをジュウゾウ博士は良く知っている、だからこそZの開発は止めなかったのだ………。

 

【ビュン、ビュン、ビュン、ビュン!!!!】

 

「むっ、こ、これは!!」

 

 その時、地下研究区画の第1種警戒アラートが鳴り響きモニターに地球の衛星軌道上から熱海市へと一直線に降下して来る物をカブト家私有の衛星が捉えた! 

 第1種警戒アラート………それは、エアロゲイターの機動兵器がこの街へ来た事を知らせる、日常が崩れ去る警報なのだ…!! 

 

 

 

 

 

 

第1話『目覚める魔神達』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 正午、コウジは学校の屋上で昼食を食べながら海を見ていた。

 何時ものルーティン、何時もの光景、何時もの日常。

 それらはコウジにとって代え難い物ではある………が、コウジは知っている、この地球は異星人に狙われていると。

 ある日の夜、ジュウゾウ達を夕食で呼びに行こうと地下研究区画に赴いた所で父ケンゾウと母ツバサ、祖父ジュウゾウ博士がEOTI機関のビアン・ゾルダーク博士との通信会話をしており、それを偶然聞いてしまったのだ。

 この世界はただでさえ怪獣と言う脅威的な生物が居る上に、都市伝説として人を襲う怪物もまことしやかに囁かれている中で異星人が来ると言う………そしてこの世界の平和は、氷上の上所か最早仮初めと呼ぶに相応しく、脆くも崩れる事は決定的だったのだ。

 しかし、コウジには力も知識も無い。

 だからこそジュウゾウ達を支える位しか出来ないのだ………が、それでも歯痒く思い、燻る日々を送っていたのである。

 

「………もしも、もしも俺に力があれば………お爺ちゃんやシロー達を護れる力があるなら………俺は………」

 

 ふと、コウジは空を見ながら己の中の燻りを口にしていた。

 それで何かが変わる訳でも無いのに、何故か口にしなければならないと感じたのだ………その時、空から光る何かが地上に向かって来ている事をコウジは目にする! 

 その10秒後、空から虫を思わせる青い謎の機械兵器群が飛来した!! 

 

「な、何だアレは!? 

 パーソナルトルーパーでも戦闘機でも無い………ま、まさか、アレが異星人の兵器、なのか!?」

 

 コウジは持てる知識の中から該当する物が無く、また地球の兵器とはデザインが違う事から直感的にアレこそが異星人………エアロゲイターの兵器だと理解する! 

 更にその直感は当たっている、この機械兵器は地球連邦軍側のコードネームは『AGX-01:バグス』である! 

 正真正銘、地球を狙う異星人達の保有する兵器の1つなのだ!! 

 

【ポゥゥッ、ズドォォォンッ!!!!】

 

「こ、攻撃して来た!!」

 

『………うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!』

 

 更にバグスは市街地を攻撃し始め、それを見たコウジの通う学校の生徒達は阿鼻叫喚の恐慌状態に陥り一斉に学校から逃げ出した!! 

 市街地でも車が逃げているが、バグスの円状のレーザーが街を破壊して行き、熱海市はパニック状態であった!! 

 

「くそ、奴等好き勝手やりやがる!!! 

 それにシローが危ない…急いで小学校へ行かないと拙い!!!!」

 

 しかしコウジは慌てず冷静に、弟の身を案じ屋上から階段を下りてバイクに乗り、小学校へと走る!! 

 屋上から地上に降りたバグスの居る場所は把握し、搭載された武装の破壊力も見てたのでそれ等に巻き込まれず何とか小学校へのルートを計算し、裏路地も何もかも利用して走り抜く!! 

 

「あ、アニキ!!!」

 

「シロー、無事だったか!! 

 乗れ、急いで家の地下研究区画へ行くぞ!! 

 彼処はいざと言う時はシェルターとしても活用出来る!!」

 

【キュルル、ブゥゥゥゥゥン!!!!!!】

 

 更に幸運な事にシローは市街地の、高校と小学校の間の道に五体満足で居りあちらもコウジと合流しようとしていた様である。

 そしてコウジはシローを乗せて家へと走った!! 

 くろがね屋に居る母は恐らく先に地下研究区画へ避難した筈だと想定し、更にバイクは2人乗りまでと言う制限があるのでコウジはツバサの無事を信じてカブト家の家へと向かう!! 

 

【キィィィィン、ブォォン!!】

 

「あ、アニキ!! 

 PT部隊が来たよ!!」

 

「多分伊豆基地から直接来たんだろうさ!! 

 しかしPTの数は5、敵の数は10………PT1機に対して2体の敵を相手取る計算になるな、あれは!!」

 

 そんな熱海の街中にPT部隊が到着し戦闘を開始する!! 

 その内訳は一般的な量産型ゲシュペンストMk-IIが2体、試作型の砲撃戦用PTであるシュッツバルトが1機、カラーリングが白い特殊な量産型ゲシュペンストMk-IIが2体である。

 白いゲシュペンストMk-IIはタイプTT、試作型のT-LINKシステムと呼ばれる特殊なインターフェースを搭載した機体であり、SRX計画のパイロットが搭乗する特殊機体である。

 その中の1体、新人の『リュウセイ・ダテ』曹長が乗る機体は訓練中にまたバグスが出現した事で仲間の『ライディース・F・ブランシュタイン』少尉(通称ライ)、『アヤ・コバヤシ』太尉と共に出撃し、その際対怪獣用特殊部隊ストレイジのヘビクラ達も(今回はストレイジ保有兵器ではなくPTで)共に出撃し、街に被害を広げない様にしながら戦っていた! 

 

「くそ、こいつ等ホントに何なんだ!! 

 何が目的で熱海に降りて来やがったんだ!!」

 

「リュウセイ・ダテ曹長、無駄口は叩くな。

 所詮は屑鉄の機械人形、俺達の役割は被害を広げる前に一刻も早くこいつ等をスクラップにする事だ。

 気を抜けば死ぬぞ?」

 

「りょ、了解!!」

 

「ああそれと、無茶して死ぬのは無しだからな? 

 生き残る事を最優先にしろよ?」

 

 そんな焦るリュウセイに先輩パイロットであるヘビクラは兵士としての心構えである油断大敵に加え、新人が死なない様に生き残る事を最優先と言うアドバイスを送りながらプラズマカッターでバグスを斬り付け、更にそのバグスを足台にしながら飛びM950マシンガンを叩き込み爆散させる! 

 その動きにリュウセイは新兵の自身とは違いゲシュペンストMk-IIのポテンシャルを遺憾無く発揮しているヘビクラ中佐、クレナイ少佐の技術力を見て驚いていた。

 

「す、すげぇ………あれが対怪獣特殊部隊ストレイジの隊員の力なのか…!」

 

「それだけじゃない、あの2人は特殊戦技教導隊の出身、つまりはPTのTC-OSを熟成させた部隊の一員だった。

 だからこそゲシュペンストを自分の手足の様に扱えるんだ」

 

 リュウセイにライが補足説明を戦闘しながら短く加えると、リュウセイはまさかPTの動きを制御するTC-OSを仕上げた者とは知らなかったので余計に驚き、アレが真のエースパイロットなんだと理解していた。

 更にクレナイもプラズマカッターで斬り付けた後、ジェット・マグナムを間髪入れず叩き込みバグスを破壊していた!! 

 オマケに両者は互いにカバー出来る位置に陣取り、更にはリュウセイ達を何時でも援護出来る様にしてる等の、ライやアヤ、更にこの戦闘をモニタリングしているSRXチームの隊長『イングラム・プリスケン』もまた教導隊の力は伊達では無いのだと知るに至った。

 

「アニキ、PT部隊が優勢みたいだぜあれ! 

 これなら街も無事だよな?」

 

「ああ………このままならな。

 よし着いた、急いで地下へ降りるぞシロー!!」

 

 一方その頃コウジ、シローは自宅に着き地下研究区画へと急いで降り始めていた。

 しかしコウジは胸騒ぎが止まらなかった………まだこのままでは終わらない、そう考えながらシローの手を引きながら地下研究区画を走り、そして………本来は立ち入り禁止である最奥の研究エリアへと足を踏み入れていた。

 其処にはジュウゾウとツバサが居り、コウジ達の無事を確認して安堵していた。

 

「母さん、お爺ちゃん!!」

 

「おおシロー、無事じゃったか!!」

 

「コウジ、良くシローを守ったね」

 

「ああ、何とかね………所で父さんは?」

 

「ケンゾウならアイツの研究所に居る、通信も先程終えた、要は無事じゃよ」

 

 更にケンゾウは先程まで通信を行っていた為無事だと言われコウジは安堵し、シローもまた肩を撫で下ろしていた。

 だが外のエアロゲイターはまだ連邦軍のPT部隊と交戦中であり、更に研究区画のレーダーは衛星軌道上から更にバグスが迫って来ている事を探知していた! 

 その数は15、PT部隊の内2機は切り抜けられるだろうが残り3機はコウジには連携がまだぎこちなく見えたので数で押し潰されてしまう可能性を考え歯軋りしていた! 

 

「くそ、あんな奴等に俺達の日常を壊されるなんて………俺は、ただ見ているしか出来ない………なんでお爺ちゃん達みたいな天才科学者じゃない、何の力も無い一般人なんだよ、俺は!!」

 

「あ、アニキ………」

 

 コウジの強い正義感と家族愛がエアロゲイターや無力な自身への怒りを生み、それを見ていたシローは何か声を掛けたいが出来ず俯いていた。

 だがそれを見ていたジュウゾウは………まだ何も訓練を施してない、ぶっつけ本番になると思いながらも時が来てしまったのだと悟りコンピューターのキーボードを操作していた。

 

「お義父さん、まさか…」

 

「ああ、お前の思っている通りじゃツバサ。

 恨むならワシを恨め。

 ………コウジよ、そんなに力が欲しいか? 

 あんな機械人形を打ち倒し、ワシ等を守り通せる力を求めるか?」

 

「お爺ちゃん…?」

 

 更にジュウゾウはコウジに真剣な眼差しで問い掛けた。

 力が欲しいか、と。

 その問い掛けにシローは戸惑うがコウジは………同じく真剣な眼差しを向けて口を開く! 

 

「ああ、欲しい! 

 シローやお爺ちゃん、母さんや父さん達を、この星を、全てを『護れる』力が欲しい!!」

 

「良くぞ言ったぞコウジ、ならは受け取るが良い!!! 

 ワシが造りし、お前が望むがままの物を得られる力を!!!!!」

 

【ギュォォォォォォン!!!!】

 

 その力強い返事にジュウゾウは最終安全装置を解除し、研究区画の床が開くと其処からコウジ、シローの想像を超える産物がリフトアップされる!! 

 シロー、コウジはその眼に映るそれを見る!! 

 鉄の城、魔神、スーパーロボット、そんな呼び名に相応しい力強い姿を持つ巨大な機械の人型兵器を!! 

 そしてコウジは直感的に感じ取る、俺はコイツと出会う運命にあったのだと!! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、残り2機だ!! 

 さっさと倒して帰還を」

 

『PT部隊、油断するな。

 敵の増援が上空から来るぞ』

 

「ちっ、まだ来るか」

 

【ギュゥゥゥゥン!!!】

 

 バグスを残り2機まで追い詰めたリュウセイ達の前に、更に15機のバグスが飛来する! 

 ヘビクラやクレナイはまだ余裕だが、ライやアヤは兎も角リュウセイがこの数に押し潰される事は目に見えている為、ヘビクラはリュウセイ達に撤退を促し自分達が殿を務めるかと考えていた………その瞬間、熱海の山の一角から何かが飛び出る!! 

 ゲシュペンストMk-IIのアラート機能はそれを捉え、ヘビクラやリュウセイ達、更にバグスもそちらへと視界を向ける!! 

 リュウセイ達、更にイングラムのモニターにそれは映る………全長は30m程あり、黒い腕と足、黄色い双眼と黄色い角、頭は冠を思わせる形を持つ人型機動兵器が其処に立っていた!! 

 

「お爺ちゃん、コイツは一体…」

 

『コウジよ、それこそがワシが造り上げた最高傑作!! 

 お前に神にも悪魔にもなれる力を与える魔神!! 

 その名も………『マジンガーZ』じゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!』

 

「マジンガー………Z………!!!」

 

 コウジは手を高らかに挙げた祖父ジュウゾウの口から語られたその名を、自身に与えられし神にも悪魔にもなれる力の名を噛み締める!! 

 マジンガーZ………コウジ・カブトの手に渡ったそれは操縦桿を握った瞬間、力強くガッツポーズに似たポーズを行い、この新西暦世界に産声とも呼べる駆動音を響かせるのであった!!!! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『テツヤ、矢張りマジンガーZは起動した様だ!! 

 ならば我々も動くぞ!!』

 

「ああ、任せてくれケンゾウ………俺はこの時の為に常に訓練を続けて来た。

 お前の息子を、俺の甥を死なせはしない!」

 

 一方その頃、伊豆半島の一角に地球連邦政府の許可を得て作られたケンゾウの研究所に配備されている小型戦闘機に乗るコウジの叔父である『テツヤ・ツルギ』は操縦桿を強く握り締め、マジンガーZが動きコウジが戦場に立ったその時に備えて訓練を続けて来た。

 戦いに関して素人の甥をみすみす死なせない為に、コウジの前に立つ戦士として教え導く為に。

 そしてその思いも覚悟は今日此処に結実する、第2の魔神と共に! 

 

「さあ行くぞ『グレートマジンガー』!! 

 俺とお前の命を燃やす時が来たぞ!! 

 ファイヤーオン!!!」

 

 テツヤは小型戦闘機『ブレーンコンドル』を操縦しながら研究所の地下から地上へと出た第2の魔神、グレートマジンガーの頭部に乗機を搭載する事でグレートは起動し、その黄色い双眸に光が灯り雷が辺りに落ちる!! 

 そして、グレートマジンガーは内蔵された背部飛行ユニットのスクランブルダッシュを展開すると勢い良く飛び立ち、熱海へと………マジンガーZの下へと向かう! 

 テツヤもまたマジンガーを駆る者………己の命を賭して護るべき物を護る、その使命を帯びた戦士なのである!




此処までの閲覧ありがとうございました。
はい、OG世界がこんな混沌とした感じになったのは『最終にして原初の魔神』が因果律兵器で因果を紡いだ為です。
これもひとえにこの世界に兜甲児や兜十蔵達と同一存在が居た為にかの魔神の介入が容易だったのです。
オマケにかの魔神は何を考えたのか、光の巨人もその敵も因果律兵器で呼び寄せて、他にも『色々』とやってます。
しかし、この世界の戦いを早く終わらせるにはこれ位やらないと無理とかの魔神も考えたのです。
その結果、色々とおかしな事が出て来るかも知れませんが………それでもこの物語を書き切ろうと考えています。

次回もよろしくお願い致します!

ライダー側の敵(例えばハンドレットとか大ショッカーとか)をDC戦争後に出して良いですか?

  • チョーイイネ、サイコー!!
  • ダメです!!!
  • 理由ある登場なら…
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。