スーパーロボット大戦OG 魔神伝   作:”蒼龍”

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皆様こんにちはです、第5話後編を更新致します。
前回は闇に暗躍する者達の話で終わりました、ならば………光を行く者達の話も書かねばと思いちょこちょこと書いたら筆が乗りました。
では、本編へどうぞ!


第5話『閑話:それぞれの思惑(後編)』

───フランス・パリ───

 

 

 

 

 シュウ・シラカワ達の暗躍が取り決められていた同時刻のパリ、その地下深くにて………1つの戦いが繰り広げられていた!! 

 

『タァッ!!』

 

『セァッ!!』

 

『ギュアァァァァァァッ!!!』

 

 ウルトラマンティガ、ウルトラマンネクサスはバグバズンの巨大個体2体を相手にそれぞれ戦闘し、且つその視線はバグバズンの奥を気にしていた!! 

 何故なら………此処にはバグバズンだけでは無い、他のスペースビーストも存在したのだ!! 

 

『ギィィィィィ………』

 

『グルルルルルル………』

 

 そのビーストは2体………それぞれSB-01、02と地球連邦軍に呼称された個体、ビーストを深く識る者ならば『上級ビースト』………始まりの獣、『ビースト・ザ・ワン』の特色を色濃く受け継ぎ、再生能力や知能もペドレオンやバグバズン達通常ビーストを超える存在と呼ぶ者。

『フィンディッシュタイプビースト・ノスフェル』と『フィンディッシュタイプビースト・ガルベロス』と呼ぶ災厄を齎す獣が其処に居たのだ!! 

 ユーゼス、ダイゴは各地を転々としていた結果、偶然ノスフェルとガルベロスが一堂に会する瞬間に出くわし、そしてコレを殲滅すべく変身したのだ!! 

 

『グルルルルルル………』

 

【ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ、ズンッ!!】

 

『!!?』

 

 しかし、知能をザ・ワンから引き継いでると言う事は矢張りウルトラマンと言う光を警戒するのも自明の理。

 ノスフェル、ガルベロスは更に地下へと潜り、この場から去ってしまっていた!! 

 更にバグバズンもそれに合わせて天井に穴を開け、地上へと躍り出てしまう!! 

 それをティガ、ネクサスは頭上にパリの都市がある為、ノスフェル達の追撃を取り止めてバグバズンの処理へと行動をシフトさせる!! 

 

『ンンンンンンン、ハァッ!! 【ギュルルルォォンッ!!】

 

『シュッ!! 【キン、コポコポコポコポコポッ!!】

 

『タァッ!!』

 

【ビュゥゥゥンッ!!】

 

 ティガは身体の模様をの2色の姿、スピードを上げるスカイタイプに、そしてネクサスはジュネッスへとタイプチェンジした後、バグバズンの開けた穴に向かい飛び立ち地上へと躍り出た!! 

 そしてウルトラマン達が出た先はバグバズンが暴れようとしていた直後であり、人々が逃げ惑い始めた瞬間だった!! 

 

『シェア!! 

 ハァァ………シュ、ヘァッ!! 【キン、ポコポコポコ………キュイン、バシュゥゥゥゥゥ、キィィィィィン!!】』

 

 そしてネクサスは早速メタフィールドを張り、バグバズン2体を異空間に閉じ込め始めた!! 

 ティガとネクサスはそれぞれ1体ずつを相手に殲滅戦を繰り広げ始めるのであった…!! 

 

 

 

 

 

 

 それから1分後、パリの森林公園たるブローニュの森にユーゼス、ダイゴは変身解除し光と共に降り立つと、2人は腰を落として深く座り込んでいた。

 

「くそ、ノスフェルとガルベロスを殲滅するチャンスだったんだが………矢張りさっさとメタフィールドを張るべきだったか………!」

 

「無理だよ、ノスフェルとガルベロスが差し向けたバグバズンは全部で4体、2体を直ぐ倒した直後にああやって逃げたんだ。

 奇襲のつもりが囲まれて、それでメタフィールドを即座に張るなんて幾ら何でも…」

 

 そう、2人が相手していたバグバズンは2体では無く『4体』だったのだ。

 ネクサスがタイプチェンジしようとした瞬間にバグバズン4体が物陰から現れ、2人のウルトラマンを攻撃したが故にメタフィールドを張るタイミングが無かったのだ。

 故に2人にはミスは無い、ただ単にノスフェルとガルベロスが狡猾に護衛用のビーストを用意しながら其処に居た………その数が想定外だったのである。

 しかし、一度経験すれば次からは対策出来る。

 2人はより一層ノスフェル達への対応力を深めようと決意していたのだった。

 

【ガサガサ】

 

『っ!?』

 

 そんなユーゼス達の近くの草葉が不自然に揺れる音が響き、ダイゴはハンドガンを、ユーゼスはネクサスより与えられた携帯武器『ブラストショット』に手を掛けながらその方向を見つめる! 

 そうして直ぐに音の主が現れる………紫の長髪が特徴の地球連邦軍兵士、元教導隊出身にして情報部に所属する男、『ギリアム・イェーガー』少佐が其処に居たのだ。

 

「お前は、ギリアム・イェーガー…!」

 

「………情報部として行動していた所にスペースビーストが出現し、更にウルトラマン達の光を注視して此処を絞り当て訪れてみれば………貴様が何故ウルトラマンの力を手にしている、ユーゼス・ゴッツォ?」

 

 ギリアムはユーゼスがウルトラマンの力を持つ事に決定的な不快感を示し、その瞳は今にも彼を射殺すかの如き静かな怒りに満ちていた。

 それもその筈………彼はウルトラ6兄弟のNo.3にして深紅のファイター『ウルトラセブン』、地球での仮の名は『モロボシ・ダン』と共に戦った経験を持つのだ。

 故にウルトラの光をCPS………『クロスゲート・パラダイム・システム』を悪用し超越者や調停者を自称せんとするユーゼス・ゴッツォが持つ事を許せないのだ。

 そんなギリアムとユーゼスの間にダイゴが割って入り、何とか場を収めようとし始める。

 

「待ってくれ、えっと………ギリアムさん。

 ユーゼスは僕と一緒に何度もビーストを倒し、人々を救ってるんだ。

 貴方が今考えてる様な悪人ではないよ」

 

「………すまないが、俺は君を知らない。

 名を教えてくれないか?」

 

「………僕の名は………ウルトラマンティガ。

 この姿の時はダイゴ………僕が最も尊敬し、誰もが光になれる事を示してくれた人々の中で僕の光と、その世界に残された僕の抜け殻だった身体を使い戦い抜いた者の名を借りてるんだ」

 

 ダイゴは自らの素性………ウルトラマンティガそのものである事、この姿と名は彼が最も尊敬した人間の物を借りていると明かすと、ギリアムはウルトラマン本人がユーゼスを庇うとは………そう考え、そして再びユーゼスに視線を合わせた。

 するとユーゼスもポツリと語り始める。

 

「………ギリアム、私は………新西暦180年のメキシコで突然目覚め、その前は何処で何をしていたかの記憶も無い状態で其処で何故この世界に居るかと困惑していた………そんな時にあの地獄、メキシコ事変が起きた。

 私はノスフェルから人々を救いたいが為に奔走し、だがCPSも使えず武器も持たぬ私では避難誘導が手一杯だった。

 そんな時にダイゴ、ティガともう1人のウルトラマン、オーブが現れノスフェルと戦い………そして、ガルベロスとペドレオン達も現れ、ビーストヒューマンが増え続けた中で逃げ遅れた子供を助けようと手を伸ばしたんだ。

 すると………この手にはこのエボルトラスターが握られていて、それを引き抜いた事で私はウルトラマンネクサスとして戦えるようになった。

 結局ノスフェルとガルベロスは逃げたが、残ったペドレオンをティガ達と力を合わせて殲滅し、そして今に至るまでノスフェル達上級ビーストを探し、打倒しようとしてるのだ。

 勿論他のビーストも打算抜きで倒すと決めてるがな」

 

 ユーゼスは嘘を混ぜず、己の中の全てをぶつける様に事実と意志………この世界に来てからの事をありのまま話し、そして現在へ至るとしてギリアムの目を真っ直ぐ見つめたまま話した。

 ギリアムはこのユーゼスの目は嘘を吐いておらず、仮にもウルトラマンが力を貸したと言うなら善、光側の人間となっていると判断しても良い………と感じるが、それでもユーゼス・ゴッツォと言う男のフィルターがある為、信じ切れず警戒心を解けずにいた。

 そうして数分間、3人の間に緊張感が走り続け………そしてそれを破る事態が発生する! 

 

ビュォォォォォォッ!

 

『!?』

 

 突如、3人の真横に『銀色の幕の様な物』が発生し3人を包み込む! 

 そしてその幕が晴れると、3人はブローニュの森とは全く違う、何処とも知れない荒野に降り立ってしまっていた! 

 

「今のは…!? 

 空間転移…いや、次元転移に似た感覚があったみたいだけど…!」

 

「………あれは、オーロラカーテン

 とある仮面ライダーが主に使用する別のライダーの世界へと移動する手段に用いる時空間転移現象だ。

 しかし、俺自身会った事は無いがあのライダーが俺やユーゼス、そしてダイゴ、君に何か用があるとは思えんが………」

 

 ダイゴが不思議がる中でギリアムがオーロラカーテンの説明を行い、ユーゼスも頭の中で誰があの時空間転移現象を操ったのかと考察し、しかしどの候補も自分達に用があるとは思えず1人ずつ除外し始めていた。

 

「お前達を此処へ招いたのはこの私だ」

 

『っ!!!!』

 

 その時、3人の背後から声が掛けられ自分がギリアムやユーゼス達を招いたと宣言していた! 

 3人はその声の主に恐ろしいプレッシャーを感じ、飛び退く様に距離を離しながらギリアムはハンドガンを、ユーゼスとダイゴはそれぞれ変身アイテムを構えながらそれを瞳に映す! 

 其処に立っていたのは………『魔王』。

 その名が相応しき者、全てのライダーの頂点に君臨し、そして因果律すらも意のままに操りし存在。

 その名は『オーマジオウ』、ギリアムもユーゼスも初めて目撃する恐るべき者だった!! 

 

「………オーマ、ジオウ………!! 

 何故、貴様が私達を………!?」

 

「何故、か。

 私自身は隣人に頼まれ呼び寄せた程度である。

 が、隣人の話を聞けばコレはお前達を招くべきだと結論付けたのだ。

 呪われし放浪者ギリアム・イェーガー、ティガの光の概念の化身、そして滅びの呪縛より解き放たれしゴッツォの名を捨てたユーゼスよ」

 

 更にオーマジオウは此方の素性を全て把握してるらしく、更にユーゼスを呪縛より解放された者と言い放ち、ギリアムもそれに驚いていた。

 それが事実ならばウルトラマンがユーゼスと言う男に力を貸す理由も僅かながらに増える事を意味し、そして善や光の側に居れば文句が無い事も意味してるからだ。

 しかし、ユーゼス達はオーマジオウが語る『隣人』と言う言葉に何かが引っ掛かり未だ武器と変身アイテムを収める事が出来ずにいた! 

 すると、オーマジオウの背後からオーロラカーテンが発生し、中から2人の男が………ギリアムやユーゼスが『良く知る顔を持つ2人』が、其処に立っていた。

 

「やあ、久し振りだなギリアムさん! 

 ユーゼス、アンタも久し振りだな」

 

「そして初めましてだな、ウルトラマンティガ。

 俺達はそれぞれ『兜甲児』、そして『流竜馬』と呼んでくれ」

 

 その2人、甲児と竜馬と自称する2人はフレンドリーに話し掛けて来た。

 その表情や仕草、呼吸1つに至るまで全てギリアムが知る兜甲児と流竜馬その物であると『外見』では判断出来ていた。

 ………しかし、3人はそんな甲児達はあくまでも『甲児達を自称する別の存在』と認識出来ていた。

 何故ならば、この2人からはオーマジオウと同等のプレッシャー、圧倒的な存在感が放たれ、そして何よりも3人の瞳にはこの2人の『真実の姿』が影の様に揺らめきながら映っているのだから!! 

 

「………お前達が俺の友の名を自称するのは止めてくれないか? 

『終焉の魔神』、そして『虚無の皇帝』よ…」

 

「あ、やっぱり分かる? 

 けど勘違いしないでくれよギリアムさん。

 俺達は確かに『魔神』と『皇帝』その物でもあるけど、この身体と意識も同化した兜甲児と流竜馬その物でもあるんだ。

 つまり、俺達が人と話す時に使うアバターみたいな物でもあるけど兜甲児と流竜馬に変わり無い存在だよって事さ」

 

 自称甲児はギリアムが喉から絞り出した声に答え、自分達の正体も簡単に説明しながらギリアムが知る甲児本人と比べると大人びた…時系列で言えば『宇宙の王者』と共に戦った時期辺りの表情で話していた。

 対する竜馬はギリアムが知る竜馬と『ゲッター線に寄生する怪物』と戦う竜馬の間の様なワイルドさを持ちつつも、分を弁える礼儀正しさも醸し出す不思議な存在感も見せていた。

 そうやってギリアム達が甲児達を観察する中で、甲児が指をパチンッと鳴らすとテーブルと椅子が現れ、更に茶菓子までキチンとテーブルの上に配置された。

 

「さて、立ちっぱなしもなんだから座って話そうか。

 これからギリアムさん達に大事な話をしたいから、腰を据えて落ち着いて話したいからさ」

 

『………』

 

 甲児はギリアム達にテーブルに座る様に誘導すると、当の招かれた3人は世界をスナック菓子感覚で好き勝手出来る存在が3人も居てはどうしょうもないので渋々用意された椅子に座った。

 そして甲児と竜馬、更にオーマジオウもテーブルに座る………魔王とは言えライダーがテーブルに座ると言うシュールな光景が出来上がったが、此処にはそれを笑える者は居ない為スルーされた。

 そしてギリアム達はハーブティーを飲みながら他にも用意された椅子があると確認し、他に誰か来るのかと思っていると、甲児と竜馬は「あれ?」と声を上げていた。

 

「なぁオーマジオウ、俺達は他にも『魔を断つ剣』たる2人も呼んでくれって頼んだよな? 

 なのに何で一向に来ないんだ?」

 

「お前達はかの邪神を討ち滅ぼす者の所在を把握していないのか? 

 少しルーズにも程があるぞ………かの2人は其処の3人の居る世界の『極めて近く、そして限りなく遠い世界』に降り立ってしまっている。

 そう、我等が次元を封鎖し外部の者も内部の者も『門』や『扉』を直接使わねば簡単に行き来出来ぬ様にしたあの世界にな」

 

「本当か? 

 少し待ってくれ、確認する………マジだった。

 はぁ〜………あの2人、と言うより『九郎』が変な悪運を発揮したんだな? 

 全く、だとすれば話が少しややこしくなったぞ」

 

 甲児達の会話から『九郎』、『魔を断つ剣』と呼ばれる者がギリアム達が居る新西暦世界の並行世界………恐らくギリアムが今居る世界に来る直前に居た『向こう側の世界』に居るらしく、甲児と竜馬は頭を抱えていた様である。

 しかし、ギリアムは次元を封鎖したと言う言葉から何か言い知れぬ焦燥感に駆られ、ユーゼスやダイゴもそれぞれ次元を超える者やウルトラマンとしての直感から同様の、嫌な予感と呼ぶべき物を抱き始めていた。

 

「まぁ、それなら仕方ないからこのメンバーで話をしようか。

 先ずギリアムさん達3人を呼んだ理由なんだけどさ、3人に依頼したい事があるから呼んだんだ」

 

「依頼、だと?」

 

「そう、依頼だ。

 その内容は単純明快。

 今3人が居る世界に存在するマジンガーZ、それが魔神パワーを全て開いて『終焉の魔神』となる事を防いで欲しいんだ」

 

「………」

 

 甲児と竜馬はギリアム達に『終焉の魔神』の覚醒、それを阻止して欲しいと言う依頼を投げ掛ける。

 それによりギリアムの感じていた物は現実となり、今居る世界は文字通り終焉を迎える危険性を孕んでいると確信してしまった。

 ユーゼスはマジンガーZを見た時はまだ魔神パワーが発現していない時期だった故に気付かなかったが、まさか『終焉の魔神』の顕現が水面下で起きようとしてるとはと考えていた。

 すると此処でダイゴが疑問点が生まれたので手を挙げて質問をする。

 

「えっと、甲児君で良いんだよね? 

 君もまた『終焉の魔神』と同一存在なんだよね? 

 それが何で自分自身の顕現を防いでくれって頼み込むのかな?」

 

「良い質問だね。

 俺は………俺の本体と呼ぶべき魔神は既にシンギュラリティ・ポイントを超え神として完成し、因果の果てに待ち受ける存在なんだ。

 だから1個の世界の中に生まれる『終焉の魔神』とは厳密には違う………例えるなら他の世界に現れたウルトラマンティガとティガの概念その物である君は同じティガであっても少し違う存在って言うのと同じなんだ」

 

 ダイゴの質問に甲児は分かり易い例えで説明すると、頭の中で『マドカ・ダイゴ』や『玉城ユウト』少年が変身したティガと自分は同じ様で違うとして頷き、となれば新西暦世界で生まれる『終焉の魔神』の存在は彼にとっては歓迎出来ない存在なのかと想像がついた。

 

「理由を話せば納得してくれる部分もある事は分かるよ。

 けど今の段階では話す事が出来ない、だからこうやって胡散臭い形で頼み込むしか無いんだ。

 ギリアムさんやユーゼスが俺を信じられない気持ちも痛い程分かるけど、頼むから分かって欲しい」

 

「………話せない理由は恐らく事象・因果の固定。

『終焉の魔神』が誕生する理由を口にすれば最早卵が先か雛が先か、そんな哲学的運命論が完成する為に語れないのだろう? 

 CPSに触れた私や『システムXN』に関わるギリアムならばそれ位は分かる」

 

「そんな感じだ」

 

 更に甲児、竜馬が理由を話せない事情もギリアム共々察したユーゼスは、新西暦世界と其処に住まう人々を守る為にはマジンガーZを『終焉の魔神』にさせない事こそが重要だと結論付けた。

 無論スペースビースト達も倒さねば知的生命体全てが餌にされてしまうので、当然ながらこれからもスペースビーストの殲滅を行うのは決定事項だ。

 

「………良いだろう、『終焉の魔神』覚醒については何とか阻止する方向で働き掛けよう。

 この答えを聞けてお前達は満足か?」

 

「勿論だとも。

 流石はギリアム・イェーガーだよ」

 

 そうして話が纏まり、ギリアムも甲児と竜馬の依頼に頷くと2人が満足した笑みを浮かべていた。

 更にダイゴもウルトラマンティガであるが故に、新西暦世界の人々を守る為に光の戦士として戦おうと初めから決めてるので、『終焉の魔神』覚醒阻止をユーゼスやギリアムとも協力し出来る限りやろうと考えていた。

 

「話は纏った様だな。

 ではお前達を元居た世界へ返す訳だが、その前にお前達3人と共に同行させる者を此処へ呼び寄せる。

 ほんの僅かに待て」

 

 するとオーマジオウはギリアム達3人と共に新西暦世界へ行かせる者を此処へ呼ぶとして手を翳すと、オーロラカーテンが出現しそれが最初は1人の青年を連れて来る。

 更にオーロラカーテンが幾つも重なって行き、其処からもう1人の青年が銀の幕を抜けながらこの場へと歩いて来た。

 ギリアムやユーゼス、ダイゴはこの2人の青年に見覚えが無いので何者かと思案していた。

 

「あれ………此処は………あっ、やっぱり未来の俺だ!!」

 

「良く来たな、『若き日の私』よ。

 そして、良くぞ私の呼び掛けに応えてくれたな『ディケイド』よ」

 

「魔王………俺は確か、『真実のソウゴ』との戦いで………そうか、2068年の魔王、お前が俺を世界に呼び戻す道を作ったんだな?」

 

 そうして2人の世界はオーマジオウから『若き日の私』や『ディケイド』と呼ばれ、テーブルから立ちながら2人と相対していた。

 其処でギリアム達は2人の正体に気付く。

 先ず片方は何時かオーマジオウへと至るか、それとも別の魔王となるのかまだ分からない………『仮面ライダージオウ』だった頃の『常磐ソウゴ』であり、もう1人はギリアム達同様幾つもの世界を渡り歩く通りすがりの仮面ライダー、そして世界の破壊者と呼ばれし男である『仮面ライダーディケイド』こと『門矢士』だと。

 

「それで、何で未来の俺が門矢士と俺を此処へ呼んだの?」

 

「私からお前達2人へ頼む事は2つ。

 其処に居るギリアム・イェーガー、ユーゼス、そしてダイゴと共に新西暦世界と呼ばれる世界へ行く事。

 そしてもう1つはその世界で目覚めんとしてる『終焉の魔神』の顕現阻止だ」

 

「ギリアム・イェーガー………『終焉の魔神』………成る程、大体分かった」

 

 ソウゴの質問にオーマジオウが淡々と頼み事2つを語ると、士はそれだけで10までの事を理解してしまった。

 ギリアム達を見ただけでなく、その奥の『終焉の魔神』と『虚無の皇帝』のアバターたる甲児と竜馬を見た事で事態は因果律が歪み、他の世界へ波及する切迫した事態となってる事。

 更にオーマジオウ達が直接動けば決定的な『終焉』と呼ぶべき因果律と全世界の崩壊と言う恐るべき事態に発展すると世界を渡り歩く者としての知識で理解したのだ。

 更にソウゴもふんわりとだがオーマジオウがこっちに頼まねばならない事態と理解し、頷いていた。

 

「話が早くて助かる。

 ではお前達を新西暦世界へと」

 

「あっ、待って!! 

『ゲイツ』や『ツクヨミ』、『ウォズ』はどうするの?」

 

「その3人ならば私が直接新西暦世界へと送り出す。

 其処で門矢士と共に説明し、此方の3人と共に動くのだ。

 では、お前達5名を新西暦世界のブローニュの森に送ろう」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥン!

 

 そしてオーマジオウはオーロラカーテンを操りソウゴや士も交えてギリアム達を元居た場所に送り返した。

 そうして残ったのは魔王と『終焉の魔神』と『虚無の皇帝』のアバターのみとなり、甲児が再び指を鳴らすとテーブルが消えた。

 更に3人は次元の狭間に躍り出ると、ギリアム達が居る新西暦世界ともう1つ………『極めて近く、そして限りなく遠い世界』の事を見つめていた。

 

「これで未来への希望の布石は作れたな」

 

「ああ………しかし、もしももう1つの世界の『扉』が開き、若き日の私達が居る世界への道が開けばあちらからそちらへ渡る者が他にも現れるだろう。

 そうなれば………少しだけ手が足りんな」

 

「心配は要らないさオーマジオウ。

 そちらの対策も既に俺達の方でやってる。

 具体的には………宇宙の歪みを『光の国』に伝えてる、と言えば伝わるかな?」

 

「ふむ………ならば光の国よりウルトラマンが新たに来るか………それならば、デビルスプリンター………『ウルトラマンベリアル』の欠片を吸収し強化されたザ・ワンより生まれしスペースビーストの増殖スピードと、あちらの世界から来る『終焉の魔神』の尖兵とも渡り合える、か」

 

 更にオーマジオウは甲児と竜馬との会話をしながら新西暦世界と『あちらの世界』を見つめ続け、『あちらの世界』の次元封鎖に尽力し始めた。

 その際に甲児と竜馬は浮かぶと………それぞれ真の姿たる『マジンガーZERO』と『ゲッターエンペラー』に変貌し、『あちらの世界』にて既に誕生した『神の座を狙うZERO』やその世界の中に居る脅威を外へ出さぬ様にするのであった………。

 

 

 

 

「おっとと、此処が未来の俺が言ってた世界?」

 

「そうだな。

 それにしても仮面ライダー、特にジオウやディケイドが来てくれたのはありがたい。

 先ず簡潔にこの世界で起きてる事を私の口から説明させてくれ」

 

 オーマジオウの手で新西暦世界へとやって来たソウゴ、士はユーゼスの口から現状が語られ、人類間の戦争のみならず異星人の侵略、更にスペースビーストの氾濫と言った地球人類の明確な脅威が差し迫ってると知り驚いていた………そんな中でも人類間の戦争をしているこの世界に、だが。

 

「言いたい事は分かる。

 が、DCのビアン博士は地球の膿を出し切り人類が一致団結する為に敢えて戦争を起こせざるを得なかったとだけは留意してくれ。

 彼もこの星の、世界の平和を願う男。

 例え自身が未来の捨て石になろうともその守るべき未来の為に全てを尽くす者なんだ」

 

「その為に他の人達が犠牲になる事は許容出来ないけど………そのビアン博士が責任を取るなら、俺達からは特に何も言わないよ」

 

 仮面ライダーたるソウゴや士は(士は態度には出さないが)罪無き人々が犠牲になる事は一切許容しない、やらかした奴に責任を取らせると心に決めていた。

 それ即ちビアン・ゾルダーク博士に最後まで『責任』を果たす様にする、と言う事である。

 それを聞いたギリアムは矢張り人々の自由を守る戦士『仮面ライダー』達は心強いと考えていた。

 そしてライダーの力、特に時の王者ジオウと破壊者ディケイドの力を借りれれば『終焉の魔神』覚醒が防げる算段も付くと踏んでいた。

 

「それでギリアム・イェーガー、お前はこの後どうするんだ? 

 お前はコイツ等と違って地球連邦軍の一員だろう?」

 

「………俺はこの後任務に戻る。

 そしてこの後俺にも任務の中断とDC戦争に参加が指示され、宇宙へ上がりコロニー統合軍との戦闘を繰り広げるだろう」

 

「………矢張りお前も虚憶を持ってたか、ギリアム」

 

 更にギリアムはこの後の起こる事を口にし、ユーゼスは其処からギリアム・イェーガーも虚憶、或いは差異次元の記憶が目覚めてる事を指摘し、本人もそれに頷いていた。

 最もギリアムの差異次元の記憶が目覚めたのは『あちらの世界』から『こちらの世界』へ事故で転移したその時であるが。

 

「ならば軍に戻るついでにコレを地球連邦軍上層部へ報告してくれ。

 我々2人が立ち上げた対スペースビーストの民間組織、それが軌道に乗ったと」

 

「………分かった。

 貴様の事はまだ信じられんが………ダイゴが信じるならばこの不信を一旦仕舞おう。

 それで、その組織の名前は何なんだ? 

 まさか『ガイアセイバーズ』ではあるまいな?」

 

「いや、それよりももっと適任の名だよ。

 その名は………『ナイトレイダー』。

 スペースビーストと戦い続け、コレを克服した人類達が立ち上げていた防衛組織の名前さ」

 

 ユーゼスはギリアムにメモリーチップを渡し、それを手持ち端末で確認させると対ビースト用戦闘機を保有する組織が詳細に綴られていた。

 そしてその名………ナイトレイダーと聞くと、ギリアムはガイアセイバーズでは無いと確認し、ならば良いと考えていた。

 

「それで門矢士、常磐ソウゴ、君達も私とダイゴと共にナイトレイダーとしてスペースビーストとの戦いに身を投じて欲しい。

 無論仮面ライダーとして戦う時は当人の判断で変身を許可するし、最大限の自由を保証する」

 

「俺達もそのナイトレイダーに参加するのか………となればゲイツやツクヨミ達も参加する事になるけど………まぁ大丈夫か、人々を守る為なら」

 

「で、ナイトレイダーはDCとの戦争には参加しない、エアロゲイターなる異星人達とビーストとの戦いでしか動かないって言うんだろう?」

 

「………ああ。

 勿論君達が目の前の誰かを救いたいと考え動くならばそれを許可する。

 仮面ライダーは人々の自由を守る為に戦う戦士、それを縛る事は私には出来んさ」

 

 更にユーゼスがソウゴや士の勧誘も行い、且つ仮面ライダーとしての使命を果たす際は何の縛りも設けないとして最大限の譲歩………と言うよりも仮面ライダーへの信頼を見せていた。

 それを聞きソウゴと士は互いに視線を交わし………士はふてぶてしい態度を見せながらも了承をしていた。

 仮面ライダーの力を戦争を起こしたとは言えDCにも向けさせないとキッチリ言い放った事と、仮面ライダーの人間の自由を守る戦士と言う不変の概念を語った事が2人のナイトレイダー参加の決め手となったのだ。

 

「良いだろう、では私は任務に戻る。

 DC戦争終結後に再び会おう、其処で状況が良くなっていれば互いに御の字としよう」

 

「ああ………ギリアム、頼むから死なないでくれよ。

 お前もまたこの世界の命運を司る戦士の1人なのだからな」

 

「言われるまでもないさ」

 

 そしてギリアムはその場から立ち去り始め、4人もまたナイトレイダーの本拠地がある場所へと赴いた。

 因みに移動が面倒なので士がわざわざオーロラカーテンを使い時間短縮していたりする。

 

「それで、ナイトレイダーの当面の目的は?」

 

「勿論スペースビーストの殲滅だが、最優先で倒すべき個体が居る。

 それぞれノスフェル、ガルベロスと言うザ・ワンの特色を色濃く継いだ上級ビーストだ。

 それ等をこの施設のビースト振動波感知装置を使い探し当てる…漸く人数が揃い、此処と『クロムチェスター』を稼働出来る様になった…」

 

 そして、ユーゼスは力強く最優先目標をノスフェル、ガルベロスの2体に絞りこの2体を必ず殲滅しようと宣言した。

 そしてユーゼス達の目の前にはクロムチェスター………対ビースト用戦闘機が存在し、コレを動かす時が漸く訪れたとしてユーゼスやダイゴの目には力強い意志が宿るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───M78星雲・光の国───

 

 

 

 M78星雲・光の国にて異常事態が感知された。

 それはとある世界から広がる因果律の歪みであり、コレを放置すれば全ての宇宙が崩壊する危険性があった。

 

「それでゾフィー兄さん、この歪みを引き起こす者の正体は一体………?」

 

「分からない。

 CPSやシステムXNの起こす歪みとはまた違う………我々が初めて遭遇するタイプの歪みの波長なのだ。

 だがその歪みは刻一刻と広がり始めてる………早急に対処せねば取り返しが付かなくなる」

 

 ゾフィー達ウルトラ兄弟は『ウルトラマンヒカリ』が解析したデータを見つめながら嘗て自分達が遭遇した物………朧げにしか覚えていないが、CPSやシステムXNの事を例題に出しながらも更に違う何かとして警戒心を露わにしていた。

 

「其処で、先遣として俺を派遣するって訳だろゾフィー隊長、親父?」

 

 その会話の場に1人のウルトラ戦士が混ざる。

 若き戦士でありながらウルトラマンベリアルとの激闘を何度も繰り広げ、更にマルチバースを渡り歩き幾つもの大きな事件に関わった者。

 ウルトラセブンの息子であり『ウルトラマンレオ』の弟子である『ウルトラマンゼロ』である。

 

「ああ、そしてゼロよ。

 歪みを起こす者の正体を掴み、更に増援が必要か現地に赴き判断してくれ。

 無論我らウルトラ兄弟も何時でも動ける様に準備を進める」

 

「それまでの間に先に動けるニュージェネレーションヒーローズの誰かともコンタクトを取る。

 ゼロが先に行き、彼等が目指す場所のビーコンともなってくれ」

 

「ああ、任せてくれ。

 宇宙の平和を乱す輩に教えてやるぜ、俺達光の戦士に喧嘩を売るなんざ2万年早いぜってな!」

 

 ゼロは血気盛んにこの事態を引き起こす何かに対する闘志を燃やし、そして必ず宇宙の平和を守り抜くと宣言し自身の左手に装備された『ウルティメイトブレス』をタッチし、次元を渡る鎧たるウルティメイトイージスを装備した『ウルティメイトゼロ』にタイプチェンジし早速その歪みの下へと向かうのだった。

 そしてゼロはこの後知るだろう………この宇宙の歪みを起こす者は自身と同じ名を持ち、更には簡単に世界を壊す事が出来る強大な魔神である事を。

 その魔神との激闘の火蓋が落とされんとしている事を………。




此処までの閲覧ありがとうございました。
ダイゴの正体、それはティガの光の概念その物でした。
なのでこのダイゴは全てのティガの変身者達の事を知ってるし、中でも特にマドカ・ダイゴに脳を焼かれてます。
またギリアムさんも差異次元の記憶持ちなので連邦軍の中から働き掛けようとしてくれるでしょう。
なお、差異次元の記憶を有していても変えられない事もあるのも事実………その1つがDC戦争です。
更にガルベロスはメキシコ事変で出現したのですが、ノスフェルやペドレオンと違って戦闘を観察するだけして去った形になります。
そして………………スパロボYのDLCで来ちゃいましたよね、風都を守る戦士達が。
その繋がりを間接的に辿りオーマジオウ、本作世界に干渉開始。
そんなオーマジオウによりジオウとディケイドが来れました。
ディケイド側はオーマジオウの呼び掛け、と言うよりも世界の呼び掛けに応えて戻って来た形になります。
魔王はその道を舗装しただけです。
後は本編通りになります…そして光の国からウルトラマンゼロが先遣で来るとなりましたが、因果の歪みが酷いのでイージスの力でもそう簡単に来れない為直ぐには来れません。
何時来れるかは…内緒です。

次回もよろしくお願い致します!

ライダー側の敵(例えばハンドレットとか大ショッカーとか)をDC戦争後に出して良いですか?

  • チョーイイネ、サイコー!!
  • ダメです!!!
  • 理由ある登場なら…
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