スーパーロボット大戦OG 魔神伝   作:”蒼龍”

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皆様おはようございます、第10話を更新致します。
今回は閑話となりますが………スペースビーストと来たら、そろそろアクセルを踏まないとですよ、ね?
では、本編へどうぞ!


第10話『閑話:決意と策謀』

───ハガネ・格納庫───

 

 

 ハガネの食堂でビアンの思惑を推察した後、リュウセイからクスハの健康ドリンクの破壊力について聞き及び、そして件のドリンクを再びクスハが持って来たのでコウジはツルギと共に慌てて格納庫へと逃げて来た所であった。

 そしてイングラムが誰も知らぬ所で健康ドリンクの犠牲になった所で格納庫では光子力エンジンのリミッターを解除したダブルマジンガー、特にヴァルシオンと激突し無茶をし過ぎたグレートマジンガーのオーバーホールが行われていた。

 

「………俺達、負けちまったね」

 

「ああ、あれは明確に敗北と言えるだろう」

 

 コウジ、ツルギは共にマジンガーを見ながらヴァルシオンによってほぼ全滅寸前に追い詰められたハガネ部隊と今のマジンガーが歯が立たなかった事を受け止め、操縦技術を磨くのみならずマジンガーそのものもアップデートを早々に施さざるを得ない状況となった事を理解し、2人はOS系の調整や光子力エンジンのリミッターを解除するシステム動作を新たに構築する事を進めていた。

 一方ジュウゾウ、ケンゾウは整備班と共にダブルマジンガーの各部超合金Zの強度の見直しや光子力エンジンの出力を今ある資材でより強化すべく動いていた。

 特に超合金Zの強度強化はジュウゾウとケンゾウにしか出来ない門外不出の技術である為、可及的速やかに超合金Zの強化型を光子力エネルギーによる精錬機で作り始めていた。

 

「テツヤさん、俺そろそろマジンガーZのサポートOSを切って自分一人でマジンガーを動かそうと思うんだ。

 実はウェーク島の戦いの辺りからマジンガーZの操作にサポートOSが少し邪魔になり始めてたんだ」

 

「むっ、そうなのか? 

 となれば………お前はもうマジンガーを動かす事自体は1人前になりつつある、と言う訳だな?」

 

「そうなる、かな? 

 兎に角、サポートOSによる指示と俺の操縦でラグが発生している今、このままサポートOSを使い続けてたらブレーキを掛けながらアクセルを全開に踏む行為になるから、お祖父ちゃんにも頼んで次の戦闘からは切って貰うよ」

 

 その中でコウジはサポートOSによる回避指示や攻撃照準補正が自身の操縦技術に追い付かなくなりつつあるとツルギに話していた。

 それをジュウゾウも聞き耳を立てて聞いており、そうかそうかと思いながらサポートOSによる操縦補助はもう必要ないと感じ取っていた。

 ツルギもまたコウジ・カブトが一人の戦士として成熟しつつあると実感し、完成には程遠いがそれでも不必要な援護ももう要らないだろうと考えながらマジンガーの操縦技術を叩き込んだ甲斐があったとして笑みを浮かべていた。

 

「………マジンガーZ、もしも次にヴァルシオンやグランゾンと対峙したその時は………必ず勝とうな、俺とお前、テツヤさんとグレートマジンガー、そして仲間達と共に」

 

 それからコウジはマジンガーZに語り掛け、兄弟たるグレートマジンガーや仲間であるR-1にゲシュペンストMk-II達と共にビアン・ゾルダークやシュウ・シラカワが駆るヴァルシオン、グランゾンにも勝とうと決意していた。

 ツルギもまたグレートマジンガーと共に戦士として戦い抜くとして決意を改め、次の出撃までにグレートの修復とアップデートを手伝うのであった。

 

『………………お………れ………も………………』

 

 そんな整備班とコウジ達がマジンガーへの作業を徹している中、マジンガーZの眼が少しだけ光り、キャノピーたるホバーパイルダーの中に一瞬………ほんの一瞬だけ、光の文字が浮かび上がった………のだが、それに気付く者は誰も居らず作業に集中していたのであった。

 だがこの時から、マジンガーZの中に何かが生まれ始めていた………それは間違い無い事である。

 それが善き物か、悪しき物なのかはまだ誰も知らない………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───オーストラリア・メルボルン───

 

 

 

 朝日もまだ昇らぬ、しかし空が藍色に染まり始め朝日の到来が待ち遠しき頃。

 メルボルンではDCによる侵攻以上の大惨事が発生していた…!! 

 

『シェアッ!!』

 

『タァッ!!』

 

『グオオオオオオオオ!!!!!』

 

『キシャァァァァァァァッ!!!!!』

 

 この日、メルボルンでは真夜中にノスフェルとガルベロスが都市を襲撃し、ビーストヒューマンを1000人以上作り上げた後『インビジブルタイプビーストゴルゴレム』を呼び出し、自身達はナイトレイダー到着前に逃走。

 その後はゴルゴレムとビーストヒューマンによる地獄の一丁目とも呼べる破壊活動が行われてしまっていた!!! 

 当然ナイトレイダー、そしてウルトラマンや仮面ライダー達はそんな蛮行を許さない。

 地上のビーストヒューマンはディケイドとジオウが、ゴルゴレムはネクサスとティガが、そしてウォズとゲイツはクロムチェスター3機を合体させた地上戦車形態『メガキャノンチェスター』を動かし、ゴルゴレムと戦闘を行っていた!! 

 

「くそ、ビーストヒューマンの数が多過ぎる!! 

 こうなったらコイツで!!」

 

ジオウII(ツー)!! 

 ライダータイム! 

 仮面ライダー・ライダー! 

 ジオウ・ジオウ・ジオウII(ツー)!!】

 

「仕方無いな…!!」

 

KUUGA AGITΩRYUUKIFAIZBLADEHIBIKIKABUTODEN-OKIVA!! 

 FINAL KAMEN RIDE DECADE!!】

 

 地上のジオウとディケイドはそれぞれジオウII(ツー)ウォッチとケータッチ21(トゥエンティワン)を取り出し、但しディケイド側は21用カードでは無く以前のケータッチに使っていたコンプリートカードを挿入しそれぞれジオウII(ツー)ディケイドコンプリートフォームへとフォームチェンジし、パワーアップする! 

 更にジオウII(ツー)は『ジカンギレード』と『サイキョーギレード』を合体させた剣『サイキョージカンギレード』を携え、ディケイドも『ライドブッカーソード』を構えつつケータッチ21(トゥエンティワン)の1つのタッチボタンに手を伸ばしていた!! 

 

KABUTO!! 

 KAMEN RIDE HYPER!!】

 

 カブトのライダークレストボタンを押し、Fボタンをタッチした事でディケイドの隣に『仮面ライダーカブト・ハイパーフォーム』の幻影が現れ、ディケイドの動きを追従する様にカードを構える動作まで行う!! 

 更にジオウII(ツー)サイキョージカンギレードが放てる最強の必殺剣を使い、これ以上ビーストヒューマンが増える事態を防ぐべくその動作を進めた!! 

 

FINAL ATTACK RIDE KA・KA・KA・KABUTO!!!】

 

【ジオウサイキョウ!! 

 サイキョー・フィニッシュターイム!!! 

 キング・ギリギリスラーッシュ!!!!!!

 

『はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!』

 

【ドォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!!!!!】

 

 2人のライダーはそれぞれ『キングギリギリスラッシュ』とカブトハイパーフォームの必殺技である『マキシマムハイパータイフーン』を使い、全てのビーストヒューマンを細胞1つ残らず消滅させ死した屍たる彼等を本当の意味で終わらせる! 

 この時ジオウもディケイドも…ソウゴもツカサもビーストの魔の手から救えなかった慚愧の念に駆られ、しかし攻撃をして消滅させねばならぬ為に心を鬼にし、人間の形をした『敵』をその手に掛けたのだった!! 

 一方パワータイプジュネッスにタイプチェンジしたティガとネクサスはゴルゴレムが持つ別の位相に移動し透明化し、攻撃をすり抜ける能力を封じる為にメタフィールドに封じ込め、且つメガキャノンチェスターと共に戦闘した!! 

 結果、カラータイマーコアゲージ赤く点滅するまで時間経過と消耗はしたが何とか戦況を優位に進めていた!! 

 

『タァッ、ハァァァァァァァァァ、タァァッ!!!! 【キン、キュィィィィィィン、ビィィィィィィィィィィッ!!!!!】

 

『シュ、ハァァァァァ………【キン、キュイン、バチバチバチバチ!!】フッ、テェヤッ!! 【ギュン、ビィィィィィィィッ!!!!!】』

 

「ターゲットはロックした、トリガーは君に任せようゲイツ!」

 

「よし、メガキャノンバニッシャー発射!!!!」

 

【キュィィィィィィィン・ビィィィィィィィィィィィィィィィッ!!!!!!】

 

 ティガはパワータイプの状態からデラシウム光流の構えから放たれるゼペリオン光線を、ネクサスはオーバーレイ・シュトロームを同時発射し、更にメガキャノンチェスターもストライクバニッシャーから25%も出力を上げた必殺兵装の『メガキャノンバニッシャー』を放ち、ゴルゴレムに直撃する………と、思われたが………何とゴルゴレムはバリアを張り、更に本来なら持ち合わせていない筈の能力である『の両属性を持つバリアを全方位に張る』と言う原種の物から厄介な方にパワーアップした能力を見せていた!! 

 そしてネクサスのメタフィールド維持時間が限界に到達し、メタフィールドが崩壊した瞬間ゴルゴレムは位相転移の力でその場から逃亡してしまった!! 

 それに合わせて2人のウルトラマンも光の粒子となり、ユーゼスとダイゴの姿に戻ってしまった! 

 

「メガキャノンバニッシャーどころか、ネクサスとティガの光線すら弾かれた!? 

 そんな馬鹿な!?」

 

「………どうやら、あれはの両属性を持つバリアの様だ。

 アレを突破するには同じく『の力を持つ高い威力を持つ攻撃』をぶつけなければならないだろう。

 しかも厄介な事に別々にの力を当てるのでは無く両属性を持つ力を当てるのだ。

 よって………今の我々ではゴルゴレムを倒す手段はほぼ無いと言えよう」

 

 ゲイツが驚愕する中でウォズが冷静に先程のゴルゴレムのデータを調べ上げ、バリアを張る能力が想定外なまでに厄介な物に進化していた事が共有された。

 それを聞きユーゼスとダイゴはネクサスもティガも光の力しか無く、また………ティガが闇に堕ちた姿であるティガダークに仮になり、ネクサスと共に戦おうともあのバリアを破る事が不可能であった。

 ビーストヒューマンの殲滅を確認し、変身解除したツカサも『仮面ライダークウガ』の『アルティメットフォーム』の力と『仮面ライダーアギト』の『シャイニングフォーム』の力を同時に当てようが無理と判断し、ソウゴは………2つの『金色の装飾が目立つウォッチ』の力を使えば恐らく行けるが、これを使う事態は出来るだけ………1つ目はもっと厄介な敵が、2つ目は『終焉の魔神』出現のその時まで控えたいので使えなかった。

 よって………ナイトレイダーは此処に来て手詰まりとなるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───ナイトレイダー本部───

 

 

『メルボルンの血の雨』と呼ばれる事となったゴルゴレム、ビーストヒューマンが起こした事件から数時間が経過し、ユーゼス達は解析したデータを地球連邦軍に引き渡し、自身達はナイトレイダー本部へと帰還していた。

 本当ならば住民の安全確保等を手伝いたかったが、連邦軍の現場指揮官から『ナイトレイダーはゴルゴレムを追って欲しい、そして倒してくれ、此処は連邦軍がやる』と言われ渋々帰って来た所だった。

 しかしあの現場指揮官は別に厄介払いをしたかった訳では無くマニュアルに従った事と、ナイトレイダーはあくまで民間組織である事を踏まえて地球連邦軍が事後処理を担当した方がスムーズに事が運ぶとしてナイトレイダーにゴルゴレムの追撃を任せたのだ。

 要は餅は餅屋である。

 

「さ、これからゴルゴレムの殲滅作戦を考えるわよ! 

 先ずあのバリアだけど、クウガのアルティメットの力とアギトのシャイニングの力を同時に当てても破壊は出来ないのよね?」

 

「ああ、それは間違い無い、我が魔王に誓って断言しよう」

 

 ナイトレイダーの各自の作業机とオフィスチェアに座るユーゼス達の前で『ツクヨミ』がホワイトボードを持ち出し、シンプルに『ゴルゴレム撃滅作戦!!!!』と殴り書きをし、ウォズが解析したあのゴルゴレム………以降『ゴルゴレム:進化体』と呼ぶ個体の能力を書き、仮面ライダー側はクウガとアギトの力を同時にぶつけても駄目とツカサもお手上げしながら足を組んで座っていた。

 ソウゴも先程出した2つのウォッチを取り出しながら使用NGのカンペを掲げながら座り、ゲイツも手を額に当てながら苛立つ仕草を見せていた。

 

「となれば………ウルトラマン側での力を扱う人が居れば何とか解決出来るのよね? 

 ユーゼス、ダイゴ、2人は両方の力を同時に使えるウルトラマンって知らないの?」

 

「………済まない、私は辛うじて知っているのはU40最強の戦士である『ウルトラマンジョーニアス』までなんだ。

 他のウルトラマンの知識は皆無なんだ」

 

「僕はティガの概念そのものだから色んなマルチバースで顕現したティガの知識を持つから言えるけど、両方の属性を持つウルトラマンなんてはっきり言って数はとても少ないよ。

 例えば………ティガによく似たウルトラマンである『ウルトラマントリガー』やデビルスプリンター、ゴルゴレムが進化した原因であろう物質の元である闇の力を持ち、己が覇道を進んだ悪のウルトラマンである『ウルトラマンベリアル』の息子である『ウルトラマンジード』、そして………この世界に居るウルトラマンオーブ位しか居ないよ」

 

「えっ、あのウルトラマンってそんな力を持ってるの!?」

 

「うん、『フィー』とベリアルの力を借りて戦う『サンダーブレスター』ならば、アレを突破出来ると思う」

 

 ユーゼスは己のウルトラマンの知識に関して偏りがある事を語り、次にダイゴの話を聞けばこの世界に丁度居るウルトラマンオーブの1つの形態がの力を同時に使えると知り、ツクヨミとゲイツは驚きウォズとツカサは聞かれるまで黙ってる事を決めてたと態度で示してたのでソウゴは呆れたと言った態度を見せていた。

 しかし………ユーゼスはウルトラマンも闇に堕ちる、悪のウルトラマンがこの世に居る事を知り稲妻の如き衝撃を受けていた。

 何故ならユーゼスが知るウルトラマンは皆光の戦士であり、人々の希望であり諦めない心を教えてくれる良き友人であったからだ。

 だがユーゼスはまだ知らない、そのウルトラマンベリアルは『ウルトラの父』のかつての親友兼ライバルであり、光の国から初めて出た重罪人であった事を。

 

「なら私達ナイトレイダーの方針はそのウルトラマンオーブに頼んでゴルゴレム:進化体を一緒に撃滅して貰う事ね! 

 所で、ウルトラマンオーブって人間態の時はどんな名前なの?」

 

「ウォズ、答えてよ」

 

「はい、我が魔王。

 この書物によればウルトラマンオーブはさすらいの風来坊クレナイ・ガイであり、この世界では元教導隊にしてストレイジの現メンバーであると書かれてますね」

 

 ソウゴの命によりウォズは『真逢魔降臨暦』を取り出すとウルトラマンオーブの正体をストレイジのクレナイ・ガイ………つまりハガネ部隊に居るあのクレナイ少佐である事を教えると流石にソウゴもビックリしていた。

 最もユーゼスはクレナイ・ガイを一目見た時からウルトラマンである事を確定させていたが、サンダーブレスターの事も知らなかったのでまだまだウルトラマンの事を良く知る必要があるとして真剣に聞いていた。

 ………因みにヘビクラについても宇宙人であり、恐らくこの世界の地球連邦軍に色々と根回しをしていたジャグラスジャグラーであると推察していたりするので、情報さえあればパズルのピースを埋める事はユーゼスにとっては容易い事である。

 

「なら今度はストレイジにゴルゴレム撃滅作戦を手伝って貰うわよ! 

 何とかゴルゴレム:進化体が現れる場所を算出して其処を私達とストレイジで待ち伏せ出来れば………」

 

「それならば簡単だ、俺の力でゴルゴレムをハガネの前に呼び寄せる。

 そしてクレナイの奴にオーブへ変身させ、此方もティガとネクサスに変身し3人のウルトラマンの力で一気に殲滅させる。

 ただでさえゴルゴレムも進化したんだ、上級ビーストのノスフェルやガルベロスがこのまま進化しないとは考え辛い、早急にコイツを撃滅して奴等の行方を追うぞ」

 

 そうして作戦としてゴルゴレム:進化体をツカサのオーロラカーテンで捕らえ、ハガネの前に誘き出す作戦を立てていた。

 更に事前にガイ達にはオーブに変身して貰うと作戦を伝える事が決まり、早速ツカサがオーロラカーテンを使い先ずはジャグラーとガイに話を通し、更にハガネの艦長であるダイテツにもオーブの下り等を隠しながらゴルゴレム撃滅作戦を伝えると言うフットワークの軽さを見せていた。

 そしてユーゼスとダイゴは守りきれなかった人々に懺悔し、ゴルゴレム:進化体への闘志を………憎しみではなく正しき怒りを胸に秘めながらエボルトラスターやスパークレンスに目をやり、エボルトラスターは脈打っていたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ───イタリア・ヴェネツィア───

 

 

 

 ヴェネツィアの喫茶店にて、テレビにノスフェルとガルベロス、そしてゴルゴレム:進化体とビーストヒューマンが起こしたメルボルンの血の雨が事件として大々的に映されていた。

 それにより、そんな事件があったのかと知ったマスターテリオンは、エセルドレーダと共にコース料理を食べながらワインも飲み、そしてスペースビーストの醜悪さに明確な嫌悪感を示していた………あの邪神共と同じ嫌悪感を。

 

「やぁ失礼、此処の席をちょっと借りさせて貰うよ。

 いやぁ〜全く、スペースビーストには困るよねぇ。

 見境無く怪獣も人間も襲うから本当に質が悪いよ。

 君達もそう思わないかい?」

 

「ふむ、その意見には同意であるとしよう。

 但し、汝が道化や舞台の仕掛け人を気取り影で謀を押し進めんとしなければ、であるがな。

 四霊の超機人を操りし強念者『孫光龍』よ」

 

 そんなマスターテリオン達の前に現れた白いスーツと白い帽子、そして胸のポシェットに『とある女性の魂の欠片』が形となった白百合の花を飾った男………ある意味マスターテリオン並に危険な男であり、そしてある事には非常に一途と何処か似ている様で違う………マスターテリオンが混沌ならばこの男は秩序側の男であり、この地球の『人造神であり守護神』の第一の下僕であり半不老不死にして恐るべき念動力を持つ男、『バラル』の首魁、孫光龍である。

 マスターテリオンとは対極に位置し、この星と胸に秘めた一途なる想いを守る為ならばどんな手段も辞さない男が邪神の落し子たる大導師(グランドマスター)の前に現れたのだ、何が起きるのかが分からない。

 エセルドレーダはそんな状況に気を利かせて人払いの結界を張り、2人をじっくりと話させようとしていた。

 

「うんうん、マスターである大導師に付き従う君は良い子だねぇ。

 さて、外なる神たる『門にして鍵、一にして全』なる者の落し子さん………君、一体何を企んでるのかな? 

 まさかこの世界でヨグの門を開いて夥しい数の邪神を呼び寄せるとかそんな気じゃないだろうねぇ…?」

 

「今の余は邪神共とは切り離され自由の翼を得た。

 なればこそ比翼連理の鳥たるエセルドレーダと共に踊り続けるのも一興………かと思ったのであるがな。

 この世界の『深淵の叡智』が余と宿命の君たる『魔を断つ剣』に向かって悲鳴を上げたのでな。

 余達は邪神以上の何かが差し迫っていると感知し『この世界』へと降り立ったのだ。

 しかし、その前哨としてまさかデビルスプリンターを吸収し強化された獣共がこの星に蔓延っているとは余も思わなんだ」

 

 そうしてこの星の守護者を自称するバラルの首魁と大導師(グランドマスター)の他者を押し潰す空気を孕む会話が進み、互いに探り合いを入れながら言葉を紡げばそれ等をのらりくらりと躱し、相手の真意を推し量ろうとしていた。

 最もマスターテリオンは『深淵の叡智』の悲鳴を聞き顕現したと本当の事しか話していないので光龍も嘘がこれっぽっちも無いと知り拍子抜けし始めていた所だった。

 

「ふ~ん、なら君達は『アカシックレコード』からこの世界が悲鳴を聞いたと? 

 なら僕等に任せてさっさと帰ったら? 

 スペースビースト如きなら僕の『応龍皇』だけでも殲滅出来るからさ。

 まぁ流石に自分達が守護する惑星を傷付けるのはご法度だから派手な事は出来ないけどね」

 

「ふっ、獣共如きならば確かに汝のみでも構わんだろう。

 が、獣共の裏に潜む者は? 

 更にこの世界、何か不審に感じた事は無いか? 

 ………光子力とゲッター線、ウルトラマンと仮面ライダー、この4つが何故『この世界』に存在し得るのか? 

 そして南の果てより来たりし『破滅』と『この世界のマジンガーZ』が至らんとする『終焉の魔神』、それ等に汝等と人祖のみで如何とする物か?」

 

 光龍はバラルの首魁として迂闊にマスターテリオンと事を構えれば如何なる結果を招くかを分かっているのでスペースビーストの対処はバラル、ひいてはこの世界に居るウルトラマン達だけでどうにでもなるのでお引き取り願おうとした。

 が、マスターテリオンはアカシックレコードの悲鳴を聞きこの世界の外側から来た男である為、自身がアカシックレコードから読み上げたこの世界が至る未来………まだ光龍も知り得ない情報の触りを明かし、彼の興味を引きながら何が待ち受けているのかを語ろっとしていた。

 これには流石の孫光龍でさえも知識欲や一応この星の守護者としての使命が働き、もしも大導師(グランドマスター)が語る事が真ならばバラルとしても行動方針を変えねばならないと感じ取り、飄々とした表情から笑みが消えていた。

 

「ふむ、漸く余の言の葉を聞くに値すると察したか。

 では目下に迫るものとして先ずは『この世界のマジンガーZ』だ」

 

「マジンガーZねぇ………『他の世界』の事をボンヤリと覚えてるけど、アレがそんな危険な存在なのかい?」

 

「危険だとも。

 何故なら汝が知るマジンガーZと余が語るマジンガーZは全く異質、そして『この世界のマジンガーZ』が秘めし力が全て目覚めた果てに待つのは避けられぬ終焉、其処にバラルもバルマーもゾヴォークも関係ない。

 全てが終焉に至り、マジンガーが世界を滅ぼすだろう」

 

 マスターテリオンは『この世界のマジンガーZ』が秘める危険性を説くと、光龍はうっすらある虚憶、或いは差異次元の記憶のマジンガーZと照らし合わせてもまるで違う雰囲気を感じ取り、それから黙ってマスターテリオンの言葉を聞いていた。

 そうして語られる7つの魔神パワー、その果てに至る『終焉の魔神』、止められる存在はごく一握りであり『人祖』や超機人では全く及ばぬ正に『終焉』の名が相応しき魔神であると理解してしまった。

 

「………冗談だろう? 

 マジンガーZがそんな物になるのかい? 

 あの鉄の城、正義のスーパーロボットの象徴が?」

 

「全ては何処かで目覚めた『終焉の魔神』の干渉による物だ。

 そしてそれは虎視眈々と『神の座』を狙っている。

 そう、因果の果てに待つ『虚無の皇帝』と並びしマジンガーの神として君臨せし『最終にして原初の魔神』の座を、な」

 

「…一体何故だい? 

 そしてそれが起きて何でこの世界が滅びなきゃいけないのさ?」

 

「無論、『マジンガーZ以外の可能性全てを否定し尽くす為』である。

 故にこの世界に満ちし『可能性の光』達も、ウルトラマンや仮面ライダー達すらも否定せんとする。

 そうなれば決定的な『破局』が全ての世界に起き、そして全ては『死と新生の輪』から外れ、『終焉の魔神』が支配する世界が果てなき時の頂で成るだろう」

 

 そしてマスターテリオンが語る『終焉の魔神』による世界終焉、そして全ての可能性が否定され尽くされるシナリオを聞かされ光龍は胸の白百合の花に視線を向け、『彼女』との出逢いと別れが否定され無に帰すと本能的に察知し、その席を立ち喫茶店から去ろうとする。

 が、マスターテリオンが結界を張り店の外に出させない様にしていた。

 

「待て、まだ噺は終わってはおらぬ。

 そして今汝はマジンガーZを破壊せんと動こうとしたがそれは悪手よ。

 アレはそうなれば忽ち『終焉の魔神』に至りこの世界は無に帰す………汝の愚かな行動1つで全てが破局に至るのだ、余の言の葉全てを聞いてから動け」

 

「………」

 

 孫光龍はマスターテリオンが指摘した通りマジンガーZの即時破壊を目論んだのだが、それをすれば全てが即終わると指摘され珍しく苦虫を噛み潰した様な表情を浮かべていた。

 それから再び席に座ると不機嫌そうに話を聞き直す光龍だった。

 

「では先ず『終焉の魔神』への対策だが、これは余が語るには余りにも稚拙だが場当たり的にならざるを得まい。

 が、余は幾許の間が許されてるこの時に余の協力者を増やし魔神の覚醒を阻もうと画策している。

 その1人が汝である…が、この話は汝の中で留めよ。

 さもなくば汝の下々の者共が迂闊にマジンガーZを刺激しかねん」

 

「…『夏喃』辺りならそうなるだろうね」

 

 それからマジンガーZを『終焉の魔神』にしない対策として場当たり的になると注釈しつつ兎に角刺激しない方向性をマスターテリオンは示した。

 何故なら『終焉の魔神』が覚醒すればフルパワーのリベル・レギスで挑まねばならず、そうなれば『破局』は間違い無いからである。

 光龍もこの大導師(グランドマスター)がこんな稚拙な対策とも呼べぬ物を口にするとは、『終焉の魔神』とはそれ程までに恐るべき存在なのだと理解したのだった。

 そうであるならば現在の『竜玉』が失われたまま…まだ完全では無い応龍皇では手も足も出ないまま滅ぼされるのがオチだとして直接の手出し無用と判断を下した。

 最も竜玉が完全となっても衝突すればフルパワーのリベル・レギスと同様『破局』となる為、間違っても直接的な敵対行為は自殺行為である。

 

「そして余は『終焉の魔神』へ至らぬ因果を見出す為にこの世界を回る。

 その中で獣共も狩り、何故この世界に獣共が現れたかも暴こう。

 その為に余に力を貸せ、守護者孫光龍よ」

 

「…バラルのやって来た事を考えたら今更正義の味方を名乗るのは烏滸がましいケド………まぁ、世界が終焉に至るのは僕としても避けたい所だからね、協力しようかマスターテリオン」

 

「よし、では次に南の果ての地より現れし『破滅』についても話しておこう。

 汝も彼の地に『門』がある事は知っていよう? 

 なればこそ其処より出でし汝等が語りし百邪、その中でより最悪にして『終焉の魔神』と同等の、文字通り汝等の結界であろうと対処が叶わぬ『破滅』をな」

 

 そうして孫光龍とマスターテリオンと言う恐ろしくも手を組めば間違い無く舞台をひっくり返す事が出来得る人材同士が手を組んでしまった。

 矢張りそれ程までに『終焉の魔神』の覚醒、そして『門』より来たる『破滅』は正しき手順で対処せねばならぬのである。

 この世界が『終焉』か『破滅』、その何方かに至る事を防ぐ為に………。




此処までの閲覧ありがとうございました。
コウジが決意を新たにした裏でゴルゴレム、パワーアップ&ビーストヒューマン対仮面ライダーの構図出来上がり。
何これちょっとした地獄…?
それはそれとして孫光龍、マスターテリオンに啓されて『終焉の魔神』と『破滅』について真面目に聞く様になりました。
まぁだからと言って『破滅』に関してはバラルではどうにも出来ないんですけどね………それでも警戒度は原作よりかは上がってくれる…筈…。
後、ソウゴが出した金色の装飾が目立つ2つのウォッチですけど、『このソウゴは超最善ルートを通ってジオウに関わる全ウォッチを継承し入手した』って世界のソウゴです。
そうじゃないと『終焉の魔神』やら何やらに対処出来ないので………(でもアレを『終焉の魔神』に使うと『世界の破局』が始まる不具合)。
そして次回は数話振りの完全オリジナル回になります。
それが投稿されるまでお待ち下さいませ。

次回もよろしくお願い致します!

ライダー側の敵(例えばハンドレットとか大ショッカーとか)をDC戦争後に出して良いですか?

  • チョーイイネ、サイコー!!
  • ダメです!!!
  • 理由ある登場なら…
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