スーパーロボット大戦OG 魔神伝   作:”蒼龍”

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皆様おはようございます、第13話を投稿致します。
今回は長めの単発回になります。
なお、前回の戦闘で怒りを爆発させたリュウセイの念動力レベルは原作ではこの時期では育ってても2か3が限界でしたが、今作では一気にLV5まで解放されています。
それだけテンザンのやらかしが許せなかった+サイコドライバーの才能が魔神パワーを持つマジンガーZの近くに居る事で早期に開花しつつあると補足させて頂きます。
では、本編へどうぞ!


第13話『トーマスの罠』

 ───太平洋・クリスマス島沖・ハガネ・食堂───

 

 

 

「………へぇ、マジンガーZに新しい装備がまた追加されるのか」

 

「そう、その名は『ミサイルパンチ』。

 マジンガーZの腹部から発射されるミサイル兵器で、威力は通常出力の光子力ビームよりも高い代わりに射程や正確な射撃は光子力ビームに譲る武装なんだ。

 つまり、近場且つ敵に大雑把に撃っても当てられるならミサイルパンチを、遠距離で精密射撃がしたい場合は通常出力の光子力ビームを使えって訳さ。

 因みに通常出力の光子力ビームの射程も光子力エンジンの改良が済むと伸びるから、より近距離〜遠距離の武装分けも出来るらしいんだ」

 

 その日、マジンガーZに新たな武装と言うミサイルパンチが追加されるとコウジからリュウセイやマサキにジャーダ達、更には休憩中のクスハと………まだジャーダやガーネットの陰に隠れがちだがラトゥーニが食事に混ざりその内容や、将来的なマジンガーZの光子力エンジンアップデート後の話まで聞き益々マジンガーZが『(くろがね)の城』………一部DC兵が『まるで黒い鋼鉄の城がそのまま迫って来る!』と口走った結果、彼等が鉄の城と渾名を付け恐れる様になったのだ。

 そんな無敵感溢れるが、それでも矢張りグランゾンとかの上には上が居るし相棒のグレートマジンガーの存在もあるので其処までコウジは自惚れる事は無かった。

 

「にしても鉄の城と『偉大な勇者』ねぇ…DC兵の中には渾名を付けるセンスがある奴が居るみたいだな」

 

「でもどっちも堅牢でこれぞ『ザ・魔神』感があるマジンガーZと剣と雷を携えるグレートマジンガーの特徴を捉えてるし、分かり易いって感じもあるわよね〜」

 

「………でも、そんなダブルマジンガーがハガネの味方だから、作戦を立て易くなってるわ………」

 

 ジャーダやガーネットがダブルマジンガーに付けられたDC側の渾名のセンスを語り、その途中でぼそっとラトゥーニが会話に混ざりこちらの味方で居るマジンガー達の戦闘力やコウジ達の操縦技術で助かってると語ると、それを聞いていたリュウセイやコウジ達も頷きながらそれに同意していた。

 

「あら、皆此処に居たのね」

 

「あれ、リオ? 

 何でイングラム少佐やアヤ大尉と一緒に来てんの?」

 

「それがね…リオが戦力増強を兼ねてオペレーターとPTパイロットを兼任するって話が前々からあって、それを今日皆に報告しに来たのよ。

 今後リオは私のゲシュペンストMk-IIタイプTTに乗って、私がヒュッケバイン009に乗る事になったわ」

 

 其処にリオ達が現れ会話に混ざりつつ、何とリオまでパイロットになると言う話が飛び出した上にもうアヤのゲシュペンストMk-IIを譲り受ける話が決まっていると語られ、全員驚いていた。

 其処にツルギやヘビクラ、クレナイも現れると、リオの件が知れ渡ったと知りそれぞれの立場から話し始めた。

 

「俺達も初めは単なるオペレーターが無理だろって思いシミュレーターを試させたんだがな、其処でこのリオはリュウセイが新兵の時にヒィヒィ言ってクリアしたランクを突破しやがったんだ」

 

「で、途中から俺達元教導隊の誰かとシミュレーター内の実戦訓練をさせてこっちは本気で落としに行き何度も何度も撃墜判定を喰らわせた。

 が、リオ伍長はめげずに何度も何度も挑んで来て…そして遂にはヘビクラの操るゲシュペンストMk-IIに一撃を加えるレベルまで短期間でなったんだ」

 

「それ等のPT適正を踏まえ、リオ・メイロン伍長は今後我々と共に出撃すると共にPT乗りに必要な最低階級の曹長に戦時昇級する事となった、と言う事だ」

 

 其処からヘビクラ、ツルギ、イングラムの順で説明された結果、リュウセイもあのSRXチームに入った時期にやらされ何度もクリアするのに苦労したシミュレーターレベル8………1〜9まであるレベルの内2番目に難易度が高くこれをクリアしなければ最低でもPT乗りにはなれない関門とされる物をクリアした上でヘビクラにまでシミュレーター内の話だが一撃を与えたと知り、コウジやリュウセイも『おお~』と思わず声を上げ、そして新たにリオが戦場に加えるとなり歓迎していた。

 勿論オペレーターまで戦場に駆り出されるこの人材不足感にはDC戦争の過酷さが滲み出ており、手放しで歓迎出来なかったがそれでもDCに勝つ為ならと皆受け入れるのだった。

 

「と言う訳で、皆よろしくお願いね。

 勿論皆の足を引っ張らない様に頑張るからそのつもりでね!」

 

「ああ、よろしく頼むぜリオ!」

 

 そうしてこの食事会はリオのPT乗り兼任のお祝い兼歓迎会となり、そうと決まるとリオの好きな物をコウジやリュウセイ達がポケットマネーから出してハガネの厨房のシェフ達に注文するのだった。

 そんなリオをクスハは漠然と凄いなと思いながら見ており、自分も頑張らなきゃと気合を入れなおしていた。

 なお…イングラムの意向でリオ・メイロンがリュウセイやアヤと同様に念動力適正がある事は大尉以上の階級の間で秘密となり、それをリオ自身が気付けるかのテストも密かに始まっていたのだった。

 

 

 

 

 

───アイドネウス島・DC司令室───

 

 

 

 一方DC司令室では直属の部下たるテンザンのバレリオン部隊が敗北し、ハガネがクリスマス島沖まで接近しもう少し進めばアイドネウス島の防衛ライン上に到達する故にアードラーはビアンにコッテリと絞られた後だった。

 無論アードラーもこのまま黙ってる訳が無く、テンザンによる真正面からの攻撃では駄目と判断し、其処で搦め手であの艦にダメージを与えるべく『トーマス・プラット』少佐率いる部隊に襲撃させようと画策していた。

 

「此処に居たかアードラーよ。

 フッ、ビアンに絞られすっかりご機嫌斜めの様だのう?」

 

「Dr.ヘル、貴様何の用だ! 

 嫌味を言いに来ただけならばさっさと機械獣の復元・改修、量産化作業に戻らんか!」

 

「まぁ待て、お前もハガネ部隊が倒せんで困っておろう? 

 其処でワシが力を貸してやろうと言うのだ」

 

「ふん、古臭い機械獣如きにハガネが落とせるとでも…!」

 

 そんなアードラーにDr.ヘルは助け舟を出すかの様に中欧に集結させつつあった機械獣軍団の中から数機の機械獣を貸し与え、アードラーとその息の掛かった者にどれだけ扱えるか見てみようとしていたのだ。

 それを余計なお世話と言わんばかりにアードラーは他の発掘したての機械獣の復元作業にDr.ヘルを追い払おうと露骨な嫌悪感を見せていた。

 するとそのDr.ヘルは…ニヤリと笑いながら、何を貸し与えるかを口にし始めた。

 

「貴様に貸し与えるのは『ジェノバM9』3機と『ジェノサイダーF9』1機、そして…『グロイザーX10』1機じゃ」

 

「………はぁっ? 

 ジェノサイダーF9に………グロイザーX10じゃと!? 

 アレは少数量産型の機械獣の上にアレが投入された連邦軍基地をオーバーキルの如き絨毯爆撃で壊滅させた過剰火力の機械獣じゃろう!? 

 そんな貴重な物を、このワシに、貴様が譲ると言うのか!?」

 

「無論だとも。

 それにハガネ部隊がこのジェノサイダーF9とグロイザーX10………空飛ぶ爆薬庫たる機械獣2機やそれを援護するジェノバM9の狙撃に如何に対処するか見届ける為ならば…如何に貴重な機械獣であろうが陰険で、腐れネズミで、スクールの失敗から何も学ばぬ貴様程度の男にも貸し与えてやるとも」

 

「ぬぐ、貴様…その生意気な口は相変わらずじゃな…!!」

 

 アードラーも貸し与えられる機械獣のラインナップに普通にやればハガネもEフィールドの上から叩き落とせる組み合わせの物に驚愕し、対するDr.ヘルも先程の露骨な嫌悪感をぶつけられたお返しと言わんばかりにアードラーをこき下ろした。

 これにはアードラーも頭の血管が切れそうになる…が、ジェノバM9は兎も角ジェノサイダーF9とグロイザーX10を得る為ならばその生意気な言葉もぐっと堪えるのだった。

 

「………良かろう、それを貰い受けるわ。

 それで、ジェノサイダーF9やグロイザーX10を搭載する飛行要塞グールも貴様が用意するのだろう? 

 誰がそれを指揮する? 

 あしゅら男爵はハガネ部隊を警戒しアイドネウス島の直接防衛、ブロッケン伯爵は現在中欧攻撃作戦に参加して向こうへ出払ってる、では誰があの要塞を指揮するのじゃ?」

 

「ふふふ、あしゅらもブロッケンも使えず、グールの能力を活かせそうなハヤト中尉は揃った第2ゲッターチームの短期間の過酷な訓練による早熟育成とサオトメと共に『新型ゲッターロボ』の開発に全リソースを注いでいるからのう…。

 ならば此処は恐竜帝国の帝王ゴールが直接ハガネ部隊を見てみたいと言ってたからゴールに任せようと考えておる」

 

「て、帝王ゴール? 

 ………あやつ、グールに恐竜帝国お抱えの『 古代怪獣ゴモラ』とかを連れて行く気か?」

 

「いや、ゴモラや『どくろ怪獣レッドキング』はメカザウルス部隊と共にアイドネウス島に現れるスペースビースト共の討伐にのみ投入をすると彼奴は応えおった。

 故にハガネ部隊には流石にゴモラはぶつけんよ、あの中に対怪獣・ビースト用兵器の特空機があろうとも、な」

 

 そうして機械獣を連れて行くグールの指揮するは恐竜帝国の帝王ゴールと決まり、その話をDr.ヘルはアードラーと共に通しに向かうのだった。

 無論トーマス少佐の部隊もキラーホエールでグールに随行する形になった。

 ………そして、このアイドネウス島ですらもスペースビーストの襲撃が度々行われ、途中までラングレー基地へ出向いていたゲッターロボやメカザウルス達があの怪物共をゴモラやレッドキングと共に叩き潰さなければならぬ程にワラワラと現れ始めてるのだ。

 

「(矢張り直接の原因はメルボルンの血の雨。

 アレが人類にスペースビーストへの恐怖を植え付け、それがビースト振動波で伝わり奴等の糧となり新たなビーストが次々と生まれてるのだろう。

 流石にこのままスペースビーストが増え続ければ連邦軍との戦争などと言ってはおられんくなる上にEOT特別審議会のゴミ共を潰す機会を我々側は失う。

 故にあの悪魔共………ノスフェルとガルベロスはDCとしても早急に排除せねばなるまい。

 だから帝王ゴールもバット将軍や娘のゴーラをナイトレイダーに送ったのだろうよ…)」

 

 この事態にDr.ヘルやビアンはメルボルンの血の雨でスペースビーストへの恐怖が人類間にまたメキシコ事変以来に広まり、それが新たなビーストの呼び水となってしまったのだと確信したので帝王ゴールはバット将軍とゴーラ王女、更に『メカザウルス・ゾリ』とサオトメ博士が恐竜帝国に親交の証として与えたゲッターロボ『ゲッターQ』をナイトレイダーに派遣し、スペースビーストの討伐件数を更に伸ばしつつ上級ビーストのノスフェル、ガルベロスの撃滅を急がせるのだった………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第13話『トーマスの罠』

 

 

 

 

 

 ハガネはクリスマス島沖を第3種戦闘配置で進みつつ、DCの襲撃を考え何時でもパイロット達が出撃可能になる様に待機させていた。

 なおアヤ大尉は定期的なテレキネシスリンクテストを行い、途中高レベルのリンクを行うと念の逆流が発生しそうになった………が、『何故か』念の逆流が収まり、それまで出来なかった高レベルのリンクが出来る様になっていた。

 その影響でテレキネシスリンクのデータ取得が進み、それを開発中のR-シリーズ3号機の『R-3』にフィードバックさせれば実機完成と共に戦闘投入が可能と言うレベルになっていた。

 その際アヤは「マイやお母さんの念の残留思念を感じて苦しかったんだけど………途中で何か………暖かくて、頼もしい光が手を引いてくれて、それでテレキネシスリンクがやり易くなりました」とイングラムやロブ、更にジュウゾウ達に話していた。

 

「(光………考えられるのはマジンガーZの魔神パワー。

 そして、アヤ大尉が高レベルリンクをした辺りで整備中のマジンガーZの目が不意に光り、ワシの持つ封印措置の探知装置が魔神パワーの低レベルの発動が見られた。

 ………マジンガーZ、お前は何を考えてアヤ大尉を導いた? 

 敵を作りたいからか、それとも………?)」

 

 その現象もジュウゾウは原因がマジンガーZ、そして魔神パワーと確信しつつマジンガーZが何をしたいのかと測り損ねており、不気味なマジンガーの挙動に益々コウジをマジンガーZに乗せ続けるか迷い始めていた………が、此処でマジンガーZとコウジを引き離せばマジンガー側が何を仕出かすか未知数であり、それが出来ずにいた。

 

「エイタ、レーダーに敵の反応は?」

 

「今の所反応は………待って下さい、敵の反応が出現!! 

 この反応は敵戦闘原潜とヴァルシオンを迎えに来た飛行要塞です!!」

 

「何だと!?」

 

「総員、第1種戦闘配置!! 

 機動部隊は直ちに出撃せよ!!!」

 

 だが、そんなハガネのレーダーにDCのキラーホエールやヴァルシオンが現れ、それを迎えに来たあの飛行要塞グールの反応がステルスジャミングを解除して現れ、ハガネ部隊の前に現れようとしていた!! 

 これにより直ちに機動部隊が全機出撃し、中にはリオの乗るゲシュペンストMk-IIタイプTTとアヤの乗るヒュッケバイン009がおり、戦力は万全のままDCを迎え撃とうとしていた!! 

 

「…来るぞ、皆!!」

 

 そうしてハガネ部隊の前にDC部隊が現れる………が、出撃したのは通常リオン3機と武装強化されているタイプの『リオン・タイプF』1機とバレリオン3機、更に指揮官機のガーリオン・カスタム………オレンジ色の物で当然エルザムやテンペストの物では無く、グールから出撃したのはタロス像2機とハガネ部隊を舐めてるのかと言わんばかりに数が少なかった。

 

「敵の数が少ない………何か罠があるのか?」

 

「ああ、あからさまっつうか、露骨と言うか………テンザンのやり口とも違う何かがあるな、こりゃ」

 

 その数の少なさにコウジがついボソリと口にすれば、丁寧にヘビクラが先日のテンザンのやり方とも違うとして全員が罠の可能性を考慮し始めていた! 

 一方、リオン・タイプFに乗る『リョウト・ヒカワ』曹長は上官のトーマスの命令に無茶苦茶と感じつつ表情を強張らせ、グールに乗る帝王ゴールはトーマス・プラットは「(バカか?)」と『リョウトにも伝えられていない作戦』に侮蔑と能力の疑問視を行いながら、Dr.ヘルから貸し与えられた量産型バードスの杖を翳してタロス像に指示を思念波と言葉で伝えてようとしていた。

 

「それでリョウト、作戦はもう理解したよな?」

 

「ト、トーマス隊長…本当に僕達だけであの艦を攻撃しなければならないんですか…!?」

 

「当たり前だ。

 ここまで来て情けねぇ事を言ってんじゃねぇ」

 

「す、すみません…」

 

「ったく、てめぇもアードラーのジジイに選ばれたパイロットなら…ちったぁあのテンザンを見習えってんだ」

 

「ぼ、僕はあの人の様には戦えません…」

 

 そんな戦闘開始直前にトーマスとリョウトがやり取り…と言うよりもトーマスの一方的なパワハラとも取れる無茶苦茶な命令がその場を流れ、それを聞いていた帝王ゴールは目を細めつつこんな小物にキレていては恐竜帝国の沽券に関わるので口出しはしていなかった。

 していなかったが、出撃させたタロス像に密かにリョウト機の援護をする様にと思念波で指示を与えていた

 

「やれやれ、てめぇはまだ戦争の何たるかを分かってねぇ様だな」

 

「え?」

 

「良いか、戦争ってのはな…自分の命がチップになってるスリリングなゲームなんだ。

 だから、てめぇが遊んでたバーニングPTの様に実際の戦闘も楽しめば良いんだよ」

 

「そ、そんな…!」

 

「それに、ゲームってのは今回みたいに多少分の悪い方が面白いもんなんだ。

 分かったか?」

 

「ぼ、僕には分かりません…!」

 

「(ケッ、気が弱い割にはハッキリ言いやがるぜ…)…リョウト、この世界を宇宙人共やスペースビーストの様なバケモンから守るにはお前の様な奴が必要なんだ。

 アイドネウス島の連中もそう言ってただろ?」

 

「………!」

 

 そうしてトーマスは飴と鞭を使い分ける様にアードラーの選んだ人間が喜びそうなゲームの話題と、エアロゲイターやスペースビーストの話を引き合いに出してリョウトを鼓舞させようとしていた。

 これを聞いていた帝王ゴールはリョウトはテンザンとは違う人種と見ただけでも理解していたので、前半の下りは必要無い無駄な物では? と考えていたが、後半の下りは恐竜帝国のみならず地球に住まう全人類…爬虫人類も含めた全ての『人間』が持つ課題と使命であり、ならばその話だけをリョウトにやって鼓舞させればもっと効率が良いとも考えていた。

 

「俺達は正義なんだ。

 そしてあいつ等は悪だ。

 遠慮無くブッ倒しちまいな」

 

「………………」

 

「(正義に悪か………我ながら歯の浮く様な台詞だぜ)」

 

「(本当に………これで良いのか………?)」

 

「(………この戦いはそんな単純な物では無いと、この男も矢張り理解しておらんか………屑めが)」

 

 そうして自分達DCこそが正義の味方だとトーマスは柄では無い台詞をリョウトにしたが、そのリョウト自身も疑問をずっと持ち続けていた。

 そして帝王ゴールはトーマス・プラットと言う男もまたテンザン・ナカジマ同様DCの理念も『人類』の課題と使命を理解していないと切り捨て、この男を戦争後に余り重用しない方が良いとビアンやDr.ヘル達に打診すると決めていた。

 

「リオ曹長、これがお前の初戦闘だ。

 危険だと感じたら直ぐにTC-OSをオートに切り替えてハガネへ帰艦しろ。

 お前も若いんだ、こんな所で無駄に命を散らすのは違うだろ?」

 

「は、はい! 

 了解ですヘビクラ中佐! 

 ですが、可能な限りは自力で頑張ります!」

 

「だとさイングラム、クレナイ、ツルギ、イルム。

 こりゃ俺達ベテランがお手本を見せてやらねぇと、だろ?」

 

「フッ、そうだな…各機へ、DC部隊への攻撃を開始せよ。

 なお飛行要塞とタロス像が居ると言う事は機械獣が現れる可能性がある、その場合はグルンガストとダブルマジンガーに任せ、我々はタロス像と敵AMに集中せよ」

 

『了解!!』

 

 一方のハガネ機動部隊はリオのサポートをしつつ、彼女が危なくならない様に立ち回りつつ彼女にも経験を積ませるとヘビクラ達は考え、そして機械獣の存在も匂わせながら戦闘態勢に入るのだった! 

 そうしてハガネ部隊とDC部隊の戦闘が始まる…が、トーマスのガーリオン・カスタムは傍観する様に待機していた! 

 これにはリョウトも流石に反抗の声を上げてしまう! 

 

「どうして隊長は戦わないんですか!? 

 僕達を見捨てる気ですか!?」

 

「バーカ、戦闘指揮官ってのはな、後方で指揮を執るのがセオリーなんだよ」

 

「しかし…!」

 

「俺に文句を言ってる暇があるんなら、敵のPTやマジンガーとやらを1機位撃墜して見せろ。

 ほら、あそこのPTは動きが素人臭くて、お前向きの相手だぜ?」

 

 それをトーマスはセオリーと称して抗議の声を黙殺し、代わりにリオのゲシュペンストMk-IIを狙う様に指示を出していた。

 そんな会話を聞いていた帝王ゴールはそれが将棋の『玉』、チェスの『キング』ならばそうだがトーマスは何方かと言えば『桂馬』や『ナイト』程度だ。

 なのでその持論はお門違いだと思いつつ、つい口出ししそうになった物を飲み込んでいた。

 …最も、帝王ゴールにも堪忍袋の緒があるのでトーマスやアードラーの『作戦』が終わった後は思う存分キレてやろうとは考えていた。

 

「(アードラーのセコい策が上手く行くとは思えねぇが…やるだけやってみるか)」

 

「わ、分かりました………やって見せます…!」

 

 そうしてリオン・タイプFがゲシュペンストMk-IIタイプTTに接近し、トーマスの命令を遂行する為に攻撃を始めた!! 

 

「私だってPTで戦えるのよ、油断しない事よ!!」

 

「ぼ、僕は、こんな所で死ぬ訳には行かないんだ!」

 

 かくして始まったリオ・メイロンの初戦闘はリョウトのリオン・タイプFのレールガンをゲシュペンストMk-IIタイプTTは回避し、対するゲシュペンストMk-IIタイプTTのスプリットミサイルによる反撃もアードラーが見込んだ『サンプル』と言うのもありリオン・タイプFは余裕で回避をしていた!! 

 そうして周囲のDC兵も『適度』に行動を開始し、これがこの部隊の戦闘力ですよと言うアピールを行っていた! 

 

「(………たく、あからさまな罠だってバレバレだっての。

 罠だって隠したいならもっと上手くやれや素人が)」

 

 だがそんなあからさま過ぎる偽装行動はヘビクラ………ジャグラーの目には全く通用せず、この先に何か罠があると捉え周囲の機体に目を配らせ………そして、『本気』で戦ってるリョウトのリオン・タイプFに何か仕込まれているなと看破していた!! 

 

「よし………イングラム、クレナイ、ツルギ、これはプライベート通信だ、良く聞け。

 敵の各行動から鑑みて今リオ曹長が相手しているリオンに何か仕込まれてる可能性が高い。

 もしも何かあれば叩き落とすぞ」

 

「根拠は?」

 

「勿論敵の行動さ。

 この中で本気で戦ってるのはあのリオン1機と、何故かあのリオンを援護するタロス像だけだ。

 そしてタロス像は無人機だから遠慮無くぶっ壊せるが、有人機のリオンは撃墜or戦闘不能が鉄則だろ? 

 で、整備士達がDCの小型テスラ・ドライブのサンプルがそろそろ欲しいとかボヤいてたろ? 

 ………なんか、出来過ぎてるだろ?」

 

「内通者の可能性は?」

 

「0、恐らくタイミングが被っただけだが………それでも何かあるぜ」

 

 そうしてヘビクラは機動部隊の中で指揮権があるイングラム、クレナイ、ツルギの3人にプライベート通信で自身が看破した罠を示唆し、これをタイミングが偶然被ってしまった為と話した。

 無論イングラムやクレナイ達は後でハガネ内の査察・監査部門に徹底調査させようと考えつつ、ヘビクラの話が確度が高いとしてリオン・タイプFを監視しつつ敵部隊と交戦していた! 

 

「母艦を放って置いてこの俺を狙って来るなんざ…見上げた根性だぜ。

 だがな、このトーマス・プラット様と渡り合うのは10年早い!」

 

「10年? 

 何言ってやがるんだよこの青二才。

 元教導隊のショウタ・ヘビクラ、『三日月の影法師』の名を知らねぇとは言わせねぇぞ?」

 

「って、テンペストの旦那と同じく元教導隊かよ!? 

 しかもショウタ・ヘビクラ!? 

 あの教導隊の中でもギリアム・イェーガーと並んで相手の策を徹底して見抜いた切れ者かよ!! 

 くそ、てめぇが居るんだったらもっと上手く『やる』べきだったぜ!!」

 

「へっ、俺の名を聞いた途端何か策があるとバラしやがった。

 だから青二才なんだよ、トーマス・プラット様よ?」

 

 ヘビクラが遂にトーマスと交戦するや否や、自身の名を相手に聞かせるとトーマスは策を見抜かれたと 感じ取り慌て始めていた! 

 だが、これこそがヘビクラの狙いであり、何か策がある事を確定させる必要経費だったのだ!! 

 トーマスはその言葉を聞き、舌打ちしながらチップの賭け時を間違えたのと迂闊に口を滑らせたと思いヘビクラ機にソニック・ブレイカーを放つ!! 

 が、それをゲシュペンストMk-IIヘビクラ機は回避した所をM13ショットガンを背部に当て、エンジンに損傷を与えブレイクフィールドの発生を封じつつ機体制御をテスラ・ドライブ主体に切り替えさせていた!! 

 

「クソが!! 

 アードラーのクソジジイのくだらねぇ命令さえなければてめぇ等なんぞには…!!」

 

「ハッ、やっぱこの程度か。

 でもって主犯はアードラー・コッホね、自白ありがとうございました」

 

 そうしてヘビクラはガーリオン・カスタムを撤退に追い込ませるとトーマスはアードラーを口汚く罵りながらヘビクラを見ていた!! 

 一方ヘビクラは歯牙にも掛けず残った飛行要塞グールとリオン・タイプFを監視しながら状況がどう推移するか見届けようとしていた! 

 その瞬間………リョウトの機体のエンジンがアードラーの仕込んだ時限式ワームウイルスで突如として停止した!! 

 

「なっ、何だ………エンジンストール!? 

 き、機体が…墜落する!!」

 

 そうしてリオン・タイプFは海面に墜落し、何とか浅瀬に落ちたので完全には沈まずリョウトはコックピットを開けて両手を挙げて降伏する姿勢を見せた。

 それ等を見届けた帝王ゴールはこんないけ好かない策であたら若き命が喪われる事がせめて無かった事が救いとしながら、ハガネ部隊の通信のやり取りから罠が看破されてると理解しつつ断腸の思いで指示を飛ばした。

 

「各機は撤退せよ!! 

 DCに捧げしその命を無駄に散らすな!! 

 ………許せとは言わん、リョウト・ヒカワ曹長。

 恨むならワシとアードラー・コッホ、そしてトーマス・プラットの青二才を恨め…」

 

【ビュォォォォンッ!!】

 

 そうして帝王ゴールの命令を受けたDC兵や残ったタロス像、リョウトと言う人材を『失った』無念さを周りの兵士達に滲ませつつ、アードラーとトーマスにはこのツケを払わせる時が必ず来させるとして怒りの表情のまま戦域から離脱したのだった! 

 

「さて、あのリオンには何か仕掛けられてるのが明白ですダイテツ艦長。

 如何致しましょうか?」

 

「…墜落した機体とパイロットを回収せよ。

 彼からDCの情報が聞き出せるかも知れん。

 だが機体の厳重なチェックは怠るな、何が仕掛けられているか分からん」

 

「了解しました。

 リオ曹長はパイロットを、コウジとツルギは慎重にリオンを回収しな。

 特にそのリオン、もしかしたらもしかするぞ?」

 

 そして、ダイテツ艦長に指示を仰ぎ許可を得たヘビクラ達はリョウトとリオン・タイプFを回収する。

 その際リオはゲシュペンストMk-IIのコックピットにリョウトを乗せると、彼は相手は自分と大して変わらない女の子だったのかと感じ、撃破しなくて良かった…そんなリョウト元来の優しさが滲み出た表情をしていた。

 一方リオはそんな事は露知らずキョトンとしながら自身の膝の上にリョウトを誘導し、ゆっくりと機体を揺らさない様にオート操縦且つ低速モードに切り替えるのだった。

 その間リョウトは一切合切の煩悩を抱かない様に努め、そして長かったのか短かったのかリオの膝上から解放されるのであった。




此処までの閲覧ありがとうございました。
トーマス(アードラー立案)の罠 、ヘビクラに看破されるの巻。
だって………ヘビクラはジャグラーなのでこの程度の事を見抜けない訳が無いでしょって結果です。
更にマジンガーZ、何やらアヤにも干渉してR-3の前線投入時期を早めようとしてますが………その真意はまだジュウゾウ博士すら測り損ねてます。
それ等の答えはいずれ………。
後、次回の投稿時期がまた少し空きますがその理由は活動報告に書きましたので確認したい方は活動報告へ。

次回もよろしくお願い致します!

追記:リオ周りの描写はヘビクラ達がハガネに乗ってた結果、叩き上げ+それ等の整合性を取る為に成長率アップとなってました。

ライダー側の敵(例えばハンドレットとか大ショッカーとか)をDC戦争後に出して良いですか?

  • チョーイイネ、サイコー!!
  • ダメです!!!
  • 理由ある登場なら…
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