スーパーロボット大戦OG 魔神伝   作:”蒼龍”

28 / 68
皆様おはようございます、大変お待たせしました、第17話後編を投稿致します。
いよいよヴァルシオンとの決戦…DC戦争がどんな結末を迎えるか見届けて下さいませ。
では、本編へどうぞ!


第17話『暁の決戦(後編)』

 グランゾンがハガネ機動部隊に倒された頃、要塞司令部外部でハガネを追い詰めるべくアードラーが指揮を取りAM部隊が取り囲み始めていた。

 が………ゲッタードラゴンはその指揮に従わず、ただひたすら要塞司令部の方を見つめていた。

 

『………………………』

 

【ピッ、ピッ、ピッ!】

 

「! 

 リョウマ、合図だ!!」

 

「来たか………よし………失敗は許さねぇ一発勝負だ、行くぞお前等!!」

 

『おう!!』

 

「ゲッターマッハウイング!!」

 

【ビュオオオオオオオオオオッ!!!!!!!!】

 

「なっ、ゲッターチーム、何故要塞司令部内部へ突入する!? 

 今直ぐ戻ってハガネを落とせ、これは副総帥命令じゃぞ!!」

 

 だが、コックピット内部に『根回し』の合図が来たとリョウマ達3人が理解した直後…何と、ゲッタードラゴンは戦闘を放棄し、マッハウイングを展開し要塞司令部内部へ突入してしまう!! 

 この行動には当然アードラーは理解出来ず、命令を何度も何度も通信で送り戻って来る様に叫んでいた。

 だが初代ゲッターチームはアードラーの命令など聞く義理も存在せずそのまま要塞内部を高速飛行する!! 

 全てはシュウ・シラカワから発せられ、サオトメ博士やDr.ヘル、帝王ゴールがそれぞれ動き整えていた『根回し』を成功させる為に!! 

 

「…頼んだぞ、ゲッターチーム…!!」

 

 そして、『根回し』を知るエルザムはクロガネの指揮をしつつゲッターチームの行動が成功する事を…リョウマ達3人の腕に己の全てを託すのであった。

 果たしてシュウ・シラカワの行った『根回し』とは………その答えは、直ぐ其処に迫るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「さあ来い、ハガネ部隊よ!! 

 貴様達が討つべき敵は此処に居るぞ!!」

 

「ちっ、余裕をぶっこきやがって!! 

 だったらその余裕を消してやらぁ!!」

 

「行くわよ、ジャーダ!!」

 

【ズダダダダダダダダダダダ!!!!!!! 

 キィィィィィィィン!!!!!】

 

 ヴァルシオンのリミッターを解除した直後、ビアンはハガネ機動部隊を挑発し攻撃をして来る様に促していた! 

 当然ジャーダとガーネットはビアンとヴァルシオンを打倒すべく、ゲシュペンストMk-IIの携帯兵装を放つ…が、リミッター解除に伴い歪曲フィールドの効力が強まったのか、先程よりも攻撃が通じぬ様になってしまっていた!! 

 

「おいおい、そりゃアリかよ!?」

 

「この程度の事で狼狽えているのであらば、私とヴァルシオンを倒す事は叶わん!! 

 大人しく此処で散れ、ハガネ部隊!!」

 

「ならば各機へ、歪曲フィールドが強まったなら自機が持ってる高火力兵装を一点に集中しろ! 

 如何に強力なフィールドでも破れねえ訳が無いんだ、此処まで来た俺達全員の力を振り絞りつつヴァルシオンにぶつけてやれ!!」

 

 だが、そのヴァルシオンに臆する事無くヘビクラは自身が駆るゲシュペンストMk-IIのジェット・マグナムをヴァルシオンに叩き込もうとしつつ指示を飛ばしていた! 

 無論ジェット・マグナムも歪曲フィールドを破れず阻まれていた………が、其処にビルトシュバインのサークル・ザンバーが追加で入り、歪曲フィールドに更に負荷を掛けていた!! 

 

「ツイン・ビームカノン、シューッ!!」

 

「…そこ…!」

 

 その別方向からシュッツバルトのツイン・ビームカノン、ビルトラプターのハイパー・ビームライフルが歪曲フィールドの1点箇所に集中しながら放たれ、更に歪曲フィールドに負荷が掛けられた!! 

 その瞬間………先に歪曲フィールドに阻まれていたジェット・マグナム、サークル・ザンバーが歪曲フィールドを破り、ヴァルシオン本体へとヒットし僅かにだが損傷を与える事に成功していた!! 

 これにより、ヘビクラが唱えたゴリ押しの指示は正しいと証明され他のハガネ機動部隊員達もそれに続き始めた!! 

 

「フフフ………私の想像通りだったとするなら、君とはゆっくりと語り合いたかったぞ、ショウタ・ヘビクラ中佐」

 

「…そりゃどうも」

 

 そんなヘビクラの正体………彼こそが恐らく地球人類に警告を発した異星人………ジャグラスジャグラーだと言う答えに行き着いたビアンはもっと語らいたかったと本音を漏らすと、ヘビクラは淡々と返事を返すだけだった。

 最早敵同士で最終決戦、そんな願いは叶う事が無いのだから。

 

「各機へ、先程我々がやって見せた様に攻撃すればヴァルシオンに損傷を与えられる! 

 全ての力を出し切り、この戦争を終わらせるのだ!」

 

「了解です、イングラム少佐! 

 喰らいなさい、リープ・スラッシャー!!」

 

「T-LINKリッパー、発射!!」

 

「ビアン総帥、覚悟して下さい!!」

 

 其処にイングラムの通信が各機に入り、全員で全力を尽くせばヴァルシオンを破壊出来る可能性がある事を示し、その指示を出す! 

 それに応えたアヤ、リオ、リョウトはそれぞれの遠距離兵装で歪曲フィールドに負荷を掛け、後はそれを破る役目を持つ者が攻撃する順番になる! 

 

「喰らえ、計都羅睺剣!!」

 

「行くぜガーネット!!」

 

「ええ、これでも受けなさい!!」

 

 そしてグルンガスト、ジャーダとガーネットのゲシュペンストMk-IIがそれぞれ続き、歪曲フィールドを貫通しながらヴァルシオンに更に損傷を与える!! 

 行ける…!! 

 そう考えたハガネ機動部隊であったが、当然ビアンは黙って攻撃を受け続ける訳が無かった!! 

 

「笑止!! 

 この程度で私とヴァルシオンを倒せると思うな!! 

 受けよ、クロスマッシャー!!」

 

「ちっ、ダブルサンダーブレェェェェェクッ!!!!!」

 

【ギュォォォォォォッ、ズガァァァァァァァァァッ!!!!!!!!】

 

 ヴァルシオンの左腕からクロスマッシャーが放たれ、それをグレートマジンガーがダブルサンダーブレークで応戦し両者の高威力武装が激突する! 

 何時ぞやの戦いの時と同じ事であるが…決定的な違いが2つある。

 1つはグレートマジンガーはその時よりリミッター解除してもオーバーヒートにならない様に光子力エンジンも超合金Zの剛性もアップデートされている、それに伴い光子力を用いた武装の威力も上昇している事。

 もう1つは………ヴァルシオンはリミッターを解除し、メガ・グラビトンウェーブを放てる様になっている事。

 この2つの違いにより………先の戦い以上の大爆発が発生すると予測した近場に居た機体は、急速離脱を図っていた!! 

 

【ズドォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!!!!】

 

 そしてその予想は当たり、巨大な爆発が発生し要塞中枢部を大きく揺らした!! 

 その爆発が晴れると、グレートマジンガーとヴァルシオンは既にマジンガーブレードとディバイン・アームの鍔迫り合いをしており、且つオーバーヒートも目立った損傷も存在していなかった!! 

 

「フフフ…流石はジュウゾウとケンゾウ博士だな。

 この僅かな時の間にグレートマジンガーをヴァルシオンに対応出来る様にしたか」

 

「元々光子力エンジンの出力も超合金Zの剛性アップもマジンガーの躯体が完成した段階から行っていた! 

 あの段階でのヴァルシオン襲撃が想定外だっただけで、アイドネウス島到達までに此処までの性能に仕上げる事は予定通りだったのさ、ビアン!」

 

 

「だが、それでも我がヴァルシオンは負けん!! 

 DCをその程度で打倒出来はせんのだ!!」

 

「いや、DCは今日此処で打倒する!! 

 ビアン、俺達がお前を倒す事によってな!!」

 

【ガンギンギンキンガンキンキンキンガンガン!!!!】

 

 更に其処からグレートマジンガーとヴァルシオンは剣戟を何度も何度も交え、PT…特に量産型ゲシュペンストMk-IIが迂闊に近付けば巻き添えでスクラップが確定する程の力強く、そして鋭い剣戟だった!! 

 

「なんて斬撃の嵐だ…これじゃ俺やガーネット達の機体じゃ迂闊に近付けねぇぞ!」

 

「ならば俺が割って入るぜ、グルンガストの装甲ならアレに耐えられるからな!」

 

「待ちなイルム中尉、俺とサイバスターもヴァルシオンの攻撃に加わるぜ?」

 

「当然、俺とマジンガーZも混ざるからな!」

 

「………R-1があの剣戟に巻き込まれたら一巻の終わりだって分かってる、けど何もせずにはいられねぇよ!」

 

 そんな中、マジンガーZとサイバスター、グルンガストとR-1がヴァルシオンとグレートマジンガーの戦いに割って入るべく行動を開始する!! 

 そうして先ずグルンガスト、マジンガーZが接触すると計都羅喉剣、アイアンカッターでディバイン・アームを受け止めグレートマジンガーに攻撃をさせる隙を生ませた! 

 それによりマジンガーブレードがヴァルシオンに振られる………が、矢張り歪曲フィールドが邪魔をして直撃を一切許さず、マジンガーブレードを受け止めてしまう! 

 

「その隙は逃さねぇ!! 

 T-LINKナッコォ!!!!!」

 

「ディスカッター、霞斬り!!」

 

【ドガァッ、ザァンッ!!!】

 

「ぬっ…!」

 

 しかし、グレートマジンガーの攻撃を受け止めてる隙にR-1とサイバスターの連携攻撃が炸裂し、歪曲フィールドを念動フィールドで砕きながらその拳とディスカッターがヴァルシオンに直撃、更にマジンガーブレードもそれに合わせて直撃しヴァルシオンに明確な隙を生む!! 

 其処にマジンガーZ、グルンガストがヴァルシオンを殴り付けながら腕部のジェットを吹かせていた!! 

 

「喰らえ!!! 

 ロケットパァァァァァンチッ!!!!」

 

「ブーストナックル!!!!」

 

「うおっ!?」

 

 その瞬間、ヴァルシオンはロケットパンチとブーストナックルの推進力で壁に叩き付けられ、コックピット内のビアンは大きく揺らされながらも視線をハガネ機動部隊から外さずに見つめていた!! 

 

「よし、このまま畳み掛けて」

 

「させんぞ、今こそ受けろ………メガ・グラビトンウェーブ!!!!!!」

 

【ギュォォォォォォォォォォッ!!!!!!!】

 

『うわっ!!!!!?』

 

 ハガネ機動部隊の活躍で最終武装の解禁まで追い詰められたヴァルシオンは遂にメガ・グラビトンウェーブを使用し、ハガネ機動部隊全機は指向性重力波に捕らえられてしまう!! 

 そしてハガネ機動部隊全機は余りにも重い超重力により機体が圧壊し始め、マジンガーZとグレートマジンガーの超合金Zすらもブラックホールクラスターが直撃したかの如き損傷を見せ始め、間接部も含めて圧壊され始めてしまう!! 

 

「ぐ、くそっ、此処まで来て………!!」

 

「さぁハガネ機動部隊よ、我が理想の実現の為に此処で死んで貰うぞ!!」

 

【ギュォォォォォォォォォォォォッ!!!!!!!】

 

「うぐあああっ!!!!」

 

 更にビアンの非情なる宣告と共にヴァルシオンの放つ重力波は更に強まり、遂にマジンガーZの脚部、右腕部、ジェットスクランダーが破損してしまう!! 

 当然ながらマジンガーZが損傷する程の重力波に並のPTが耐えられる筈も無く、既に中破状態になりつつも更に損傷が広がり爆散まで時間の問題となっていた!! 

 そしてマジンガーZに続きグレートマジンガーもマジンガーブレードが砕け、脚部と左腕部、スクランブルダッシュまで破損して中破状態まで追い込まれてしまっていた!! 

 

「ぐうぅっ、何とか、重力波から逃れねぇと…!!」

 

「む、無理だ…念動フィールドでも…相殺しきれねぇ………!!」

 

 サイバスター、R-1も何とか動こうとするも何方も重力波を防ぎ切れず、R-1は念動フィールドで何とか耐えているが最早他PTと同じく爆散まで時間の問題だった!! 

 グルンガストも動けず、ハガネ機動部隊は完全に詰みに陥るのだった!! 

 

「ぐ、クソ、こんな所で………!!!!」

 

 コウジはキャノピーの操縦桿を握りながら、南極事件以来の無力感に苛まれながらヴァルシオンを睨み付けていた!! 

 が、幾ら睨もうが最早此処まで………そんな現実が目の前に存在していた。

 そして、その光景を見つめながらビアンは非情に、冷徹に、徹底的にハガネ機動部隊を全滅させるべく行動する!! 

 

「ハガネ機動部隊よ、此処まで戦い抜いた事に敬意を評し………これ以上苦しむ事無く死なせてやろう!!」

 

「ち、ちくしょう、俺は………俺達は………負けられない………!!」

 

 そんな中でもコウジは未だ諦めず操縦桿を強く握り締め、闘志の光をその瞳に宿したままヴァルシオンを睨み付ける!! 

 マジンガーZもコウジの操縦に応えて何とか左腕で立とうとし…しかし、重力波から逃れられずにいた!! 

 だがコウジは、此処まで来た理由………これ以上DCによって誰かが傷付く事を良しとせず、仲間達と共に誓った平和への意志を思い出しながら操縦桿を更に強く握り締めた! 

 此処で負ければハガネに居る祖父や父、ダイテツ艦長達やクスハ達まで死ぬ、更に多くの連邦軍兵士達が死ぬ、それを許す訳には行かない………許せない………その正義の意志に応える様に、マジンガーZの双眸も輝き始め………。

 

「俺達は………負けられないんだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!! 

 うおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!!!」

 

【ギンッ、グォォォォォォォォォォォン!!!!!!!】

 

「むっ!?」

 

「なっ、マジンガーZが…!!?」

 

「…コウジ…!!」

 

 そしてコウジの咆哮と共にマジンガーZも吼える様に駆動音を鳴り響かせると、マジンガーZの額から正中線に掛けて幾つかの箇所がその双眸と共に輝いた!! 

 その瞬間、マジンガーZの損傷箇所は全て『再生』し、重力波を『吸収』し、その性能をヴァルシオンに勝てるまで『強化』され………更に、コウジの脳裏に『幾つもの未来』が過ぎり、マジンガーZの右腕部が強化プランにあった『強化型ロケットパンチ』に『変貌』していた!! 

 その光景にリュウセイ達SRXチームやヘビクラ達は南極事件の時にマジンガーZが見せた謎の力が発動したと悟り、ツルギもジュウゾウ達より聞かされていた魔神パワーが開放されているのだと確信する!! 

 

「な、何だと、マジンガーZのパワーが増しただと!? 

 ………これが、シュウが私に話した『魔神パワー』なる物かッ!!!!」

 

 その光景をビアンは、シュウが語ったマジンガーZに搭載された魔神パワーなる危険な力が解放されたのだと察すると、マジンガーZを睨み付けていた!! 

 そうして重力波から解放されたマジンガーZはコウジの操縦を受け入れながら動き出し、ヴァルシオンに向けて走り始めていた!! 

 

「喰らいやがれビアンッ!! 

 強化型ァァァ、ロケットォ…パァァァァァァァァァァァァァァァンチッ!!!!!!!!」

 

【ブォォォォォォッ!!!!!!】

 

 更にその走行の勢いを乗せながらマジンガーZは強化型ロケットパンチを発射し、それは真っ直ぐヴァルシオンに向かっていた!! 

 そしてこの攻撃は『届く』と、コウジは脳裏に過ぎる未来の1つから確信しながら強化型ロケットパンチを放っていた!! 

 

「回避は間に合わん…歪曲フィールドで…」

 

【バギィィィン、ドガァァァァァァァァッ!!!!!!!】

 

「ぬおおおおおおっ!!!? 

 わ、歪曲フィールドがアッサリと破られる………だとぉ………!?」

 

 そしてコウジの『見えた未来通り』に強化型ロケットパンチはヴァルシオンに直撃し、ヴァルシオンの右腕部を完全に破壊していた!! 

 それによりヴァルシオンはディバイン・アームを失い、近接戦闘能力を喪ったのである!! 

 

「まだだ、喰らえ!!!! 

 光子力………ビィィィィィィィィィィィィィィィィムッ!!!!!!!」

 

「ぐっ、まだ私は負けてはおらん!! 

 クロスマッシャー!!!!!!」

 

【キンッ、ビィィィィィィィィィィィィ!!!!!!! 

 ギュルルォォォォォォッ!!!!!! 

 ギュォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!!!」

 

 

 更にマジンガーZはコウジの操作により魔神パワーが発動した状態でフルパワー光子力ビームを放ち、対するヴァルシオンもクロスマッシャーをフルパワーで放っていた!! 

 そして2つのエネルギー波は衝突し、強烈なエネルギー同士の激突で要塞中枢部の床が破壊され始めていた!! 

 だがコウジは既に理解している、マジンガーZの今のパワーならば………南極事件の際にグランゾンに見せた時以上の力を発揮しているマジンガーZならば、ヴァルシオンにも負けないと!!! 

 

「うおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!!!! 

 ブチ抜けぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!」

 

【ビィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!!!!!!!】

 

「ぬ、ぬおおおおおおおおおっ!!!!!?」

 

 そしてクロスマッシャーを貫きながらフルパワー光子力ビームは真っ直ぐヴァルシオンへと向かい、ビアンは慌てて回避するがヴァルシオンの左腕部は光子力ビームに巻き込まれて完全に破壊され、クロスマッシャーすらも喪ってしまった!! 

 更に歪曲フィールド発生装置も今の光子力ビームのダメージにより破損し、最早ヴァルシオンを守る壁は存在していなかった!! 

 そしてコウジは再び脳裏に過ぎる未来の中から1つ………確実にヴァルシオンを仕留められる選択を取り、マジンガーZの視線をサイバスターとR-1に向けていた!! 

 

「リュウセイ、マサキ、今だぁっ!!!!」

 

「っ………リュウセイ、コウジとマジンガーZが作ったこのチャンス、貰うぞ!!」

 

「あ、ああ!! 

 これで止めだ………ビアンッ!!!!」

 

 その瞬間、中破状態ながらも、まだ動けるR-1とサイバスターがヴァルシオンに止めを刺すべく行動し、R-1は破損していない左腕部に念動フィールドを集中し、サイバスターは魔法陣を形成し火の鳥を呼び出し、サイバードに変形しそれを纏う!! 

 そして………アカシックバスターを放つサイバスターの上にR-1が乗り、T-LINKナックルを構えていた!!!! 

 

『喰らえ、『アカシックブレイカァァァァァァァァァ』!!!!!!!!!!』

 

「ぬ、うおおおおおおおおっ!!!!!!」

 

【ズガァァァァァァッ!!!!!!!】

 

 リュウセイとマサキは即興の合体攻撃であるアカシックブレイカーをヴァルシオンへと当てて、それまでの機動部隊やマジンガーZが与えたダメージを加味して遂に致命打を与える事に成功する!! 

 それによりヴァルシオンは関節部からも煙が噴き、機体全体に電流が漏れてる証が見られていた!! 

 この場に居たリュウセイやマサキ達は首を取ったと確信し、コウジも………未だ脳裏を過ぎる未来からもうビアンの運命は此処で途絶えると感じ取り、静かにヴァルシオンを見つめていた。

 

「フ、フフフ…よくぞ、此処まで成長した…これならば、大丈夫だろう…」

 

『な、何!?』

 

 だが、そんな中でビアンは何故か安堵した言葉を発しており、マサキやリュウセイはその言葉に驚愕していた! 

 しかし………エルザムから誘われていた元教導隊組は、その言葉の真意を知っており、目を閉じていた。

 

「年寄りの出番は此処までの様だ…未来はお前達の様な若者が作って行く…」

 

「未来だと!? 

 て、てめぇは一体…!?」

 

「だ、だが…これだけは忘れるな…やがて来る脅威に立ち向かうのはお前達の若い力だ…。

 平和を求めるのは良い…だが、それに溺れては…ならん。

 守るべきものがあるなら、それを守るだけの勇気と力を持ち続けるのだ…」

 

 しかしビアンは、これからの未来はリュウセイやマサキ達の様な若者が作って行くのだと、平和を求めても溺れるなと諭す様に語り、ハガネ機動部隊の面々を困惑させていた。

 更にビアンはヴァルシオンの顔を動かし、マジンガーZを見つめていた。

 

「そ、そして…コウジ・カブトよ…」

 

「………」

 

「その鉄の城、マジンガーZ…その魔神に秘められし力。

 それに頼り切っては…ならん…。

 この世界を、己の大切な物を守りたいならば…決して、魔神パワーに溺れては…ならん………」

 

「魔神、パワー…それがマジンガーZの力…」

 

「ぐ、げふっ…ど、どうやら…此処までか」

 

 そしてビアンはマジンガーZの魔神パワーに対する簡単な警告をコウジに話した直後に、ヴァルシオンが攻撃を受けて大きく揺れて身体を打ち付けた事や、コックピット付近に最後の攻撃が当たった事で起きた爆発で飛び散った破片が身体に刺さった事、それ等により吐血し自らの最期を悟っていた。

 

「ビアン!!」

 

「…『リューネ』よ…我が娘よ…。

 お前の姿を見れぬのは心残りだ…」

 

「リューネ? 

 娘…!?」

 

「フ、フフフ…先に逝くのは…親の宿命…」

 

 そして、最後の最後でビアンは娘の『リューネ・ゾルダーク』の顔を見れない事が心残りと語りながらも、親が子より先に死ぬのは定めとして受け入れるのだった………。

 コウジの脳裏に過ぎる未来ではこの直後、ヴァルシオンは大爆発を起こす事が見えており、それはもう覆らないだろうと考えていた………。

 しかしマジンガーZの魔神パワーはまだ全て開いていない、よって例え第4のパワーたる高次予測でその光景が見えようとも、別の因子があればその未来は変わる。

 そして、その因子が既に要塞中枢部に近付いていた!! 

 

『うおおおおおおおおおお!!!!!!』

 

「っ、この声は………初代ゲッターチーム!!?」

 

 その瞬間、要塞中枢部を震わす声が響き渡る!! 

 要塞中枢部を震撼させるその(ボイス)は正しく、リョウマ・ナガレ達3人の初代ゲッターチームの物だった!! 

 そして同時にゲッタードラゴンが要塞中枢部に侵入し、高速飛行でハガネ機動部隊とヴァルシオンに接近していた!! 

 

「くっ、此処でゲッタードラゴンだと!? 

 拙いぞ、もう現状戦えるのはマジンガーZ1機だけだぞ…!?」

 

「リョウマ、チャンスは1度切りだ!!」

 

「一意専心、必ずこの1回で成功させろ!!」

 

「分かってらぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

 

 そして、ゲッタードラゴンはマッハウイングの機動力でハガネ機動部隊とヴァルシオンの間に急接近し………その拳を突き出していた………ヴァルシオンのコックピットに!! 

 

『なっ…!!?』

 

【ズドォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!!】

 

 その直後ヴァルシオンは大爆発を起こし、ゲッタードラゴンはそのまま爆発から逃れて要塞中枢部を去って行く!! 

 そして、その光景はリュウセイ達には初代ゲッターチームがビアンに止めを刺し、彼等が殺した様にしか映らなかったのであった………!! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方その頃、ハガネは既に戦闘力を失い、敵AMに囲まれ絶体絶命の状況に陥っていた!! 

 オノデラも、ジュウゾウ達も最早これまでか………そんな事を考えていた直後、要塞内部から爆発が発生したのだった!! 

 

「! 

 今の爆発は…もしや、ヴァルシオンの…」

 

「ば、馬鹿な…! 

 総帥が…ヴァルシオンが倒されたと言うのか!?」

 

「………………………………」

 

 その光景にアードラーは信じられない物を見たとして驚愕し、対するエルザムは『試練の時』が終わりを迎えたと悟りながら初代ゲッターチームが上手くやったのか否かを戦死したDC兵達を想いながら要塞を見つめるのであった。

 そして要塞内部からゲッタードラゴンが現れると、首を『縦に振りながら』直ぐ様クロガネの横に飛行するのであった! 

 

「…そ、総帥が死んでも、ワシが生き残っておればDCは滅びん! 

 皆の者、ワシを守れ! 

 ワシを守るのじゃ!!」

 

「全機に告ぐ。

 現時刻を以て作戦終了…直ちにアイドネウス島より撤退せよ」

 

「な、何じゃと!? 

 貴様、アイドネウス島を放棄するつもりか!?」

 

「我々は総帥と言う指導者を失ったのです。

 その場合、どの様な行動を取るべきか…貴方はお分かりか?」

 

「じょ、冗談ではない! 

 ワシは諦めん! 

 諦めんぞ!」

 

「ならば、もう話す事は無い」

 

 そして、ビアン総帥を失ったDCでアードラーの命令とエルザムの命令が入り乱れ、一般DC兵が困惑する中でアードラーを見限ったエルザムはクロガネを転身させ、アイドネウス島より撤退を開始していた! 

 それに続くDC兵も居り、更にゲッタードラゴンもクロガネに続くのであった! 

 

「う…うぬっ! 

 ほ、本艦も撤退じゃ! 

 撤退しろ!」

 

 そしてアードラーのストーク級もクロガネとは別方向へと撤退し、DCは完全にアイドネウス島を放棄して敗残兵として戦場を去るのであった! 

 その光景にオノデラやエイタは困惑しつつも、ダイテツは戦況確認を行い始めていた。

 

「…我が方の機動部隊の状況は?」

 

「健在です! 

 また、ヴァルシオンの撃破に成功したと言う報告と………ゲッタードラゴンがヴァルシオンのコックピット部に攻撃し、止めを刺したとの報告が…」

 

「何っ、どう言う事だ!?」

 

 しかし、その中でゲッタードラゴンが止めを刺したと言うあり得ない報告が入り、オノデラも何があったと困惑するしか出来ずにいた。

 しかし、ダイテツは初代ゲッターチームの想定外の行動と、DCの敗北により新たな使命が課せられた事を予期しながら機動部隊の帰還を待つのであった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───クロガネ・医務室───

 

 

 

 

 

 DC敗走から時間がある程度経過した頃、クロガネの医務室のベッドに横たわる人物が居た。

 それは………ビアン・ゾルダーク総帥その人である。

 彼は瀕死の重傷を負い、命が果てる寸前であったが医学にも明るいDr.ヘルがクロガネの設備を使いその命を繋ぎ止めたのである。

 そして、ビアンはゆっくりと目を開き始めていた。

 

「………うっ、此処………は………」

 

「気が付いたか、ビアンよ?」

 

「………ヘル………サオトメ………何故、私は………」

 

「シラカワ博士の要請でな…それに、ワシ等としても貴様を死なせる訳には行かなくなった。

 ただそれだけの事よ。

 故にワシはリョウマ達に何としても貴様の身を生きて回収せよと命じたのだ…手段を問わず、な」

 

 目を覚ましたビアンにDr.ヘルとサオトメ博士は種明かしを行いつつ、自身等もビアンに死んで貰っては困る事を話しつつ弱々しいビアンを見つめていた。

 するとビアンは死に損なったとして………これまで戦死したDC兵や恐らく宇宙で死んだマイヤー達に申し訳無く思いながら静かに涙を流すのであった。

 

「…今は死んで行った同志達の為に泣け、ビアンよ。

 だが、その後はワシ等に協力して貰うぞ………1度は失う筈の命、未来の為に使うのだ………」

 

 無論Dr.ヘルもサオトメ博士もその涙を無理に止める事はせず、ビアンに気が済むまで泣かせるのであった。

 更に本来ならアイドネウス島で失われる彼の未来、命を今後の異星人やスペースビーストの脅威への対策、『終焉の魔神』覚醒の阻止の為に使う気でいた。

 無論、ビアンの事後了承をさせつつ………。

 そして………ビアンは、それから10時間以上、涙が枯れ果てる寸前まで泣き続けるのであった………。




此処までの閲覧ありがとうございました!
シュウの根回しの流れの解説として、先ず『終焉の魔神』や魔神パワーを知る→『終焉の魔神』対策の同志を集める→途中でビアン博士が差異次元の記憶通りに死ぬと『終焉の魔神』覚醒阻止の確率が低くなる事を察知(DGG関連で)→スペースビーストの殲滅も図る為には地球の機動兵器のレベルを差異次元の物よりも上げる必要あり→ならビアン博士は死なせちゃ拙い→Dr.ヘルやサオトメ博士と初代ゲッターチームに最終決戦時にビアン博士救出を依頼、エルザムにビアン博士生存を一定時期まで漏らさない様にする→無事救出成功←今ココ
となってます。
つまり、ビアン博士が居ると居ないではPT、AM、特機の性能が段違いなのでシュウはビアン博士は生きてた方が良いと判断して根回しをしたのです。
Dr.ヘルも『終焉の魔神』覚醒阻止、覚醒してもOG世界のより強くなった『可能性の光』の集合で打倒するを目指すならと、サオトメ博士としても真ゲッター等の開発スピードを上げるならビアン博士が居た方が良いと即座に計算してシュウの根回しに乗りました。
そしてビアン博士が生存したこの世界、どんな風になるのかお楽しみ下さいませ。

閑話休題


閲覧して下さる皆様、アンケートご協力ありがとうございます。
アンケートは予告通りDC戦争終結まで…即ちヴァルシオン打倒までとさせて貰いますので、この回投稿から2日で閉じさせて頂きます。
重ね重ねになりますが、アンケートご協力ありがとうございました!

次回もよろしくお願い致します!

ライダー側の敵(例えばハンドレットとか大ショッカーとか)をDC戦争後に出して良いですか?

  • チョーイイネ、サイコー!!
  • ダメです!!!
  • 理由ある登場なら…
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。